<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?><rss version="2.0"
	xmlns:content="http://purl.org/rss/1.0/modules/content/"
	xmlns:wfw="http://wellformedweb.org/CommentAPI/"
	xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/"
	xmlns:atom="http://www.w3.org/2005/Atom"
	xmlns:sy="http://purl.org/rss/1.0/modules/syndication/"
	xmlns:slash="http://purl.org/rss/1.0/modules/slash/"
	>

<channel>
	<title>メディアリテラシー - Think都城</title>
	<atom:link href="https://think-miyakonojo.jp/article/tag/%E3%83%A1%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%83%86%E3%83%A9%E3%82%B7%E3%83%BC/feed/" rel="self" type="application/rss+xml" />
	<link>https://think-miyakonojo.jp</link>
	<description>深く多面的に、考える。</description>
	<lastBuildDate>Tue, 21 Apr 2026 05:20:24 +0000</lastBuildDate>
	<language>ja</language>
	<sy:updatePeriod>
	hourly	</sy:updatePeriod>
	<sy:updateFrequency>
	1	</sy:updateFrequency>
	<generator>https://wordpress.org/?v=7.0</generator>

<image>
	<url>https://think-miyakonojo.jp/images/2023/10/cropped-tm_fav_528-32x32.png</url>
	<title>メディアリテラシー - Think都城</title>
	<link>https://think-miyakonojo.jp</link>
	<width>32</width>
	<height>32</height>
</image> 
	<item>
		<title>デジタル民主主義の光と影 JICA「ホームタウン」撤回の示唆</title>
		<link>https://think-miyakonojo.jp/article/12804/?utm_source=rss&#038;utm_medium=rss&#038;utm_campaign=%25e3%2583%2587%25e3%2582%25b8%25e3%2582%25bf%25e3%2583%25ab%25e6%25b0%2591%25e4%25b8%25bb%25e4%25b8%25bb%25e7%25be%25a9%25e3%2581%25ae%25e5%2585%2589%25e3%2581%25a8%25e5%25bd%25b1-jica-%25e3%2580%258c%25e3%2583%259b%25e3%2583%25bc%25e3%2583%25a0%25e3%2582%25bf%25e3%2582%25a6%25e3%2583%25b3%25e3%2580%258d%25e6%2592%25a4</link>
					<comments>https://think-miyakonojo.jp/article/12804/#respond</comments>
		
		<dc:creator><![CDATA[Think都城]]></dc:creator>
		<pubDate>Tue, 23 Dec 2025 03:00:16 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[メディアリテラシー]]></category>
		<category><![CDATA[JICA]]></category>
		<category><![CDATA[クリティカルシンキング]]></category>
		<category><![CDATA[誤報]]></category>
		<category><![CDATA[誤情報]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://think-miyakonojo.jp/?p=12804</guid>

					<description><![CDATA[<ul>
<li>SNSを活用する市民の声が政治や行政を動かす時代は民主主義の理想。</li>
<li>だが不十分な情報や誤解の上に築かれる世論は不安と疲弊をもたらす。</li>
<li>「JICAアフリカ・ホームタウン構想」の撤回が投げかけたものとは。</li>
</ul>
The post <a href="https://think-miyakonojo.jp/article/12804/">デジタル民主主義の光と影 <span>JICA「ホームタウン」撤回の示唆</span></a> first appeared on <a href="https://think-miyakonojo.jp">Think都城</a>.]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<div class="su-spoiler su-spoiler-style-fancy su-spoiler-icon-plus su-spoiler-closed" data-scroll-offset="0" data-anchor-in-url="no"><div class="su-spoiler-title" tabindex="0" role="button"><span class="su-spoiler-icon"></span>テーマ［ メディアリテラシー ］の記事一覧</div><div class="su-spoiler-content su-u-clearfix su-u-trim"><ul class="lcp_catlist" id="lcp_instance_0"><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/12/" target="_blank">メディアリテラシーが必要なワケ［前編］　<span>AIフェイク画像と謎の地下室の示唆</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/1399/" target="_blank">メディアリテラシーが必要なワケ［後編］　<span>インターネットや技術革新の功罪</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2115/" target="_blank">「クリティカルシンキング」の本質　<span>誤情報に惑わされないための初歩</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2189/" target="_blank">実践！ ニセ・誤情報に克つ［前編］　<span>5つの「キー・クエスチョン」で考える</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2262/" target="_blank">実践！ ニセ・誤情報に克つ［後編］　<span>デジタル時代に即した新手法「SIFT」</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/5233/" target="_blank">学校に浸透するメディアリテラシー教育　<span>NHKの奮闘、先行する欧米</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/6613/" target="_blank">デマを“現実”にするSNS時代　<span>昭和と令和の「取り付け騒ぎ」に学ぶ</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/8245/" target="_blank">複雑化する「ステマ」広告 <span>ステマ規制開始でも安心できない消費者</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/9193/" target="_blank">能登半島地震に見るSNSの弊害 <span>そこにある情報がすべてではない</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/10615/" target="_blank">「ディープフェイク」の脅威と備え <span>生成AI全盛時代の新たなリスク</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/11111/" target="_blank">「闇バイト」の怖さと対策 <span>【特別編】SNSに潜む新たなリスク①</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/11374/" target="_blank">「SNS型投資・ロマンス詐欺」の脅威 <span>【特別編】SNSに潜む新たなリスク②</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/11432/" target="_blank">「誹謗中傷」に立ち向かう「情プラ法」 <span>【特別編】SNSに潜む新たなリスク③</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/11875/" target="_blank">「7月5日に日本で大災害」の誤解 <span> “デマ”に惑わされる子どもに注意</span></a></li><li class="current"><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/12804/" target="_blank">デジタル民主主義の光と影 <span>JICA「ホームタウン」撤回の示唆</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/13251/" target="_blank">デマ拡散に立ち向かう「対話型広報」 <span>“誤情報”時代の「信頼」設計(1)</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/13317/" target="_blank">「デジタル民主主義」バルセロナの挑戦 <span>“誤情報”時代の「信頼」設計(2)</span></a></li></ul></div></div>
<h2>「JICAアフリカ・ホームタウン構想」へ反旗</h2>
<p>「先人たちが守ってきた日本を、売り渡さないでくれー！」「そうだー！」「それができないなら、JICAを解体しろー！」「解体！解体！解体！」……。</p>
<blockquote class="twitter-tweet" data-media-max-width="560">
<p lang="ja" dir="ltr">JICA本部（東京都千代田区）前で抗議デモ「アフリカホームタウン認定撤回を」「国民はアフリカへの融資望まず」<a href="https://t.co/LGSQmbZlLR">https://t.co/LGSQmbZlLR</a></p>

— もえるあじあ ･∀･ (@moeruasia01) <a href="https://twitter.com/moeruasia01/status/1961315183894131120?ref_src=twsrc%5Etfw">August 29, 2025</a></blockquote>
<p><script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script></p>
<p>2025（令和7）年8月28日夕方、東京・千代田区の国際協力機構（JICA）本部前。100人ほどが建物に向かってシュプレヒコールをあげた。JICAの事業によってアフリカから大量の移民が来るなどの情報がSNSで拡散。反対するデモへの参加呼びかけも広がり、学生や社会人などさまざまなひとが参集し、翌日も同じ場所でデモが行われた。</p>
<p>SNSが政治や行政への“市民参加”を活性化させている。きっかけは、「JICAアフリカ・ホームタウン構想」の発表だった。</p>
<p>横浜市で8月20～22日、第９回「<a href="https://www.kantei.go.jp/jp/headline/ticad9/index.html" target="_blank" rel="noopener">アフリカ開発会議（TICAD）</a>」が開催。JICAは国内4市をアフリカ諸国の「ホームタウン」に認定するとした。アフリカとの交流実績があった山形県長井市、新潟県三条市、千葉県木更津市、愛媛県今治市に認定状を交付し、さらなる交流を促す目的だった。</p>

<div id="attachment_12806" style="width: 750px" class="wp-caption aligncenter"><img fetchpriority="high" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-12806" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2025/12/Media15_TICAD01.jpg" alt="" width="740" height="417" class="wp-image-12806" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2025/12/Media15_TICAD01.jpg 1480w, https://think-miyakonojo.jp/images/2025/12/Media15_TICAD01-768x432.jpg 768w" sizes="(max-width: 740px) 100vw, 740px" /><p id="caption-attachment-12806" class="wp-caption-text">第９回「アフリカ開発会議（TICAD）」に臨んだ首脳陣<span>（<a href="https://www.kantei.go.jp/jp/headline/ticad9/index.html" target="_blank" rel="noopener">首相官邸ホームページ</a>より）</span></p></div>

<p>発表からほどなく、この構想によってアフリカから大量の移民や移住がこれら認定4市に押し寄せるといった情報がSNSで拡散し、炎上。抗議のメールや電話がそれぞれの自治体に殺到した。</p>
<p><a href="https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/2129946" target="_blank" rel="noopener">TBS系列の報道</a>によると、4市の一つ、ガーナのホームタウンに認定された三条市の役所には、認定から8月26日までの期間だけで「メールやホームページを通じたお問い合わせで約4000件、電話で約350件」の意見や問い合わせがあった。ほとんどが「移住や移民の促進は許せない」という内容だったという。</p>
<p>市役所の代表電話は、ほぼ一日中鳴りっぱなしとなり、同市ではGoogleマップ上でのいたずら行為もあった。市内の施設名が「ガーナ市役所」「三条ガーナ市民球場」などに書き換えられる被害も確認されている。</p>
<p>長井市や今治市でも同様の抗議や意見が相次ぎ、「問い合わせの大半は“長井がタンザニアの一部になるのか”といった内容だった」（NHK）、「外国人が押し寄せるのではといった不安の声が寄せられた」（愛媛新聞）という報道が相次いだ。</p>
<h2>「誤解」にもとづいた意見や抗議</h2>
<p>だが、結論から言えば、JICA自体はホームタウン構想で「アフリカからの移民や移住を促す」「特別なビザを発給する」などとは発信していない。</p>
<p>本来の目的は国際交流。JICAの国際協力では「JOCAモデル」「草の根技術協力」など、自治体と海外の地域が結びつくモデルが長年、継続している。近年アフリカ支援において、「地域レベルの結びつき」があると持続性が高いという国際協力の潮流もあり、ホームタウン構想は相互にメリットのある地域間交流を後押しする狙いがあった。</p>
<p>例えば三条市にとっては「人材育成や地域の活性化」、ガーナにとっては「食糧問題の解決につなげること」を狙いとしていた。</p>
<p>ところがSNSでは「日本が売り渡される」「移民で埋め尽くされる」といった誤解や憶測が飛び交い、炎上状態に。誤解にもとづいた意見や抗議は約1カ月にわたって続いた。</p>
<p>ホームタウン構想発表からの約1カ月間、各自治体の公表や報道ベースで把握できる範囲だけでも、認定4市（今治・木更津・三条・長井）に寄せられた電話やメールは数万件規模に達したと見られる。</p>
<p>こうした事態が続いたことから9月25日、JICAの田中明彦理事長は記者会見を開き、ホームタウン構想の撤回を表明。こう述べた。</p>
<div class="iframe_wrap">
<p><iframe title="【ノーカット】JICA ホームタウン事業の撤回発表" width="500" height="281" src="https://www.youtube.com/embed/auoWL4AXFkg?start=166&#038;feature=oembed" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" referrerpolicy="strict-origin-when-cross-origin" allowfullscreen></iframe></p>
</div>
<p>「国外での誤った報道などをきっかけに、誤解に基づく反応が広がり、また、ホームタウンという名称に加えて、JICAが自治体をホームタウンとして認定するという、この構想のあり方そのものについて、国内でさらに誤解と混乱を招きました。その結果、4つの自治体に過大な負担が生ずる結果となってしまった」</p>
<h2>誤情報の発端と「誤報」</h2>
<p>誤情報が自治体へ与える影響を考慮した結果の苦渋の決断。異例の事態を受け、一部報道では、こうした総括も見られた。「誤情報の拡散が意義ある政策を頓挫させた」――。</p>
<p>しかし、SNSでの誤情報の拡散や炎上だけに頓挫の要因を求めるのはいささか短絡的だ。</p>
<p>殺到した意見や抗議について、JICAの田中理事長は「日本は民主主義国でございますから、さまざまな意見を持つひとがいるんだなというふうに私は思いました」としつつ、「私どもが誤った見解に屈したということではない」とも釘を差していた。</p>
<p>そして、誤解を招く要因は確かにあった。</p>
<p>炎上のきっかけはナイジェリア政府による誤情報の発表と、それを受けて作られた海外メディアによる報道だ。</p>
<p>JICAの田中理事長が記者会見で「具体的な内容については、今後決定されるということになっておりました」と語ったように、当初の発表は理念や目的にとどめており、XなどのSNSでも発表内容自体はさほど話題になっていなかった。</p>
<p>ところが22日、ナイジェリア政府が「日本政府が、木更津に移住して生活と就労を望むナイジェリアの若者に向けた特別なビザ（査証）を用意する」との誤情報を公式ホームページなどに掲載した。メディアリテラシーは政府や行政にも求められるスキルなのだが、十分なファクトチェックをせず、「思い」を載せてしまったのだろう。</p>
<div class="iframe_wrap">
<p><iframe title="アフリカの「ホームタウン」認定で誤情報拡散　4自治体に苦情殺到　千葉・木更津市には1000以上の問い合わせ｜TBS NEWS DIG" width="500" height="281" src="https://www.youtube.com/embed/IjFtCH4O40E?start=16&#038;feature=oembed" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" referrerpolicy="strict-origin-when-cross-origin" allowfullscreen></iframe></p>
</div>
<p>これを機に、事態は急変した。23日未明には、「グローバルを知った愛國者」を名乗るユーザーが「なぜ、日本がアフリカ諸国のホームタウンにならないといけないのか」などとXに投稿。インプレッション数は16万件を超え、まとめサイトなども手伝って「日本が移民を受け入れる」「アフリカ諸国の第2の故郷に」といった論調が広がった。</p>
<p>誤解を招く報道をした海外メディアもあった。</p>
<p>タンザニアのニュースサイト「The Tanzania Times」はJICAの発表に先立つ8月18日、「日本が長井市をタンザニアに“寄贈”」と題した記事を配信。次いで英BBC傘下のアフリカ向けニュースサイト「BBCピジン」は8月23日、<a href="https://www.bbc.com/pidgin/articles/cgm2p4d8m9mo">「JICA、木更津市をナイジェリア人の故郷に指定」と題した記事</a>を配信している。</p>
<p>ナイジェリア政府の発表や言及を引用するかたちで、「日本政府は、高度なスキル、革新性、才能を持ち、木更津市に居住・就労したいナイジェリアの若者向けに“特別なビザ”を創設する予定」と伝えた。</p>

<div id="attachment_12825" style="width: 610px" class="wp-caption aligncenter"><a href="https://www.bbc.com/pidgin/articles/cgm2p4d8m9mo" target="_blank" rel="noopener"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-12825" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2025/12/Media15_TICAD03.jpg" alt="" width="600" height="400" class="wp-image-12825" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2025/12/Media15_TICAD03.jpg 1200w, https://think-miyakonojo.jp/images/2025/12/Media15_TICAD03-768x512.jpg 768w" sizes="auto, (max-width: 600px) 100vw, 600px" /></a><p id="caption-attachment-12825" class="wp-caption-text">BBCは傘下のニュースサイトで「日本がナイジェリアの若者向けに新たなビザを発給する」と報じ、その後、記事内容を修正した<span>（「<a href="https://www.bbc.com/pidgin/articles/cgm2p4d8m9mo" target="_blank" rel="noopener">BBCピジン</a>」より）</span></p></div>

<p>付け加えると、今回のプロジェクト名称にある「ホームタウン」という言葉が誤解を増長されたという指摘もある。</p>
<p>英語圏ではダイレクトに「故郷・ふるさと」という意味合いを持ち、日本語圏でも「住む場所」「帰属先」という情緒を帯びた言葉として使われている。JICAが想定したのは交流の象徴的な名称だったが、制度の中身が固まる前に強い言葉だけが先行した。JICAの田中理事長も前述のコメントで、名称自体に問題があった可能性を示唆している。</p>
<p>SNSではこれらの要素が重なって、騒動が拡大した。</p>
<h2>不安心理とSNSの相乗効果</h2>
<p>JICAや日本政府の申し入れを受け、ナイジェリア政府やニュースサイトなどは情報を修正するも、SNSの論調は冷水を浴びせられるどころか、火に油を注ぐ格好に。詳細は次回記事に譲るが、誤情報・誤報にもとづく誤解は止まず、9月25日の「撤回」に至るのである。</p>
<p>怒りなのか、正義感からか。いずれにせよ市民の圧力は結果としてホームタウン構想を撤回へと導いた。</p>
<p>しかし、繰り返しになるが、SNSでの意見や抗議の大半は誤解。それを解く情報や機会もあったはずなのだが、騒動が広がったのには理由がある。</p>
<p>まず、今回の拡散の背景には、不安を感じやすいテーマであったことがある。</p>
<p>心理学では自分が信じる考えや仮説に合致する情報ばかりを集め、それに反する（都合の悪い）情報を無視または軽視してしまう認知の偏り（心理傾向）を「確証バイアス」と呼んでいる。この「心のクセ」は、不安な状況下で強まるとされている。</p>

<div id="attachment_12833" style="width: 610px" class="wp-caption aligncenter"><a href="https://www.web.nhk/tv/an/gendai/pl/series-tep-R7Y6NGLJ6G/ep/XM1Q6VWJQ3" target="_blank" rel="noopener"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-12833" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2025/12/XM1Q6VWJQ3-eyecatch_c704a93c3cab6002509e200b1e5dcbf2.jpg" alt="" width="600" height="338" class="wp-image-12833" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2025/12/XM1Q6VWJQ3-eyecatch_c704a93c3cab6002509e200b1e5dcbf2.jpg 1200w, https://think-miyakonojo.jp/images/2025/12/XM1Q6VWJQ3-eyecatch_c704a93c3cab6002509e200b1e5dcbf2-768x432.jpg 768w" sizes="auto, (max-width: 600px) 100vw, 600px" /></a><p id="caption-attachment-12833" class="wp-caption-text">JICAによる撤退後、NHKは番組「クローズアップ現代」で外国人不安について特集した<span>（NHK クローズアップ現代「<a href="https://www.web.nhk/tv/an/gendai/pl/series-tep-R7Y6NGLJ6G/ep/XM1Q6VWJQ3" target="_blank" rel="noopener">広がる“外国人不安” その陰で何が&#8230;</a>」より）</span></p></div>

<p>今回で言えば、「市民生活を脅かされる」という認識が、地域アイデンティティにもとづく“不安”感情を刺激した。特に、「外国人×治安×生活環境」というフレームは、多くのひとの不安を誘いやすい“定番のナラティブ（ストーリー）”。日本のSNSでは過去に何度も炎上の引き金となっている。強い不安に駆られ、対処しようと考えたひとがSNSで情報を集めた結果、より不安が強まっていったと考えられる。</p>
<p>ここに、ナイジェリア政府の発表、複数の海外メディアでの報道といった信ぴょう性を増す条件が重なったため、より不安は増大した。</p>
<p>また、使命感に駆られ行動に移すのが人間の特性。今回は、自治やコミュニティを守るといった使命感や正義感に駆り立てられたひとも多かったのだろう。「ナイジェリア政府の声明が本当であったなら」と考えると、彼らの行動には一定の合理性があったとも言える。</p>
<p>こうした心理や行動を、SNSの特性やアルゴリズムが増幅させた。</p>
<p>SNSでは、ある程度の「匿名性」が守られていることから、反射的に声をあげやすい。加えて、SNSでは怒りや不安など負の感情を刺激する投稿や情報は、「いいね！」よりも高速に拡散する。自分と同じ意見が見えやすい「エコーチェンバー」の特性も手伝って、過激な意見ほどタイムラインで上位にあがる傾向にあるのだ。</p>

<div id="attachment_12828" style="width: 610px" class="wp-caption aligncenter"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-12828" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2025/12/Media15_TICAD04.jpg" alt="" width="600" height="336" class="wp-image-12828" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2025/12/Media15_TICAD04.jpg 1200w, https://think-miyakonojo.jp/images/2025/12/Media15_TICAD04-768x430.jpg 768w" sizes="auto, (max-width: 600px) 100vw, 600px" /><p id="caption-attachment-12828" class="wp-caption-text">「エコーチェンバー」は自分と似た意見や思想が増幅・強化されてしまう現象</p></div>

<p>これらの構造が重なった結果、今回の騒動が大きく膨らんでいったと考えられる。</p>
<h2>今回の騒動で失ったもの</h2>
<p>一連の騒動で、4自治体は国際協力の新たな機会を逸失したとも言える。前述のように、互いの地域にメリットがある相互交流が本来の狙いであり、そのメリットを認定4市が享受できなくなる「デメリット」については、SNSで議論が広がらなかった。</p>
<blockquote class="twitter-tweet">
<p lang="ja" dir="ltr">【三条市が認定されました！】<br />
横浜での「JICAアフリカ・ホームタウンサミット」で、市長が登壇&#x1f30d;&#x1fab7;<br />
このたび三条市は、JICAから「ガーナのホームタウン」に認定されました。<br />
<br />
パネルディスカッションでは、ガーナと三条市の交流ビジョンを共有し、地域と国際協力の可能性を語りました&#x2728;&#x2728;<a href="https://twitter.com/hashtag/%E4%B8%89%E6%9D%A1%E5%B8%82?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#三条市</a>… <a href="https://t.co/W1Ycv4zLLd">pic.twitter.com/W1Ycv4zLLd</a></p>

— 三条市役所 (@sanjo_city) <a href="https://twitter.com/sanjo_city/status/1958408730946506934?ref_src=twsrc%5Etfw">August 21, 2025</a></blockquote>
<p><script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script></p>
<p>「SNSでの声の大きさ」が、すなわち「世論の重さ」と勘違いされる危険性も高まったのではないだろうか。反発していた一部のユーザーはJICAの撤回表明後、自分たち多数の市民の声が届いた結果とも受け取れる言及もしていた。</p>
<p>さらに言えば、今回は民主主義の疲弊も招いた。意見表明は民主主義の一形態だが、誤情報は意思決定の破壊者にもなり得る。</p>
<p>過度な働きかけは、行政の業務負荷を増やし、市民のためになる本来の通常業務に支障を来しかねない。行政リソースの浪費を生んだとも言える。実際に、抗議が殺到した自治体の職員は対応に追われた。</p>
<p>誤解のもととなる誤情報や誤報が訂正・修正されてもなお、電話やメールが押し寄せた。</p>
<p>ナイジェリアのホームタウンに認定されていた木更津市では、9月22日までに約9000件の電話と4000通超のメールが届き、職員は「通常業務もままならない状況だった」と<a href="https://kisacon.com/report/351683/" target="_blank" rel="noopener">地元紙の取材</a>に語った。</p>
<p>「声を上げる市民」が悪い訳ではない。政治や行政への関心や参画意識は非常に大切なことだ。市民が行政を監視し、声を上げることは民主主義の基本であり、その意味では、「SNSの普及や発展によって、民主主義の理想に近づいている」とも言える。</p>
<p>だが、その起点となる「情報」が誤っていると、民主主義が疲弊するという側面も意識したい。</p>
<p>本来、政府の公式アナウンスが誤っているということはあってはならないこと。しかし、今回は、そういった誤った情報が実際にアフリカ政府の公式情報として流れてしまった。</p>
<p>メディアリテラシーの核は、情報を無批判に受け入れるのではなく、立ち止まり、多面的に情報を調べ、分析し、自分なりの考えを持つこと。この連載を通じて、「鵜呑みにせず考える」ことが肝要であると記してきた。</p>
<p>情報の発信源が、政府であっても著名メディアであっても同じこと。その教訓を、今回の騒動は与えてくれたと言える。</p>
<p>そして、独立行政法人であるJICAの情報発信や広報のあり方についても、改めて考える余地があるだろう。では、デジタル時代の市民参加は、どこへ向かうべきなのか。次回、「対話型広報」という新たなトレンドを追う。</p>The post <a href="https://think-miyakonojo.jp/article/12804/">デジタル民主主義の光と影 <span>JICA「ホームタウン」撤回の示唆</span></a> first appeared on <a href="https://think-miyakonojo.jp">Think都城</a>.]]></content:encoded>
					
					<wfw:commentRss>https://think-miyakonojo.jp/article/12804/feed/</wfw:commentRss>
			<slash:comments>0</slash:comments>
		
		
			</item>
		<item>
		<title>「7月5日に日本で大災害」の誤解  “デマ”に惑わされる子どもに注意</title>
		<link>https://think-miyakonojo.jp/article/11875/?utm_source=rss&#038;utm_medium=rss&#038;utm_campaign=%25e3%2580%258c7%25e6%259c%25885%25e6%2597%25a5%25e3%2581%25ab%25e6%2597%25a5%25e6%259c%25ac%25e3%2581%25a7%25e5%25a4%25a7%25e7%2581%25bd%25e5%25ae%25b3%25e3%2580%258d%25e3%2581%25ae%25e8%25aa%25a4%25e8%25a7%25a3-%25e3%2583%2587%25e3%2583%259e%25e3%2581%25ab%25e6%2583%2591%25e3%2582%258f</link>
					<comments>https://think-miyakonojo.jp/article/11875/#respond</comments>
		
		<dc:creator><![CDATA[Think都城]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 26 Jun 2025 05:00:38 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[メディアリテラシー]]></category>
		<category><![CDATA[7月5日]]></category>
		<category><![CDATA[SNS]]></category>
		<category><![CDATA[たつき諒]]></category>
		<category><![CDATA[クリティカルシンキング]]></category>
		<category><![CDATA[デマ]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://think-miyakonojo.jp/?p=11875</guid>

					<description><![CDATA[<ul>
<li>「2025年7月5日、日本で大災難が起きる」という“デマ”や噂が拡散。</li>
<li>大方の日本人は冷静な対応をするも、子どもたちに影響が及んでいる。</li>
<li>噂の出所や実態を深掘りし、親は子どもにどう対処すべきかを考える。</li>
</ul>
The post <a href="https://think-miyakonojo.jp/article/11875/">「7月5日に日本で大災害」の誤解 <span> “デマ”に惑わされる子どもに注意</span></a> first appeared on <a href="https://think-miyakonojo.jp">Think都城</a>.]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<div class="su-spoiler su-spoiler-style-fancy su-spoiler-icon-plus su-spoiler-closed" data-scroll-offset="0" data-anchor-in-url="no"><div class="su-spoiler-title" tabindex="0" role="button"><span class="su-spoiler-icon"></span>テーマ［ メディアリテラシー ］の記事一覧</div><div class="su-spoiler-content su-u-clearfix su-u-trim"><ul class="lcp_catlist" id="lcp_instance_0"><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/12/" target="_blank">メディアリテラシーが必要なワケ［前編］　<span>AIフェイク画像と謎の地下室の示唆</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/1399/" target="_blank">メディアリテラシーが必要なワケ［後編］　<span>インターネットや技術革新の功罪</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2115/" target="_blank">「クリティカルシンキング」の本質　<span>誤情報に惑わされないための初歩</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2189/" target="_blank">実践！ ニセ・誤情報に克つ［前編］　<span>5つの「キー・クエスチョン」で考える</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2262/" target="_blank">実践！ ニセ・誤情報に克つ［後編］　<span>デジタル時代に即した新手法「SIFT」</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/5233/" target="_blank">学校に浸透するメディアリテラシー教育　<span>NHKの奮闘、先行する欧米</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/6613/" target="_blank">デマを“現実”にするSNS時代　<span>昭和と令和の「取り付け騒ぎ」に学ぶ</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/8245/" target="_blank">複雑化する「ステマ」広告 <span>ステマ規制開始でも安心できない消費者</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/9193/" target="_blank">能登半島地震に見るSNSの弊害 <span>そこにある情報がすべてではない</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/10615/" target="_blank">「ディープフェイク」の脅威と備え <span>生成AI全盛時代の新たなリスク</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/11111/" target="_blank">「闇バイト」の怖さと対策 <span>【特別編】SNSに潜む新たなリスク①</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/11374/" target="_blank">「SNS型投資・ロマンス詐欺」の脅威 <span>【特別編】SNSに潜む新たなリスク②</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/11432/" target="_blank">「誹謗中傷」に立ち向かう「情プラ法」 <span>【特別編】SNSに潜む新たなリスク③</span></a></li><li class="current"><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/11875/" target="_blank">「7月5日に日本で大災害」の誤解 <span> “デマ”に惑わされる子どもに注意</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/12804/" target="_blank">デジタル民主主義の光と影 <span>JICA「ホームタウン」撤回の示唆</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/13251/" target="_blank">デマ拡散に立ち向かう「対話型広報」 <span>“誤情報”時代の「信頼」設計(1)</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/13317/" target="_blank">「デジタル民主主義」バルセロナの挑戦 <span>“誤情報”時代の「信頼」設計(2)</span></a></li></ul></div></div>
<h2>気象庁長官「心配する必要は一切ない」</h2>
<p>「今年の7月に日本で大事震が起こるという予言が報道等で見られるところです。現在の科学的地見では日時と場所大きさを特定した地震予知は不可能です。そのような予知の情報はデマと考えられますので、心配される必要は一切ございません」――。</p>
<div class="iframe_wrap">
<p><iframe loading="lazy" title="【ノーカット】気象庁長官が「デマ」と一刀両断　“7月に日本で大災害”の噂…　「科学的な観点から外れた判断をする人多く残念」　日頃の地震への備えも呼びかけ(2025年6月13日)" width="500" height="281" src="https://www.youtube.com/embed/E8SZ7loo-Eo?start=427&#038;feature=oembed" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" referrerpolicy="strict-origin-when-cross-origin" allowfullscreen></iframe></p>
</div>
<p>2025（令和7）年6月13日、気象庁の野村竜一長官は定例会見の冒頭、「最後に1つお願いがございます」と切り出しこう言った。「2025年7月5日に大災難が起きる」という“デマ”や噂に対してのコメントだ。野村長官は質疑応答で改めて以下のように言及した。</p>
<p>「根拠のない情報で振り回されてる方々がいるっていうこと自体、本当に残念に思いますし、我々もはっきりとものを伝えていかなきゃいけないと考えております。（中略）科学的に考えておかしな考え方を受け入れてしまう。そういう方々がいらっしゃるのは非常に残念だと思います」</p>
<p>「けれども、見えないことに対する不安感があるかと思います。その気持ちはわからないでもありません。ですので、そういう方々に対してはっきりと科学的な観点で『信じないでください』ということを訴えるのが非常に重要」……。</p>
<p>気象庁長官は、いちいちデマに応じている暇はないはず。異例とも言えるコメントを出したのは、それほど「7月5日」がインターネットやSNSで広範囲に拡散している証左とも言える。</p>
<h2>2021年7月に見た「夢」</h2>



<div id="attachment_11885" style="width: 610px" class="wp-caption aligncenter"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-11885" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2025/06/Media14_01.jpg" alt="" width="600" height="350" class="wp-image-11885" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2025/06/Media14_01.jpg 1200w, https://think-miyakonojo.jp/images/2025/06/Media14_01-768x448.jpg 768w" sizes="auto, (max-width: 600px) 100vw, 600px" /><p id="caption-attachment-11885" class="wp-caption-text">「私が見た未来　完全版（たつき諒著）」の販売ページ。アマゾンでは2025年6月末時点でもベストセラーとなっている</p></div>



<p>噂の発火点は、漫画家・たつき諒氏の著書「私が見た未来　完全版」。1999（平成11）年に刊行された「私が見た未来」の復刻版で、一部加筆が加えられ、版元の出版社いわく「22年の沈黙を破り」、2021年10月に発売された。</p>
<p>「私が見た未来」は、著者が自分の夢を「夢日記」として記録していた内容をまとめたもの。99年刊の原作や表紙に「大災害は2011年3月」という言及が記されていた。“予知夢”が的中したと話題になり、一時期は絶版本の価値が10万円の値がつくほど高騰していた。</p>



<div id="attachment_11886" style="width: 610px" class="wp-caption aligncenter"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-11886" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2025/06/Media14_02.jpg" alt="" width="600" height="350" class="wp-image-11886" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2025/06/Media14_02.jpg 1200w, https://think-miyakonojo.jp/images/2025/06/Media14_02-768x448.jpg 768w" sizes="auto, (max-width: 600px) 100vw, 600px" /><p id="caption-attachment-11886" class="wp-caption-text">1999年に発売された「私が見た未来」の表紙に「大災害は2011年3月」という文字が見える<span>（アマゾンの中古本販売ページより）</span></p></div>



<p>これを復刻するかたちで2021年10月、著者が見た新たな予知夢と解説が付加された「完全版」が発売された。新たな予知夢の一つが、2025年に訪れるという大災害である。</p>
<p>それは「日本とフィリピンの中間あたりの海底がボコンと破裂（噴火）し、東日本大震災の3倍の大津波が太平洋周辺の国に押し寄せた」というもの。夢を見た日は「2021年7月5日」。たつき氏は「その災難が起こるのは、2025年7月です」と記した。</p>
<p>そして、作者あとがきで、こうも記している。</p>
<blockquote>
<p>夢を見た日が現実化するならば、次にくる大災難の日は「2025年7月5日」ということになります。（「私が見た未来　完全版」215ページより引用）</p>
</blockquote>
<p>「完全版」で新たに加わった“予言”を起点に、「2025年7月5日に日本で大災害が起こる」という噂がまことしやかにインターネットやSNS上で拡散していった。</p>
<p>その影響力は日本国内より、むしろ海外、とりわけ香港で露呈した。</p>
<h2>香港から日本、減便・運休が相次ぐ</h2>
<p>正確には、香港での騒動は日本国内とは異なる論理が追加される。</p>
<p>香港では知らぬ者はいないという風水師の七仙羽氏。彼女は「4月と5月に日本に行くのは得策ではない」と予言し、2025年4月頃から「被害者を減らしたい」と報道陣やSNSなどを通じて伝えていた。</p>
<blockquote class="instagram-media" data-instgrm-permalink="https://www.instagram.com/reel/DIMAN5QPaFS/?utm_source=ig_embed&amp;utm_campaign=loading" data-instgrm-version="14" style="background: #FFF; border: 0; border-radius: 3px; box-shadow: 0 0 1px 0 rgba(0,0,0,0.5),0 1px 10px 0 rgba(0,0,0,0.15); margin: 1px; max-width: 540px; min-width: 326px; padding: 0; width: calc(100% - 2px);">
<div style="padding: 16px;"><a href="https://www.instagram.com/reel/DIMAN5QPaFS/?utm_source=ig_embed&amp;utm_campaign=loading" style="background: #FFFFFF; line-height: 0; padding: 0 0; text-align: center; text-decoration: none; width: 100%;" target="_blank" rel="noopener">
<div style="display: flex; flex-direction: row; align-items: center;">
<div style="background-color: #f4f4f4; border-radius: 50%; flex-grow: 0; height: 40px; margin-right: 14px; width: 40px;"></div>
<div style="display: flex; flex-direction: column; flex-grow: 1; justify-content: center;">
<div style="background-color: #f4f4f4; border-radius: 4px; flex-grow: 0; height: 14px; margin-bottom: 6px; width: 100px;"></div>
<div style="background-color: #f4f4f4; border-radius: 4px; flex-grow: 0; height: 14px; width: 60px;"></div>
</div>
</div>
<div style="padding: 19% 0;"></div>
<div style="display: block; height: 50px; margin: 0 auto 12px; width: 50px;"><svg width="50px" height="50px" viewbox="0 0 60 60" version="1.1" xmlns="https://www.w3.org/2000/svg" xmlns:xlink="https://www.w3.org/1999/xlink"><g stroke="none" stroke-width="1" fill="none" fill-rule="evenodd"><g transform="translate(-511.000000, -20.000000)" fill="#000000"><g><path d="M556.869,30.41 C554.814,30.41 553.148,32.076 553.148,34.131 C553.148,36.186 554.814,37.852 556.869,37.852 C558.924,37.852 560.59,36.186 560.59,34.131 C560.59,32.076 558.924,30.41 556.869,30.41 M541,60.657 C535.114,60.657 530.342,55.887 530.342,50 C530.342,44.114 535.114,39.342 541,39.342 C546.887,39.342 551.658,44.114 551.658,50 C551.658,55.887 546.887,60.657 541,60.657 M541,33.886 C532.1,33.886 524.886,41.1 524.886,50 C524.886,58.899 532.1,66.113 541,66.113 C549.9,66.113 557.115,58.899 557.115,50 C557.115,41.1 549.9,33.886 541,33.886 M565.378,62.101 C565.244,65.022 564.756,66.606 564.346,67.663 C563.803,69.06 563.154,70.057 562.106,71.106 C561.058,72.155 560.06,72.803 558.662,73.347 C557.607,73.757 556.021,74.244 553.102,74.378 C549.944,74.521 548.997,74.552 541,74.552 C533.003,74.552 532.056,74.521 528.898,74.378 C525.979,74.244 524.393,73.757 523.338,73.347 C521.94,72.803 520.942,72.155 519.894,71.106 C518.846,70.057 518.197,69.06 517.654,67.663 C517.244,66.606 516.755,65.022 516.623,62.101 C516.479,58.943 516.448,57.996 516.448,50 C516.448,42.003 516.479,41.056 516.623,37.899 C516.755,34.978 517.244,33.391 517.654,32.338 C518.197,30.938 518.846,29.942 519.894,28.894 C520.942,27.846 521.94,27.196 523.338,26.654 C524.393,26.244 525.979,25.756 528.898,25.623 C532.057,25.479 533.004,25.448 541,25.448 C548.997,25.448 549.943,25.479 553.102,25.623 C556.021,25.756 557.607,26.244 558.662,26.654 C560.06,27.196 561.058,27.846 562.106,28.894 C563.154,29.942 563.803,30.938 564.346,32.338 C564.756,33.391 565.244,34.978 565.378,37.899 C565.522,41.056 565.552,42.003 565.552,50 C565.552,57.996 565.522,58.943 565.378,62.101 M570.82,37.631 C570.674,34.438 570.167,32.258 569.425,30.349 C568.659,28.377 567.633,26.702 565.965,25.035 C564.297,23.368 562.623,22.342 560.652,21.575 C558.743,20.834 556.562,20.326 553.369,20.18 C550.169,20.033 549.148,20 541,20 C532.853,20 531.831,20.033 528.631,20.18 C525.438,20.326 523.257,20.834 521.349,21.575 C519.376,22.342 517.703,23.368 516.035,25.035 C514.368,26.702 513.342,28.377 512.574,30.349 C511.834,32.258 511.326,34.438 511.181,37.631 C511.035,40.831 511,41.851 511,50 C511,58.147 511.035,59.17 511.181,62.369 C511.326,65.562 511.834,67.743 512.574,69.651 C513.342,71.625 514.368,73.296 516.035,74.965 C517.703,76.634 519.376,77.658 521.349,78.425 C523.257,79.167 525.438,79.673 528.631,79.82 C531.831,79.965 532.853,80.001 541,80.001 C549.148,80.001 550.169,79.965 553.369,79.82 C556.562,79.673 558.743,79.167 560.652,78.425 C562.623,77.658 564.297,76.634 565.965,74.965 C567.633,73.296 568.659,71.625 569.425,69.651 C570.167,67.743 570.674,65.562 570.82,62.369 C570.966,59.17 571,58.147 571,50 C571,41.851 570.966,40.831 570.82,37.631"></path></g></g></g></svg></div>
<div style="padding-top: 8px;">
<div style="color: #3897f0; font-family: Arial,sans-serif; font-size: 14px; font-style: normal; font-weight: 550; line-height: 18px;">この投稿をInstagramで見る</div>
</div>
<div style="padding: 12.5% 0;"></div>
<div style="display: flex; flex-direction: row; margin-bottom: 14px; align-items: center;">
<div>
<div style="background-color: #f4f4f4; border-radius: 50%; height: 12.5px; width: 12.5px; transform: translateX(0px) translateY(7px);"></div>
<div style="background-color: #f4f4f4; height: 12.5px; transform: rotate(-45deg) translateX(3px) translateY(1px); width: 12.5px; flex-grow: 0; margin-right: 14px; margin-left: 2px;"></div>
<div style="background-color: #f4f4f4; border-radius: 50%; height: 12.5px; width: 12.5px; transform: translateX(9px) translateY(-18px);"></div>
</div>
<div style="margin-left: 8px;">
<div style="background-color: #f4f4f4; border-radius: 50%; flex-grow: 0; height: 20px; width: 20px;"></div>
<div style="width: 0; height: 0; border-top: 2px solid transparent; border-left: 6px solid #f4f4f4; border-bottom: 2px solid transparent; transform: translateX(16px) translateY(-4px) rotate(30deg);"></div>
</div>
<div style="margin-left: auto;">
<div style="width: 0px; border-top: 8px solid #F4F4F4; border-right: 8px solid transparent; transform: translateY(16px);"></div>
<div style="background-color: #f4f4f4; flex-grow: 0; height: 12px; width: 16px; transform: translateY(-4px);"></div>
<div style="width: 0; height: 0; border-top: 8px solid #F4F4F4; border-left: 8px solid transparent; transform: translateY(-4px) translateX(8px);"></div>
</div>
</div>
<div style="display: flex; flex-direction: column; flex-grow: 1; justify-content: center; margin-bottom: 24px;">
<div style="background-color: #f4f4f4; border-radius: 4px; flex-grow: 0; height: 14px; margin-bottom: 6px; width: 224px;"></div>
<div style="background-color: #f4f4f4; border-radius: 4px; flex-grow: 0; height: 14px; width: 144px;"></div>
</div>
</a>
<p style="color: #c9c8cd; font-family: Arial,sans-serif; font-size: 14px; line-height: 17px; margin-bottom: 0; margin-top: 8px; overflow: hidden; padding: 8px 0 7px; text-align: center; text-overflow: ellipsis; white-space: nowrap;"><a href="https://www.instagram.com/reel/DIMAN5QPaFS/?utm_source=ig_embed&amp;utm_campaign=loading" style="color: #c9c8cd; font-family: Arial,sans-serif; font-size: 14px; font-style: normal; font-weight: normal; line-height: 17px; text-decoration: none;" target="_blank" rel="noopener">Stephen Chan(@chanchiwan_stephen)がシェアした投稿</a></p>
</div>
</blockquote>
<p><script async src="//www.instagram.com/embed.js"></script></p>
<p>その言説・預言は独り歩きし、「4月と5月」は「4月以降」へ、「得策ではない」は「日本は危ない」「日本に行かないほうがいい」へと変節していった。</p>
<p>2025年3月にミャンマー中部で起きた地震や、同年4月の“トランプ・ショック”による株価暴落などを的中させたとされる彼女の予言は、信憑性をまとい、伝わる。ここに、くだんのたつき氏の予言が相まって、香港人の不安をさらに煽っていった。</p>
<p>香港の著名YouTuberやインフルエンサーなどが、七氏とたつき氏の予言を併せて紹介し始めると、「7月は日本が危ない」という噂が急速に香港人に広がり、ついには航空会社のダイヤ編成に影響を与えるまでに発展した。</p>
<div class="iframe_wrap">
<p><iframe loading="lazy" title="我所看見的未來｜預言2025有大災難 七師傅︰4月後唔好去日本｜01娛樂｜七仙羽｜玄學｜日本｜2025年" width="500" height="281" src="https://www.youtube.com/embed/X8bTd02dI3Q?feature=oembed" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" referrerpolicy="strict-origin-when-cross-origin" allowfullscreen></iframe></p>
</div>
<p>ちなみに七氏はのちに、「4月と5月、日本で地震が発生したので、7月にはなにも起きない」と“修正”している。予言の的中は、4月18日に長野県北部で起きた最大震度5弱の地震、5月31日に北海道・釧路で起きた最大震度4の地震を指す。</p>
<p>だが、あとの祭り。噂を理由とする急激な需要の落ち込みから、香港のLCC「グレーターベイ航空」は2025年4月、香港と仙台、徳島を結ぶ定期便を週1往復減便すると発表。「香港航空」も5〜6月は福岡、名古屋、札幌との定期便を減便させ、5月頭には香港と仙台を結ぶ定期便を6〜10月にかけて全便運休する方針を固めていた。</p>



<div id="attachment_11909" style="width: 610px" class="wp-caption aligncenter"><a href="https://japan-forward.com/ja/flights-reduced-as-earthquake-prophecy-spooks-hong-kong-travelers/" target="_blank" rel="noopener"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-11909" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2025/06/Media14_05.jpg" alt="" width="600" height="600" class="wp-image-11909" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2025/06/Media14_05.jpg 1200w, https://think-miyakonojo.jp/images/2025/06/Media14_05-768x768.jpg 768w, https://think-miyakonojo.jp/images/2025/06/Media14_05-500x500.jpg 500w" sizes="auto, (max-width: 600px) 100vw, 600px" /></a><p id="caption-attachment-11909" class="wp-caption-text">外国語で発信される日本関係のニュースなどを掲載する「JAPAN Forward」も香港からの減便を伝えた<span>（一般社団法人ジャパンフォワード推進機構「<a href="https://japan-forward.com/ja/flights-reduced-as-earthquake-prophecy-spooks-hong-kong-travelers/" target="_blank" rel="noopener">JAPAN Forward</a>」より）<span></span></span></p></div>



<p>6月に入っても需要は回復せず、香港航空は香港と熊本、鹿児島を結ぶ定期便も7〜10月にかけて全便の運休を決めている。</p>
<p>航空会社としては致し方ないだろう。スペインの旅行分析会社大手「ForwardKeys（フォワードキーズ）」によると、2025年に入ってから香港発日本行きの航空便予約は前年比で50%減少している。とりわけ6月下旬から7月上旬の予約は83%も急落したという。</p>
<h2>予知夢をモチーフにした映画も公開</h2>
<p>こうした“脱日本”の現象を、地元メディアも、日本国内のメディアも、随時伝えた。その「メディア効果」も手伝い、日本国内でもSNSを中心に噂が拡散している。多くの記事やコンテンツに共通するのは「7月5日」という日付が入っていることだ。</p>
<p>出版業界関係者などのコメントとして、ネット上の記事は以下のように伝えている。</p>
<p>「夢の内容や見た日付を根拠に、たつき氏は25年7月5日にこの災害が起こるとあとがきで記しています」「夢を見た日が2021年7月5日であることから、2025年7月5日に起きるのではないかという噂も広がっています」……。</p>
<p>ある地上波の番組は「なんか7月5日に地震来るみたいだから、非常食の買い足しと、お菓子はローリングストックで1〜2週間は生きられるようにしたよ！」といったXへのポストを引用し、ナレーションはこう伝えた。「SNS上では、きたる大災害に備え、非常食や防災グッズを買い込むひとが続出」……。</p>
<p>噂をモチーフに描いた都市伝説ホラー映画も製作され、6月末の公開が予定されている。映画のタイトルは「2025年7月5日 午前4時18分」だ。</p>
<div class="iframe_wrap">
<p><iframe loading="lazy" title="映画「2025年7月5日 午前4時18分」予告60秒　【6.27(金)公開】" width="500" height="281" src="https://www.youtube.com/embed/5Y6DAOZDxFI?feature=oembed" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" referrerpolicy="strict-origin-when-cross-origin" allowfullscreen></iframe></p>
</div>
<p>ただし、これらメディアの報道やコンテンツ、伝え方は、大きな誤解を招く恐れがある。</p>
<h2>出版社や著者が「7月5日」を否定</h2>
<p>映画の公開が決まり、完全版の出版元の飛鳥新社にも問い合わせが相次いだ。困惑した飛鳥新社は4月19日、以下のような<a href="https://www.asukashinsha.co.jp/info/archive/post-55.php" target="_blank" rel="noopener">お知らせをウェブサイトで公表</a>している。</p>
<blockquote>
<p>当該映画のタイトルが 『2025年7月5日午前4時18分』 とされていることにより、あたかも著者が本書において「2025年7月5日午前4時18分に大災害が起こる」と述べているかのような印象を与える可能性があり、この点に関するお問い合わせも寄せられております。</p>
<p>しかし、本書において著者は、「これから起こる大災難の夢を見た」、「その災難が起こるのは2025年7月」と記述しており、著者が記していた夢日記には「夢を見た日：2021年7月5日4:18AM」とありますが、著者は「2025年7月5日午前4時18分」に大災害が起こるとは一切言及しておりません。</p>
<p>したがいまして、映画タイトルが示す具体的な日時を著者が述べているわけではないことを、当社としてあらためて強調させていただきます。報道やSNS等の断片的な情報により、読者の皆さまが誤解されませんよう、十分にご留意いただけますと幸いです。</p>
</blockquote>
<p>つまり、「7月5日 午前4時18分」は、たつき氏が予知夢を見たという時間。それが誤解されて伝っている、というメッセージだ。</p>
<p>なぜ「2021年」に見た予知夢が「2025年」に現実化することになっているのかは、前述のように、たつき氏が完全版のあとがきで「夢を見た日が現実化するならば、次にくる大災難の日は『2025年7月5日』ということになります」と記したため。</p>
<p>この出版社の声明は「時刻」のみを否定するものと見られるが、時刻だけではなく「7月5日」すら否定したい意図があるようにも思える。</p>
<p>強調したいのは、当の著者であるたつき氏が公に「7月5日」を否定している点だ。</p>



<div id="attachment_11896" style="width: 610px" class="wp-caption aligncenter"><a href="https://www.bungeisha.co.jp/news/article_30_360.jsp" target="_blank" rel="noopener"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-11896" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2025/06/Media14_04.jpg" alt="" width="600" height="325" class="wp-image-11896" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2025/06/Media14_04.jpg 1200w, https://think-miyakonojo.jp/images/2025/06/Media14_04-768x416.jpg 768w" sizes="auto, (max-width: 600px) 100vw, 600px" /></a><p id="caption-attachment-11896" class="wp-caption-text">たつき諒氏は「竜樹諒」の名で最新刊「天使の遺言」を自費出版した<span>（文芸社の<a href="https://www.bungeisha.co.jp/news/article_30_360.jsp" target="_blank" rel="noopener">ウェブサイト</a>より）</span></p></div>



<p>たつき氏は2025年6月、竜樹諒の名による新たな著書「天使の遺言」を自費出版で上梓。この「はじめに」で「私が見た未来　完全版」のことに触れ、「結果的に出版社の意向中心で出版されてしまったことに、不本意な思いもありました」としている。</p>
<p>「7月5日」については、本編で以下のような打ち消す言及があった。</p>
<blockquote>
<p>ちなみに、『私が見た未来　完全版』の「作者あとがき」で、「次に来る大災難の日は『２０２５年7月5日』ということになります」と書いていたのは、過去の例から、「こうなのではないか？」と話したことが反映されたようで、私も言った覚えはありますが、急ピッチでの作業で慌てて書かれたようです。 (「天使の遺言」129ページより引用)</p>
<p>夢を見た日＝何かが起きる日というわけではないのです。（同130ページ）</p>
<p>出版社としては売れる本を出したいわけですから、かつてはプロの漫画家だった私も、理解できる点もありますが。今の私としては、不本意な点もありました。（同131ページ）</p>
</blockquote>
<h2>打ち消す情報は拡散せず</h2>
<p>著者と出版社のあいだに、なんらかの行き違いや軋轢があったことがうかがえるが、ここでは多くを語らない。</p>
<p>少なくとも「『2025年7月5日』は科学的根拠に基づくものではない」こと、そして「著者としては『災難が起こるのは、2025年7月』と綴った」ということは事実だ。</p>
<p>これまで論じてきたように、「メディアリテラシー」の基本は「鵜呑みにせず、立ち止まって、多面的に考える」こと。</p>
<p>「クリティカルシンキング（批判的思考）」に基づき、ソースや根拠を確認すれば、「2025年7月5日に大災難が起こる」というのは科学的根拠のない「予言」であり、日付も根拠が弱い「類推」「解釈」であることがすぐにわかる。</p>
<p>しかし、多くのひとはそうせず「7月5日」が独り歩きした。</p>



<div id="attachment_11917" style="width: 750px" class="wp-caption aligncenter"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-11917" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2025/06/Media14_06.jpg" alt="" width="740" height="417" class="wp-image-11917" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2025/06/Media14_06.jpg 1480w, https://think-miyakonojo.jp/images/2025/06/Media14_06-768x432.jpg 768w" sizes="auto, (max-width: 740px) 100vw, 740px" /><p id="caption-attachment-11917" class="wp-caption-text">「YouTube」に警鐘を鳴らす動画が数多く投稿された。中華圏から日本へ噂が飛び火している</p></div>



<p>「完全版」の解釈について、誤解が生じていることは間違いない。その後の出版社による4月の声明も、6月に新たに上梓された著者の内容もほとんど報じられず、拡散されず、2021年出版の「完全版」の内容だけが今も喧伝されている。</p>
<p>ただし、幸い日本では香港のように人々の行動を大きく左右するような社会現象にはまだ至っていない。SNSなどで話題になっていることは知っていても、それを根拠に自らの行動を変容するひとは少ないと見られる。</p>
<p>国内の旅行・インバウンド関連への打撃は避けられないが、大方の日本人は「冷静さを保っている」と見ていい。</p>
<p>しかし、「子どもたちへの影響」については注視する必要がありそうだ。人知れず、不安を抱える子どもたちが増えていることについては、あまり報じられていない。</p>
<p>中学1年生と高校2年生、2人の息子がいる宮崎市在住の男性（40代）は、子どもたちへの対応に頭を悩ませている。</p>
<h2>子どもたちにじわりと広がる噂</h2>
<p>2人の息子はともに、4月くらいから家庭で「7月5日災害説」を口にするようになった。情報を得たのは学校の同級生で作った「グループLINE」。学校のリアルの場でそういった噂を聞いたこともあるという。</p>
<p>「子どもたちは、完全に噂を信じてはいないが、絶対にないと思っているわけでもない。一種の“エンタメ”として捉えている節もあり、『ノストラダムスの大予言』に沸いた我々の世代と同じなのかもしれません」と男性は苦笑する。</p>
<p>子どものあいだで噂が流行っているという言説は、SNS上でも確認できる。</p>

<blockquote class="twitter-tweet">
<p lang="ja" dir="ltr">娘が「7月5日に地震あるかもよ」って言い出した。学校で流行ってると。</p>
— かずょ　2026N (@kabu43) <a href="https://twitter.com/kabu43/status/1936385485427167356?ref_src=twsrc%5Etfw">June 21, 2025</a></blockquote>
<p><script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script></p>

<blockquote class="twitter-tweet">	 
<p lang="ja" dir="ltr">小学生の教え子たちが、「監督！7月5日に大地震が起きるんですって！」と。<br />
 <br />
 最近話題の予言ですね。確か東日本大震災を的中させた方だとか。<br />
 <br />
 僕がこどもの頃はマヤの大予言で人類は滅亡するはずだったし、生まれた頃はノストラダムスの大予言で世界は終わっていたらしいです。歴史は繰り返しますね。…</p>
	 — 田代ちかひさ@佐賀市 (@chikahisasaga) <a href="https://twitter.com/chikahisasaga/status/1934226861070155988?ref_src=twsrc%5Etfw">June 15, 2025</a></blockquote>
<p><script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script></p>



<p>学校や友だちから噂を仕入れた子どもから話が伝わり、対応する親もいる。デマだと一蹴すればいい、というわけにもいかない。先の宮崎市在住の男性もその一人だ。</p>
<p>男性は「もちろん私は噂を信じてはいません」。しかし、不安がる息子たちの気持ちを考え、7月5日は津波の影響がなさそうな九州内陸部に宿をとった。知人も、同じような状況にあるとその男性は話す。</p>
<p>「小学生と中学生の子を持つ知人は、7月5日に大分県の海のそばでキャンプをする予定でしたが、噂を聞きつけた子どもから『絶対に大丈夫？』と聞かれ、信じているわけではないけれども『絶対かぁ…』となった知人は、内陸部への旅行に変更しました。子どもの不安がゼロではないと楽しめない、という気持ちは理解できます」</p>
<h2>“ステルス”形態で子どもに届く噂</h2>
<p>もちろん、すべての子どもや学校が噂に包まれているわけではない。小学5年生と中学2年生の息子がいる都城市在住の女性（40代）は、「都城市の学校ではそこまで噂は広がっていないと思います」と話す。</p>
<p>小5の子は「（噂自体）聞いたことがないし学校で話題にもなってない」。中2の子は「聞いたことはあるけど、学校ではそんなに話題になっていない」。高校1年生の甥っ子は「聞いたことはあるけれど、友達間では話題になっていない」とのこと。</p>
<p>小中高ともに600〜700人規模。都城市では比較的大きな学校だが、生徒が噂を拡散している様子はなかった。ただし、予断は許さない。</p>
<p>中2の子と高1の甥っ子の情報の仕入先は学校ではなく、SNS。学校内のリアルの場で噂を喧伝するひと昔前の光景とは様相が異なる。</p>
<p>インターネットやSNSがない時代、噂の“仕入先”はひとだった。その話題性が大きいほどひとが集い、驚きの声が上がり、可視化された。学校でも同じだ。</p>
<p>しかし、子どもであってもネットやSNSを情報源とする時代。サイレントな環境で地域関係なく噂は広がる。噂は“ステルス”形態で、親の、先生のあずかり知らぬうちに子どもたちに入り込み、SNSやグループLINEなど大人が見えないところで拡散されていく。</p>
<p>言い換えれば、昔と違い学校でのデマや噂の流布は表面化しにくく、先生や親が認知したり、注意喚起をしたりする機会が失われていると言える。</p>
<p>だからこそ、大人のあいだで、学校全体で話題になっていないとしても、教育関係者や親はネットで広がるデマや根拠のない噂にもっと敏感になり、子どもが信じていないか、拡散に加担していないか、注意を払う必要がある。</p>
<h2>メディアリテラシー教育の良い機会</h2>
<p>子どもが「7月5日」を口にしていたらどうすべきか。まずは、ネットやSNSでは根拠のないデマや噂が出回っていることを教え、子どもに対しても、「鵜呑みにせず、立ち止まって、多面的に考える」ことを教えるべきだ。</p>
<p>そのうえで、「科学的根拠がない」「政府や公的機関がデマと否定している」ことを伝え、この噂をきっかけに「鵜呑みにしない」習慣を教えるべきだろう。「メディアリテラシー教育」の良い機会だと思えばいい。</p>
<p>ただし、相手は子ども。「批判的思考に基づき、ソースや根拠を確認しよう」と言ったところで、意味を理解できない、あるいは刺さらないこともある。聞く耳を持たず、ただ不安がる子どももいるだろう。</p>
<p>その場合は、2025年7月5日、なにも起きなかった時がチャンスだ。</p>
<p>「ほらね、だからネット上の噂はすぐに鵜呑みにしないことだよ」――。そう教えるほうが、より効果的なのかもしれない。</p>
<p>&nbsp;</p>The post <a href="https://think-miyakonojo.jp/article/11875/">「7月5日に日本で大災害」の誤解 <span> “デマ”に惑わされる子どもに注意</span></a> first appeared on <a href="https://think-miyakonojo.jp">Think都城</a>.]]></content:encoded>
					
					<wfw:commentRss>https://think-miyakonojo.jp/article/11875/feed/</wfw:commentRss>
			<slash:comments>0</slash:comments>
		
		
			</item>
		<item>
		<title>「闇バイト」の怖さと対策 【特別編】SNSに潜む新たなリスク①</title>
		<link>https://think-miyakonojo.jp/article/11111/?utm_source=rss&#038;utm_medium=rss&#038;utm_campaign=%25e3%2580%258c%25e9%2597%2587%25e3%2583%2590%25e3%2582%25a4%25e3%2583%2588%25e3%2580%258d%25e3%2581%25ae%25e6%2580%2596%25e3%2581%2595%25e3%2581%25a8%25e5%25af%25be%25e7%25ad%2596-%25e3%2580%2590%25e7%2589%25b9%25e5%2588%25a5%25e7%25b7%25a8%25e3%2580%2591sns%25e3%2581%25ab%25e6%25bd%259c%25e3%2582%2580%25e6%2596%25b0</link>
					<comments>https://think-miyakonojo.jp/article/11111/#respond</comments>
		
		<dc:creator><![CDATA[Think都城]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 03 Feb 2025 04:00:03 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[メディアリテラシー]]></category>
		<category><![CDATA[SNS]]></category>
		<category><![CDATA[クリティカルシンキング]]></category>
		<category><![CDATA[トクリュウ]]></category>
		<category><![CDATA[ホワイト案件]]></category>
		<category><![CDATA[匿名・流動型犯罪グループ]]></category>
		<category><![CDATA[闇バイト]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://think-miyakonojo.jp/?p=11111</guid>

					<description><![CDATA[<ul>
<li>SNS上にはびこる「<b>闇バイト</b>」の募集。甘言が絶えない。</li>
<li>足を踏み入れれば最後、本人にも家族にも<b>苦しみ</b>が待つ。</li>
<li>犯罪や犯罪組織に<b>関わらない</b>ために留意すべきこととは。</li>
</ul>
The post <a href="https://think-miyakonojo.jp/article/11111/">「闇バイト」の怖さと対策 <span>【特別編】SNSに潜む新たなリスク①</span></a> first appeared on <a href="https://think-miyakonojo.jp">Think都城</a>.]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<div class="su-spoiler su-spoiler-style-fancy su-spoiler-icon-plus su-spoiler-closed" data-scroll-offset="0" data-anchor-in-url="no"><div class="su-spoiler-title" tabindex="0" role="button"><span class="su-spoiler-icon"></span>テーマ［ メディアリテラシー ］の記事一覧</div><div class="su-spoiler-content su-u-clearfix su-u-trim"><ul class="lcp_catlist" id="lcp_instance_0"><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/12/" target="_blank">メディアリテラシーが必要なワケ［前編］　<span>AIフェイク画像と謎の地下室の示唆</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/1399/" target="_blank">メディアリテラシーが必要なワケ［後編］　<span>インターネットや技術革新の功罪</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2115/" target="_blank">「クリティカルシンキング」の本質　<span>誤情報に惑わされないための初歩</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2189/" target="_blank">実践！ ニセ・誤情報に克つ［前編］　<span>5つの「キー・クエスチョン」で考える</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2262/" target="_blank">実践！ ニセ・誤情報に克つ［後編］　<span>デジタル時代に即した新手法「SIFT」</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/5233/" target="_blank">学校に浸透するメディアリテラシー教育　<span>NHKの奮闘、先行する欧米</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/6613/" target="_blank">デマを“現実”にするSNS時代　<span>昭和と令和の「取り付け騒ぎ」に学ぶ</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/8245/" target="_blank">複雑化する「ステマ」広告 <span>ステマ規制開始でも安心できない消費者</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/9193/" target="_blank">能登半島地震に見るSNSの弊害 <span>そこにある情報がすべてではない</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/10615/" target="_blank">「ディープフェイク」の脅威と備え <span>生成AI全盛時代の新たなリスク</span></a></li><li class="current"><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/11111/" target="_blank">「闇バイト」の怖さと対策 <span>【特別編】SNSに潜む新たなリスク①</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/11374/" target="_blank">「SNS型投資・ロマンス詐欺」の脅威 <span>【特別編】SNSに潜む新たなリスク②</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/11432/" target="_blank">「誹謗中傷」に立ち向かう「情プラ法」 <span>【特別編】SNSに潜む新たなリスク③</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/11875/" target="_blank">「7月5日に日本で大災害」の誤解 <span> “デマ”に惑わされる子どもに注意</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/12804/" target="_blank">デジタル民主主義の光と影 <span>JICA「ホームタウン」撤回の示唆</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/13251/" target="_blank">デマ拡散に立ち向かう「対話型広報」 <span>“誤情報”時代の「信頼」設計(1)</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/13317/" target="_blank">「デジタル民主主義」バルセロナの挑戦 <span>“誤情報”時代の「信頼」設計(2)</span></a></li></ul></div></div>
<h2>抜けたいのに抜けられない</h2>
<div class="w_b_box w_b_w100 w_b_flex w_b_div"><div class="w_b_wrap w_b_wrap_talk w_b_L w_b_flex w_b_div" style=""><div class="w_b_ava_box w_b_relative w_b_ava_L w_b_col w_b_f_n w_b_div"><div class="w_b_icon_wrap w_b_relative w_b_div"><div class="w_b_ava_wrap w_b_direction_L w_b_mp0 w_b_div"><div class="w_b_ava_effect w_b_relative w_b_oh w_b_pulse w_b_radius w_b_size_M w_b_div" style="">
<img loading="lazy" decoding="async" src="https://think-miyakonojo.jp/wp-content/plugins/word-balloon/img/mystery_men.svg" width="96" height="96" alt="指示役" class="w_b_ava_img w_b_w100 w_b_h100  w_b_mp0 w_b_img" style="" />
</div></div></div><div class="w_b_name w_b_w100 w_b_lh w_b_name_C w_b_ta_C w_b_mp0 w_b_div">指示役</div></div><div class="w_b_bal_box w_b_bal_L w_b_relative w_b_direction_L w_b_w100 w_b_div"><div class="w_b_space w_b_mp0 w_b_div"><svg version="1.1" xmlns="http://www.w3.org/2000/svg" xmlns:xlink="http://www.w3.org/1999/xlink" x="0px" y="0px" width="1" height="38" viewBox="0 0 1 1" fill="transparent" stroke="transparent" stroke-miterlimit="10" class="w_b_db w_b_mp0"><polygon fill="transparent" stroke="transparent" points="0,1 0,1 0,1 0,1 "/></svg></div><div class="w_b_bal_outer w_b_flex w_b_mp0 w_b_relative w_b_div" style=""><div class="w_b_bal_wrap w_b_bal_wrap_L w_b_div"><div class="w_b_bal w_b_relative w_b_talk w_b_talk_L w_b_shadow_L w_b_ta_L w_b_div"><div class="w_b_quote w_b_div">家族の住所知ってるけど大丈夫？</div></div></div></div></div></div></div>
<div class="w_b_box w_b_w100 w_b_flex w_b_mla w_b_jc_fe w_b_div"><div class="w_b_wrap w_b_wrap_talk w_b_R w_b_flex w_b_jc_fe w_b_div" style=""><div class="w_b_bal_box w_b_bal_R w_b_relative w_b_direction_R w_b_w100 w_b_div"><div class="w_b_space w_b_mp0 w_b_div"><svg version="1.1" xmlns="http://www.w3.org/2000/svg" xmlns:xlink="http://www.w3.org/1999/xlink" x="0px" y="0px" width="1" height="38" viewBox="0 0 1 1" fill="transparent" stroke="transparent" stroke-miterlimit="10" class="w_b_db w_b_mp0"><polygon fill="transparent" stroke="transparent" points="0,1 0,1 0,1 0,1 "/></svg></div><div class="w_b_bal_outer w_b_flex w_b_mp0 w_b_relative w_b_div" style=""><div class="w_b_bal_wrap w_b_bal_wrap_R w_b_div"><div class="w_b_bal w_b_relative w_b_talk w_b_talk_R w_b_shadow_R w_b_ta_L w_b_div"><div class="w_b_quote w_b_div">家族に言うのは困ります<br />
家族に言わずに仕事をやめさせてください</div></div></div></div></div><div class="w_b_ava_box w_b_relative w_b_ava_R w_b_col w_b_f_n w_b_div"><div class="w_b_icon_wrap w_b_relative w_b_div"><div class="w_b_ava_wrap w_b_direction_R w_b_mp0 w_b_div"><div class="w_b_ava_effect w_b_relative w_b_oh w_b_jiggly w_b_radius w_b_size_M w_b_div" style="">
<img loading="lazy" decoding="async" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2025/01/mystery_men2.svg" width="96" height="96" alt="男性A" class="w_b_ava_img w_b_w100 w_b_h100  w_b_mp0 w_b_img" style="" />
</div></div></div><div class="w_b_name w_b_w100 w_b_lh w_b_name_C w_b_ta_C w_b_mp0 w_b_div">男性A</div></div></div></div>
<div class="w_b_box w_b_w100 w_b_flex w_b_div"><div class="w_b_wrap w_b_wrap_talk w_b_L w_b_flex w_b_div" style=""><div class="w_b_ava_box w_b_relative w_b_ava_L w_b_col w_b_f_n w_b_div"><div class="w_b_icon_wrap w_b_relative w_b_div"><div class="w_b_ava_wrap w_b_direction_L w_b_mp0 w_b_div"><div class="w_b_ava_effect w_b_relative w_b_oh w_b_pulse w_b_radius w_b_size_M w_b_div" style="">
<img loading="lazy" decoding="async" src="https://think-miyakonojo.jp/wp-content/plugins/word-balloon/img/mystery_men.svg" width="96" height="96" alt="指示役" class="w_b_ava_img w_b_w100 w_b_h100  w_b_mp0 w_b_img" style="" />
</div></div></div><div class="w_b_name w_b_w100 w_b_lh w_b_name_C w_b_ta_C w_b_mp0 w_b_div">指示役</div></div><div class="w_b_bal_box w_b_bal_L w_b_relative w_b_direction_L w_b_w100 w_b_div"><div class="w_b_space w_b_mp0 w_b_div"><svg version="1.1" xmlns="http://www.w3.org/2000/svg" xmlns:xlink="http://www.w3.org/1999/xlink" x="0px" y="0px" width="1" height="38" viewBox="0 0 1 1" fill="transparent" stroke="transparent" stroke-miterlimit="10" class="w_b_db w_b_mp0"><polygon fill="transparent" stroke="transparent" points="0,1 0,1 0,1 0,1 "/></svg></div><div class="w_b_bal_outer w_b_flex w_b_mp0 w_b_relative w_b_div" style=""><div class="w_b_bal_wrap w_b_bal_wrap_L w_b_div"><div class="w_b_bal w_b_relative w_b_talk w_b_talk_L w_b_shadow_L w_b_ta_L w_b_div"><div class="w_b_quote w_b_div">やめたら家族に言うぞ！<br />
警察に逮捕されることになるけど大丈夫？</div></div></div></div></div></div></div>
<div class="w_b_box w_b_w100 w_b_flex w_b_mla w_b_jc_fe w_b_div"><div class="w_b_wrap w_b_wrap_talk w_b_R w_b_flex w_b_jc_fe w_b_div" style=""><div class="w_b_bal_box w_b_bal_R w_b_relative w_b_direction_R w_b_w100 w_b_div"><div class="w_b_space w_b_mp0 w_b_div"><svg version="1.1" xmlns="http://www.w3.org/2000/svg" xmlns:xlink="http://www.w3.org/1999/xlink" x="0px" y="0px" width="1" height="38" viewBox="0 0 1 1" fill="transparent" stroke="transparent" stroke-miterlimit="10" class="w_b_db w_b_mp0"><polygon fill="transparent" stroke="transparent" points="0,1 0,1 0,1 0,1 "/></svg></div><div class="w_b_bal_outer w_b_flex w_b_mp0 w_b_relative w_b_div" style=""><div class="w_b_bal_wrap w_b_bal_wrap_R w_b_div"><div class="w_b_bal w_b_relative w_b_talk w_b_talk_R w_b_shadow_R w_b_ta_L w_b_div"><div class="w_b_quote w_b_div">なんとかやめさせてください</div></div></div></div></div><div class="w_b_ava_box w_b_relative w_b_ava_R w_b_col w_b_f_n w_b_div"><div class="w_b_icon_wrap w_b_relative w_b_div"><div class="w_b_ava_wrap w_b_direction_R w_b_mp0 w_b_div"><div class="w_b_ava_effect w_b_relative w_b_oh w_b_jiggly w_b_radius w_b_size_M w_b_div" style="">
<img loading="lazy" decoding="async" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2025/01/mystery_men2.svg" width="96" height="96" alt="男性A" class="w_b_ava_img w_b_w100 w_b_h100  w_b_mp0 w_b_img" style="" />
</div></div></div><div class="w_b_name w_b_w100 w_b_lh w_b_name_C w_b_ta_C w_b_mp0 w_b_div">男性A</div></div></div></div>
<p>&nbsp;</p>
<p>2025（令和7）年1月、「闇バイト」に応募して特殊詐欺事件に関与したとして、大阪府警は都内に住む無職の男（23歳）を窃盗容疑で逮捕した。冒頭は、容疑者の供述をもとに、指示役とのメッセージアプリでのやりとりを再現したものだ。</p>
<p>脅されて抜けられなかった男は、大阪府吹田市に住む80代の男性からキャッシュカードをだまし取る、いわゆる「受け子」を命じられ、5枚を盗んだ。防犯カメラの映像などから関与が発覚し、あっけなく逮捕された。</p>
<p>犯罪に関与あるいは加担してしまう闇バイト。その多くのきっかけとなっているのが「X（旧Twitter）」や「Instagram」といったSNSである。</p>
<p>「メディアリテラシー」とは少々、ずれた話にはなるが、知っておくべき「本質」はこれまで論じてきたことと変わらない。</p>
<p>「SNSに潜む新たなリスク」として、まずは闇バイトの実態や怖さを理解したい。そのうえで、どう立ち向かっていくべきかを考えていく。</p>
<h2>増える犯罪と闇バイト</h2>
<p>法務省は2024年12月、「<a href="https://www.moj.go.jp/housouken/housouken03_00134.html" target="_blank" rel="noopener">2024（令和6）年版 犯罪白書</a>」を公表。2023年の検挙者数は前年比8.2％増の18万3269人となり、19年ぶりに増加に転じたことがわかった。</p>
<p>「新型コロナウイルス感染症が感染症法上の５類感染症に移行され、人の移動がより活発化したことがその（刑法犯認知件数の）増加理由の一つとして考えられる」。犯罪白書はこう分析する一方、闇バイトについても初めて触れ、「大きな社会問題となっている」と警鐘を鳴らした。</p>
<p>「<a href="https://www.npa.go.jp/hakusyo/r06/index.html" target="_blank" rel="noopener">2024（令和6）年版 警察白書</a>」では、その実態がより詳しく分析されている。</p>
<p>2023年の「特殊詐欺」被害額は452億円で、7年ぶりに400億円を超えた。同容疑で23年に逮捕・書類送検した2455人中、首謀者やグループリーダーなど「中枢容疑者」は全体の2％にあたる49人に過ぎない。</p>
<p>ほとんどは、キャッシュカードなど受け取る「受け子」や、そのキャッシュカードで現金を引き出す「出し子」といった末端の実行役。SNSなどでの闇バイト募集で集められた“使い捨て”の要員である。</p>
<div class="chart w600">
<div class="chart_title">被疑者が「受け子」になった経緯</div>

<div id="attachment_11173" style="width: 610px" class="wp-caption aligncenter"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-11173" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2025/01/Media11_Graph03.jpg" alt="" width="600" height="382" class="wp-image-11173" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2025/01/Media11_Graph03.jpg 1200w, https://think-miyakonojo.jp/images/2025/01/Media11_Graph03-768x488.jpg 768w" sizes="auto, (max-width: 600px) 100vw, 600px" /><p id="caption-attachment-11173" class="wp-caption-text"><span>注：2023年に検挙した被疑者を対象に調査。構成比はいずれも四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはならない<br />
出所：警察庁「<a href="https://www.npa.go.jp/hakusyo/r06/index.html" target="_blank" rel="noopener">2024（令和6）年版 警察白書</a>」</span></p></div>
</div>
<p>実行役2373人の応募経緯を調べたところ、最も多かったのが「SNS」で41.8%。3.5%の「求人サイト」、2.4%の「ネット掲示板」と合わせると半数近くがインターネットで勧誘されていた。「知人からの紹介」が約32.2％と多くを占めるが、ここにはネット経由で知り合った知人も含まれる。ネットは闇バイトの大きな入口なのだ。</p>
<p>「バイト」という軽い文言に踊らされてはいけない。背後には、「匿名・流動型犯罪グループ（匿流＝トクリュウ）」と呼ばれている犯罪組織が跋扈（ばっこ）しており、関わったら最後、地獄の苦しみが待っている。</p>
<h2>トクリュウを知らしめた「ルフィ」</h2>
<p>最新の警察白書は、「匿名・流動型犯罪グループに対する警察の取組」という特集を組んだ。以下は、その冒頭部分の抜粋である。</p>
<blockquote>
<p>近年、準暴力団に加えて、新たな特徴を有する犯罪集団が台頭し、治安対策上の脅威となっている。それが、「匿名・流動型犯罪グループ」である。警察が従来対峙（じ）してきた暴力団は、構成員同士が擬制的な血縁関係によって結び付き、多くの場合、「組長」の統制の下に、地位の上下によって階層的に構成されており、組織の威力を背景に又は威力を利用して資金獲得活動を行っていた。<br />
<br />
これに対し、匿名・流動型犯罪グループは、各種犯罪により得た収益を吸い上げる中核部分は匿名化されており、また、SNSや求人サイトを通じるなどして緩やかに結び付いたメンバー同士が役割を細分化させ、その都度、末端の実行犯を言わば「使い捨て」にするなど、メンバーを入れ替えながら多様な資金獲得活動を行うため、組織の把握やメンバーの特定が容易ではないという特徴を有している。</p>
</blockquote>
<p>この“トクリュウ”の名を知らしめ、警察を本気にさせたのが「ルフィ」「キム」などと名乗る指示役グループだ。同グループの4人は2023年2月、フィリピンから強制送還され、特殊詐欺事件に絡む窃盗の疑いで逮捕され、世間の耳目を集めた。</p>
<p>ルフィら指示役グループは、フィリピンの入管施設から闇バイトを募集。何件もの特殊詐欺を企て、闇バイトで集めた実行役に指示し、受け子や出し子をやらせた。その被害額は60億円を超えるとされている。</p>
<p>さらに同グループの犯罪は強盗へとエスカレート。その被害は少なくとも2022年5月から2023年1月までの短期間で、全国8箇所におよんだ。中でも2023年1月に東京都狛江市で起きた事件は、最も残忍な事件として知られている。</p>
<p>実行役の男らは、宅配業者を装い玄関から高齢者の自宅へ侵入。90代女性の両手を結束バンドで縛り、暴行を加え、約60万円相当の腕時計などを盗んだ。強盗の情報を得た警察官が駆けつけるも、女性は死亡してしまっていた。</p>
<p>警察は翌2月、リーダーを含む実行役の男ら5人を強盗殺人容疑等で逮捕。捜査の結果、実行役の男らはSNSでの闇バイト募集に応募して犯行におよんだことや、秘匿性の高いロシア製メッセージアプリ「テレグラム」を通じてルフィら指示役グループから指示を受けていたことなどが判明し、ルフィら4人の逮捕にもつながった。</p>
<p>2024年10月、この狛江市での事件で実行役リーダーを務めていた土木作業員の男（23歳）の裁判員裁判が東京地裁立川支部で始まり、翌11月、男に無期懲役刑が言い渡された。この裁判で、闇バイトがいかに恐ろしい世界か、浮き彫りとなった。</p>
<h2>金欲しさと歪んだ責任感</h2>
<p>公判での論告や陳述によると、実行役リーダーの男と指示役グループの“出会い”は2022年11月。当時、石川県内で土木作業員として働く一方、競艇にのめり込み、消費者金融やヤミ金から借金を重ねていた男は、躊躇なく「Twitter（現X）」で「闇バイト」「高収入」などと検索し、キムやルフィらとつながった。</p>
<p>テレグラムに誘導され、ほどなく最初の“案件”が持ちかけられた。神奈川県秦野市の住宅へ侵入して強盗する、いわゆる「たたき」の指示。腕時計など約878万円相当を盗んだ。事前の「自宅に1000万円」という情報に満たないとし、報酬をもらえなかったが、男は密かに腕時計2点を隠し持ち、約170万円で売却。奈落へ落ちていく。</p>
<p>翌12月、東京都中野区の住宅を襲う案件に6人の実行役の一人として参加した。キムから「あなたがリーダー」と言われ、実社会で認められたことのない男に歪んだ責任感とプライドが生まれた。住人の顔を殴り、クローゼットにあった約3200万円を奪取。実行役の一人が駆けつけた警察官に捕まったが、リーダーの男は逃げどおし、約150万円の報酬を得る。「いずれ捕まるなら」とさらに犯行を重ねた。</p>
<p>同月、今度は広島市時計店兼住宅を襲う案件に誘われ、新幹線に乗って参加した。中野の犯行で激しい抵抗にあった男は、自ら「モンキーレンチ」の持参を指示役に提案。指示役も、テレグラムの通話機能で実行役全員に「暴行しないと報酬はあげない」「リーダーがモンキーレンチでじゃんじゃんやってくれます」と煽った。</p>
<p>最終的に男は時計店店主の息子の後頭部をモンキーレンチで激しく殴打し、店主の息子は一時、意識不明に。常時介護が必要な後遺症が残った。</p>
<p>「やばい、血が止まってなかった」。直後、男はキムに伝えると、「おまえらが頼りないからだ」と叱責された。身を隠し、闇社会で生きていくしかないと覚悟した男は、キムのような指示役に転じたいと考え、その資金稼ぎのために、さらなる罪を重ねる。</p>
<p>年が明けた2023年1月、千葉県大網白里市のリサイクルショップを襲った。男性店長の顔を殴り、鼻骨などを折るも、金品を奪うことができず逃走。無報酬の結果に終わったため、すぐに新しい案件への参加を決めた。それが死者を出した狛江市の事件だった。</p>
<h2>なお迫る危機、拡大する勢力</h2>
<p>トクリュウであるキムやルフィらの指示役グループが引き起こした強盗事件を特異な例と捉えてはいけない。</p>
<p>最新の警察白書（24年版）は以下のようなデータを紹介している。</p>
<blockquote>
<p>令和6年4月から5月までの間における匿名・流動型犯罪グループによるものとみられる資金獲得犯罪について、主な資金獲得犯罪の検挙人員508人を罪種別にみると、詐欺が289人、強盗が34人、窃盗が103人となっており、匿名・流動型犯罪グループが詐欺を主な資金源としている状況がうかがわれる。<br />
<br />
また、令和6年4月から5月までの間における同グループによるものとみられる主な資金獲得犯罪の検挙人員のうち、SNSでの犯罪実行者募集情報に応募する形で犯行に関与した者は155人と、全体の30.5％を占めている。</p>
</blockquote>
<p>ルフィらの指示役グループも、大規模な特殊詐欺に加担していた。「ただ、ブツを受け取るだけ」「ただ、ATMから引き出すだけ」という甘言で誘った実行役を脅し、あるいは報酬を餌に釣り、より重大な犯罪へと巻き込んでいくのはトクリュウの常套手段である。</p>
<p>覚醒剤の密売、繁華街での“みかじめ料”の徴収、企業などへの恐喝、公的給付金制度を悪用した詐欺、違法な貸金業や風俗店経営……。トクリュウはほかにも、あらゆる悪に手を染めている。姿形を変えた暴力団組織と捉えたほうがいい。</p>
<p>実際に、ルフィらの指示役グループは暴力団や準暴力団との関係もあったとされている。そうしたトクリュウの組織は国内外にほかにも存在し、今もなお活動を続けている。ルフィ一味が逮捕されたからといって脅威が去ったわけではない。</p>
<p>警察庁は、トクリュウやその規模は「捉えきれない」としているが、最新の警察白書では、情報官や特殊詐欺事件の捜査責任者から得られた「現場の声」として、以下のような認識を示している。</p>
<blockquote>
<p>匿名・流動型犯罪グループの勢力については、「全体的に勢力を拡大させている」ないし「部分的に勢力を拡大させている」との認識が大勢を占め、この傾向は、大都市圏のみならず全国的に共通である。</p>
</blockquote>
<p>もちろん、警察も本腰を入れてトクリュウの実態解明や摘発に心血を注いでいるが、逮捕者の多くは闇バイトで集められた使い捨ての実行役。指示役は匿名性の高いネットの向こうに身を隠し、言葉巧みに新たな実行役をかき集めている。</p>
<p>国全体で啓発も進んでいるものの、募集は雨後の筍のごとく湧いているのが実情だ。</p>
<h2>進む啓発、SNS各社も対策</h2>
<p>全国の警察組織は2020年半ば頃からSNSのパトロールを強化し、闇バイトの実行役を募集する投稿に対し警告しているが、その数は減っていない。例えば2024年に北海道警察本部が警告した数は、2023年の約1.5倍となる1306件だった。</p>
<p>そうした投稿に若者が踊らされないよう、総務省や警察庁、東京都などあらゆる行政組織が啓発活動を強化している。</p>

<div id="attachment_11149" style="width: 610px" class="wp-caption aligncenter"><a href="https://www.kagaiboushi.metro.tokyo.lg.jp/" target="_blank" rel="noopener"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-11149" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2025/01/Media11_Tokyo.jpg" alt="" width="600" height="350" class="wp-image-11149" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2025/01/Media11_Tokyo.jpg 1200w, https://think-miyakonojo.jp/images/2025/01/Media11_Tokyo-768x448.jpg 768w" sizes="auto, (max-width: 600px) 100vw, 600px" /></a><p id="caption-attachment-11149" class="wp-caption-text">東京都が設置している「<a href="https://www.kagaiboushi.metro.tokyo.lg.jp/" target="_blank" rel="noopener">特殊詐欺加害防止 特設サイト</a>」では若者にわかりやすく闇バイトの怖さを伝え続けている</p></div>

<p>東京都は2022年9月から「<a href="https://www.kagaiboushi.metro.tokyo.lg.jp/" target="_blank" rel="noopener">特殊詐欺加害防止 特設サイト</a>」を設置し、闇バイトに応募しないよう、継続的に呼びかけや啓発を続けている。</p>
<p>「10代のみなさんへ　それ、『バイト』ではなく『犯罪』です！！」――。2024年12月、警察庁や文部科学省などはこんなキャッチコピーのチラシを製作し、配布やネット上での掲示を始めた。SNS事業者側での対策も始まっている。</p>
<p>総務省は2024年12月、業界団体を通じて、Xに加え、「Facebook」や「Instagram」を運営するメタ、LINEヤフー、グーグル、TikTokの5社に闇バイト問題への対応を要請。Xでは、「闇バイト」「ホワイト案件」などと検索すると、「求人情報を探しているあなた、気をつけて」といった文言と警察庁へのリンクが最上位に表示されるようになった。</p>
<p>2025年1月末からは、警察庁の取り組みとして、各種SNS・ネットメディア上で「『闇バイト』は犯罪です」と呼びかけるバナー広告の掲載も開始している。</p>
<p>ただし、もはや堂々と「闇バイト」と銘打って募集するトクリュウは少数。“ブラック”な仕事ではない「ホワイト案件」という文言も、闇バイトの偽装文句という認知が広がり、廃れてきた。ひと目で闇バイトとわからないよう巧妙化しつつあるから厄介である。</p>
<h2>巧妙化する闇バイト募集</h2>
<p>「深夜の散歩が好きな方必見！夜道で猫を探すバイト」――。2024年11月、短期アルバイトを斡旋する大手求人アプリ上に掲載された求人募集が「闇バイト募集ではないか」とSNS上で話題となった。</p>
<p>深夜1時30分から4時30分までの3時間で「7500円」の報酬。都内の指定された道を歩き、「猫がいたところを地図上で印をつけるだけです！」という業務内容。「情報漏洩防止の為、携帯電話や荷物を預かります」といった注意書きもあったことから、「猫は防犯カメラや高級車を指す隠語じゃないか」という憶測を呼んだ。</p>
<p>求人アプリの運営会社は「不適切である疑いのある求人」と判断し、求人を差し止めた。これが闇バイト募集であったかどうかは明らかになっていないが、そういった「一般の求人」に紛れた闇バイトの「偽装募集」が増えていると指摘されている。</p>
<p>先に紹介した東京都の特設サイトは、大手バイトアプリ「バイトル」を運営するディップへの取材協力をもとに、以下のような記事を掲載している。</p>
<blockquote>
<p>闇バイトが登場した当初は、一目で「怪しい求人」とわかるような募集内容が多かったですが、最近ではごく普通の求人広告を装う傾向が強くなっています。</p>
<p>たとえば、「架け子」の募集なら、「コールセンターでの仕事です。スクリプトどおりに話すだけです」といったように、仕事内容を具体的に示して、応募者が不安を抱かないよう工夫する動きがみられるようになりました。</p>
<p>また、バイトの報酬にも変化が。本サイトでは「高額報酬、高収入が危ない」と警告してきましたが、その裏をかくように受け子の仕事などを日給1万円程度で募集するケースも出てきているのです。高すぎないバイト代に受け子とは気づかずに応募して犯罪に加担し、逮捕に至った例もあります。</p>
<p>一方、応募者の不安を取り去るために、さまざまな「権威づけ」をする傾向も見られます。例えば「上場企業の仕事です」「行政の許可を得ている作業です」など。真っ赤なウソを並べ立てているだけですが、信用して応募してしまう人も多くいるようです。</p>
</blockquote>
<p>SNSを通じた勧誘も見抜きづらくなっている。最近では、騙し取った現金などの受け渡し場所として、宅配ボックスが利用されている。「宅配ボックスから荷物を回収して運ぶ仕事です」などと言われ、犯罪意識がないまま加担してしまうケースも多いという。</p>
<h2>若年層やシニア層へも広がる</h2>
<p>巧みに偽装する闇バイト案件。そのターゲットは判断能力が乏しい高校生や老人などにも広がっており、事態をさらに深刻化させている。</p>

<div id="attachment_6702" style="width: 750px" class="wp-caption aligncenter"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-6702" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/09/literacy7_image01-300x169.jpg" alt="" width="740" height="417" class="wp-image-6702" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/09/literacy7_image01-300x169.jpg 300w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/09/literacy7_image01-1024x576.jpg 1024w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/09/literacy7_image01-768x432.jpg 768w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/09/literacy7_image01.jpg 1480w" sizes="auto, (max-width: 740px) 100vw, 740px" /><p id="caption-attachment-6702" class="wp-caption-text">闇バイト要員確保の魔の手は10代にも及んでいる<span>（写真はイメージ）</span></p></div>

<p>2024年7〜9月、埼玉県居住の15〜17歳の女子高校生４人が、複数の特殊詐欺事件に関与した疑いで埼玉県警に逮捕された。SNSで時給の高いアルバイトを探していた16歳の女子高校生が「現金を運ぶだけの仕事」と勧誘され、犯罪ではないと判断し、応募。その後、友人3人を誘い、特殊詐欺事件の受け子や出し子として関わった。</p>
<p>埼玉県警は2024年12月にも、千葉県柏市在住の15歳の男子中学生を詐欺未遂の疑いで逮捕している。遊ぶ金欲しさに安易に闇バイトへ手を出してしまう未成年が増える一方、70〜80代の高齢者が加担する事件も増えている。</p>
<p>トクリュウからすれば、相次ぐ物価上昇などで生活に困窮する人は格好のターゲット。これまで実行役の主体だった20代、30代を次々と使い潰した今、指示を忠実に守り、騙す対象からも疑われにくいシニア層の利用価値が上がっているという。</p>
<p>しかし、理由がどうであれ、闇バイトは犯罪。そして「闇バイトは終わりの始まり」。ルフィらの実行役として逮捕された男はそう言った。</p>
<p>SNSを主な“草刈り場”とし、あらゆる犯罪に手を染める反社会的勢力として拡大しているトクリュウ。関わったら最後、一度、足を踏み入れれば、取り返しのつかないことになる。では、どうすれば関わらずに済むのか。</p>
<h2>すべてを疑い、相談する</h2>
<p>まずは、この「メディアリテラシー」のテーマで繰り返し、重要な思考と訴えてきた「クリティカルシンキング（批判的思考）」が、闇バイト対策でも基本になるだろう。</p>
<p>「<strong>鵜呑みにせず、立ち止まって、多面的に考える</strong>」という、クリティカルシンキングの姿勢や思考が自分の身を守る。</p>
<p>そもそも、まともな仕事に「ホワイト案件」と銘打つ会社などない。「グレー」や「ホワイト」といった文言が入る求人は問答無用で避けるべきとして、「高額報酬」「リスクなし」「楽に稼げる」といった“甘言”にも、疑いの目を向けるべきだ。</p>
<p>政府広報が「一見おいしいうたい文句はウソで、本当は犯罪実行役で都合の良い『捨て駒』の募集です」と警鐘を鳴らしているように、甘い蜜には罠がある。</p>
<p>具体的な中身を明示せず「運ぶだけの簡単なお仕事です」といった文言にも注意だ。中身を言えない理由がある。「詳細はDMで」などと、電話や電子メールを避ける募集者もかなり怪しい。「続きはテレグラムかシグナルで」などと、秘匿性の高いメッセージアプリでのやり取りを要求されたら、それはほぼブラック、闇バイトだと思ったほうがいい。</p>
<p>それでも「報酬がそこまで高額ではなかった」「相手が非常に丁寧だった」といった理由で、罠にかかってしまうこともある。あるいは、目先のお金欲しさに、思考停止に陥って飛びついてしまったら……。</p>
<p>いつでもいい。「これは闇バイトかもしれない」と気づいたその瞬間に、「#9110」に電話をかけ、一刻も早く抜け出すべきだ。#9110は、警察に相談したいことがある人向けの相談専用電話である。</p>
<h2>警察に相談すれば保護してもらえる</h2>
<p>昨秋以降、警察庁は闇バイトに応募してしまった人や家族を保護する取り組みを強化。「少しでも不安を感じたら#9110に電話を！」などと周知を重ねる一方、相談を受けた本人や家族の避難、パトロールの強化といった対応をするよう全国の警察に指示した。</p>
<p>すでに個人情報を渡してしまっており、「実家を襲うぞ」「家族に危険がおよぶ」などと脅されても、意に介することはない。警察に相談すれば、ちゃんと保護してくれる。警察庁はあらゆる場所で「相談を受けたあなたやあなたの家族を確実に保護します」と明言しており、2024年10月には防犯対策部門の幹部もわざわざ<a href="https://x.com/NPA_KOHO/status/1847174525936624049" target="_blank" rel="noopener">動画でそう言っている</a>。</p>
<blockquote class="twitter-tweet" data-media-max-width="560">
<p lang="ja" dir="ltr">自分自身や家族への脅迫が理由であっても <a href="https://twitter.com/hashtag/%E5%BC%B7%E7%9B%97?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#強盗</a> は凶悪な <a href="https://twitter.com/hashtag/%E7%8A%AF%E7%BD%AA?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#犯罪</a> です。<br />
犯罪に関わってはいけません。勇気を持って抜け出し、すぐに警察に <a href="https://twitter.com/hashtag/%E7%9B%B8%E8%AB%87?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#相談</a> してください。<br />
警察は相談を受けたあなたやあなたの家族を確実に保護します。<br />
安心して、そして勇気を持って、今すぐ引き返してください。<a href="https://twitter.com/hashtag/%E8%AD%A6%E5%AF%9F?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#警察</a> <a href="https://t.co/NrS2kHk85x">pic.twitter.com/NrS2kHk85x</a></p>

— 警察庁 (@NPA_KOHO) <a href="https://twitter.com/NPA_KOHO/status/1847174525936624049?ref_src=twsrc%5Etfw">October 18, 2024</a></blockquote>
<p><script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script></p>
<p>実際、闇バイトに応募し、指示役グループに脅されるなどした人を保護した事例は2024年10月中旬の強化から11月末までの1カ月半、全国で125件あった。うち7割が10〜20代の若年層で、30代、40代、50代が1割ずつ続く。</p>
<p>トクリュウも、わざわざ警察に目をつけられた場所を襲うようなリスクをとらないだろう。引き止める「脅し」であって、失敗すればまた次の「カモ」を探すだけだ。</p>
<p>家族に危害がおよぶと脅され犯行に手を染めても、結局、家族は苦しむことになる。</p>
<p>闇バイトに応募し、特殊詐欺事件に関わったとして逮捕された30代の男の父親が、<a href="https://www.nhk.or.jp/shutoken/articles/101/015/87/" target="_blank" rel="noopener">NHKの取材</a>に以下のように答えている。</p>
<p>「ご近所さんに知られたらどうしようと、ビクビクしながら生活している状態です。妻とも、もうここに住んでいられないという話をしています」</p>
<p>この父親は息子とは疎遠で7年ほど連絡をとっておらず、逮捕は「テレビのニュースを見て知った」。自身の対策ではないが、あなたの息子や娘が闇バイトに加担していないか注視することも、家族全体の幸せを確保することにつながり、あなたの身を守るうえでも重要と言える。</p>
<p>最後に、狛江市の事件で高齢女性を死に至らしめた実行役リーダーの男の「言葉」を紹介したい。</p>
<h2>「全ての方々が苦しむから駄目なんです」</h2>
<blockquote class="twitter-tweet">
<p lang="ja" dir="ltr">闇バイトにより無期懲役の判決を言い渡された実行役のリーダー「永田陸人」からの手記です。<br />
永田被告から闇バイトをしようとしている皆様に伝えたい事があり、私が手記の内容をXにて掲載しています。… <a href="https://t.co/VkkRQiklE6">pic.twitter.com/VkkRQiklE6</a></p>

— &#x1f359;高橋ユキ&#x1f359; (@tk84yuki) <a href="https://twitter.com/tk84yuki/status/1883761785872040250?ref_src=twsrc%5Etfw">January 27, 2025</a></blockquote>
<p><script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script></p>
<p>リーダーの男は、無期懲役刑を言い渡されたのち、「被害者家族の近くで服役したい」という理由で控訴。2025年1月、「“闇バイトに手を出さないでほしい”という私の切な願いを記述したもの」とする手記を、拘置所で取材を続けるライターに託した。</p>
<p>同手記で男は、「闇バイトが駄目な理由」としてこう綴っている。</p>
<blockquote>
<p>絶対にパクられますよ。（中略）環境や居心地が良くても世の中に楽な仕事なんてありません。パクられた後の事も貴方の楽な仕事には含まれていますか？　信用を失い、不自由な生活を過ごし、再犯率が高くなり再び犯罪に手を染める。良い事は1つもありませんが貴方の楽な仕事とは本当にこんな仕事をする事ですか？（中略）貴方が不幸になるから（闇バイトは）駄目なんです。</p>
<p>道徳心が欠如していた私が申し上げる事にためらいを感じますが、“幸福は他人の犠牲では得られません”。これは身を持って痛感しています。（中略）貴方が安易に手を出そうとしている犯罪は必ず人を傷付け、笑い話に出来ない苦しみを与えます。傷付く相手ですが貴方の周りにいる方、全てが被害者となります。全ての方を不幸にすると知っても貴方は幸せを感じられますか？結論は貴方のご家族、周りの方々、そして被害者の方々、全ての方々が苦しむから（闇バイトは）駄目なんです。（括弧書き以外原文ママ、以下同）</p>
</blockquote>
<p>男は便箋7枚にわたる手記で、「闇バイト」「ホワイト案件」などと調べている人に向け、「どうしたら良いか説明します」とし、こう続けた。</p>
<blockquote>
<p>周りを頼る。これが答えです。それ以外に貴方の状況を変える方法はないと思います。（中略）自分の欲を自分で抑えられない人はより周りの方に頼るしかありません。恥ずかしいという気持ちもプライドが許さない事も私には理解出来ますが無理して背伸びし続けるなんて貴方には無理です。これまで積み上げてきた貴方の姿が本来の姿ではないなら今から素直になれば良いと私は思います。（中略）貴方の心が変われば貴方の人生が変わります。結論は頼るべき相手に素直に頼るです。</p>
</blockquote>
<p>どんな手記を書こうが、反省の意を見せようが、人を殺めた男に同情の余地などない。ただ、公判で「極刑を望みます」「犯行は悪質で、残虐。責任を果たすのは死刑がふさわしい」などと語った男は、情状酌量や減刑のために書いたわけではなさそうだ。</p>
<p>最後にこう書いて、手記は終わっている。</p>
<blockquote>
<p>私のように死ぬ程、後悔したいですか？　繰り返しとなり恐縮ですが末路を知っても闇バイトに手を出しますか？皆様の人生ですので皆様が決める事です。ただどんな選択をされても最後は自分の責任です。世の中には果たせない責任もある事は事実としてお伝えしておきます。現在、私に出来る事を模索し文字を綴らせていただいておりますがこんな事で責任は果たせません。皆様にはそんな思いも抱いてほしくないと切に願います。</p>
</blockquote>
<p>SNSに潜む闇バイトというリスクは、これほどまでに苦しく重たい。許されない犯罪者の言葉であったとしても、知っておいて損はない。</p>
<a href="https://think-miyakonojo.jp/article/11374/" class="cardlink" target="_blank" rel="noopener noreferrer">
    <div class="cardlink_thumbnail">
        <img decoding="async" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2025/02/Media12_Hero01-500x500.jpg">
    </div>
    <div class="cardlink_content">
        <span class="cardlink_timestamp">2025.02.28</span>
        <div class="cardlink_title">
            「SNS型投資・ロマンス詐欺」の脅威 <span>【特別編】SNSに潜む新たなリスク②</span>
        </div>
        <div class="cardlink_excerpt"><span>2023年から「SNS型投資詐欺・ロマンス詐欺」の被害が急増中。個人を狙い撃ちし、LINEなどで長い時間をかけ信用させる手口。秘匿したい感情から周囲に打ち明けにくく、被害が進行する。...</span></div>
    </div>
    <div class="cardlink_footer"></div>
</a>

<a href="https://think-miyakonojo.jp/article/11432/" class="cardlink" target="_blank" rel="noopener noreferrer">
    <div class="cardlink_thumbnail">
        <img decoding="async" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2025/02/Media13_Hero02-500x500.jpg">
    </div>
    <div class="cardlink_content">
        <span class="cardlink_timestamp">2025.03.21</span>
        <div class="cardlink_title">
            「誹謗中傷」に立ち向かう「情プラ法」 <span>【特別編】SNSに潜む新たなリスク③</span>
        </div>
        <div class="cardlink_excerpt"><span>SNSを中心にネット上の「誹謗中傷」がまん延し、痛ましい事件も。2025年4月「情報流通プラットフォーム対処法」が施行、対策が進む。法改正でなにが変わるのか。被害者・加害者双方の視点から追った。...</span></div>
    </div>
    <div class="cardlink_footer"></div>
</a>The post <a href="https://think-miyakonojo.jp/article/11111/">「闇バイト」の怖さと対策 <span>【特別編】SNSに潜む新たなリスク①</span></a> first appeared on <a href="https://think-miyakonojo.jp">Think都城</a>.]]></content:encoded>
					
					<wfw:commentRss>https://think-miyakonojo.jp/article/11111/feed/</wfw:commentRss>
			<slash:comments>0</slash:comments>
		
		
			</item>
		<item>
		<title>「ディープフェイク」の脅威と備え 生成AI全盛時代の新たなリスク</title>
		<link>https://think-miyakonojo.jp/article/10615/?utm_source=rss&#038;utm_medium=rss&#038;utm_campaign=%25e3%2580%258c%25e3%2583%2587%25e3%2582%25a3%25e3%2583%25bc%25e3%2583%2597%25e3%2583%2595%25e3%2582%25a7%25e3%2582%25a4%25e3%2582%25af%25e3%2580%258d%25e3%2581%25ae%25e8%2584%2585%25e5%25a8%2581%25e3%2581%25a8%25e5%2582%2599%25e3%2581%2588-%25e7%2594%259f%25e6%2588%2590ai%25e5%2585%25a8%25e7%259b%259b%25e6%2599%2582</link>
					<comments>https://think-miyakonojo.jp/article/10615/#respond</comments>
		
		<dc:creator><![CDATA[井上 理（いのうえ・おさむ）]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 20 Sep 2024 03:00:22 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[メディアリテラシー]]></category>
		<category><![CDATA[AI]]></category>
		<category><![CDATA[SNS]]></category>
		<category><![CDATA[クリティカルシンキング]]></category>
		<category><![CDATA[ディープフェイク]]></category>
		<category><![CDATA[フェイクニュース]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://think-miyakonojo.jp/?p=10615</guid>

					<description><![CDATA[<ul>
<li>生成AIが生む<b>ディープフェイク</b>が世界中で猛威を振るう。</li>
<li>クローズドな環境で特定のターゲットを狙う<b>詐欺も横行</b>。</li>
<li>あなたの身近な場所にもディープフェイクは潜んでいる。</li>
<ul>
The post <a href="https://think-miyakonojo.jp/article/10615/">「ディープフェイク」の脅威と備え <span>生成AI全盛時代の新たなリスク</span></a> first appeared on <a href="https://think-miyakonojo.jp">Think都城</a>.]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<div class="su-spoiler su-spoiler-style-“fancy” su-spoiler-icon-plus su-spoiler-closed" data-scroll-offset="0" data-anchor-in-url="no"><div class="su-spoiler-title" tabindex="0" role="button"><span class="su-spoiler-icon"></span>テーマ［ メディアリテラシー ］の記事一覧</div><div class="su-spoiler-content su-u-clearfix su-u-trim"><ul class="lcp_catlist" id="lcp_instance_0"><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/12/" target="_blank">メディアリテラシーが必要なワケ［前編］　<span>AIフェイク画像と謎の地下室の示唆</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/1399/" target="_blank">メディアリテラシーが必要なワケ［後編］　<span>インターネットや技術革新の功罪</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2115/" target="_blank">「クリティカルシンキング」の本質　<span>誤情報に惑わされないための初歩</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2189/" target="_blank">実践！ ニセ・誤情報に克つ［前編］　<span>5つの「キー・クエスチョン」で考える</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2262/" target="_blank">実践！ ニセ・誤情報に克つ［後編］　<span>デジタル時代に即した新手法「SIFT」</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/5233/" target="_blank">学校に浸透するメディアリテラシー教育　<span>NHKの奮闘、先行する欧米</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/6613/" target="_blank">デマを“現実”にするSNS時代　<span>昭和と令和の「取り付け騒ぎ」に学ぶ</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/8245/" target="_blank">複雑化する「ステマ」広告 <span>ステマ規制開始でも安心できない消費者</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/9193/" target="_blank">能登半島地震に見るSNSの弊害 <span>そこにある情報がすべてではない</span></a></li><li class="current"><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/10615/" target="_blank">「ディープフェイク」の脅威と備え <span>生成AI全盛時代の新たなリスク</span></a></li></ul></div></div>
<h2>「生成AI」による新たなリスク</h2>
<p>「人工知能（AI）」技術の飛躍的な進化は、人々の生活に大きな恩恵をもたらしている。中でも新たなコンテンツを生成する「生成AI」の登場は、人間の創造性や効率を大幅に向上させる一方で、新たなリスクや危険性を浮き彫りにさせた。</p>
<p>AIが生成するテキストや映像、音声は、もはや人間が作り出すものと見分けがつかないほどの精度に達しており、ディープフェイクやフェイク動画、フェイクニュースといった新たな脅威が広がっているのだ――。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>じつはここまでの文章、AIが書いた記事の冒頭部分である。</p>
<p>利用したのは、なにかと話題の「ChatGPT」。「生成AIによる高度なディープフェイクやフェイクニュースなどに踊らされないよう、読者に警鐘を鳴らす記事を書いてください」といった、「プロンプト」と呼ばれる簡単な命令文を入力しただけで、5000文字程度の原稿をいとも簡単に吐き出した。</p>

<div id="attachment_10633" style="width: 610px" class="wp-caption aligncenter"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-10633" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2024/09/Media10_ChatGPT.jpg" alt="" width="600" height="415" class="wp-image-10633" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2024/09/Media10_ChatGPT.jpg 1200w, https://think-miyakonojo.jp/images/2024/09/Media10_ChatGPT-768x531.jpg 768w" sizes="auto, (max-width: 600px) 100vw, 600px" /><p id="caption-attachment-10633" class="wp-caption-text">生成AI「ChatGPT」に原稿を書いてもらうため送信した「プロンプト」の内容</p></div>

<p>ものの1分ほどで“生成”された文章はこう続く。</p>
<p>「この状況下で、私たちはどのようにして事実を見極め、虚偽情報に踊らされないようにするべきか。AIが引き起こす新たなリスクを明らかにしつつ、メディアリテラシーの重要性について考察する」</p>
<p>入りとしては悪くない。その後に続く文章も、おもしろみは欠けるが、内容は正しい。だからといって、本稿を“コピペ”で終わらすことはできない（しかも、こうしたトリッキーな書き始めで記事を生成することは、まだAIには難しい）。</p>
<p>ここからは100％人間の手で「AIを見抜くメディアリテラシー」の必要性を論じていく。</p>
<h2>岸田首相のディープフェイク</h2>
<p>AIが生成した創造物が定期的に世間を賑わせている。国内では岸田文雄首相を模した「偽（フェイク）動画」の拡散が記憶に新しい。</p>

<div id="attachment_10632" style="width: 610px" class="wp-caption aligncenter"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-10632" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2024/09/Media10_Kishida.jpg" alt="" width="600" height="338" class="wp-image-10632" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2024/09/Media10_Kishida.jpg 1200w, https://think-miyakonojo.jp/images/2024/09/Media10_Kishida-768x432.jpg 768w" sizes="auto, (max-width: 600px) 100vw, 600px" /><p id="caption-attachment-10632" class="wp-caption-text">岸田文雄首相を模したフェイク動画が世間を騒がせた<span>（動画のキャプチャを一部加工）</span></p></div>

<p>日本テレビのニュースチャンネル「日テレNEWS24」の中継画面を模してつくられたその動画は、岸田首相が卑猥な内容を淡々とカメラに語るもの。2023（令和5）年夏、作成者が「X」や「ニコニコ動画」に投稿。削除されたが、他人によって同年11月にXへ再投稿されると一気に拡散。230万回以上閲覧され、テレビや新聞なども大きく報じた。</p>
<p>元動画の投稿者に直接、取材をした読売新聞の記事は、以下のように報じている。</p>
<blockquote>
<p>（もとの）偽動画を制作して投稿したのは大阪府の男性（２５）だ。</p>
<p>男性によると、ネット上で公開されている首相の記者会見や自民党大会の演説などの動画から、首相の音声をＡＩに学習させて、偽音声を用意した。首相のオンライン記者会見を伝えた日本テレビのニュース番組を利用し、自身の声を首相の偽音声に変換させる機能を使って、わいせつな発言を吹き込んだ。</p>
<p>そして、セリフに合うように、首相の口の動きを加工したり、テロップを作ったりして、１時間足らずで作り上げたという。</p>
</blockquote>
<p>こうした生成AIの技術を使い、悪意をもって本物のように合成された画像や音声、映像を「ディープフェイク」とも呼ぶ。総務省の情報通信白書は以下のように定義している。</p>
<blockquote>
<p>「ディープフェイク」とは、「ディープラーニング（深層学習）」と「フェイク（偽物）」を組み合わせた造語で、本物又は真実であるかのように誤って表示し、人々が発言又は行動していない言動を行っているかのような描写をすることを特徴とする、AI技術を用いて合成された音声、画像あるいは動画コンテンツのことをいう。</p>
<p>近年、世界各国でこれらディープフェイクによる情報操作や犯罪利用が増加しており、その対策には各方面からの取組が行われているものの、いたちごっこの様相を呈している。</p>
</blockquote>
<p>高度な技術がなくとも、簡単な知識さえあれば、インターネット上のクラウド・アプリケーションなどで誰でも安価に（場合によっては無料で）高精度なディープフェイクをつくり出すことができる時代になった。</p>
<p>海外では2018年頃から著名人や政治家を模した偽物の動画や画像が急増し始めたが、当初は「不自然」と指摘されていた動画や画像は近年、専門家でも見抜くのが困難なほど精緻になってきており、時には政治に利用されることもある。</p>
<p>各SNSはディープフェイク対策に躍起になっており、多くは投稿後、話題になった時点で削除対象となっているが、雨後の筍のように沸いており、追いつかないのが実情だ。時には為政者の権限でより多くの目にさらされることもある。</p>
<h2>ハリス副大統領が「架空」の演説</h2>
<p>「今日は今日で、昨日は今日の昨日。明日は今日の明日になるから、未来の今日が過去の今日のようになるために、今日を生きよう。そうすれば、それが明日になる」――。</p>
<p>2024（令和6）年7月、バイデン大統領が米大統領選から撤退すると発表した翌日、民主党の米大統領選候補に指名されたカマラ・ハリス副大統領がそう演説しているように見せるフェイク動画がSNSを駆け巡った。</p>
<blockquote class="twitter-tweet" data-media-max-width="560">
<p lang="en" dir="ltr">“Today is today. And yesterday was today yesterday. Tomorrow will be today tomorrow. So live today so that future today will past today, as it is tomorrow.”<br />
<br />
— Kamala for President, 200 IQ <a href="https://t.co/4WYLqyxnQL">pic.twitter.com/4WYLqyxnQL</a></p>

— JaguarAnalytics (@JaguarAnalytics) <a href="https://twitter.com/JaguarAnalytics/status/1815093912140128258?ref_src=twsrc%5Etfw">July 21, 2024</a></blockquote>
<p><script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script></p>
<p>「ワード・サラダ」と揶揄されている彼女お気に入りの言い回し、いわば“カハラ構文”を真似た創作であり、AIを用いて制作されたディープフェイクでもある。</p>
<div class="su-spoiler su-spoiler-style-default su-spoiler-icon-plus" data-scroll-offset="0" data-anchor-in-url="no"><div class="su-spoiler-title" tabindex="0" role="button"><span class="su-spoiler-icon"></span>「ワード・サラダ」とは</div><div class="su-spoiler-content su-u-clearfix su-u-trim">言葉が散乱して意味がわかりにくい発言や文章を指す英語圏の俗語（スラング）。文章構造が複雑すぎたり、内容が抽象的だったりする際、「サラダのようにまとまっていない」という意図で批判的に用いられる。カマラ・ハリス副大統領についても、「I can imagine what can be and be unburdened by what has been.（私は過去に縛られることなく、未来に何ができるかを想像できる）」といった彼女が好むフレーズが、曖昧でわかりにくいと指摘され、ワード・サラダだと嘲笑の的にされている。</div></div>
<p>その数日後、今度は別の人物が投稿したフェイク動画が話題となった。ハリス副大統領陣営が制作した実際の選挙キャンペーンの広告動画を加工したものだ。</p>

<div id="attachment_10627" style="width: 610px" class="wp-caption aligncenter"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-10627" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2024/09/Media10_Harris01.jpg" alt="" width="600" height="338" class="wp-image-10627" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2024/09/Media10_Harris01.jpg 1480w, https://think-miyakonojo.jp/images/2024/09/Media10_Harris01-768x432.jpg 768w" sizes="auto, (max-width: 600px) 100vw, 600px" /><p id="caption-attachment-10627" class="wp-caption-text">カマラ・ハリス副大統領そっくりの声で「あなたは人種差別主義者です」などと語っている動画がYouTubeにも投稿されていた</p></div>

<p>「私はカマラ・ハリスです。バイデンが討論会で高齢を露呈したおかげで、私は大統領選の民主党候補になりました。ありがとう、ジョー」「私が選ばれたのは、究極のダイバーシティ採用だから。私は女性であり、有色人種でもある。私の発言を批判するなら、あなたは性差別主義者であり、人種差別主義者でもあります」……。</p>
<p>本人そっくりの声で、早口でそうまくしたてる<a href="https://www.youtube.com/watch?v=sVspeqNnoWM" target="_blank" rel="noopener">この動画</a>もAI技術を活用したディープフェイク。1.9億人ものフォロワーがいるXのオーナー、イーロン・マスク氏が「This is amazing（これはすごい）」というメッセージを添えて再投稿（リポスト）したことから、一躍有名となった。</p>
<p>これが議論を呼んだ。</p>
<blockquote class="twitter-tweet">
<p lang="en" dir="ltr">This is amazing &#x1f602;<br />
<a href="https://t.co/KpnBKGUUwn">pic.twitter.com/KpnBKGUUwn</a></p>

— Elon Musk (@elonmusk) <a href="https://twitter.com/elonmusk/status/1816974609637417112?ref_src=twsrc%5Etfw">July 26, 2024</a></blockquote>
<p><script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script></p>
<h2>「フェイク」か「パロディ」か</h2>
<p>SNSの多くはAIによる「フェイク」が含まれた動画や音声の投稿を規約で禁じており、Xも2023年4月、「<a href="https://help.x.com/ja/rules-and-policies/manipulated-media">合成または操作されたメディアに関するポリシー</a>」を公開、ディープフェイクやフェイク動画などを規制し始めた。以下はその冒頭だ。</p>
<blockquote>
<p>利用者を欺いたり、混乱させたりして、損害をもたらす可能性のある、合成または操作されたメディアや、文脈から切り離されたメディア（以下、「誤解を招くメディア」といいます）を共有することは禁止されています。</p>
</blockquote>
<p>「誤解を招くメディア（動画や音声）」の「想定される要素」として検討されるものとして、「特にAIのアルゴリズムの使用を通じて、実在の人物を描写しているメディアが、ねつ造または偽装されているかどうか」という項目も明記されている。</p>
<p>このXが定めたポリシーに、マスク氏が共有した先の投稿が反しているのではないか、という批判が集まった。</p>
<p>対してマスク氏は、「元ネタ」がパロディ作品を標榜していることから、意に介していない。Xに投稿された元ネタの動画も、マスク氏が共有した投稿も、削除対象とはならず、今も閲覧可能な状態にある。</p>
<p>確かに、元ネタの投稿者はほかにも複数のパターンのフェイク動画をXや「<a href="https://www.youtube.com/watch?v=sVspeqNnoWM" target="_blank" rel="noopener">YouTube</a>」で投稿しており、いずれも「Kamala Harris Campaign Ad PARODY（カマラ・ハリス キャンペーン広告パロディ）」というメッセージやタイトルを添え、パロディであることを明示している。</p>
<p>しかし、マスク氏のリポストだけを見た人は、そうとはすぐにはわからない。ソースをたどらないと、「Ad PARODY」の文字は認識できないからだ。しかも、マスク氏は共和党候補者のドナルド・トランプ元大統領の支持を表明している。ハリス副大統領をおとしめる動画が本物であると勘違いするユーザーが現れても不思議ではない。</p>
<p>「利用者を混乱させかねない合成メディア」と言えないこともないが、XというSNSにおいてマスク氏の判断は絶対。規約違反かどうかはさておき、マスク氏の投稿は、「元ネタの出典や引用元を確かめる」ことが重要という示唆を与えている。</p>
<h2>大統領からテイラー・スウィフトまで</h2>
<p>海外では、パロディや風刺では済まされないような、より悪質な事例も増えている。</p>
<p>2022年3月、ロシアのウクライナ侵攻後、ゼレンスキー大統領がウクライナ軍や国民に降伏・投降を呼びかけるようなフェイク動画がSNSで拡散した。</p>
<p>米バイデン大統領関連も多い。最近では2023年10月、「徴兵法を大統領権限で発動する」とバイデン大統領が語るフェイク動画が動画投稿アプリ「TikTok」やYouTubeで拡散した。標的は、著名アーティストにも及ぶ。</p>
<p>2024年1月には、米国のテイラー・スウィフトさんのフェイク動画が出回った。「ハロー、私はテイラー・スウィフトです。梱包ミスのため販売できない『ル・クルーゼ』の調理器具セット3000個をファンの皆さんに“送料負担のみ”で差し上げます」。動画はそう彼女の声で呼びかけ、悪意のあるサイトへ誘導。「送料」をファンから奪う詐欺だった。</p>
<div class="iframe_wrap"><iframe loading="lazy" width="560" height="315" src="https://www.youtube.com/embed/DetrsSc9ZB8?si=0SYxji4uuhwvQUQd" title="YouTube video player" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" referrerpolicy="strict-origin-when-cross-origin" allowfullscreen="allowfullscreen"></iframe></div>
<p>同時期、彼女は性的なフェイク画像の被害にもあっている。ここでは詳細を省くが、韓国のアイドルなど、世界中の女性アーティストが悪質なディープフェイクによるポルノコンテンツの被害者となっており、問題視されている。</p>
<p>世界経済フォーラム（WEF）は「<a href="https://www.weforum.org/publications/global-risks-report-2024/">グローバルリスク報告書2024年版</a>」で、「地球規模の喫緊の課題がもたらすリスク」の調査結果を公表。「誤報と偽情報」が「異常気象」に次いで2番目に高いリスク項目だった。その発表資料でWEFはこう指摘している。</p>
<blockquote>
<p>2023年に見られたような生成AI（人工知能）コンテンツのブームは今後も続き、様々なアクターがこの傾向を利用して、社会の分裂を増幅させ、イデオロギー的暴力を扇動し、政治的抑圧を行おうとするかもしれません。</p>
<p>誤報や偽情報と社会の二極化は本質的に絡み合っており、互いに増幅し、増大する懸念があります。（中略）改ざんされた情報が反感を煽った結果、職場における偏見や差別から、暴力、ヘイトクライム（憎悪犯罪）に至るまでが起こり得ます。</p>
</blockquote>
<div class="chart w600">
<div class="chart_title">生成AIを利用したディープフェイクによる情報操作の事例</div>
<div class="s_table"><table class="chart01">
<thead>
<tr>
<th width="30%">年月（発生国）</th>
<th width="70%">概要</th>
</tr>
</thead>
<tbody>
<tr>
<td>2021年2月<br />
（日本）</td>
<td>宮城県と福島県で震度6強の地震が発生した際に、記者会見を行った当時の加藤勝信官房長官の顔画像が、笑みを浮かべているように改竄された偽画像が出回った。</td>
</tr>
<tr>
<td>2022年3月<br />
（ウクライナ）</td>
<td>ロシアのウクライナ侵攻後、ゼレンスキー大統領がウクライナ軍に降伏を呼びかける偽動画がソーシャルメディア（SNS）上で拡散した。</td>
</tr>
<tr>
<td>2022年9月<br />
（日本）</td>
<td>大型の台風15号が上陸した際に、静岡県で多くの住宅が水没したとする偽画像がTwitter（現X）で拡散した。</td>
</tr>
<tr>
<td>2023年3月<br />
（米国）</td>
<td>画像生成AIを利用して、トランプ前大統領が逮捕されたという偽画像が生成され、Twitter（現X）で拡散された。</td>
</tr>
<tr>
<td>2023年5月<br />
（米国）</td>
<td>国防総省の近くで爆発が起きたとする偽画像がソーシャルメディア（SNS）上で拡散し、ダウ平均株価が一時100ドル以上も下落した。</td>
</tr>
<tr>
<td>2023年11月<br />
（日本）</td>
<td>岸田文雄首相が性的な発言をしたように見せかける偽動画がソーシャルメディア（SNS）上で拡散した。</td>
</tr>
<tr>
<td>2023年11月<br />
（アルゼンチン）</td>
<td>アルゼンチン大統領選で、AIを使ったとされる偽動画がソーシャルメディア（SNS）上で出回った。</td>
</tr>
<tr>
<td>2024年1月<br />
（台湾）</td>
<td>台湾総統選の際に、蔡英文総統の私生活について虚偽の主張をしている偽動画が作成・投稿された。</td>
</tr>
<tr>
<td>2024年1月<br />
（米国）</td>
<td>ニューハンプシャー州で、大統領選挙の予備選が控えている週末に、バイデン大統領の声を模したなりすまし電話が、予備選への投票を控えるように呼びかけた。</td>
</tr>
</tbody>
</table></div>
<div class="wp-caption-text"><span>出所：総務省「<a href="https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r06/pdf/n1410000.pdf">令和6年版　情報通信白書</a>」</span></div>
</div>
<h2>特定ターゲット相手の詐欺</h2>
<p>こうした政治家や著名人を騙るディープフェイクは、それだけ注目や拡散もされやすい。「フェイク」だと見破られる確率も高くなる。</p>
<p>しかし、厄介なことに、クローズドな環境で特定のターゲットをだますための“見つかりにくい”ディープフェイクも多数、報告されている。</p>
<p>2024年2月、香港のある企業の会計担当者が、最高財務責任者（CFO）などになりすましたディープフェイクによって、2億香港ドル（約38億円）ものお金を騙し取られる事件が起きた。</p>
<p>詐欺師は、過去のオンライン会議からCFOを含む複数のクローン参加者を作成。リアルタイムに実在するかのようにオンライン会議に“参加”し、会計担当者に送金を指示。担当者は映像が本物と思い込み、指示通りに複数の銀行口座に振り込んでしまったという。</p>
<p>アーカイブではなくリアルタイムの動画でだますようなことが可能なのか。大手セキュリティ会社の米トレンドマイクロは<a href="https://www.trendmicro.com/en_in/research/24/b/deepfake-video-calls.html">この事件に関する記事</a>で以下のように分析している。</p>
<blockquote>
<p>攻撃者がリアルタイムのビデオ通話を行うことは難しいだろう。現在の一般的なツールでは、数行の文章のディープフェイク動画を生成するのに30分の処理時間が必要だからだ。（中略）攻撃者は通話中にリアルタイムで再生できるよう、あらかじめ複数のコンテンツの「クリップ」動画を生成していた可能性が高い。</p>
</blockquote>
<p>この記事は、｢最近の報告によると、テキストからビデオを生成する技術が進化し、近い将来リアルタイムの生成が可能になると予測されている｣とも指摘。チャットで言葉を打つと、他人になりすましたディープフェイクの“アバター”がリアルタイムで会話をする……。そんなことが実現してしまうというのだ。</p>
<p>映像を伴わない音声のみであれば、すでに実現しており、海外を中心にいわゆる「オレオレ詐欺」のような特殊詐欺被害も増えている。</p>
<h2>「AI音声詐欺」も増加</h2>
<p>大手セキュリティ企業の米マカフィーは2023年5月に公開した<a href="https://www.mcafee.com/content/dam/consumer/en-us/resources/cybersecurity/artificial-intelligence/rp-beware-the-artificial-impostor-report.pdf">レポート</a>で、「生成AIを悪用した『音声詐欺』が増加している」と警鐘を鳴らした。</p>
<p>同レポートによると、日本を含む世界7カ国、7054人を対象に調査した結果、AI音声詐欺にあったことがある人は10%で、その被害者のうち77％が金銭を失ったという。3 分の 1 以上が 1000 ドル以上、7% は 5000〜1万5000 ドルを窃取された。</p>
<p>被害者の家族や友人知人を装い、電話やボイスメッセージなどで「交通事故にあった」「強盗にあった」「財布や携帯電話をなくした」「海外旅行中にトラブルにあった」などと伝え、送金を要求する古典的な詐欺。違うのは、その声が犯罪者の声ではなく、犯罪者によって操作された生成AIによるもの、という点だ。</p>
<p>これもディープフェイクの一種。同レポートはオンライン会議やボイスメッセージの増加で、元ネタとなる音声データの入手が容易になっていると指摘する。</p>
<p>ただし、週1回以上、肉声をオンラインで共有する率は、調査対象の7カ国中、日本は最も少なく、音声詐欺の被害にあった人も3％と最下位だった。日本語の壁に守られている側面もあるだろう。</p>
<p>それでも、安心はできない。英語圏で発達したテクロノジー犯罪は、いずれ日本にも上陸する。そもそも高齢化が進む日本は特殊詐欺王国。今後、ディープフェイクによる新たな特殊詐欺が横行する可能性は高い。だからといって、特別な備えをする必要はない。</p>
<p>マカフィーは同レポート内で、「AI音声詐欺に引っかからないための4つの方法」として、人間による特殊詐欺と共通する対応を示している。</p>
<blockquote>
<ol>
	<li>子どもや家族、信頼できる友人と「合言葉」を決める</li>
</ol>
<p>当人同士しか知り得ない合言葉を決めておき、電話、メッセージ、メールで助けを求められた際、必ずそれを確認するようにする。</p>
<ol start="2">
	<li>常に情報源を疑う</li>
</ol>
<p>知らない発信・送信元、または見覚えがあるものであっても、助けを求める電話、メッセージ、メールは、一度立ち止まって考える。詐欺師を困らせるために、「息子の名前を確認したい」「お父さんの誕生日はいつ？」といった具体的な質問をするのも効果的だ。</p>
<ol start="3">
	<li>感情に流されない</li>
</ol>
<p>サイバー犯罪者は、対象者が感情的になって行動を起こすことを期待している。冷静になって「本当にその人の声なのか」「その人が本当にそんなことを頼むだろうか？」と自問し、情報が正しいことを確認する前に返信しないようにする。</p>
<ol start="4">
	<li>知らない番号からの電話に注意</li>
</ol>
<p>知らない電話番号からの予期しない電話には出ない、というのが一般的には賢明。留守番電話やボイスメールでメッセージを残した場合は、考える時間ができ、家族や友人に連絡して確認することもできる。</p>
</blockquote>
<h2>あふれる「AIモデル」</h2>
<p>政治的被害に著作権侵害、ポルノ被害、特殊詐欺まで、ディープフェイクがもたらすリスクは幅広い。それでも自分には関係のない話、と考える人がいるかもしれないが、あなたも迷惑を被る可能性がある。</p>
<p>AIによる創造物は、生活の身近なところに、そうとわからないかたちでひっそりと隠れている――。そうした警鐘を鳴らす投稿が今年1月、Xであった。</p>
<blockquote class="twitter-tweet">
<p lang="ja" dir="ltr">このヘアサロン、AIで出した画像を「美容師が切ったスタイル一覧」に載せててひいた<br />
イメージ画像ですとも付けてないし、これ詐欺にあたらないの？<br />
バレないと思ってるのかな？<br />
<br />
そのうち整形外科もAI画像を症例ですとか言って上げそう <a href="https://t.co/iKYnzjj4Pu">pic.twitter.com/iKYnzjj4Pu</a></p>

— メタトロンA子 (@haisupe_bijo) <a href="https://twitter.com/haisupe_bijo/status/1743418892285014109?ref_src=twsrc%5Etfw">January 5, 2024</a></blockquote>
<p><script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script></p>
<blockquote>
<p>このヘアサロン、AIで出した画像を「美容師が切ったスタイル一覧」に載せててひいた<br />
イメージ画像ですとも付けてないし、これ詐欺にあたらないの？<br />
バレないと思ってるのかな？</p>
<p>そのうち整形外科もAI画像を症例ですとか言って上げそう</p>
</blockquote>
<p><a href="https://twitter.com/haisupe_bijo/status/1743418892285014109" target="_blank" rel="noopener">この投稿</a>は215万件以上閲覧され、7400件以上の「いいね」がつくなど、話題を呼んだ。同様の指摘は以前からもなされている。背景には、安価にオリジナルのAI画像をつくれる環境が整ってきたことに加え、「AIモデル」事業者の躍進もある。</p>
<p>「モデルのキャスティング、カメラマン、場所、日程など 従来であればかなり時間も費用もかかるものを省け、 集客、ブランディングともに無駄なく、効率よく、ベストが出せて とても満足しております」「AIでのスタイル写真だと誰一人気づいておらず、 「こんな風になりたい！」と写真を参考に来店いただいてます」……。</p>
<p>ある大手AIモデル事業者のウェブサイトでは、利用した美容室（ヘアサロン）の声として、こんなコメントを紹介していた。この事業者は、1500店舗以上のヘアサロンからの利用実績があるという。</p>
<p>AIモデルは、通常、広告に使われる。ヘアサロンの大手検索サービス「ホットペッパービューティー」にも進出している。</p>
<p>ホットペッパービューティーを覗いてみると、検索上位の中に、さっそくAIモデルを起用していることを明示している<a href="https://beauty.hotpepper.jp/slnH000308838/blog/bidA073648115.html" target="_blank" rel="noopener">サロン</a>をいくつか見つけることができた。</p>
<p>しかし、AIモデルであることを明かさず、スタイリストと紐づいた「実績」として、かなりのAI画像が使われているという指摘もある。こうした事態に「AIアートになんて負けるものか！」と<a href="https://beauty.hotpepper.jp/slnH000656562/blog/bidA068557672.html" target="_blank" rel="noopener">異を唱えるサロン</a>もある。</p>

<div id="attachment_10639" style="width: 610px" class="wp-caption aligncenter"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-10639" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2024/09/Media10_HotPepper.jpg" alt="" width="600" height="338" class="wp-image-10639" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2024/09/Media10_HotPepper.jpg 1200w, https://think-miyakonojo.jp/images/2024/09/Media10_HotPepper-768x432.jpg 768w" sizes="auto, (max-width: 600px) 100vw, 600px" /><p id="caption-attachment-10639" class="wp-caption-text">「ホットペッパービューティー」内のブログで、AIモデル起用の風潮に疑問を呈するサロンもある</p></div>

<h2>「誤認」しないよう心がける</h2>
<p>「こんなスタイルにしたい」という気づきを与えるための素材として、AIモデルは有効だ。生成AIの能力は日増しに上がっており、ヘアサロンでその人に似合ったスタイルの提案を鏡越しでしてくれるようになる日も近いだろう。</p>
<p>ただし、AIモデルであることを明示せず、そのサロンのスタイリストに紐づけるかたちで広告としてAI画像を羅列した場合、そのスタイリストによる「作品」だと勘違いする消費者も出てくる可能性がある。</p>
<p>お金を払ってサロンに出向き、AI画像のようにならなかった場合、あとからAIだと知ったら「詐欺られた……」と感じてしまうようなことも増えるかもしれない。最初からそうだと知っていれば、行かなかったと。</p>
<p>つまり、サロンが掲載するAI画像は、見る人にとってはディープフェイクにもなり得る。これを、法律用語では「優良誤認」と呼ぶ。</p>
<p>景品表示法第5条第1号は、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められる表示を禁止している。</p>
<p><a href="https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/representation_regulation/misleading_representation">消費者庁</a>によると、一般消費者に対し「(1)実際のものよりも著しく優良であると示すもの」「(2)事実に相違して競争関係にある事業者に係るものよりも著しく優良であると示すもの」がその対象であり、誤って表示してしまった場合であっても、優良誤認表示に該当する場合は「不当表示」として規制されることため注意が必要としている。</p>
<p>翻って、ホットペッパービューティーで用いられているAI画像は優良誤認に相当するのだろうか。これまで措置命令などの摘発事例は報告されておらず、今のところ“グレー”と言わざるを得ない。</p>
<p>ただし、当のホットペッパービューティーは禁止している。運営するリクルートは今年2月、サロン向けのガイダンスで「AI画像の利用を禁止する」と明示。以下はその内容だ。</p>
<blockquote>
<p>【写真・動画に関する広告作成ルール】<br />
◆イメージ画像の使用について<br />
・実際に受けることのできない商品・サービスなどを表すイメージ写真はご使用できません。<br />
・スタイリストに紐づくスタイル写真に著作権フリー写真を使用することはできません。<br />
再現性がないため必ずスタイリストが作ったスタイル写真を使用してください。<br />
※イメージ画像にAI画像/動画も含みます</p>
</blockquote>
<p>つまり、サロンがホットペッパーに掲載しているAI画像はルール違反であることに違いはない。優良誤認を与えかねないリスクであり、そのスタイリストが手がけた素敵なスタイルとモデルさん、だと思っていた画像は、現実には存在しないAI画像なのかもしれない、という認識でいることが重要だ。</p>
<h2>恐れるべきはAIではなく人間</h2>
<p>これまで見てきたように、生成AIの登場とその進化によって、テキスト、画像、動画などのあらゆるコンテンツが日々、新たに生み出されている。中には、人を欺こうとするディープフェイクもまぎれている。しかし、慌てる必要はない。</p>
<p>メディアリテラシーの基本所作である「クリティカルシンキング（批判的思考）」で立ち向かえばいいだけだ。これまで論じてきたことと、なんら変わりはない。</p>
<a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2115/" class="cardlink" target="_blank" rel="noopener noreferrer">
    <div class="cardlink_thumbnail">
        <img decoding="async" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2022/11/medialiteracy2_hero_1440x756-500x500.jpg">
    </div>
    <div class="cardlink_content">
        <span class="cardlink_timestamp">2022.11.29</span>
        <div class="cardlink_title">
            「クリティカルシンキング」の本質　<span>誤情報に惑わされないための初歩</span>
        </div>
        <div class="cardlink_excerpt"><span>テーマ「メディアリテラシー」の2回目は、その中核を成す概念であり、メディアリテラシーを身につける初歩でもある「クリティカルシンキング（批判的思考）」について、本質や対訳のあり方も含め、深掘りしていきます。...</span></div>
    </div>
    <div class="cardlink_footer"></div>
</a>

<p>即座に信じることはしない。いったん立ち止まり、情報の出どころや内容の信ぴょう性を確認する――。そうした批判的思考の所作が、あなたを生成AIによる新たなリスクから守ることにつながる。</p>
<p>注意を払うべきは、世間を騒がせる愉快犯的なディープフェイクだけではない。目にする動画や画像、テキストなど、あらゆるメディアのあらゆるコンテンツに対して、「他人がつくった偽物かもしれない」と疑ってみることが肝要だ。</p>
<p>発信の向こう側には、だまそうという気持ちをもって拡散や表示をしようと企む人間が一定数いる。その意味では、コンテンツが生成AIによる創造物かどうかはあまり重要ではなく、それよりも、悪意がある輩の存在に気づけるかどうかのほうが大事と言える。</p>
<p>AIがAIの意思で偽物を生成し、発信しているわけではないのだ。</p>The post <a href="https://think-miyakonojo.jp/article/10615/">「ディープフェイク」の脅威と備え <span>生成AI全盛時代の新たなリスク</span></a> first appeared on <a href="https://think-miyakonojo.jp">Think都城</a>.]]></content:encoded>
					
					<wfw:commentRss>https://think-miyakonojo.jp/article/10615/feed/</wfw:commentRss>
			<slash:comments>0</slash:comments>
		
		
			</item>
		<item>
		<title>複雑化する「ステマ」広告 ステマ規制開始でも安心できない消費者</title>
		<link>https://think-miyakonojo.jp/article/8245/?utm_source=rss&#038;utm_medium=rss&#038;utm_campaign=%25e8%25a4%2587%25e9%259b%2591%25e5%258c%2596%25e3%2581%2599%25e3%2582%258b%25e3%2580%258c%25e3%2582%25b9%25e3%2583%2586%25e3%2583%259e%25e3%2580%258d%25e5%25ba%2583%25e5%2591%258a-%25e3%2582%25b9%25e3%2583%2586%25e3%2583%259e%25e8%25a6%258f%25e5%2588%25b6%25e9%2596%258b%25e5%25a7%258b%25e3%2581%25a7%25e3%2582%2582%25e5%25ae%2589</link>
					<comments>https://think-miyakonojo.jp/article/8245/#respond</comments>
		
		<dc:creator><![CDATA[岩本 有平（いわもと・ゆうへい）]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 27 Dec 2023 08:00:33 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[メディアリテラシー]]></category>
		<category><![CDATA[SNS]]></category>
		<category><![CDATA[アフィリエイター]]></category>
		<category><![CDATA[インフルエンサー]]></category>
		<category><![CDATA[コンプガチャ]]></category>
		<category><![CDATA[ステマ規制]]></category>
		<category><![CDATA[ステルスマーケティング（ステマ）]]></category>
		<category><![CDATA[ペニーオークション（ペニオク）]]></category>
		<category><![CDATA[マスメディア]]></category>
		<category><![CDATA[ユーチューバー]]></category>
		<category><![CDATA[景品表示法]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://think-miyakonojo.jp/?p=8245</guid>

					<description><![CDATA[<ul>
<li>2023年10月、<b>法改正</b>でステルスマーケティングの規制が始まった。</li>
<li>芸能人からメディアまで、倫理観を揺るがす<b>ステマの裏側</b>を探る。</li>
<li>規制で罰則あれども、消費者が決して<b>安心できない理由</b>とは。</li>
</ul>
The post <a href="https://think-miyakonojo.jp/article/8245/">複雑化する「ステマ」広告 <span>ステマ規制開始でも安心できない消費者</span></a> first appeared on <a href="https://think-miyakonojo.jp">Think都城</a>.]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<div class="su-spoiler su-spoiler-style-“fancy” su-spoiler-icon-plus su-spoiler-closed" data-scroll-offset="0" data-anchor-in-url="no"><div class="su-spoiler-title" tabindex="0" role="button"><span class="su-spoiler-icon"></span>テーマ［ メディアリテラシー ］の記事一覧</div><div class="su-spoiler-content su-u-clearfix su-u-trim"><ul class="lcp_catlist" id="lcp_instance_0"><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/12/" target="_blank">メディアリテラシーが必要なワケ［前編］　<span>AIフェイク画像と謎の地下室の示唆</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/1399/" target="_blank">メディアリテラシーが必要なワケ［後編］　<span>インターネットや技術革新の功罪</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2115/" target="_blank">「クリティカルシンキング」の本質　<span>誤情報に惑わされないための初歩</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2189/" target="_blank">実践！ ニセ・誤情報に克つ［前編］　<span>5つの「キー・クエスチョン」で考える</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2262/" target="_blank">実践！ ニセ・誤情報に克つ［後編］　<span>デジタル時代に即した新手法「SIFT」</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/5233/" target="_blank">学校に浸透するメディアリテラシー教育　<span>NHKの奮闘、先行する欧米</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/6613/" target="_blank">デマを“現実”にするSNS時代　<span>昭和と令和の「取り付け騒ぎ」に学ぶ</span></a></li><li class="current"><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/8245/" target="_blank">複雑化する「ステマ」広告 <span>ステマ規制開始でも安心できない消費者</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/9193/" target="_blank">能登半島地震に見るSNSの弊害 <span>そこにある情報がすべてではない</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/10615/" target="_blank">「ディープフェイク」の脅威と備え <span>生成AI全盛時代の新たなリスク</span></a></li></ul></div></div>
<h2>2023年10月から始まった「ステマ規制」</h2>

<div id="attachment_8280" style="width: 610px" class="wp-caption aligncenter"><a href="https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/stealth_marketing/" target="_blank" rel="noopener"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-8280" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/12/literacy08_cpCAA.png" alt="" width="600" height="417" class="wp-image-8280" /></a><p id="caption-attachment-8280" class="wp-caption-text">「ステマ規制」の開始を周知する消費者庁のウェブサイト</p></div>

<p>「令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります――」。</p>
<p>検索サイトで「ステマ」と検索すると、一番上にこんなタイトルのページが表示される。ステマとは、「ステルスマーケティング」の略。広告であるにもかかわらず、広告であることを隠すことを指す。</p>
<p>発信元は消費者庁。2023（令和5）年10月以降、ステマが「不当景品類及び不当表示防止法（景品表示法＝景表法）」違反になることを周知するページだ。いわゆる「ステマ規制」の実施である。ステマを巡る諸問題は、新しいフェーズに入った。</p>

<div id="attachment_8277" style="width: 610px" class="wp-caption aligncenter"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-8277" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/12/literacy08_cpNHK.jpg" alt="" width="600" height="508" class="wp-image-8277" /><p id="caption-attachment-8277" class="wp-caption-text"><a href="https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231001/k10014211891000.html" target="_blank" rel="noopener">「ステルスマーケティング」は「不当表示」 きょうから規制</a><span>（NHK NEWS WEBより）</span></p></div>

<p>先日寄稿した「<a href="https://think-miyakonojo.jp/article/6613/" target="_blank" rel="noopener">デマを“現実”にするSNS時代 昭和と令和の『取り付け騒ぎ』に学ぶ</a>」では、たとえデマと分かっていても、リテラシーの高さゆえに「デマや不安の拡⼤が引き起こす結果」を予期し過ぎて、結果的にデマが引き起こすのと同じ結果を招いてしまう、という新たな課題について紹介した。</p>
<a href="https://think-miyakonojo.jp/article/6613/" class="cardlink" target="_blank" rel="noopener noreferrer">
    <div class="cardlink_thumbnail">
        <img decoding="async" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/09/MediaLiteracy07_hero_04-500x500.jpg">
    </div>
    <div class="cardlink_content">
        <span class="cardlink_timestamp">2023.09.29</span>
        <div class="cardlink_title">
            デマを“現実”にするSNS時代　<span>昭和と令和の「取り付け騒ぎ」に学ぶ</span>
        </div>
        <div class="cardlink_excerpt"><span>米銀行取り付け騒ぎと、コロナ禍のトイレットペーパー騒動。リテラシーが高い人々の行動によって、デマ拡大と同じ結果に。変質する“不安拡大”のメカニズムに向き合うべき時期が来た。...</span></div>
    </div>
    <div class="cardlink_footer"></div>
</a>

<p>今回は、同じくインターネットやSNSが生んだ課題のステマについて深掘りをしていく。ステマ規制の実施を機に、日々ネットに触れる私たちとステマとの関係を再考したい。</p>
<h2>広告主が明示されない広告</h2>
<p>まずは、ステマとはどんな行為を指すのか。そして景表法がどんな法律なのかということに改めて触れていく。</p>
<p>10月の景表法改正に先立って消費者庁が3月に告示した言葉をそのまま用いれば、ステマとはすなわち「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」を指している。</p>
<p>わかりやすい例としては、宣伝したい企業などの事業者が、芸能人やSNSなどで多数のフォロワーを抱える「インフルエンサー」などに金銭などを渡していながらも、その関係性を明示させずに商品やサービスを好意的に紹介してもらうことなどが挙げられる。</p>
<p>ネットの口コミマーケティングに関する業界団体である一般社団法人「<a href="https://womj.jp/" target="_blank" rel="noopener">クチコミマーケティング協会（WOMJ）</a>」では、消費者庁よりも踏み込んだかたちでステマを定義しているので、こちらも紹介しておこう。</p>

<div id="attachment_8275" style="width: 610px" class="wp-caption aligncenter"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-8275" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/12/literacy08_kuchikomiGL.png" alt="" width="600" height="423" class="wp-image-8275" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/12/literacy08_kuchikomiGL.png 1200w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/12/literacy08_kuchikomiGL-768x541.png 768w" sizes="auto, (max-width: 600px) 100vw, 600px" /><p id="caption-attachment-8275" class="wp-caption-text">「<a href="https://womj.jp/" target="_blank" rel="noopener">クチコミマーケティング協会（WOMJ）</a>」はステマについてより詳細な定義をしている</p></div>

<blockquote>
<p>2023年3月に消費者庁が公開した景表法の指定告示と運用基準によれば、ステルスマーケティングは「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」とされています。しかしながら景表法は商品やサービスの取引に関わる表示が対象の法律で、世の中には景表法の対象範囲外での「ステルスマーケティング」も存在すると考えられます。<br />
<br />
一般的には「広告主がいるにもかかわらず、広告主が明示されない広告」、「広告という形態をとらずに行われるマーケティング活動で、主体が明らかにされないもの」、「本来の広告主とは異なる名称の主体によって行われる、広告・マーケティング活動のこと」などといわれています。<br />
<br />
共通するのは「『広告・宣伝・マーケティング』であるとわからない」かつ「主体が明らかにされない」ことです。マーケティングであるという事実、あるいはマーケティングの主体が消費者から隠れている（ステルス）マーケティング活動であり、そのようなものが総称してステルスマーケティングと呼ばれています。</p>
</blockquote>
<h2>宣伝を依頼する事業者側の行為</h2>
<p>ちなみにステマという言葉を聞くと、芸能人やインフルエンサーなどの行動が取り上げられがちだが、あくまでもステマの主体は、商品やサービスの宣伝を求める事業者（広告主）側であると定義されていることに注意してほしい。後述する罰則も、インフルエンサーなどではなく、事業者側に科せられるものだ。</p>
<p>今回、ステマを規制する法律となった景表法は、事業者が過度な広告を展開したり、過度な景品を“エサ”に消費者を惑わし、不利益を与えたりすることを防ぐための法律。</p>
<p>ちなみに、過去には「ソーシャルゲーム（ソシャゲ）」と呼ばれるネットゲームにおいて、「コンプガチャ」と呼ばれる、くじ引きのような仕組みが規制された。その根拠となったのも、この景表法である。</p>
<div class="su-spoiler su-spoiler-style-default su-spoiler-icon-plus su-spoiler-closed" data-scroll-offset="0" data-anchor-in-url="no"><div class="su-spoiler-title" tabindex="0" role="button"><span class="su-spoiler-icon"></span>コンプガチャとは</div><div class="su-spoiler-content su-u-clearfix su-u-trim">「コンプリートガチャ」の略で、一定額の課金により、特定の確率でさまざまなアイテムを獲得できる課金システム「ガチャ」の一種。ガチャにおいて、複数のアイテムなどを完全にそろえる（コンプリートする）ことで、さらなる報酬が得られる仕組みのこと。</div></div>
<p>今回の規制により、ステマは景表法における「不当表示（商品やサービスが、実際よりも著しく優良だと誤認される表示）」として扱われることとなった。</p>
<p>ステマを行った事業者は、消費者庁が再発防止を命じる措置命令の対象となり、企業名も公表される。これに従わなければ、「2年以下の懲役または300万円以下の罰金」などといった罰則が科される。</p>
<p>今回ステマが規制対象となった背景には、これまで大小問わず数多くのステマが横行してきた背景がある。現代では、メディアを読み解く能力「メディアリテラシー」において、ステマを見抜く能力も求められることは言うまでもない。</p>
<p><img loading="lazy" decoding="async" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/12/literacy08_imageLAW.jpg" alt="" width="740" height="417" class="noTrim aligncenter wp-image-8310" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/12/literacy08_imageLAW.jpg 1480w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/12/literacy08_imageLAW-768x432.jpg 768w" sizes="auto, (max-width: 740px) 100vw, 740px" /></p>
<h2>芸能人が加担した「ペニオク」事件</h2>
<p>IT業界を担当する記者として、筆者もその実態を目の当たりにすることもあったが、中でも記憶に残っているのは、11年前の「ペニーオークション（ペニオク）」にまつわるステマ。事件化して逮捕者も出た結果、複数の芸能人がステマに関与したことが明らかになったというものだ。</p>
<p>2012年12月、ペニオクサイトを運営していたある企業の役員と社員が、詐欺容疑で逮捕され、最終的に執行猶予付きの有罪判決を受けることになった。</p>

<div id="attachment_8295" style="width: 610px" class="wp-caption aligncenter"><a href="https://www.nikkei.com/article/DGXNASHC0702Y_X01C12A2AC8000/" target="_blank" rel="noopener"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-8295" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/12/Media08_nikkei.jpg" alt="" width="600" height="385" class="wp-image-8295" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/12/Media08_nikkei.jpg 1200w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/12/Media08_nikkei-768x493.jpg 768w" sizes="auto, (max-width: 600px) 100vw, 600px" /></a><p id="caption-attachment-8295" class="wp-caption-text">ペニオク詐欺事件を伝える当時の報道<span>（日本経済新聞電子版より）</span></p></div>

<p>ペニオクとは、当時流行した、入札時に固定の手数料が必要なインターネットオークションのこと。開始価格が安価であり、入札手数料は固定である。あくまで理屈として言えば、「競争相手が居なければ安価に商品を落札できる」というものだ。だが落札できなくとも入札手数料自体はかかるほか、たとえ落札しても入札手数料と落札価格を合計すると、最終的な取得価格は高くなるというもの。</p>
<p>今となればその構造自体にも疑問が浮かぶが、当時はサイバーエージェント子会社のCAモバイルやDMM.comといったメガベンチャーから、別業界からやってきた事業者など、10を越える企業がペニオク事業に参入していた。逮捕者が出た企業も、そんなペニオクサイトを運営する1社だった。</p>
<p>同社のペニオクサイトが問題になったのは、「参加者が入札しても落札できない仕組み」を作っていたからだ。このサイトでは、架空の会員名義を持った複数のボット（ネットで稼働するロボット）が落札価格を競うように見せてつり上げ、利用者がどれだけ入札しようとも落札できないようになっていたのだ。</p>
<p>結局、詐欺事件として立件されたわけだが、結果として顕在化したのが、ペニオクを紹介していた芸能人らによるステマだった。</p>
<p>「Twitter」や「Instagram」に今ほどの波及力がなかった当時、日本のネットユーザーを動かす一つの要素として注目を集めていたのは「芸能人ブログ」だった。芸能人ブログの中に、「ペニオクで安く商品が買えた」として商品を所持した写真を掲載したり、サービスを勧めたりする内容が複数見つかったのだ。</p>
<p>「詐欺で落札できないはずのペニオク」で、芸能人らはどうして安価に商品を入手できたのだろうか――。 もちろんそれは実際に落札したのではなく、対価を得てサービスを紹介したステマに加担したからに他ならない。</p>
<p>最終的にはステマに関与したとして8人の芸能人の名前がメディアやネットで取り沙汰されるに至った。詐欺への加担を疑われた芸能人の中には謝罪や釈明に追われた人物、警察の事情聴取を受けた人物、ブログを削除し当面の活動自粛を余儀なくされた人物も出るなど、大きな騒動となった。</p>
<h2>四者が絡むステマ疑惑</h2>
<p>当時こそ「ステマは悪」という風評がネットを駆け巡り、ステマは沈静化したように見えた。だが実際は、多くの人々に影響を与えられる芸能人やインフルエンサーとステマの関係は切っても切れないものになっていった。</p>
<p>常習的脅迫や名誉毀損などで今年逮捕された前参院議員・元ユーチューバーの「ガーシー」こと東谷義和被告も、かつて自らのYouTubeチャンネルで、芸能人によるステマの横行について指摘をしていた。</p>
<p>筆者は直接取材したわけではないため、個別事象の真偽に言及する立場にはない。だが少なくとも、芸能人らとステマの距離が今も近いからこそ出た話だとは想像できる。</p>
<p>また、ステマは芸能人だけの問題ではなくなっていった。何万人というフォロワーに影響力を与えるインフルエンサーやユーチューバーが次々と勃興したからだ。</p>
<p>消費者にPRしたい事業者と、影響力をお金に変えたいインフルエンサー。両者の利害が一致し、「案件」と呼ばれる仕事が増えていった。その一部は「広告」「PR」といった、事業者からの依頼であることを示す表示がなされてきたが、すべてではない。</p>
<div class="chart_title">インフルエンサーへのアンケート調査（消費者庁）</div>

<div id="attachment_8266" style="width: 360px" class="wp-caption alignleft"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-8266" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/12/literacy08_g_logo.png" alt="" width="350" height="355" class="wp-image-8266" /><p id="caption-attachment-8266" class="wp-caption-text"><span> 注：出所は「消費者庁 ステルスマーケティングに関する検討会報告書 」。インフルエンサーのマネジメント会社に登録している現役インフルエンサー（300名）に対して、2022年8月17日から同月19日にかけてインターネットを用いたアンケート調査による</span></p></div>

<p>法規制を前にした<a href="https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/meeting_materials/review_meeting_005/assets/representation_cms216_221228_03.pdf" target="_blank" rel="noopener">消費者庁の検討会による調査</a>では、インフルエンサーの41％がステマを依頼された経験があり、そのうちの45％、全体の2割近くが実際にステマと判断できる事案に関わっていたことが明らかになっている。</p>
<p>実際には、グレーなものもかなり多い。当事者に自覚がなくとも、ステマと指摘されることもある。例えば、約3万人以上のチャンネル登録者を抱えるユーチューバーの動画について2023年1月、ある地方紙が「自治体によるステマではないか」という報道をした。</p>
<p>湖の周辺を自転車で駆け巡る14分ほどの動画だが、じつは自治体の補助金が使われ、自治体が事務局を務める協議会が動画制作を請け負うPR業者に62万円以上を支払っていた、という内容。動画にはPRであることを示す表示などがなかった。</p>
<p>自治体、協議会、PR業者、ユーチューバーと四者が絡むこの案件は非常に複雑であり、当初、自治体は「ステマではない」としていた。しかし、地方紙の取材があった後、当該動画には「プロモーションを含みます」という表示がなされ、加えて概要欄に協議会からの「提供」である旨が書き加えられた。</p>

<div id="attachment_8299" style="width: 610px" class="wp-caption aligncenter"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-8299" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/12/Media08_promo.jpg" alt="" width="600" height="338" class="wp-image-8299" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/12/Media08_promo.jpg 1480w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/12/Media08_promo-768x432.jpg 768w" sizes="auto, (max-width: 600px) 100vw, 600px" /><p id="caption-attachment-8299" class="wp-caption-text">当該動画をYouTubeで再生すると「プロモーションを含みます」という表示が出ていた</p></div>

<h2>法規制の曖昧な運用基準</h2>
<p>実際に、この動画の“案件”が景表法違反に該当するか否かについても、筆者は言及する立場ではない。</p>
<p>ただし、SNSやYouTubeなどのネットメディアが盛り上がるほど、ステマやステマと疑われる行為の構造は複雑化している、ということは言える。そして、案件と呼ばれるビジネスの市場が拡大するほど、関係する事業者やインフルエンサーが増えている、ということも。結果として、事業者側もステマかどうか判断しにくくなっているのは間違いない。</p>
<p>裏を返せば、一般の消費者や視聴者がステマかどうかを見抜くのは、ますます困難になっていると言える。だからこそ、ステマ規制が始まったわけなのだが、これで一件落着かと言うと、そう単純な話ではない。</p>
<p>ステマ規制は、9月30日以前の投稿も規制の対象になるとしている。</p>
<blockquote class="twitter-tweet">
<p lang="ja" dir="ltr">献本も明記しなきゃいかんのか。たいていしてるけど。しかし過去に遡行するのはどうなんだ？<br />
<br />
10月施行「ステマ法規制」何をしたら違反？ 5年前の投稿でも違反になる!? 参考にすべきガイドライン | Web担当者Forum <a href="https://t.co/OH9xtpoelc">https://t.co/OH9xtpoelc</a> <a href="https://twitter.com/webtanforum?ref_src=twsrc%5Etfw">@webtanforum</a>から</p>

— 尻P(野尻抱介) (@nojiri_h) <a href="https://twitter.com/nojiri_h/status/1721376307869847720?ref_src=twsrc%5Etfw">November 6, 2023</a></blockquote>
<p><script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script></p>
<p>ブログやSNSなどで成果報酬型の広告を掲載して商品やサービスを紹介し、それらが売れることで利益を得る「アフィリエイター」。筆者が観測した範囲では、法施行の直前、アフィリエイターに広告やPRを依頼する「アフィリエイト・サービス・プロバイダー（ASP）」が、「過去の記事も含めて見直してほしい」といった注意喚起のメールをアフィリエイターに何度も送っており、X（旧Twitter）をはじめとするSNSでも話題になった。</p>
<p>ただし、その見直しはあくまでアフィリエイターに委ねられており、当のアフィリエイターは規制や処罰の対象ではないことから、その実効性に疑問を呈する声があがっていた。</p>
<p>景表法の運用基準が曖昧だと困惑する事業者も多い。個別の事案や案件が規制対象かどうかは、消費者庁が「事例ごとに総合的に判断する」としているからだ。</p>
<p><img loading="lazy" decoding="async" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/12/literacy08_imageAM.png" alt="" width="320" height="299" class="alignright wp-image-8312" />運用基準は、事業者がインフルエンサーやアフィリエイターといった「第三者」に広告やPRをしてもらう際、明確な依頼や指示がなくとも、第三者による表示や表現内容に“関与”していれば規制対象になるとする。</p>
<p>だが、関与があっても、第三者による「自主的な意思によるもの」と判断された場合は、規制対象ではないとしている。この、文言が厄介である。</p>
<h2>倫理観が揺れるメディアの現場</h2>
<p>例えば、「モニター」などの名目で商品の無償提供を受けたインフルエンサーがいたとしよう。商品が送られてきただけで、何の指示もない。インフルエンサーは、あくまで自主的な意思に基づいて、商品を褒める動画を投稿し、それがヒットした。</p>
<p>今度は同じ会社から、より高額な商品が送られてきた。気を良くしたインフルエンサーは忖度して、また褒める動画を自主的な意思で出した。それが繰り返された場合、果たしてステマになるのかどうか、線引きが非常に曖昧になってくる。</p>
<p>中には「自主的な忖度」を狙う事業者も多く出てくるだろう。いや、すでにそういった事例は数多くある。そして、それはインフルエンサーやアフィリエイターの領域にとどまらない。中立公正を謳うジャーナリズムや、テレビ、ファッション・ガジェットなどを扱う雑誌など、「マスメディア／ネットメディア」にも古くから存在する話なのだ。</p>
<p>例えば、メディアが事業者から商品を貸与されてレビューなどを行うケースは多々ある。真っ当なメディアであれば貸与物はレビュー後に返却するわけだが、時には事業者から「モニターとして使用し続けてほしい」といった言葉とともに、譲渡の提案を受けるという話も聞く。</p>
<p>ステマ規制の観点で言えば、そういうことがあっても「この記事はA社から商品提供を受けています」「これは広告です」といったかたちで関係性を明示すればいい。だが、「広告」としての料金が発生していない場合、単なる商品レビューを目的とした貸与の場合、通常の記事や番組などでそう謳うことはない。</p>
<p>しかし、もしその商品を結果として返却しなかったのであれば、そのレビューに公正さは備わるのだろうか。定価が10万円以上するスマートフォン（スマホ）をモニターとして手渡されたとき、メディアはフェアな評価ができると言い切れるのだろうか。</p>
<p>こういった誘惑があるからこそ、特にガジェットメディアなどでは「自腹レビュー」と銘打つ企画をすることが少なくない。つまり、「自腹で買った商品なので、事業者の意図は入らない」という信頼性を読者にアピールするのだ。</p>
<p>それでも、商品の貸与や提供がなくとも、何らかの招待制のイベントがあり、仕事としてそこへの入場権を得るために事業者へ忖度することもあるかもしれない。その忖度を狙ってコントロールしようとする事業者が存在する可能性も、多いにある。</p>
<h2>商品やサービスを選ぶのは自分自身</h2>
<p>少し話がそれてしまったが、正しい情報を伝えるべきメディアも目の前の“エサ”で心が揺れるということだ。</p>
<p>ステマが法的に規制されたことは、消費者が正しい情報を得るための一助になることは間違いない。だがそれは、ステマが法律で規制するほど蔓延しているということの裏返しでもある。そして、法律の網から漏れてしまう「意図」もまた、蔓延しているのだ。</p>
<p>SNSでインフルエンサーが活躍するようになってからは、「どんなモノ・コト」であるかよりも「誰が言ったモノ・コト」であるかが重要視されがちだが、その意見の裏側に何かしらの意図があるのかもしれない、と注意深く観察する必要がある。</p>
<p>消費者である私たちは依然として、メディアやSNSを通じて流れてくる情報を鵜呑みにしてはいけない。自分自身の目で商品やサービスを選ばなければいけない。それは、ステマ規制があろうとなかろうと変わりないのだ。</p>
<p>これまで日本は、先進国の中で唯一、ステマに関する法規制がなく、「ステマ天国」と呼ばれていた。法規制云々の前に、まずは消費者自身がステマも視野に入れたメディアリテラシーを高め、意識を変えなければいけない。法規制だけでは汚名を返上することはできないだろう。</p>
<p>もちろん、マスメディアを始めとする情報発信する側も、その倫理観のあり方を問い続ける必要があることは言うまでもない。</p>
<p><img loading="lazy" decoding="async" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/12/literacy08_imageSP.jpg" alt="" width="740" height="417" class="noTrim aligncenter wp-image-8309" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/12/literacy08_imageSP.jpg 1480w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/12/literacy08_imageSP-768x432.jpg 768w" sizes="auto, (max-width: 740px) 100vw, 740px" /></p>The post <a href="https://think-miyakonojo.jp/article/8245/">複雑化する「ステマ」広告 <span>ステマ規制開始でも安心できない消費者</span></a> first appeared on <a href="https://think-miyakonojo.jp">Think都城</a>.]]></content:encoded>
					
					<wfw:commentRss>https://think-miyakonojo.jp/article/8245/feed/</wfw:commentRss>
			<slash:comments>0</slash:comments>
		
		
			</item>
		<item>
		<title>デマを“現実”にするSNS時代　昭和と令和の「取り付け騒ぎ」に学ぶ</title>
		<link>https://think-miyakonojo.jp/article/6613/?utm_source=rss&#038;utm_medium=rss&#038;utm_campaign=%25e2%2598%2585%25e2%2598%258507-%25e3%2583%2587%25e3%2583%259e%25e3%2582%2592%25e7%258f%25be%25e5%25ae%259f%25e3%2581%25ab%25e3%2581%2599%25e3%2582%258bsns%25e6%2599%2582%25e4%25bb%25a3%25e3%2580%2580%25e6%2598%25ad%25e5%2592%258c%25e3%2581%25a8%25e4%25bb%25a4%25e5%2592%258c%25e3%2581%25ae</link>
					<comments>https://think-miyakonojo.jp/article/6613/#respond</comments>
		
		<dc:creator><![CDATA[岩本 有平（いわもと・ゆうへい）]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 29 Sep 2023 04:50:05 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[メディアリテラシー]]></category>
		<category><![CDATA[SNS]]></category>
		<category><![CDATA[X（Twitter）]]></category>
		<category><![CDATA[コロナ禍]]></category>
		<category><![CDATA[新型コロナウイルス]]></category>
		<category><![CDATA[誤情報]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://think-miyakonojo.jp/?p=6613</guid>

					<description><![CDATA[<ul>
<li>米銀行取り付け騒ぎと、コロナ禍のトイレットペーパー騒動。</li>
<li><b>リテラシーが高い人々</b>の行動によって、デマ拡大と同じ結果に。</li>
<li>変質する<b>“不安拡大”のメカニズム</b>に向き合うべき時期が来た。</li>
</ul>
The post <a href="https://think-miyakonojo.jp/article/6613/">デマを“現実”にするSNS時代　<span>昭和と令和の「取り付け騒ぎ」に学ぶ</span></a> first appeared on <a href="https://think-miyakonojo.jp">Think都城</a>.]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<div class="su-spoiler su-spoiler-style-“fancy” su-spoiler-icon-plus su-spoiler-closed" data-scroll-offset="0" data-anchor-in-url="no"><div class="su-spoiler-title" tabindex="0" role="button"><span class="su-spoiler-icon"></span>テーマ［ メディアリテラシー ］の記事一覧</div><div class="su-spoiler-content su-u-clearfix su-u-trim"><ul class="lcp_catlist" id="lcp_instance_0"><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/12/" target="_blank">メディアリテラシーが必要なワケ［前編］　<span>AIフェイク画像と謎の地下室の示唆</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/1399/" target="_blank">メディアリテラシーが必要なワケ［後編］　<span>インターネットや技術革新の功罪</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2115/" target="_blank">「クリティカルシンキング」の本質　<span>誤情報に惑わされないための初歩</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2189/" target="_blank">実践！ ニセ・誤情報に克つ［前編］　<span>5つの「キー・クエスチョン」で考える</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2262/" target="_blank">実践！ ニセ・誤情報に克つ［後編］　<span>デジタル時代に即した新手法「SIFT」</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/5233/" target="_blank">学校に浸透するメディアリテラシー教育　<span>NHKの奮闘、先行する欧米</span></a></li><li class="current"><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/6613/" target="_blank">デマを“現実”にするSNS時代　<span>昭和と令和の「取り付け騒ぎ」に学ぶ</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/8245/" target="_blank">複雑化する「ステマ」広告 <span>ステマ規制開始でも安心できない消費者</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/9193/" target="_blank">能登半島地震に見るSNSの弊害 <span>そこにある情報がすべてではない</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/10615/" target="_blank">「ディープフェイク」の脅威と備え <span>生成AI全盛時代の新たなリスク</span></a></li></ul></div></div>

<h2>「SNS時代」ならではの新たな課題</h2>
<p>インターネットによってさまざまな情報に即座にアクセスできる現在。デマやうわさ話といった不確かな情報の拡散スピードは、かつてとは比較にならないほど高まった。だからこそ、SNSなどを利用する際は、気をつけなければならない。</p>
<p>これまで、テーマ「メディアリテラシー」では、そう論じてきた。それは事実だ。</p>
<p>しかし、インターネットやSNSの発展によって、デマやうわさ話を信じるひとが増えただけなのかというと、そう単純な話でもない。SNSは、デマやうわさ話が引き起こす事象をさらに複雑なものとし、混沌とした世界にしている。</p>
<p>出版社でインターネットメディアの編集に携わる筆者にとって、この課題は悩みの種でもある。なぜなら、これといった解決策が見えているわけはないからだ。</p>
<p>メディアリテラシーや情報リテラシーがあるがゆえの、騒動――。今回は、このSNS時代ならではの新たな課題について、まずは「取り付け騒ぎ」から考察していきたい。</p>
<h2>「女子高生の雑談」から始まった騒動</h2>
<p>金融機関への不信や不安を契機にして、預金者が大量に押しかけ、預貯金の引き出しを行う取り付け騒ぎ。これまで国内外で何度も起こっているこの事象は、デマやうわさ話といった不確かな情報が発端となることがほとんどだった。</p>
<p>ここから語るのは、昭和の時代に起こった、ある取り付け騒ぎの概要だ。</p>
<p>愛知県宝飯郡小坂井町（現・豊川市）を中心に展開する豊川信用金庫（豊川信金）。1973（昭和48）年、デマをきっかけに取り付け騒ぎが起こり、あわや倒産寸前という状態になったが、その発端は女子高生3人の「雑談」だった。</p>



<div id="attachment_6702" style="width: 750px" class="wp-caption aligncenter"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-6702" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/09/literacy7_image01-300x169.jpg" alt="" width="740" height="417" class="wp-image-6702" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/09/literacy7_image01-300x169.jpg 300w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/09/literacy7_image01-1024x576.jpg 1024w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/09/literacy7_image01-768x432.jpg 768w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/09/literacy7_image01.jpg 1480w" sizes="auto, (max-width: 740px) 100vw, 740px" /><p id="caption-attachment-6702" class="wp-caption-text">1973（昭和48）年に起きた豊川信用金庫の取り付け騒ぎは、女子高生3人の「雑談」が発端だった</p></div>



<p>電車の中で雑談に花を咲かせる3人組の女子高生。豊川信金への就職が決まった1人に対して、残りの2人が「（強盗が入る可能性があるので）信用金庫は危ない」とからかっていた。</p>
<p>もちろん2人にとっては冗談だったが、就職予定の女子高生は不安になって親戚に「信用金庫は危ないのか」と相談したという。すると親戚が別の親戚に問い合わせ、その話をたまたま聞いた人物がさらに別の人物に相談していくなかで、話に尾ひれがつき、いつしか小坂井町の主婦のあいだで「豊川信金は危ない」という誤ったデマとして広がっていった。</p>
<p>デマは、時間経過とともに「信金理事長の自殺」「職員の横領」といった過激な内容に変化していった。その結果、数多くの預金者が豊川信金に押しかけ、2週間弱という短い期間で14億円もの預貯金が引き出され、信金は倒産の危機を迎えたのだった。</p>
<p>最終的には全国紙が「デマである」と報じ、日本銀行が「信金には経営問題がない」と説明する会見を開くまでに至った。違法性を懸念した警察がデマの経緯を捜査した結果、あくまで女子高生のうわさ話、雑談から起こった騒動であり、犯罪性や信金の経営問題ではないことが明らかに。だがその捜査結果を発表したあとも、デマの消息までに時間を要したという。</p>
<p>口伝えのみで、小さな町を席巻した取り付け騒ぎ。では翻って、SNSが普及した“令和時代”の取り付け騒ぎはどうだったのだろうか。</p>
<h2>SNSが起こした初の「取り付け騒ぎ」</h2>
<p>2023（令和5）年3月、米国カリフォルニア州に本社を置く「シリコンバレー銀行（SVB）」が経営破綻し、米連邦預金保険公社（FDIC）の管理下に置かれた。米国のある下院議員はこの事態を「SNSによる初の取り付け騒ぎ」と言及している。</p>



<div id="attachment_6696" style="width: 750px" class="wp-caption aligncenter"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-6696" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/09/literacy7_image05-300x169.jpg" alt="" width="740" height="417" class="wp-image-6696" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/09/literacy7_image05-300x169.jpg 300w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/09/literacy7_image05-1024x576.jpg 1024w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/09/literacy7_image05-768x432.jpg 768w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/09/literacy7_image05.jpg 1480w" sizes="auto, (max-width: 740px) 100vw, 740px" /><p id="caption-attachment-6696" class="wp-caption-text">米カリフォルニア州サンタクララ市にある米シリコンバレー銀行本店<span>（©unitysphere/123RF.COM）</span></p></div>



<p>SVBは、米国のシリコンバレーやベイエリアに拠点を置くベンチャー・スタートアップ（新興）企業、それらに資金を提供するベンチャーキャピタル（VC）らを顧客の中心としてきた。米紙『The New York Times』が2015年に報じたところによると、SVBは米国のスタートアップの65％に対してなんらかのサービスを提供していたという。</p>
<p>米国では2021年、新型コロナ禍での金融緩和などを背景に、VC投資が過去最高額を記録。スタートアップに流れた資金がSVBに預けられた結果、SVBの2022年3月末の預金残高は前年同期比6割増となる1980億ドルに達していた。</p>
<p>だが、好調だった2021年とは対照的に、2022年以降の米国スタートアップ投資は厳しい状況を迎え、潮目が変わった。</p>
<p>インフレが進み、コロナ禍での“巣ごもり消費”が停滞した結果、2022年初めから「GAFA（米Google＝現・Alphabet、米Apple、米Facebook＝現・Meta、米Amazon）」に代表される巨大テック企業の株価が続々と下落。業界をけん引する企業の株価が下がった結果、スタートアップは投資家からの資金調達に苦戦を強いられた。</p>
<p>資金調達ができなければ、当座の経営のために預金を使うよりほかに手段がない。スタートアップがSVBに預けていた資金は、みるみる流出した。</p>
<p>一方で同時期、連邦準備理事会（FRB）が急ピッチな利上げを進めた結果、SVBが保有する住宅ローン担保証券を中心にした保有債券の含み損は2022年末時点で150億ドル超になっていた。</p>
<h2>情報拡散し、不安や危機感が増幅</h2>
<p>流出する預金と増える含み損——。この2つの課題に向き合うべく、SVBは保有する210億ドル相当の証券の売却と、22億5000万ドルの増資を行うことを決定。その翌日の2023年3月9日、SVBの株価は60％も下落し、SVBは一夜にして時価総額を96億ドルも減らした。</p>
<p>これら“事実”は、即時にSNSなどで拡散し、VCやスタートアップ企業の経営者はリアルタイムで情報を知った。同時に、別の情報も駆け巡った。</p>
<p>「ピーター・ティール氏（PayPal共同創業者としても知られる著名投資家）が運営するVCはじめ、有力なVCが投資先スタートアップに『SVBから預金を引き上げるように』と指示を出した」――。</p>
<p>これを知った多くのスタートアップの起業家らは、一斉にSVBから預金を引き出した。ネットバンキングにはアクセスが集中し、システムはダウン。一連の状況は、Twitter（現・X）をはじめとするSNSで爆発的に拡散し、事態をさらに深刻なものへとしていった。</p>
<p>2日間で引き出された預金額は約1420億ドル（約21兆円）。これは同行の預金総額の80%にあたる。結果、3月10日、SVBの資金繰りは行き詰まり、騒動からわずか2日という驚きのスピードで経営破綻に至ったのである。</p>
<p>業績の悪化や株価の低迷などが示すように、この令和の取り付け騒ぎは、豊川信金のように、根も葉もないデマやうわさ話のみによって引き起こされた、とは言えない。しかし、「不安を煽る情報が広がり、危機感が増幅し、事態を悪化させる」というメカニズムは、今も昔も変わりはない。</p>
<p>西海岸の投資家とスタートアップたちの不安や危機感は、SNSによって一気に拡大し、増幅され、わずか数日での経営破綻をもたらしたのだ。不安をあおるメカニズムが効く期間や強さをインターネットやSNSが変えたのだが、伝達の経路が増え、速度が早まった“だけ”とも言える。</p>
<p>ただし、一つ違うことがあるとすれば、現代では、たとえ「（事実無根の）デマや誤情報だとは思っていない」と理解していても、思わぬ騒動に発展することもあるということだ。</p>
<h2>コロナ禍の「トイレットペーパー騒動」</h2>
<p>2020年春、新型コロナウイルスが世界に拡大するなか、日本でトイレットペーパーの品切れ騒動が起きたのは記憶に新しいだろう。</p>



<div id="attachment_6697" style="width: 750px" class="wp-caption aligncenter"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-6697" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/09/literacy7_image04-300x169.jpg" alt="" width="740" height="417" class="wp-image-6697" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/09/literacy7_image04-300x169.jpg 300w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/09/literacy7_image04-1024x576.jpg 1024w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/09/literacy7_image04-768x432.jpg 768w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/09/literacy7_image04.jpg 1480w" sizes="auto, (max-width: 740px) 100vw, 740px" /><p id="caption-attachment-6697" class="wp-caption-text">コロナ禍が始まったばかりの頃、スーパーやドラッグストアなどからトイレットペーパーが消えた<span>（©けんじ屋 / PIXTA）</span></p></div>



<p>新型コロナウイルスの感染が広がりはじめた2020年2月末、香港やシンガポールなどアジア圏の一部でトイレットペーパーが品薄になっているという報道がなされた。その報道を背景に、あるTwitterユーザーが「原材料を中国から輸入できなくなるので、日本でもトイレットペーパーが品薄になる」といった内容を投稿した。</p>
<p>この投稿には即座に「デマである」といった否定的な反応が集まったほか、製紙業界団体などが否定する声明を発表した。しかしSNSやマスメディアには「トイレットペーパーが品薄になるというデマがあった」と論じる内容があふれかえり、結果として多くの人がトイレットペーパーを買いに走った。</p>
<p>その後1カ月ほどの間、全国的にトイレットペーパーの品薄や品切れが続いたことは多くの読者もご存じだろう。読者の中にはこれが「デマを信じた結果」の騒動だと思う方もいるかもしれないが、そうではない。</p>
<div class="chart_title">新型コロナウイルスに関する誤情報の受容度</div>



<div id="attachment_6727" style="width: 360px" class="wp-caption alignleft"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-6727" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/09/literacy7_graph-2-184x300.png" alt="" width="350" height="570" class="wp-image-6727" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/09/literacy7_graph-2-184x300.png 184w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/09/literacy7_graph-2-629x1024.png 629w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/09/literacy7_graph-2.png 700w" sizes="auto, (max-width: 350px) 100vw, 350px" /><p id="caption-attachment-6727" class="wp-caption-text"><span>注：出所は総務省の「新型コロナウイルス感染症に関する情報流通調査　報告書」。項目をアンケート結果より抜粋</span></p></div>



<p>総務省が2020年6月に公開した「<a href="https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban18_01000082.html" target="_blank" rel="noopener">新型コロナウイルス感染症に関する情報流通調査　報告書</a>」のアンケート結果によると、騒動の際、「トイレットペーパーが不足する」というデマ情報を信じたのは、回答のわずか6.2％だったのだ。</p>
<p>筆者は正直、この結果に驚いた。人々の6％しか信じていなかったのに、トイレットペーパーはリアルになくなっていたからだ。では、なぜ……。</p>
<p>東京大学 大学院工学系研究科システム創成学専攻・鳥海不二夫教授らがまとめた<a href="https://www.t.u-tokyo.ac.jp/press/pr2022-04-28-003" target="_blank" rel="noopener">論文</a>に、その答えがある。</p>
<h2>デマを信じない人々がデマを現実に</h2>
<p>鳥海教授らの論文によると、当時のTwitter上では、デマを信じた「リツイート」はほとんどなかったという。一方で、「デマが誤っている」という指摘は何度もあり、総リツイート数では数十万件にも上った。さらにマスメディアもデマを否定した上で、「誤った情報が拡散されている」と取り上げたことで、「デマである」ということは大々的に伝わった。</p>
<p>だが皮肉にもデマの存在が広く知られるようになった結果、「他人がデマを信じてトイレットペーパーが売り切れるかもしれない」と予想した人々が、デマを否定しながらトイレットペーパーを購入していたことがわかったのだ。</p>
<p>SNSはその拡散力ばかりが危険視されがちだ。デマが拡散しやすい装置であることは間違いない。しかし、たとえデマだと分かっていても、人々が動いてしまうということが、アンケートや研究から明らかになったというわけだ。</p>
<p>トイレットペーパーが品薄になった理由は、「デマを信じず、それを訂正した情報を知った人々が動いた結果」なのだ。</p>



<div id="attachment_6698" style="width: 750px" class="wp-caption aligncenter"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-6698" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/09/literacy7_image03-300x169.jpg" alt="" width="740" height="417" class="wp-image-6698" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/09/literacy7_image03-300x169.jpg 300w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/09/literacy7_image03-1024x576.jpg 1024w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/09/literacy7_image03-768x432.jpg 768w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/09/literacy7_image03.jpg 1480w" sizes="auto, (max-width: 740px) 100vw, 740px" /><p id="caption-attachment-6698" class="wp-caption-text">デマであることを認識したうえで、トイレットペーパーを買いに走った結果……<span>（©<a href="https://jp.123rf.com/profile_chivasimo" rel="noopener" target="_blank">chivasimo</a>）</span></p></div>



<p>言い換えれば、デマであるという誤りを訂正した「真実の情報」をいち早く手にしたメディアリテラシー・情報リテラシーの高い人々が行動を起こしたということ。実際に、筆者は当時、まず、「楽天市場」や「Amazon.co.jp」といった大手ECモールやECサイトからトイレットペーパーが消えていったのを目の当たりにした。</p>
<p>それと間髪を入れずして、ECモールでは見たこともないような店名のショップが高額でトイレットペーパーを販売。さらには「メルカリ」のような個人間取引のサービスも含めて、トイレットペーパーが高値で取引されていたのを確認している。のちにメルカリなどは高額販売に対する制限を行ったが、それでも定価の在庫が戻るまでには時間を要した。</p>
<p>もちろん都内に住む筆者と、別の地域では状況は違うだろうが、スーパーやコンビニエンスストアからトイレットペーパーが消えたのは、ネット上でそうした異常な事態となってから、多少の時間差があったと記憶している。どういうことなのか。</p>
<p>「原材料を中国から輸入できなくなるので、日本でもトイレットペーパーが品薄になる」という情報はデマであると理解している。しかし、いずれそれを真実と思い込んだ人々によってトイレットペーパーは買い占められてしまうだろうと考えた、リテラシーの高い人々がインターネットで購買行動をした。結果、本当に品薄となった。</p>
<p>つまり、リテラシーの高い人々の行動によって、「デマが引き起こすであろう最悪の結果が、現実のものとなった」ということだ。</p>
<h2>変質する“不安拡大”のメカニズム</h2>
<p>この騒動を理解したうえで、SVBの取り付け騒ぎの話に戻る。</p>
<p>繰り返しになるが、SVBの事例は、デマ騒動とは言えない。「破綻する」という話自体は事実無根のデマが起点ではないからだ。</p>
<p>しかし、リテラシーの高い人々が「本当に破綻するかもしれない」と先を予測して行動に移した結果、憂慮されていたことが現実になったという点では、トイレットペーパー騒動と似ていると言えなくもない。</p>
<p>トイレットペーパー騒動と同様に、SNSに流れてきた情報を知ったリテラシーの高い人たちが、「『SVBが破綻する』と思う人々が預金の引き出しに走るかもしれない」と考えて動いたことが、破綻を招いたのかも知れない。</p>
<p>少なくとも、SNSをつぶさにウォッチし、それらの情報を冷静に分析するという、ある意味、高いメディアリテラシーが行動の背景にあるとは言える。</p>



<div id="attachment_6704" style="width: 750px" class="wp-caption aligncenter"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-6704" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/09/literacy7_image02-300x169.jpg" alt="" width="740" height="417" class="wp-image-6704" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/09/literacy7_image02-300x169.jpg 300w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/09/literacy7_image02-1024x576.jpg 1024w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/09/literacy7_image02-768x432.jpg 768w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/09/literacy7_image02.jpg 1480w" sizes="auto, (max-width: 740px) 100vw, 740px" /><p id="caption-attachment-6704" class="wp-caption-text">SNS時代では、メディア／情報リテラシーの高い人々がデマや誤情報を正しくないと認識したうえで、行動に移してしまうこともある</p></div>



<p>付け加えるなら、インターネットの利便性を享受する情報リテラシーの高さが火に油を注いだ。ネットバンキングであれば、クリックひとつ、わずか数十秒のうちに預金を移動できる。「念のために預金を引き出しておこう」と思えば、リテラシーの高いSVBの預金者は簡単に行動できたわけだ。</p>
<p>まとめると、トイレットペーパー騒動とSVB騒動、2つの事例から、以下の新たなメカニズムが見えてくる。</p>
<p>たとえ、その話がデマだとわかっていても、確実性がないと思っていても、情報拡散によって引き起こされる現象を予測して自衛する。結果として、デマや不安をあおる声に加担し、それが引き起こすであろう最悪の結末を、現実のものにしてしまう――。</p>
<p>これは、リテラシーの高さが生んだ弊害と言えよう。極論を言えば、結果として加担した人たちにとって、SNSで広がった内容が真実かどうかは興味がない。興味があるのは、拡散が引き起こす結果だ。デマ騒動や“不安拡大”のメカニズムは、このように変質しているのだ。</p>
<p>デマを信じなくても人々が動いてしまうという、この新たな課題は、単純に真実かどうかを見抜くリテラシーの問題として片付けることはできない。</p>
<h2>個人のリテラシー任せでは解決できない</h2>
<p>読者にこれから求められることは、これまで言われていたような、メディアやITについてのリテラシー向上だけではない。もちろんそれは最低限備えるべきものではあるが、それだけでは足りない。</p>
<p>なぜなら、繰り返しになるが、令和の取り付け騒ぎとトイレットペーパー騒動は、人々に高いリテラシーがあるがゆえに引き起こされた側面があるからだ。</p>
<p>デマや不安の拡大が引き起こす結果と同じ結果をもたらすが、プロセスが違う。誤情報を鵜呑みにするのではなく、情報を正しく捉え、冷静に分析する。理解できているからこそたちが悪いとも言える。もはや「メディアリテラシーや情報リテラシーを身につけよう」だけでは解決できないのだ。</p>
<p>もちろん、それらのリテラシー自体を否定しているわけではない。だがもう、個人のリテラシー向上だけでは足りない時代に入っている。政府や自治体などの「パブリックセクター」なり、個人以上のレイヤーでこのSNS時代の騒動に対して本気で向き合い、考えなければいけない時期に差し掛かっていると筆者は考える。では、どうすべきなのだろうか。</p>
<p>誤解のないように言うと、筆者には、インターネットの世界で新たな規制や法律を作る「大きな政府」を求めるべきではない、という持論がある。だからここで、規制の必要性を提案したいわけではない。だが、なんらかの呼びかけや枠組みがなければ、今後も新たなメカニズムによる騒動が続くのではないか、という思いもある。</p>
<p>じつに名状しがたいのだが、少なくとも、パブリックセクターはこの問題に対して警鐘を鳴らすべきだろう。</p>
<p>普段、「メディア」の中にいる人間は、あまり「メディアリテラシー」について考えないものだ。情報提供をする側にとって、自らが抱える読者のリテラシーに合わせて記事を提供することはしても、読者のメディアリテラシーに関する問題点や課題に向き合うことは少ない。</p>
<p>その意味では今回の寄稿にあたって新しい角度での考察ができたことは、筆者にとっても非常に良い機会となった。そしてまた同時に、リテラシーの先にある課題を認知するという、大きな難問を抱えることになったと言っても過言ではない。</p>
<p style="text-align: right;">（<a href="https://think-miyakonojo.jp/article/8245/">次回</a>に続く）</p>
<a href="https://think-miyakonojo.jp/article/8245/" class="cardlink" target="_blank" rel="noopener noreferrer">
    <div class="cardlink_thumbnail">
        <img decoding="async" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/12/Media08_hero-500x500.jpg">
    </div>
    <div class="cardlink_content">
        <span class="cardlink_timestamp">2023.12.27</span>
        <div class="cardlink_title">
            複雑化する「ステマ」広告 <span>ステマ規制開始でも安心できない消費者</span>
        </div>
        <div class="cardlink_excerpt"><span>2023年10月、法改正でステルスマーケティングの規制が始まった。芸能人からメディアまで、倫理観を揺るがすステマの裏側を探る。規制で罰則あれども、消費者が決して安心できない理由とは。...</span></div>
    </div>
    <div class="cardlink_footer"></div>
</a>The post <a href="https://think-miyakonojo.jp/article/6613/">デマを“現実”にするSNS時代　<span>昭和と令和の「取り付け騒ぎ」に学ぶ</span></a> first appeared on <a href="https://think-miyakonojo.jp">Think都城</a>.]]></content:encoded>
					
					<wfw:commentRss>https://think-miyakonojo.jp/article/6613/feed/</wfw:commentRss>
			<slash:comments>0</slash:comments>
		
		
			</item>
		<item>
		<title>学校に浸透するメディアリテラシー教育　NHKの奮闘、先行する欧米</title>
		<link>https://think-miyakonojo.jp/article/5233/?utm_source=rss&#038;utm_medium=rss&#038;utm_campaign=06-%25e5%25ad%25a6%25e6%25a0%25a1%25e3%2581%25ab%25e6%25b5%25b8%25e9%2580%258f%25e3%2581%2599%25e3%2582%258b%25e3%2583%25a1%25e3%2583%2587%25e3%2582%25a3%25e3%2582%25a2%25e3%2583%25aa%25e3%2583%2586%25e3%2583%25a9%25e3%2582%25b7%25e3%2583%25bc%25e6%2595%2599%25e8%2582%25b2%25e3%2580%2580nhk%25e3%2581%25ae%25e5%25a5%25ae</link>
					<comments>https://think-miyakonojo.jp/article/5233/#respond</comments>
		
		<dc:creator><![CDATA[井上 理（いのうえ・おさむ）]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 28 Apr 2023 13:05:55 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[メディアリテラシー]]></category>
		<category><![CDATA[ChatGPT]]></category>
		<category><![CDATA[eラーニング]]></category>
		<category><![CDATA[NHK]]></category>
		<category><![CDATA[SNS]]></category>
		<category><![CDATA[クリティカルシンキング]]></category>
		<category><![CDATA[フェイクニュース]]></category>
		<category><![CDATA[メディアリテラシー指標]]></category>
		<category><![CDATA[偽情報]]></category>
		<category><![CDATA[教育]]></category>
		<category><![CDATA[誤情報]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://think-miyakonojo.jp/?p=5233</guid>

					<description><![CDATA[<p>今回は「メディアリテラシー教育」の最新動向にフォーカス。NHKが全国の小学校と東京のスタジオを結んで展開する授業の様子をご紹介。先行する欧米の教育事情にもキャッチアップします。</p>
The post <a href="https://think-miyakonojo.jp/article/5233/">学校に浸透するメディアリテラシー教育　<span>NHKの奮闘、先行する欧米</span></a> first appeared on <a href="https://think-miyakonojo.jp">Think都城</a>.]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<div class="su-spoiler su-spoiler-style-“fancy” su-spoiler-icon-plus su-spoiler-closed" data-scroll-offset="0" data-anchor-in-url="no"><div class="su-spoiler-title" tabindex="0" role="button"><span class="su-spoiler-icon"></span>テーマ［ メディアリテラシー ］の記事一覧</div><div class="su-spoiler-content su-u-clearfix su-u-trim"><ul class="lcp_catlist" id="lcp_instance_0"><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/12/" target="_blank">メディアリテラシーが必要なワケ［前編］　<span>AIフェイク画像と謎の地下室の示唆</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/1399/" target="_blank">メディアリテラシーが必要なワケ［後編］　<span>インターネットや技術革新の功罪</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2115/" target="_blank">「クリティカルシンキング」の本質　<span>誤情報に惑わされないための初歩</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2189/" target="_blank">実践！ ニセ・誤情報に克つ［前編］　<span>5つの「キー・クエスチョン」で考える</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2262/" target="_blank">実践！ ニセ・誤情報に克つ［後編］　<span>デジタル時代に即した新手法「SIFT」</span></a></li><li class="current"><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/5233/" target="_blank">学校に浸透するメディアリテラシー教育　<span>NHKの奮闘、先行する欧米</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/6613/" target="_blank">デマを“現実”にするSNS時代　<span>昭和と令和の「取り付け騒ぎ」に学ぶ</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/8245/" target="_blank">複雑化する「ステマ」広告 <span>ステマ規制開始でも安心できない消費者</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/9193/" target="_blank">能登半島地震に見るSNSの弊害 <span>そこにある情報がすべてではない</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/10615/" target="_blank">「ディープフェイク」の脅威と備え <span>生成AI全盛時代の新たなリスク</span></a></li></ul></div></div>
<h2>編集によるバイアスを実体験</h2>
<p>「小学生に聞いちゃいましたー！　小学生がメイクをすることに賛成？　反対？」――。</p>
<p>今年3月、茨城県の小学校。小学6年生約30人が集まった教室のテレビに、小学生のメイクについて、小学生に賛否を尋ねる街頭インタビューが映し出された。</p>
<p><img loading="lazy" decoding="async" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/medialiteracy06_makeup00-300x169.jpg" alt="" width="600" height="337" class="aligncenter wp-image-5294" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/medialiteracy06_makeup00-300x169.jpg 300w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/medialiteracy06_makeup00-1024x576.jpg 1024w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/medialiteracy06_makeup00-768x432.jpg 768w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/medialiteracy06_makeup00.jpg 1480w" sizes="auto, (max-width: 600px) 100vw, 600px" /></p>
<p><img loading="lazy" decoding="async" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/medialiteracy06_makeup01-300x169.jpg" alt="" width="600" height="338" class="aligncenter wp-image-5295" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/medialiteracy06_makeup01-300x169.jpg 300w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/medialiteracy06_makeup01-1024x576.jpg 1024w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/medialiteracy06_makeup01-768x432.jpg 768w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/medialiteracy06_makeup01.jpg 1480w" sizes="auto, (max-width: 600px) 100vw, 600px" /></p>
<p>「友だちと映画館に行くときとか特別な日にメイクをしたい」「オシャレしたいじゃないですか、女子って」「大人になったときに、すっとできる」「いつもと違う顔が見られるからいいと思う（男児）」……。</p>
<p>小学生による前向きな賛成意見が大多数を占め、いったんコーナーは終わる。すると、スタジオのアナウンサーが「じつはこのインタビューなんですけれど、使われなかった意見もあるんです」と切り出し、反対意見を中心に“編集”したVTRも流された。</p>
<p>「小学生のメイクっていうのは、いろんな人から見て『なんだあいつ』みたいになっちゃうし、他にもオシャレの方法はいろいろある」「無理やり女子力上げてるみたいなのは、私はあんまり好きじゃないです」……。</p>
<p>スタジオのアナウンサーは、こう締めた。「情報を受け取るときには、一部しか使われていないかもしれないと考え受け取ることが大切です」。</p>
<p>じつはこの映像、NHKが小学校向けに実施しているメディアリテラシー教育プログラム「<a href="https://www.nhk.or.jp/info/about/ml/school.html" target="_blank" rel="noopener">つながる！NHKメディア・リテラシー教室</a>」向けに特別に制作されたもの。この日は午前の部で4校の5〜6年生84人、午後の部で4校の同112人の児童が参加した。</p>
<h2>「反対意見を伝えないのは不公平」</h2>
<p>NHKメディア・リテラシー教室は、全国3〜4カ所の小学校の教室と、東京・港区のNHK放送博物館をライブでつなぎ、放送博物館にいる進行役のNHKアナウンサーと一緒に楽しみながらメディアリテラシーを身につけてもらう体験型の授業。</p>
<p><img loading="lazy" decoding="async" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/medialiteracy06_classroom-300x169.jpg" alt="" width="600" height="338" class="aligncenter wp-image-5293" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/medialiteracy06_classroom-300x169.jpg 300w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/medialiteracy06_classroom-1024x576.jpg 1024w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/medialiteracy06_classroom-768x432.jpg 768w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/medialiteracy06_classroom.jpg 1480w" sizes="auto, (max-width: 600px) 100vw, 600px" /></p>

<div id="attachment_5262" style="width: 610px" class="wp-caption aligncenter"><a href="https://www.nhk.or.jp/info/about/ml/movie/movie_news_013.html" target="_blank" rel="noopener"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-5262" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/literacy06_ss04-300x169.jpg" alt="" width="600" height="338" class="wp-image-5262" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/literacy06_ss04-300x169.jpg 300w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/literacy06_ss04-1024x576.jpg 1024w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/literacy06_ss04-768x432.jpg 768w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/literacy06_ss04.jpg 1480w" sizes="auto, (max-width: 600px) 100vw, 600px" /></a><p id="caption-attachment-5262" class="wp-caption-text">授業の様子は2023年3月3日、NHK「いば６」（茨城県内向け）ほかで紹介された（映像は<a href="https://www.nhk.or.jp/info/about/ml/movie/movie_news_013.html" target="_blank" rel="noopener">こちら</a>）</p></div>

<p>2021（令和3）年6月から実施しており、21年は56校1678人、22年は129校3565人、今年は3月までに39校1216人、合計224校6459人の児童が参加した。</p>
<p>授業では、メイクへの賛否両論のほかに、画角などが違う十数枚のイラストからケーキ屋の魅力を伝えるのに効果的なものを選ぶ課題や、免許証などに使う証明写真の顔の画像をどの程度まで加工してよいか議論する課題などにも取り組んだ。</p>
<p>その様子は、各小学校の地域にあるNHKのローカル局が取り上げたニュース映像で垣間見ることができる。冒頭で紹介した茨城県の小学校での授業風景を取材したNHK茨城「いば6」では、参加した生徒がこう感想を述べていた。</p>
<p>「アップとルーズの見やすさとか、加工していいものといけないようなもののことが分かりました。受け手として、嘘の画像とか騙し動画みたいなものを、気をつけて見ていきたいです」</p>
<p>「アップとルーズ」のルーズは、「引き」の画角のこと。聞き慣れない大人もいるかもしれないが、現代の小学生は4年生の国語にある「アップとルーズで伝える」という単元で学んでいるため、馴染みがある。</p>
<p>ほかにも、「反対意見を伝えないのは不公平」「テレビを見るときは、使われてない映像もあると受け止めることが重要だと思った」といった参加児童の感想を、NHKの<a href="https://www.nhk.or.jp/info/about/ml/school.html" target="_blank" rel="noopener">特設サイト</a>でも確認することができる。</p>
<p><img loading="lazy" decoding="async" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/literacy06_ss01-300x169.jpg" alt="" width="600" height="338" class="aligncenter wp-image-5259" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/literacy06_ss01-300x169.jpg 300w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/literacy06_ss01-1024x576.jpg 1024w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/literacy06_ss01-768x432.jpg 768w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/literacy06_ss01.jpg 1480w" sizes="auto, (max-width: 600px) 100vw, 600px" /></p>
<p>この特設サイトには、各地での授業を報道した各ローカル局のニュース映像がアーカイブされている。そこには「各放送局によってニュースの取り上げ方が違うね。見比べてみよう」という文言が添えられている。</p>
<p>自らの報道すらも、メディアリテラシーの一つの教材として提供しているNHK。メディアリテラシー教育は、日本の教育現場にも着実に浸透しつつある。</p>
<p>では、海外ではどうだろうか。</p>
<h2>クイズ形式で楽しめる「Checkology」</h2>
<p>もともと、メディアリテラシーという学問自体が、欧米で発達したこともあり、欧米の教育現場におけるメディアリテラシー教育の歴史は長く、規模も大きい。</p>
<p>近年、米国で大きな影響力を誇るのが、「<a href="https://get.checkology.org/" rel="noopener" target="_blank">Checkology（チェッコロジー）</a>」という中高生向けのeラーニングツールだ。</p>

<div id="attachment_5306" style="width: 750px" class="wp-caption aligncenter"><a href="https://get.checkology.org/" target="_blank" rel="noopener"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-5306" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/medialiteracy06_checkology-300x169.jpg" alt="" width="740" height="417" class="noTrim wp-image-5306" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/medialiteracy06_checkology-300x169.jpg 300w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/medialiteracy06_checkology-1024x576.jpg 1024w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/medialiteracy06_checkology-768x432.jpg 768w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/medialiteracy06_checkology.jpg 1480w" sizes="auto, (max-width: 740px) 100vw, 740px" /></a><p id="caption-attachment-5306" class="wp-caption-text">ニュースリテラシーを学ぶeラーニングツール「<a href="https://get.checkology.org/" target="_blank" rel="noopener">Checkology</a>」。米NPO「ニュース・リテラシー・プロジェクト（News Literacy Project）が提供している</p></div>

<p>Checkologyは、報道の見抜き方に特化した「ニュースリテラシー」を身につけるための“仮想クラスルーム”の教材。学習者は、「ニュースメディアの偏見」「偽情報」「陰謀的思考」など19のテーマを通じて、信頼できる情報を識別し、信頼できる情報源を探し出し、事実に基づく内容と虚偽を区別する能力を養うことができるとしている。</p>
<p>ベースにある必要なスキルは、もちろん「クリティカルシンキング（批判的思考）」である（以下の関連記事を参照）。</p>
<p><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="AIfh025Jvc"><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2115/">「クリティカルシンキング」の本質　誤情報に惑わされないための初歩</a></blockquote><iframe loading="lazy" class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;「クリティカルシンキング」の本質　&lt;span&gt;誤情報に惑わされないための初歩&lt;/span&gt;&#8221; &#8212; Think都城" src="https://think-miyakonojo.jp/article/2115/embed/#?secret=hUM0dVYFOT#?secret=AIfh025Jvc" data-secret="AIfh025Jvc" width="500" height="282" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></p>
<p>それぞれのテーマごとに、米3大テレビネットワークなどのジャーナリストや、教授などの専門家が進行役を務め、テレビ局のニュースルームなどから映像で語りかける。イラストやグラフ、キャプチャなどが映し出され、設問も出てくる。受講者は1テーマにつき約1時間ほどかけて、クイズ番組に参加しているような感覚で学ぶことができる。</p>
<p>例えば「偽情報」のテーマを選ぶと、SNSを専門に研究する女性の大学教授がホストとして登場し、「ハリケーン後に浸水した高速道路をサメが泳ぐ写真」を掲載したツイートや、「米フィラデルフィアのスターバックスでの人種差別事件を受け、スターバックスが有色人種に無料のコーヒーを提供すると発表したというツイート」を紹介。</p>
<p><img loading="lazy" decoding="async" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/literacy06_ss06-300x169.jpg" alt="" width="600" height="338" class="aligncenter wp-image-5266" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/literacy06_ss06-300x169.jpg 300w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/literacy06_ss06-1024x576.jpg 1024w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/literacy06_ss06-768x432.jpg 768w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/literacy06_ss06.jpg 1480w" sizes="auto, (max-width: 600px) 100vw, 600px" /></p>
<p><img loading="lazy" decoding="async" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/literacy06_ss07-300x169.jpg" alt="" width="600" height="338" class="aligncenter wp-image-5267" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/literacy06_ss07-300x169.jpg 300w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/literacy06_ss07-1024x576.jpg 1024w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/literacy06_ss07-768x432.jpg 768w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/literacy06_ss07.jpg 1480w" sizes="auto, (max-width: 600px) 100vw, 600px" /></p>
<p>「どちらがリアルでしょうか？　どちらもそうではありません」と彼女は言う。</p>
<p>次いで、2016年の米大統領選以降、「フェイクニュース」という言葉の本来の意味がゆらぎ、曖昧になったことを指摘。「正当な報道機関の記事を装い意図的に作り込まれた記事」という本来の意味を4択から選ぶクイズが始まった。正解を選ぶまで先には行けない。</p>
<p>進めていくと、誤・偽情報はさまざまな理由で発生することや、SNSで拡散する誤・偽情報は得てして、怒りや恐怖、好奇心などの感情に訴えてくるという性質があることなどを、時折挟まれるクイズなどを通じて、“大人”の筆者でも楽しんで学ぶことができた。</p>
<h2>大手報道機関や米Appleなどから支援</h2>
<p>19あるテーマはどれも非常に丁寧に作り込まれており、インタラクティブなeラーニング教材としても、映像作品としても秀逸。事例に用いる素材はどれもリアルにあったもので、実際のニュース映像なども多用している。お金がかかっている、という印象だ。</p>
<p>このCheckologyを提供しているのは、米NPO（非営利団体）「ニュース・リテラシー・プロジェクト（News Literacy Project＝NLP）」。NLPは、ピューリッツア賞も受賞した米ロサンゼルス・タイムズ紙の元記者、アラン・ミラー氏が2008年に創設した組織で、2016年3月にCheckologyをリリースした。</p>
<p>教育者向けツールとして一部有償で提供していたが、コロナ禍の2020年、ニュースリテラシー教育の緊急性に鑑み、教育者、学校、および一般消費者向けにもCheckology の全面無償開放へと踏み切った。</p>
<p>NLPによると、2021年9月〜2022年6月までの学年度、全米50州にまたがる1万2500 人以上の教育者がCheckologyを利用し、240 万人以上もの生徒にニュースリテラシーを教えたという。また、2026年までに、毎年、1万5000人の教育関係者が関与し、60万人の新入生がCheckologyを使うことを目標に掲げている。</p>
<p>NLPは教育者向けのコミュニティ組織やニューズレターなども展開。教育者が、生徒の学習進度や理解度などを把握し、管理できる学習管理システムも提供するなど、単なる教材提供にとどまらない包括的なサポート体制を敷いている。</p>
<p>NHKには悪いが、教材のクオリティも利用規模も教育者へのサポートも、比較にはならない。そのはず、社会貢献の一貫として“自腹”で努力しているNHKに対し、NLPは全米の基金やIT企業、報道機関などから、あらゆる支援を得て専業で取り組んでいる。</p>
<p>例えば、米国の著名基金であるナイト財団はNLPの創設時から資金を提供しており、2023年4月までの1年では100万ドル以上を寄附した。米Apple（アップル）も過去1年で同じく100万ドル以上を寄附して支えている。</p>
<p><img loading="lazy" decoding="async" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/literacy06_ss05-300x169.png" alt="" width="720" height="405" class="aligncenter wp-image-5264" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/literacy06_ss05-300x169.png 300w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/literacy06_ss05-1024x576.png 1024w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/literacy06_ss05-768x432.png 768w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/literacy06_ss05.png 1480w" sizes="auto, (max-width: 720px) 100vw, 720px" /></p>
<p>ニューヨーク・タイムズ紙、ロスアンゼルス・タイムズ紙といった新聞社に、ブルームバーグやAP通信などの通信社、ABC ニュースやCNNなどのテレビ各局が、教材作成などで協力。ウォールストリート・ジャーナル紙を傘下に持つダウ・ジョーンズの基金や、大手メディア企業のニューズ・コープは過去1年で10万ドル以上の寄附もしている。</p>
<p>こうした、“オールアメリカ”の手厚い支援が、米国のメディアリテラシー教育の現場を活性化させている。</p>
<h2>欧州で5年連続1位のフィンランド</h2>
<p>欧州でも各国の教育現場でメディアリテラシー教育が古くから進む。とりわけ国レベルで強力に推進しているのがフィンランド。結果も出ている。</p>
<p>ジョージ・ソロス氏が設立した国際的な助成財団、オープン・ソサエティ財団のブルガリア版、オープン・ソサエティー・インスティテュート・ソフィアは、毎年欧州各国の「<a href="https://osis.bg/?p=4243&amp;lang=en" rel="noopener" target="_blank">メディアリテラシー指標</a>」を公表している。</p>
<p>2022年10月発表の最新版では、「誤情報へのレジリエンス（耐性）が高い国」として、欧州41カ国のうち、フィンランドは5回連続となる首位を獲得した。</p>
<div class="chart_title">欧州のメディアリテラシー指標</div>
<div class="infogram-embed" data-id="59eb2235-20a5-4c07-a00a-4f37f3edb0a9" data-type="interactive" data-title="Media Literacy Index 2022_EN" style="background-color: white;"></div>
<p><script>!function(e,i,n,s){var t="InfogramEmbeds",d=e.getElementsByTagName("script")[0];if(window[t]&&window[t].initialized)window[t].process&&window[t].process();else if(!e.getElementById(n)){var o=e.createElement("script");o.async=1,o.id=n,o.src="https://e.infogram.com/js/dist/embed-loader-min.js",d.parentNode.insertBefore(o,d)}}(document,0,"infogram-async");</script></p>
<p>そもそも、教育への熱度が高いフィンランド。公教育は充実しており、大学まで無償で通わせることができる。そのなかで、メディアリテラシーもカリキュラムの一部として組み込まれている。</p>
<p>2013年、メディアリテラシー教育の目標を国として策定。主にインターネット上の偽・誤情報を見抜く能力を養う授業に、各校の教員が主体的に取り組んでいる。</p>

<div id="attachment_5268" style="width: 730px" class="wp-caption aligncenter"><a href="https://www.nytimes.com/2023/01/10/world/europe/finland-misinformation-classes.html" target="_blank" rel="noopener"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-5268" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/literacy06_ss09-300x195.jpg" alt="" width="720" height="467" class="wp-image-5268" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/literacy06_ss09-300x195.jpg 300w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/literacy06_ss09-1024x664.jpg 1024w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/literacy06_ss09-768x498.jpg 768w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/literacy06_ss09.jpg 1480w" sizes="auto, (max-width: 720px) 100vw, 720px" /></a><p id="caption-attachment-5268" class="wp-caption-text">フィンランドのメディアリテラシー教育を伝える米ニューヨーク・タイムズの<a href="https://www.nytimes.com/2023/01/10/world/europe/finland-misinformation-classes.html" target="_blank" rel="noopener">記事</a></p></div>

<p>今年1月、米ニューヨーク・タイムズ紙はその先進性を伝える記事を掲載した。「<a href="https://www.nytimes.com/2023/01/10/world/europe/finland-misinformation-classes.html" rel="noopener" target="_blank">How Finland Is Teaching a Generation to Spot Misinformation（フィンランドがどのように世代に誤った情報を見抜くように教えているか）</a>」と題した記事で、メディア教育をけん引する国立視聴覚研究所のレオ・ペッカラ所長のコメントをこう引用している。</p>
<p>「体育、数学、国語、なにを教えていようと、その教師は常に『自分の仕事や授業にどうメディアリテラシー教育の要素を組み込むか』を考えなければなりません」</p>
<p>つまり、フィンランドの全教員が生徒にメディアリテラシー教育を施すことが義務づけられているのだ。ただし、その方法については各教員に委ねられている。上記のニューヨーク・タイムズの記事は、こう取り組みを紹介する。</p>
<blockquote>
<p>中学校教員のマルティッカ氏は、情報操作がどれほど簡単かを知るために、自分が持っている動画や写真を編集するよう生徒に指示した。</p>
<p>ヘルシンキの教員であるアンナ・アイラス氏は、生徒に「予防接種」などの単語を検索させ、検索アルゴリズムがどう機能しているか、あるいは検索結果の上位が常に信頼できるとは限らない理由などについて議論した。</p>
<p>ほかの教師は、ロシアによるウクライナへの攻撃の最中、ロシアのニュースサイトや「ミーム（ネットで拡散する情報）」を参照しながら、国家が後押しするプロパガンダの影響について話し合った。</p>
</blockquote>
<p>ロシアによるウクライナ侵攻後、影響が懸念される欧州各国ではメディアリテラシー教育の重要度が増している。国民がネット上の情報に対してどう接するべきか。国として対峙すべき重要事案になっているのだ。</p>
<h2>日本はそう後れているわけではない</h2>
<p>翻って、日本の現状に戻ろう。</p>
<p>「日本のメディアリテラシー教育の現状を、世界との比較も交えて、教えてください」――。話題の対話式文章生成AI「ChatGPT」に、そう聞いてみた。以下がその回答だ。</p>
<blockquote>
<p>日本のメディアリテラシー教育は、近年注目されており、多くの学校で導入されていますが、まだ改善の余地があります。世界と比較すると、日本のメディアリテラシー教育は遅れていると言われています。</p>
<p>例えば、フィンランド、スウェーデン、ノルウェー、オランダ、デンマーク、ドイツ、イギリス、アメリカなど、先進国ではメディアリテラシー教育が進んでおり、教育の中心的な位置を占めています。これらの国々では、メディアリテラシーのためのカリキュラムが整備されており、教員の専門的なトレーニングも行われています。</p>
<p>一方、日本の場合、教育現場ではメディアリテラシー教育の重要性が認識されているものの、具体的な取り組みは不十分と言われています。日本では、メディアリテラシーを教育カリキュラムに組み込むことが必要であり、また、教師のメディアリテラシー教育の研修なども進められる必要があります。</p>
</blockquote>
<p>かなりネガティブな答えだが、概ね、ファクトに基づいた正しい情報、あるいは「そう言えないこともない」という内容でもある。</p>
<p>しかし、人々の印象に最も影響を与えそうな「世界と比較すると、日本のメディアリテラシー教育は遅れていると言われています」という部分について、明確に“裏を取る”、つまり確認することはできなかった。</p>
<p>ちなみに、先に紹介したオープン・ソサエティー・インスティテュート・ソフィアによる欧州のメディアリテラシー指標をベースに、日本や米国、韓国など欧州以外の9カ国（下記表の色付き）を独自に追加した「<a href="https://medialiteracynow.org/a-new-index-shows-that-the-us-scores-low-on-media-literacy-education/" rel="noopener" target="_blank">メディアリテラシー教育</a>」の調査結果がある。</p>
<div class="chart">
<div class="chart_title">「メディアリテラシー教育」の各国スコア</div>
<div class="flex_wrap">
<div class="s_table"><table class="media-li">
<tbody>
<tr>
<th class="media-li">順位</th>
<th class="media-li">国</th>
<th class="media-li">スコア</th>
</tr>
<tr>
<th class="rank">1</th>
<td>フィンランド</td>
<td>77</td>
</tr>
<tr>
<th class="rank">2</th>
<td>デンマーク</td>
<td>72</td>
</tr>
<tr>
<th class="rank">3</th>
<td>スウェーデン</td>
<td>71</td>
</tr>
<tr>
<th style="background-color: #faebd7;" class="rank">4</th>
<td class="mj">カナダ</td>
<td class="mj">71</td>
</tr>
<tr>
<th class="rank">5</th>
<td>エストニア</td>
<td>69</td>
</tr>
<tr>
<th class="rank">6</th>
<td>アイルランド</td>
<td>69</td>
</tr>
<tr>
<th class="rank">7</th>
<td>オランダ</td>
<td>68</td>
</tr>
<tr>
<th style="background-color: #faebd7;" class="rank">8</th>
<td class="mj">ニュージーランド</td>
<td class="mj">66</td>
</tr>
<tr>
<th class="rank">9</th>
<td>ベルギー</td>
<td>63</td>
</tr>
<tr>
<th style="background-color: #faebd7;" class="rank">10</th>
<td class="mj">オーストラリア</td>
<td class="mj">62</td>
</tr>
<tr>
<th style="background-color: #faebd7;" class="rank">11</th>
<td class="mj">韓国</td>
<td class="mj">62</td>
</tr>
<tr>
<th class="rank">12</th>
<td>英国</td>
<td>61</td>
</tr>
<tr>
<th class="rank">13</th>
<td>アイスランド</td>
<td>61</td>
</tr>
<tr>
<th class="rank">14</th>
<td>ポルトガル</td>
<td>61</td>
</tr>
<tr>
<th style="background-color: #faebd7;" class="rank">15</th>
<td class="mj">米国</td>
<td class="mj">61</td>
</tr>
<tr>
<th style="background-color: #faebd7;" class="rank">16</th>
<td class="mj">日本</td>
<td class="mj">60</td>
</tr>
</tbody>
</table></div>
<div class="s_table"><table class="media-li">
<tbody>
<tr>
<th class="media-li">順位</th>
<th class="media-li">町村</th>
<th class="media-li">スコア</th>
</tr>
<tr>
<th class="rank">17</th>
<td>ドイツ</td>
<td>60</td>
</tr>
<tr>
<th class="rank">18</th>
<td>オーストリア</td>
<td>59</td>
</tr>
<tr>
<th class="rank">19</th>
<td>ルクセンブルク</td>
<td>57</td>
</tr>
<tr>
<th class="rank">20</th>
<td>フランス</td>
<td>57</td>
</tr>
<tr>
<th class="rank">21</th>
<td>スロベニア</td>
<td>57</td>
</tr>
<tr>
<th class="rank">22</th>
<td>スペイン</td>
<td>56</td>
</tr>
<tr>
<th class="rank">23</th>
<td>ポーランド</td>
<td>55</td>
</tr>
<tr>
<th class="rank">24</th>
<td>リトアニア</td>
<td>53</td>
</tr>
<tr>
<th class="rank">25</th>
<td>チェコ</td>
<td>53</td>
</tr>
<tr>
<th class="rank">26</th>
<td>ラトビア</td>
<td>51</td>
</tr>
<tr>
<th class="rank">27</th>
<td>イタリア</td>
<td>49</td>
</tr>
<tr>
<th style="background-color: #faebd7;" class="rank">28</th>
<td class="mj">イスラエル</td>
<td class="mj">47</td>
</tr>
<tr>
<th class="rank">｜</th>
<td>｜</td>
<td>｜</td>
</tr>
<tr>
<th style="background-color: #faebd7;" class="rank">42</th>
<td class="mj">コロンビア</td>
<td class="mj">19</td>
</tr>
<tr>
<th style="background-color: #faebd7;" class="rank">43</th>
<td class="mj">メキシコ</td>
<td class="mj">17</td>
</tr>
<tr>
<th class="rank">44</th>
<td>北マケドニア</td>
<td>16</td>
</tr>
</tbody>
</table></div>
</div>
<div class="wp-caption-text"><span>出所：米NPO「Media Literacy Now」。2021年の調査結果</span></div>
</div>
<p>米国のNPO「メディアリテラシー・ナウ（Media Literacy Now＝MLN）」が2021年に公表したもので、日本は調査対象の44カ国中16位。米国は15位で「メディアリテラシー教育の分野で、米国はほかの多くの国に後れを取っていることがわかりました」としている。</p>
<p>ドイツ・フランス・スペインなど欧州各国より上位、という見方では、そこまで悪いわけではない。中位に位置している、と見ることもできる。ただし、カナダや韓国、英国より下位という点で、米国からすれば「後れ」になるということか。</p>
<p>日本が後れをとっているかどうかはさておき、まさに、こうした「まずは自分で調べてみる」「分析して議論する」ということを教室で行うことが、今、教育現場で求められている。</p>
<p>その萌芽や動きは至るところにある。NHKだけではない。ニュースアプリのスマートニュース傘下の「スマートニュース メディア研究所」は、小学校から大学まで幅広い生徒がメディアリテラシーを学べる独自の教材やゲームを開発。実際に、全国の学校へ研究員やジャーナリストを授業に派遣して<a href="https://smartnews-smri.com/literacy_category/practice/" rel="noopener" target="_blank">授業実践例</a>を積み上げている。</p>
<p>実践例はまだ少ないが、「全国の先生方の授業作りの参考となれば幸い」とし、授業の様子を伝えるレポートや、実際に授業で使ったワークシートなども、無料でダウンロードできるようにしている。</p>
<p>一方、2017（平成29）年、学習指導要領が改訂され、国語科の「知識および技能」の領域に「情報の扱い方」が加わった。「情報の信頼性の確かめ方を理解し使うこと」などが明記され、メディアリテラシーを育む実践的な授業を増やす気運は高まっていると言える。</p>
<p>じつは、前出のChatGPTの回答には、続きがあった。</p>
<blockquote>
<p>総じて、日本のメディアリテラシー教育は、今後の改善が望まれています。世界的なトレンドを追い、カリキュラムの整備や教員の研修などを進めることで、より充実したメディアリテラシー教育が実現することを期待しています。</p>
</blockquote>
<p>この“メッセージ”に関しては正しいと言えよう。AIも、教育関係者の奮闘に期待を寄せている。</p>
<p style="text-align: right;">（<a href="https://think-miyakonojo.jp/article/6613/">次回</a>に続く）</p>
<p><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="wesp9dQbKN"><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/6613/">デマを“現実”にするSNS時代　昭和と令和の「取り付け騒ぎ」に学ぶ</a></blockquote><iframe loading="lazy" class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;デマを“現実”にするSNS時代　&lt;span&gt;昭和と令和の「取り付け騒ぎ」に学ぶ&lt;/span&gt;&#8221; &#8212; Think都城" src="https://think-miyakonojo.jp/article/6613/embed/#?secret=tyQS4tgEHK#?secret=wesp9dQbKN" data-secret="wesp9dQbKN" width="500" height="282" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></p>The post <a href="https://think-miyakonojo.jp/article/5233/">学校に浸透するメディアリテラシー教育　<span>NHKの奮闘、先行する欧米</span></a> first appeared on <a href="https://think-miyakonojo.jp">Think都城</a>.]]></content:encoded>
					
					<wfw:commentRss>https://think-miyakonojo.jp/article/5233/feed/</wfw:commentRss>
			<slash:comments>0</slash:comments>
		
		
			</item>
		<item>
		<title>実践！ ニセ・誤情報に克つ［後編］　デジタル時代に即した新手法「SIFT」</title>
		<link>https://think-miyakonojo.jp/article/2262/?utm_source=rss&#038;utm_medium=rss&#038;utm_campaign=03-%25e5%25ae%259f%25e8%25b7%25b5%25ef%25bc%2581-%25e5%2581%25bd%25e3%2583%25bb%25e8%25aa%25a4%25e6%2583%2585%25e5%25a0%25b1%25e3%2581%25ab%25e5%2585%258b%25e3%2581%25a4%25ef%25bc%25bb%25e5%25be%258c%25e7%25b7%25a8%25ef%25bc%25bd%25e3%2580%2580%25e3%2583%2587%25e3%2582%25b8%25e3%2582%25bf%25e3%2583%25ab%25e6%2599%2582</link>
					<comments>https://think-miyakonojo.jp/article/2262/#respond</comments>
		
		<dc:creator><![CDATA[井上 理（いのうえ・おさむ）]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 07 Dec 2022 15:00:24 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[メディアリテラシー]]></category>
		<category><![CDATA[AI]]></category>
		<category><![CDATA[SNS]]></category>
		<category><![CDATA[ウクライナ]]></category>
		<category><![CDATA[クリティカルシンキング]]></category>
		<category><![CDATA[ファクトチェック]]></category>
		<category><![CDATA[フェイクニュース]]></category>
		<category><![CDATA[マスメディア]]></category>
		<category><![CDATA[ロシア]]></category>
		<category><![CDATA[批判的思考]]></category>
		<category><![CDATA[誤情報]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://think-miyakonojo.jp/?p=2262</guid>

					<description><![CDATA[<p><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2189/" target="_blank" rel="noopener">前編</a>からの続きです。後編では、デジタル時代に即した新しいメディアリテラシーの手法を紹介します。本テーマの最終回です。</p>
The post <a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2262/">実践！ ニセ・誤情報に克つ［後編］　<span>デジタル時代に即した新手法「SIFT」</span></a> first appeared on <a href="https://think-miyakonojo.jp">Think都城</a>.]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<div class="su-spoiler su-spoiler-style-“fancy” su-spoiler-icon-plus su-spoiler-closed" data-scroll-offset="0" data-anchor-in-url="no"><div class="su-spoiler-title" tabindex="0" role="button"><span class="su-spoiler-icon"></span>テーマ［ メディアリテラシー ］の記事一覧</div><div class="su-spoiler-content su-u-clearfix su-u-trim"><ul class="lcp_catlist" id="lcp_instance_0"><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/12/" target="_blank">メディアリテラシーが必要なワケ［前編］　<span>AIフェイク画像と謎の地下室の示唆</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/1399/" target="_blank">メディアリテラシーが必要なワケ［後編］　<span>インターネットや技術革新の功罪</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2115/" target="_blank">「クリティカルシンキング」の本質　<span>誤情報に惑わされないための初歩</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2189/" target="_blank">実践！ ニセ・誤情報に克つ［前編］　<span>5つの「キー・クエスチョン」で考える</span></a></li><li class="current"><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2262/" target="_blank">実践！ ニセ・誤情報に克つ［後編］　<span>デジタル時代に即した新手法「SIFT」</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/5233/" target="_blank">学校に浸透するメディアリテラシー教育　<span>NHKの奮闘、先行する欧米</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/6613/" target="_blank">デマを“現実”にするSNS時代　<span>昭和と令和の「取り付け騒ぎ」に学ぶ</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/8245/" target="_blank">複雑化する「ステマ」広告 <span>ステマ規制開始でも安心できない消費者</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/9193/" target="_blank">能登半島地震に見るSNSの弊害 <span>そこにある情報がすべてではない</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/10615/" target="_blank">「ディープフェイク」の脅威と備え <span>生成AI全盛時代の新たなリスク</span></a></li></ul></div></div>

<h2>警鐘を鳴らす在日米国大使館</h2>
<p>2022（令和4）年4月、在日米国大使館の公式マガジン「アメリカン・ビュー」は、「メディアリテラシー」に関する興味深い記事を掲載した。</p>

<div id="attachment_2264" style="width: 510px" class="wp-caption aligncenter"><a href="https://amview.japan.usembassy.gov/how-to-tell-fact-from-fiction-online-even-in-wartime/" target="_blank" rel="noopener"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-2264" class="wp-image-2264" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_americanview-300x234.jpg" alt="" width="500" height="390" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_americanview-300x234.jpg 300w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_americanview-768x599.jpg 768w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_americanview.jpg 1000w" sizes="auto, (max-width: 500px) 100vw, 500px" /></a><p id="caption-attachment-2264" class="wp-caption-text">「メディアリテラシー」に関する記事を掲載した「<a href="https://amview.japan.usembassy.gov/how-to-tell-fact-from-fiction-online-even-in-wartime/" rel="noopener" target="_blank">アメリカン・ビュー</a>」</p></div>

<p>「戦時でも正しいオンライン情報と作り話を見分ける」と題された<a href="https://amview.japan.usembassy.gov/how-to-tell-fact-from-fiction-online-even-in-wartime/" target="_blank" rel="noopener">記事</a>は、こんな書き出しから始まる。</p>
<p>「何百万人もの人がウラジーミル・プーチンによるウクライナへの理不尽な戦争の情報をオンラインで、そして時にはリアルタイムで共有しているなか、どの報道が真実なのかを見極めることが難しくなっています」</p>

<div id="attachment_2363" style="width: 510px" class="wp-caption aligncenter"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-2363" class="wp-image-2363" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_hero-300x158.jpg" alt="" width="500" height="263" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_hero-300x158.jpg 300w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_hero-1024x538.jpg 1024w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_hero-768x403.jpg 768w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_hero.jpg 1440w" sizes="auto, (max-width: 500px) 100vw, 500px" /><p id="caption-attachment-2363" class="wp-caption-text">ロシア軍によるウクライナへの攻撃で破壊された街<span>（写真：SYNEL / PIXTA）</span></p></div>

<p>2022年2月から始まったロシア軍によるウクライナ侵攻後、地上での戦闘に加えて「情報戦」も激しさを増している。</p>
<p>憂慮する欧米では、改めてメディアリテラシーに注目が集まり、啓発する動きが高まった。そして米政府は、日本国民を対象とした啓発にも動き出した。その一つが、アメリカン・ビューの記事だ。</p>
<p>この記事自体、米政府による日本向けのプロパガンダなのではないか、と見る向きもあるだろう。だが、主題はあくまでメディアリテラシー。記事は「SIFT」と呼ばれる、オンライン情報の真偽を見極める手法の紹介へと続く。</p>
<h2>4つのステップから成る「SIFT」</h2>
<p>クリティカルシンキングをどう実践していけば良いのか。前編では、メディアリテラシーのグローバル・スタンダードと言うべき5つの「コア・コンセプト」と、それらに紐づく5つの「キー・クエスチョン」を紹介した。</p>
<p><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="AsWVuT4SU7"><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2189/">実践！ ニセ・誤情報に克つ［前編］　5つの「キー・クエスチョン」で考える</a></blockquote><iframe loading="lazy" class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;実践！ ニセ・誤情報に克つ［前編］　&lt;span&gt;5つの「キー・クエスチョン」で考える&lt;/span&gt;&#8221; &#8212; Think都城" src="https://think-miyakonojo.jp/article/2189/embed/#?secret=0Yk2U2DB1G#?secret=AsWVuT4SU7" data-secret="AsWVuT4SU7" width="500" height="282" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></p>
<p>ただし、時代とともにメディアは多様化しており、メディアリテラシーの手法もまた進化している。その代表格が米大使館も紹介しているSIFT というわけだ。</p>
<p>SIFTは、デジタルリテラシーの専門家、ワシントン州立大学のマイク・コールフィールド氏が提唱するメディアリテラシーを身につけるための比較的新しい手法で、2017年からSIFTを学生に教えている。</p>
<p>ネット上に溢れる情報の真偽を誰でも簡単に確認するための4つステップから成り、それぞれの頭文字をとってSIFTと名付けられた。「sift」という英単語には「ふるいにかける」という意味もある。</p>
<div class="chart">
<div class="chart_title">SIFT の4つのステップ</div>
<div class="s_table"><table class="tb_media01 tb_media03">
<tbody>
<tr>
<th class="media-li" rowspan="2">S</th>
<td class="media-li">Stop</td>
</tr>
<tr>
<td>一旦立ち止まって考えよう</td>
</tr>
<tr>
<th class="info-li" rowspan="2">I</th>
<td class="info-li">Investigate the source</td>
</tr>
<tr>
<td>ソースを調査しよう</td>
</tr>
<tr>
<th class="media-li" rowspan="2">F</th>
<td class="media-li">Find better coverage</td>
</tr>
<tr>
<td>よりよい報道を見つけよう</td>
</tr>
<tr>
<th class="info-li" rowspan="2">T</th>
<td class="info-li">Trace claims, quotes, and media to the original context</td>
</tr>
<tr>
<td>主張、引用、およびメディアファイルをオリジナルの文脈まで辿ろう</td>
</tr>
</tbody>
</table></div>
<div class="wp-caption-text"><span>出所：Hapgood。対訳はMITテクノロジーレビューから引用</span></div>
</div>
<p>近年、欧米のメディアリテラシー界隈で注目を浴びており、米紙「<a href="https://www.nytimes.com/2021/02/18/opinion/fake-news-media-attention.html" target="_blank" rel="noopener">The New York Times</a>（ニューヨーク・タイムズ）」や、米マサチューセッツ工科大学（MIT）による科学技術誌「<a href="https://www.technologyreview.jp/s/269876/how-to-avoid-sharing-bad-information-about-russias-invasion-of-ukraine/" target="_blank" rel="noopener">MIT Technology Review</a>（MITテクノロジーレビュー）」もコールフィールド氏が提唱するSIFTを大きく取り上げている。</p>

<div id="attachment_2268" style="width: 510px" class="wp-caption aligncenter"><a href="https://www.nytimes.com/2021/02/18/opinion/fake-news-media-attention.html" target="_blank" rel="noopener"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-2268" class="wp-image-2268" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_newyorktimes-300x204.jpg" alt="" width="500" height="340" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_newyorktimes-300x204.jpg 300w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_newyorktimes-768x522.jpg 768w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_newyorktimes-794x540.jpg 794w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_newyorktimes-884x600.jpg 884w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_newyorktimes.jpg 1000w" sizes="auto, (max-width: 500px) 100vw, 500px" /></a><p id="caption-attachment-2268" class="wp-caption-text">SIFTを大きく取り上げた「<a href="https://www.nytimes.com/2021/02/18/opinion/fake-news-media-attention.html" rel="noopener" target="_blank">The New York Times</a>」の記事</p></div>

<p>では、具体的にどう実践すればいいのか、4つのステップを個別に見ていく。</p>
<h2>まず、立ち止まる</h2>
<p>最初のステップ「Stop」について、コールフィールド氏のブログ「<a href="https://hapgood.us/2019/06/19/sift-the-four-moves/" target="_blank" rel="noopener">Hapgood</a>」にあるSIFTのウェブページはこう説明している。</p>
<blockquote>
<p>Stop（立ち止まる）</p>
<p>まず、そのウェブページや投稿にアクセスして読み始めたら、一旦停止。そのウェブサイトや、情報のソース（情報源）のことをあなたが知っているのかどうか、その主張やウェブサイトの「評判」をわかっているのかどうか、自問してください。（中略）それが何であるかが理解できるまで、読み進めたり、他人に共有したりしないでください。</p>
</blockquote>
<p>これまで見てきたメディアリテラシーの基本概念であるクリティカルシンキングや、伝統的な理論である5つのコンセプトにも共通しているが、SIFTは「まず、立ち止まる」ことを強烈に推奨している点が特徴的だ。</p>
<p>反射的な行動が誤情報の拡散につながるという研究結果がある。米MITが実施したTwitterに関する研究成果が2018年、米科学誌「Science（サイエンス）」に掲載された。それによると、誤情報やフェイクニュースが10回リツイートされる速度は正しい情報と比べて約20倍速く、1500人に伝わる速度は正しい情報が伝わる速度の6倍速かったという。</p>
<p>誤った情報は驚きを生む。驚きは反射的な行動につながる。その結果、拡散のスピードもアップする。だからこそ、「Stop」が大事になってくる。前出のMITテクノロジーレビューの記事は、コールフィールド氏の言葉を引用しながらこう説明している。</p>
<blockquote>
<p>コールフィールドは、ウクライナのニュースに関しては、「Stop」に重点を置くべきだと言う。つまり、表示された投稿に反応したり投稿を共有したりする前に、立ち止まって考えようということだ。</p>
<p>コールフィールドは、「周囲の人々に対して真っ先に自分がその話を共有することで、自分がそのニュースを教えてあげたことにしたいという衝動に駆られるのは、人間なら仕方がないことです」と言う。ジャーナリストは日々、その衝動に気をつけている。しかし、これは誰しもが気をつけなければならないポイントだ。現在のように、情報が次々と舞い込んでくる状況であれば、なおさらだ。</p>
</blockquote>
<h2>情報源を調査し、より良い報道を探す</h2>
<p>続くステップである「Investigate the source（情報源の調査）」について、コールフィールド氏はこう解説している。</p>
<blockquote>
<p>Investigate the source（情報源の調査）</p>
<p>ここでの考え方は、読む前に何を読んでいるかを知っておきたい、ということ。ソース（情報源・出所）の専門知識やアジェンダを知ることは、記事や投稿の発言を解釈するうえで非常に重要です。読む前に 60 秒かけてそのメディアや投稿の出所を把握することは、その記事に時間を費やす価値があるかどうかの判断に役立ちます。</p>
</blockquote>
<p>わかりやすく言えば、「読む前に、出所を確認せよ」ということ。ただし、その出所にこだわりすぎるのはよくない。これは、次なるステップ「Find better coverage（より良い報道を探す）」と合わせて考えるべきだ。</p>
<blockquote>
<p>Find better coverage（より良い報道を探す）</p>
<p>例えば「コアラを救う基金」という組織から発信された「コアラが絶滅したと宣言された」という記事を受け取った場合、その記事の情報源を調査するのではなく、いったん外に出て、このトピックに関するほかの記事や情報源を見つけることが最善策かもしれません。</p>
<p>重要なのは、複数の情報源をスキャンし、専門家のコンセンサスがどのようなものか、確認すること。より適した「他のカバレッジを見つける」ことをお勧めします。より信頼できる、より詳細で多様なカバレッジです。</p>
</blockquote>
<p>そのウェブサイトや投稿が情報源としている出所自体が誤情報を流している場合、その出所にこだわるのは危険であり、時間の無駄にもなる。上記の例の場合、いったん当該のサイトやその情報源から離れ、「Google」などで「コアラ 絶滅」と検索し、別の情報源を当たってみよう、ということを推奨している。</p>
<p>そして、最後のステップ「Trace claims, quotes, and media back to the original context（主張・引用・写真や動画を、オリジナルの文脈まで辿る）」に到達する。</p>
<h2>デジタルに対応したクリティカルシンキング</h2>
<blockquote>
<p>Trace claims, quotes, and media back to the original context（主張・引用・写真や動画を、オリジナルの文脈まで辿る）</p>
<p>私たちがインターネットで見つけるものの多くは、文脈が取り除かれています。（中略）その写真は本物のように見えるかもしれませんが、キャプションによって誤解を招く可能性があります。新しい治療法についてのその主張は研究結果に基づいているとしていても、引用している研究論文が本当にそう述べているかどうか、定かではありません。</p>
<p>このような場合、主張、引用、または写真や動画などのメディアファイルを、オリジナルの発信元まで遡って追跡しましょう。元の文脈を確認し、あなたが見たバージョンが正確に引用しているかどうかを把握できます。</p>
</blockquote>
<p>元のソース情報を発信した組織や人の意図や文脈に反して、その一部が切り取られ、別の文脈で使われてしまうこともあり得る。そのため、オリジナルまで辿り、最初の情報がどのように発信されているか確認することも重要だという。</p>
<p>これらを実践することでコールフィールド氏は、「主張の誤り、あるいは、（根拠となっている）情報源が人を騙そうとしていること、などを見抜くことができる。そうではなくとも、インターネットやウェブサイトが切り取りがちな文脈を再構築することで、実りのあるデジタル情報との関わりを保てる」としている。</p>
<p>デジタル情報の真偽確認に特化したSIFTについて、メディアリテラシーに詳しい法政大学キャリアデザイン学部の坂本旬教授は、こう評価する。</p>

<div id="attachment_2294" style="width: 260px" class="wp-caption alignright"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-2294" class="wp-image-2294" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3_sakamoto-265x300.jpg" alt="" width="250" height="283" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3_sakamoto-265x300.jpg 265w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3_sakamoto.jpg 600w" sizes="auto, (max-width: 250px) 100vw, 250px" /><p id="caption-attachment-2294" class="wp-caption-text">法政大学キャリアデザイン学部の坂本旬教授</p></div>

<p>「SIFTは伝統的なメディアリテラシーではなく、『デジタル情報リテラシー』を育むもの。ユネスコが定義する『メディア情報リテラシー』、つまり、広義のメディアリテラシーをアップデートする手法です」</p>
<p>「コールフィールド氏らクリティカルシンキングが不完全だと考える研究者たちは『クリティカルシンキングがある人でも騙されてしまう時代』と言っています。それは、『歴史学者が紙ベースで考えるようなクリティカルシンキングでは足りない』という意味。つまり、デジタル時代に対応した新しいクリティカルシンキングが必要だと言っている。そう理解すべきだと考えます」</p>
<h2>私たちはなぜ騙されるのか</h2>
<p>メディア自体がデジタルによって多様化し、その伝達手法も、あるいは悪意をもって騙す技法もまた、多様化している。そうしたなか、防衛する側のメディアリテラシーも多様化して対応していく必要がある。その意味で、日本の総務省が一般に配布しているメディアリテラシー教材は、多くの示唆を与えてくれる。</p>
<p>2022年6月、総務省はニセ・誤情報の存在を知り、備えるための啓発教育教材「<a href="https://www.soumu.go.jp/use_the_internet_wisely/special/nisegojouhou/" target="_blank" rel="noopener">インターネットとの向き合い方～ニセ・誤情報に騙されないために～</a>」を公開した。</p>
<p>若年層から成年層まで幅広い年齢を対象とした60分程度の講義向けで、全66ページのスライドから成る大作。講師向けガイドラインもある。都城市はさっそく2022年7月、この教材を用いた<a href="https://miyakonojo.site/events/01G6R7EVDD2WYZ9CYXYHQS34ZV" target="_blank" rel="noopener">講座</a>を実施するなど、全国の自治体での活用も広がっている。</p>

<div id="attachment_2293" style="width: 510px" class="wp-caption aligncenter"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-2293" class="wp-image-2293" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_miyakonojo-300x180.jpg" alt="" width="500" height="300" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_miyakonojo-300x180.jpg 300w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_miyakonojo-768x461.jpg 768w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_miyakonojo.jpg 1000w" sizes="auto, (max-width: 500px) 100vw, 500px" /><p id="caption-attachment-2293" class="wp-caption-text">2022年7月に都城市役所が実施した講座の風景</p></div>

<p>総務省の教材「PART2 私たちはなぜ騙されるのか」では、「特価品5980円」「<span style="text-decoration: line-through;">15000円</span>5980円」どちらの表示が気になるか、同じ光景を観ているのに「ホームランだ」「ファールだ」と意見が分かれるのはなぜかを問いかけ、こう説明している。</p>
<blockquote>
<p>人は、自分の願望や経験、思い込み、周囲の環境によって、無意識のうちに合理的ではない行動、偏った判断をすることがあります。「認知バイアス」と呼ばれるこの現象は、私たちの生活の様々な場面で起きています。</p>
<p>「認知バイアス」を別の言葉で表現すると…人は信じたいものを選ぶ</p>
<p>「ニセ・誤情報」には、誰かに教えたい要素、感情に訴える要素があるため共感・拡散されやすいのです。</p>
</blockquote>

<div id="attachment_2265" style="width: 510px" class="wp-caption aligncenter"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-2265" class="wp-image-2265" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_bias-300x169.jpg" alt="" width="500" height="281" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_bias-300x169.jpg 300w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_bias-1024x576.jpg 1024w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_bias-768x432.jpg 768w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_bias.jpg 1480w" sizes="auto, (max-width: 500px) 100vw, 500px" /><p id="caption-attachment-2265" class="wp-caption-text">「認知バイアス」を別の言葉で表現すると…人は信じたいものを選ぶ<span>（総務省「<a href="https://www.soumu.go.jp/use_the_internet_wisely/special/nisegojouhou/" target="_blank" rel="noopener">インターネットとの向き合い方～ニセ・誤情報に騙されないために～</a>」より）</span></p></div>

<p>そのほか、SNSなどのアルゴリズム機能により、ユーザーの観点に合わない情報から隔離され、自身の考え方や価値観の「バブル（泡）」の中に孤立するという情報環境「フィルターバブル」や、人工知能（AI）による「ディープフェイク」など、技術の進歩に伴う弊害にも言及している。</p>

<div id="attachment_2266" style="width: 510px" class="wp-caption aligncenter"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-2266" class="wp-image-2266" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_bubble-300x169.jpg" alt="" width="500" height="281" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_bubble-300x169.jpg 300w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_bubble-1024x576.jpg 1024w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_bubble-768x432.jpg 768w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_bubble.jpg 1480w" sizes="auto, (max-width: 500px) 100vw, 500px" /><p id="caption-attachment-2266" class="wp-caption-text">「フィルターバブル」は気付けない！<span>（同上）</span></p></div>

<p>騙された結果、どうなるのか。教材は、海外で携帯電話の基地局が破壊された事件や、拡散によって損害賠償請求された事件など、ニセ・誤情報が引き起こした具体事例をもって説明する。詳しくは<a href="https://www.soumu.go.jp/use_the_internet_wisely/special/nisegojouhou/data/file01.pdf" target="_blank" rel="noopener">引用元</a>をご覧いただきたい。</p>
<p>そして、騙されないためのチェック項目では、「情報源はある？」「その画像は本物？」など基本4項目、「知り合いだからという理由だけで信じていないか？」「表やグラフも疑ってみた？」など応用4項目が並ぶ。</p>

<div id="attachment_2267" style="width: 510px" class="wp-caption aligncenter"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-2267" class="wp-image-2267" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_check-300x169.jpg" alt="" width="500" height="281" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_check-300x169.jpg 300w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_check-1024x576.jpg 1024w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_check-768x432.jpg 768w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_check.jpg 1480w" sizes="auto, (max-width: 500px) 100vw, 500px" /><p id="caption-attachment-2267" class="wp-caption-text">騙されないためのチェック項目<span>（同上）</span></p></div>

<p>前編で紹介した「さぎしかな」や、先に紹介したSIFTと同じような項目もあれば、それらにはない項目も。この総務省によるチェックもまた、デジタル時代に対応した新しいメディアリテラシー、新しいクリティカルシンキングの手法の一つと言える。</p>
<p>締めの言葉は、「騙されやすいのは『自分は騙されない』と安心している人」。</p>
<p>やはり、「鵜呑みにしない」「立ち止まる」というクリティカルシンキングの基本姿勢が最も大切な所作であることに違いはない。</p>
<p>しかし、それさえ身につけば、怖がることはない。</p>
<p>インターネットやSNSの恩恵を存分に受け、ときには「こんなこと言っているけれど、違うよね」と、ある意味、楽しみながら、膨大なデジタル情報の海を泳いでほしい。</p>
<p style="text-align: right;">（<a href="https://think-miyakonojo.jp/article/5233/">次回</a>に続く）</p>
<p><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="yUG98tpZZ9"><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/5233/">学校に浸透するメディアリテラシー教育　NHKの奮闘、先行する欧米</a></blockquote><iframe loading="lazy" class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;学校に浸透するメディアリテラシー教育　&lt;span&gt;NHKの奮闘、先行する欧米&lt;/span&gt;&#8221; &#8212; Think都城" src="https://think-miyakonojo.jp/article/5233/embed/#?secret=q46ROeRfcL#?secret=yUG98tpZZ9" data-secret="yUG98tpZZ9" width="500" height="282" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></p>The post <a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2262/">実践！ ニセ・誤情報に克つ［後編］　<span>デジタル時代に即した新手法「SIFT」</span></a> first appeared on <a href="https://think-miyakonojo.jp">Think都城</a>.]]></content:encoded>
					
					<wfw:commentRss>https://think-miyakonojo.jp/article/2262/feed/</wfw:commentRss>
			<slash:comments>0</slash:comments>
		
		
			</item>
		<item>
		<title>実践！ ニセ・誤情報に克つ［前編］　5つの「キー・クエスチョン」で考える</title>
		<link>https://think-miyakonojo.jp/article/2189/?utm_source=rss&#038;utm_medium=rss&#038;utm_campaign=03-%25e5%25ae%259f%25e8%25b7%25b5%25ef%25bc%2581-%25e5%2581%25bd%25e3%2583%25bb%25e8%25aa%25a4%25e6%2583%2585%25e5%25a0%25b1%25e3%2581%25ab%25e5%2585%258b%25e3%2581%25a4%25ef%25bc%25bb%25e5%2589%258d%25e7%25b7%25a8%25ef%25bc%25bd%25e3%2580%25805%25e3%2581%25a4%25e3%2581%25ae%25e3%2580%258c%25e3%2582%25ad%25e3%2583%25bc</link>
					<comments>https://think-miyakonojo.jp/article/2189/#respond</comments>
		
		<dc:creator><![CDATA[井上 理（いのうえ・おさむ）]]></dc:creator>
		<pubDate>Tue, 06 Dec 2022 15:00:37 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[メディアリテラシー]]></category>
		<category><![CDATA[SNS]]></category>
		<category><![CDATA[X（Twitter）]]></category>
		<category><![CDATA[ウクライナ]]></category>
		<category><![CDATA[クリティカルシンキング]]></category>
		<category><![CDATA[ファクトチェック]]></category>
		<category><![CDATA[フェイクニュース]]></category>
		<category><![CDATA[マスメディア]]></category>
		<category><![CDATA[ロシア]]></category>
		<category><![CDATA[誤情報]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://think-miyakonojo.jp/?p=2189</guid>

					<description><![CDATA[<p>テーマ「メディアリテラシー」の3回目は実践編。多様化するメディアやメッセージを前に、どう具体的にクリティカルシンキングを実践すればいいのか、グローバルスタンダードに学びます。</p>
The post <a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2189/">実践！ ニセ・誤情報に克つ［前編］　<span>5つの「キー・クエスチョン」で考える</span></a> first appeared on <a href="https://think-miyakonojo.jp">Think都城</a>.]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<div class="su-spoiler su-spoiler-style-“fancy” su-spoiler-icon-plus su-spoiler-closed" data-scroll-offset="0" data-anchor-in-url="no"><div class="su-spoiler-title" tabindex="0" role="button"><span class="su-spoiler-icon"></span>テーマ［ メディアリテラシー ］の記事一覧</div><div class="su-spoiler-content su-u-clearfix su-u-trim"><ul class="lcp_catlist" id="lcp_instance_0"><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/12/" target="_blank">メディアリテラシーが必要なワケ［前編］　<span>AIフェイク画像と謎の地下室の示唆</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/1399/" target="_blank">メディアリテラシーが必要なワケ［後編］　<span>インターネットや技術革新の功罪</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2115/" target="_blank">「クリティカルシンキング」の本質　<span>誤情報に惑わされないための初歩</span></a></li><li class="current"><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2189/" target="_blank">実践！ ニセ・誤情報に克つ［前編］　<span>5つの「キー・クエスチョン」で考える</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2262/" target="_blank">実践！ ニセ・誤情報に克つ［後編］　<span>デジタル時代に即した新手法「SIFT」</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/5233/" target="_blank">学校に浸透するメディアリテラシー教育　<span>NHKの奮闘、先行する欧米</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/6613/" target="_blank">デマを“現実”にするSNS時代　<span>昭和と令和の「取り付け騒ぎ」に学ぶ</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/8245/" target="_blank">複雑化する「ステマ」広告 <span>ステマ規制開始でも安心できない消費者</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/9193/" target="_blank">能登半島地震に見るSNSの弊害 <span>そこにある情報がすべてではない</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/10615/" target="_blank">「ディープフェイク」の脅威と備え <span>生成AI全盛時代の新たなリスク</span></a></li></ul></div></div>
<h2>フェイクニュース？</h2>
<p>ドナルド・トランプ元米大統領が声高に叫んだことから「フェイクニュース」という言葉は政治的にも利用されるようになった。</p>
<p>ロシアのウラジーミル・プーチン大統領やラブロフ外相も、ウクライナの首都キーウ近郊・ブチャで起きた惨劇（ブチャの虐殺）などについて、「フェイクニュースだ」という声明を幾度となく出している。</p>

<div id="attachment_2309" style="width: 510px" class="wp-caption aligncenter"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-2309" class="wp-image-2309" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy03_heroA_-300x158.jpg" alt="" width="500" height="263" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy03_heroA_-300x158.jpg 300w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy03_heroA_-1024x538.jpg 1024w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy03_heroA_-768x403.jpg 768w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy03_heroA_.jpg 1440w" sizes="auto, (max-width: 500px) 100vw, 500px" /><p id="caption-attachment-2309" class="wp-caption-text">ウクライナ郊外のブチャ地区。破壊された大量の自動車が廃棄されている<span>（写真：Sun_stock / PIXTA）</span></p></div>

<p>ロシア国営の放送局「RT」や通信社「スプートニク」も、そうした自国首脳の発言を世界へ届けようと、あらゆるチャネルを駆使し、拡散に務めている。</p>
<p>「情報戦」に国境はない。日本も“攻撃”の的（まと）の一つだ。</p>
<p><blockquote class="twitter-tweet" data-width="500" data-dnt="true"><p lang="ja" dir="ltr">ロシアとの国境付近でウクライナが生物兵器を開発、米国防総省が資金援助＝露国防省 <a href="https://t.co/EsSZmHYEZr">https://t.co/EsSZmHYEZr</a></p>&mdash; Sputnik 日本 (@sputnik_jp) <a href="https://twitter.com/sputnik_jp/status/1500670092668932098?ref_src=twsrc%5Etfw">March 7, 2022</a></blockquote><script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script></p>
<p>「ロシアとの国境付近でウクライナが生物兵器を開発、米国防総省が資金援助＝露国防省」「露国防省 ウクライナはイルペン市で挑発用フェイク映像を撮影」「露連邦検察、ブチャにおけるロシア軍の行動に関するフェイクニュースで起訴へ」――。</p>

<div id="attachment_2252" style="width: 310px" class="wp-caption alignright"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-2252" class="wp-image-2252" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-1_bbc-240x300.jpg" alt="" width="300" height="375" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-1_bbc-240x300.jpg 240w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-1_bbc-819x1024.jpg 819w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-1_bbc-768x960.jpg 768w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-1_bbc.jpg 1200w" sizes="auto, (max-width: 300px) 100vw, 300px" /><p id="caption-attachment-2252" class="wp-caption-text">ファクトチェックによってロシアの主張を検証する英BBCの記事</p></div>

<p>Twitter上にある「スプートニク日本語版」のアカウントは、ロシア流に言えば「ドンバス地方を開放する軍事作戦」の開始後、立て続けにこうしたニュースを配信し続けている。</p>
<p>そうした情報戦を仕掛けるロシア側に、ウクライナや同国を支援する西側諸国も対抗。欧米のマスメディアは事実を丹念に検証する「ファクトチェック」を重ね、フェイクではなく「ロシアの嘘」であることを示す証拠や証言を報じてきた。ロシアが喧伝する「ウクライナの生物兵器」に関しても、英BBCが丁寧に検証し、「証拠なし」と<a href="https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-60733307" target="_blank" rel="noopener">断じている</a>。</p>
<h2>国連決議反対国への支援、賛成？</h2>
<p>だが、ロシア側の情報発信は“弾数”が多い。日々情勢も動くなか、疑わしいニュースのすべてをファクトチェックしていくことは難しい。</p>
<p>加えて、情報戦の“武器”は多様化している。スプートニクは今年11月21日、こんな「アンケート」をTwitter上で実施した。</p>
<p>「#日本 政府は、ロシアの #ウクライナ における軍事作戦を非難する国連決議に反対した国々へ128億円の資金を供与することを決定した。この決定は、日本国内で食料品やエネルギー価格が上昇する中でなされた。これについて、皆さんはどうお考えですか？」</p>
<blockquote class="twitter-tweet">
<p lang="ja" dir="ltr">&#x1f4b0;<a href="https://twitter.com/hashtag/%E6%97%A5%E6%9C%AC?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#日本</a> 政府は、ロシアの <a href="https://twitter.com/hashtag/%E3%82%A6%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8A?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#ウクライナ</a> における軍事作戦を非難する国連決議に反対した国々へ128億円の資金を供与することを決定した。この決定は、日本国内で食料品やエネルギー価格が上昇する中でなされた。これについて、皆さんはどうお考えですか？</p>

— Sputnik 日本 (@sputnik_jp) <a href="https://twitter.com/sputnik_jp/status/1594630545798938624?ref_src=twsrc%5Etfw">November 21, 2022</a></blockquote>
<p><script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script></p>
<p>今年度の政府開発援助（ODA）のうち、ロシアへの国連の非難決議や人権理事会の理事国資格停止の決議に反対したラオス、ベトナム、イランなど19カ国への無償資金供与が計128億円ある、というニュースを受けてのもの。結果は、「経済を何とかするのが先！国民に支援が必要」という回答が約70％の票を集め、最多となった。</p>
<p>事実上、「正しい、内政よりも外交が重要」と「経済を何とかするのが先！」の2択。「128億円の資金供与」自体は正しい情報だが、選択肢はスプートニクが“構成”したものだ。</p>
<p>こうした情報戦に加担するのは、スプートニクのような国営メディアだけではない。一般の日本人がツイートしたり、リツイート（RT）したりすることで、ロシア側の意に沿った情報が拡散することもある。</p>
<p>事態を複雑にしているのは、スプートニク含め、ロシア側の発信のすべてが誤っているわけではない、ということ。いったいどの情報が正しいのか、情報をどう受け止めるべきか。我々は混沌としたデジタルの世界で、ますます見極めることが難しくなっている。</p>
<h2>メディア・リテラシー教育理論の基礎</h2>
<p>これまで、具体的な事例をもとに、なぜ今、メディアリテラシーが必要とされているのか、そして、メディアリテラシーの基本原理であり、初歩とも言える「クリティカルシンキング」について、深掘りをしてきた。</p>
<p><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="g2t7xz1XVC"><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/12/">メディアリテラシーが必要なワケ［前編］　AIフェイク画像と謎の地下室の示唆</a></blockquote><iframe loading="lazy" class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;メディアリテラシーが必要なワケ［前編］　&lt;span&gt;AIフェイク画像と謎の地下室の示唆&lt;/span&gt;&#8221; &#8212; Think都城" src="https://think-miyakonojo.jp/article/12/embed/#?secret=w45gMslOev#?secret=g2t7xz1XVC" data-secret="g2t7xz1XVC" width="500" height="282" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></p>
<p><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="2NU0Go3n0o"><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/1399/">メディアリテラシーが必要なワケ［後編］　インターネットや技術革新の功罪</a></blockquote><iframe loading="lazy" class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;メディアリテラシーが必要なワケ［後編］　&lt;span&gt;インターネットや技術革新の功罪&lt;/span&gt;&#8221; &#8212; Think都城" src="https://think-miyakonojo.jp/article/1399/embed/#?secret=xuxRIzTOnW#?secret=2NU0Go3n0o" data-secret="2NU0Go3n0o" width="500" height="282" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></p>
<p><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="VOT3UCyDeu"><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2115/">「クリティカルシンキング」の本質　誤情報に惑わされないための初歩</a></blockquote><iframe loading="lazy" class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;「クリティカルシンキング」の本質　&lt;span&gt;誤情報に惑わされないための初歩&lt;/span&gt;&#8221; &#8212; Think都城" src="https://think-miyakonojo.jp/article/2115/embed/#?secret=blLFayxwsn#?secret=VOT3UCyDeu" data-secret="VOT3UCyDeu" width="500" height="282" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></p>
<p>クリティカルシンキングとは、簡単に言えば「鵜呑みにせず、立ち止まり、多面的に考える」こと。ただし、立ち止まることはできたとしても、その先、どう多面的に考えれば良いのか、指針がないと難しい。</p>
<p>では、具体的にメディアやそのメッセージとどう向き合い、どうクリティカルシンキングを実践していけばよいのだろうか――。</p>
<p>これが、今回の本題となる。まず知っておきたいのが、メディアリテラシーの「コア・コンセプト」と「キー・クエスチョン」だ。</p>
<p>日本のメディアリテラシー研究の第一人者として知られる法政大学キャリアデザイン学部の坂本旬教授は、こう話す。</p>
<p>「メディア・リテラシー・センター（Center for Media Literacy＝以下CML）による5つの『コア・コンセプト』と『キー・クエスチョン』は、メディアリテラシー教育理論の基礎として広く世界に知られ、幅広く共有されています」</p>
<p>CMLは1989年に設立されたメディアリテラシー教育の専門機関。北米を中心とした学校教師の研修トレーニングや実施プログラムの提供、世界各国へ向けたメディアリテラシー教育ガイド「<a href="http://www.medialit.org/sites/default/files/01a_mlkorientation_rev2_0.pdf" target="_blank" rel="noopener">Literacy for the 21st Century</a>」の発行・配布などを行っている。</p>
<p>教育ガイドの中核が、メディアを読み解く視点を5つに集約した「コア・コンセプト」と、教育現場で生徒にわかりやすく理解してもらうために用意した5つの「キー・クエスチョン」。対となる両者は、以下のように整理されている。</p>
<div class="chart">
<div class="chart_title">米CMLが定義する5つの「コア・コンセプト」と「キー・クエスチョン」</div>
<div class="s_table"><table class="tb_media01 tb_media02">
<tbody>
<tr>
<td style="background-color: #f3f3f3;"> </td>
<th class="media-li">コア・コンセプト</th>
<th class="info-li">キー・クエスチョン</th>
</tr>
<tr>
<td class="num">#1</td>
<td class="media-li">すべてのメッセージは構成されています。</td>
<td class="info-li">誰がこのメッセージを作ったのでしょうか？</td>
</tr>
<tr>
<td class="num">#2</td>
<td class="media-li">メディアメッセージは独自の創造的な言語を使用して構築されます。</td>
<td class="info-li">関心を引くためにどのような創造的なテクニックが使用されていますか？</td>
</tr>
<tr>
<td class="num">#3</td>
<td class="media-li">同じメディアメッセージを人によって異なる方法で体験します。</td>
<td class="info-li">人によってこのメッセージの理解はどのように異なるのでしょうか？</td>
</tr>
<tr>
<td class="num">#4</td>
<td class="media-li">メディアには価値と視点が組み込まれています。</td>
<td class="info-li">このメッセージで表現されている、または排除されている価値観、ライフスタイル、視点は何ですか？</td>
</tr>
<tr>
<td class="num">#5</td>
<td class="media-li">ほとんどのメディアメッセージは利益や権力を得るために作られています。</td>
<td class="info-li">なぜ、このメッセージは送られたのでしょうか？</td>
</tr>
</tbody>
</table></div>
<div class="wp-caption-text"><span>出所：米CMLの「CML MediaLit Kit」</span></div>
</div>
<h2>「スプートニク」を読み解くと？</h2>
<p>坂本教授は、これらのコンセプトとクエスチョンについて、こう補足する。</p>
<p>「CMLの理論は、伝統的なメディアリテラシーの理論をまとめたもので、その考え方は英国から始まり、カナダに渡って8つになり、それが5つに整理されたという流れがある。今日、とりわけ米国のメディアリテラシー教育におけるクリティカルシンキングとは、まさにCMLの5つのキー・クエスチョンを問うこと、だと言っていい」</p>
<p>5つのキー・クエスチョンは、クリティカルシンキングを実践する具体的な指針として世界のメディアリテラシー教育の現場に浸透しているのだ。ならば実践してみよう。先のスプートニクのツイートを、5つのキー・クエスチョンに沿って読み解いてみたい。</p>
<p>まず＃1では、そのメッセージが誰かによって構成されたものであることを意識する。スプートニクはロシアの国営メディアであり、国、ひいてはプーチン大統領の意を汲んだものではないか、という視点が生まれる。</p>
<p>＃2では、少々わかりにくいが、人に魅力的に伝わるよう、あるいは、信頼性が高いと思ってもらえるような表現技術があることを意識する。通信社らしい硬く正しい日本語であり、周辺にはNHKなども報じる正しいニュースや、フィギュアスケート世界大会の成績速報なども並んでいるため、しっかりとした報道機関の印象も受ける。</p>
<p>＃３では、このツイートの評判を気にしてみる。133件のリツイート、174件のいいね！がある一方で、リプライの内容を見ると「なぜ @TwitterJPはこんなアカウント放置してるの？」「意味分からん。子どもでも分かる嘘つくのやめてもらっていいですか？」といった歯牙にもかけないコメントも多いことに気づく。</p>
<p>#４では、送り手の価値観や視点を考える。当然、ロシア至上主義で、プーチン大統領には逆らえないのだと推測される。</p>
<p>最後に＃5で、このメッセージが送られた背景を考える。情報戦の一環であり、日本の世論に対して影響を与えたい目的が透けて見える。</p>
<p>といった具合だ。ただし、5つのキー・クエスチョンを通じて、「送り手の意図」を深く読み解く必要はない、と坂本教授は釘を刺す。</p>
<h2>「さぎしかな」でチェック</h2>

<div id="attachment_2294" style="width: 260px" class="wp-caption alignright"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-2294" class="wp-image-2294" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3_sakamoto-265x300.jpg" alt="" width="250" height="283" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3_sakamoto-265x300.jpg 265w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3_sakamoto.jpg 600w" sizes="auto, (max-width: 250px) 100vw, 250px" /><p id="caption-attachment-2294" class="wp-caption-text">法政大学キャリアデザイン学部の坂本旬教授</p></div>

<p>「メディアリテラシーが語られるとき『意図を読み解く』と言われがちですが、それは間違い。意図を読み解くことはかなり難しいうえ、意図によって構成されたメッセージだけに焦点を当てると、『無意識による差別』などの問題に気づくことができません」</p>
<p>「意図があろうがなかろうが、問題は生じる。例えば、ジェンダーの考え方や価値観、人種的な価値観に欠けたテレビCMなどがありますよね。でも、だいたいそういうのは、意図して欠けたものを制作しているのではなく、無意識にやっちゃっている。つまり、差別的なメッセージはほとんどの場合、意図されていないんです」</p>
<p>「意図的なメッセージ」にこだわると視野狭窄に陥り、重要なことに気づけなくなるという示唆である。ちなみに坂本教授は、日本の教育現場で活用しやすく、日本人が覚えやすいように、この5つのキー・クエスチョンをカスタマイズし、教育現場で活用している。</p>
<p>作者、技術、視聴者（読者）、価値観、なぜ。5つのキー・クエスチョンを象徴する日本語、それぞれの音読みの頭文字をつなげると、「<a href="https://jima.media/cms/wp-content/uploads/2020/01/sa-gi-si-ka-na-check.pdf" target="_blank" rel="noopener">さぎしかな</a>」となる。</p>
<p>これら5つの側面でメッセージを見つめ、調べ、自分なりに分析することが、クリティカルシンキングでメディアリテラシーを身につける具体的な手順である。</p>
<p>SNSなどのインターネットメディアも含め、あるいはマスメディアだけではなく個人のアカウントも含め、あらゆるメッセージを無批判に受け入れず、手放しでシェアせず、考える。さすれば、なにがフェイクニュースなのか混乱せず、ニセ・誤情報に惑わされるリスクも軽減するだろう。</p>
<p>今回は、メディアリテラシー教育における伝統的で基礎的な手法を押さえた。後編では、デジタル時代に対応した新手の手法なども含め、より実践的な活用法を深掘りする。</p>
<p style="text-align: right;">（<a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2262/">後編</a>に続く）</p>
<p><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="K48KtmKyAR"><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2262/">実践！ ニセ・誤情報に克つ［後編］　デジタル時代に即した新手法「SIFT」</a></blockquote><iframe loading="lazy" class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;実践！ ニセ・誤情報に克つ［後編］　&lt;span&gt;デジタル時代に即した新手法「SIFT」&lt;/span&gt;&#8221; &#8212; Think都城" src="https://think-miyakonojo.jp/article/2262/embed/#?secret=p4pQluGZDh#?secret=K48KtmKyAR" data-secret="K48KtmKyAR" width="500" height="282" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></p>The post <a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2189/">実践！ ニセ・誤情報に克つ［前編］　<span>5つの「キー・クエスチョン」で考える</span></a> first appeared on <a href="https://think-miyakonojo.jp">Think都城</a>.]]></content:encoded>
					
					<wfw:commentRss>https://think-miyakonojo.jp/article/2189/feed/</wfw:commentRss>
			<slash:comments>0</slash:comments>
		
		
			</item>
		<item>
		<title>「クリティカルシンキング」の本質　誤情報に惑わされないための初歩</title>
		<link>https://think-miyakonojo.jp/article/2115/?utm_source=rss&#038;utm_medium=rss&#038;utm_campaign=02-%25e3%2580%258c%25e3%2582%25af%25e3%2583%25aa%25e3%2583%2586%25e3%2582%25a3%25e3%2582%25ab%25e3%2583%25ab%25e3%2582%25b7%25e3%2583%25b3%25e3%2582%25ad%25e3%2583%25b3%25e3%2582%25b0%25e3%2580%258d%25e3%2581%25ae%25e6%259c%25ac%25e8%25b3%25aa-%25e8%25aa%25a4%25e6%2583%2585%25e5%25a0%25b1%25e3%2581%25ab%25e6%2583%2591</link>
					<comments>https://think-miyakonojo.jp/article/2115/#respond</comments>
		
		<dc:creator><![CDATA[井上 理（いのうえ・おさむ）]]></dc:creator>
		<pubDate>Tue, 29 Nov 2022 13:55:50 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[メディアリテラシー]]></category>
		<category><![CDATA[SNS]]></category>
		<category><![CDATA[クリティカルシンキング]]></category>
		<category><![CDATA[マスメディア]]></category>
		<category><![CDATA[批判的思考]]></category>
		<category><![CDATA[新型コロナウイルス]]></category>
		<category><![CDATA[誤情報]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://think-miyakonojo.jp/?p=2115</guid>

					<description><![CDATA[<p>テーマ「メディアリテラシー」の2回目は、その中核を成す概念であり、メディアリテラシーを身につける初歩でもある「クリティカルシンキング（批判的思考）」について、本質や対訳のあり方も含め、深掘りしていきます。</p>
The post <a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2115/">「クリティカルシンキング」の本質　<span>誤情報に惑わされないための初歩</span></a> first appeared on <a href="https://think-miyakonojo.jp">Think都城</a>.]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<div class="su-spoiler su-spoiler-style-“fancy” su-spoiler-icon-plus su-spoiler-closed" data-scroll-offset="0" data-anchor-in-url="no"><div class="su-spoiler-title" tabindex="0" role="button"><span class="su-spoiler-icon"></span>テーマ［ メディアリテラシー ］の記事一覧</div><div class="su-spoiler-content su-u-clearfix su-u-trim"><ul class="lcp_catlist" id="lcp_instance_0"><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/12/" target="_blank">メディアリテラシーが必要なワケ［前編］　<span>AIフェイク画像と謎の地下室の示唆</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/1399/" target="_blank">メディアリテラシーが必要なワケ［後編］　<span>インターネットや技術革新の功罪</span></a></li><li class="current"><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2115/" target="_blank">「クリティカルシンキング」の本質　<span>誤情報に惑わされないための初歩</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2189/" target="_blank">実践！ ニセ・誤情報に克つ［前編］　<span>5つの「キー・クエスチョン」で考える</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2262/" target="_blank">実践！ ニセ・誤情報に克つ［後編］　<span>デジタル時代に即した新手法「SIFT」</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/5233/" target="_blank">学校に浸透するメディアリテラシー教育　<span>NHKの奮闘、先行する欧米</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/6613/" target="_blank">デマを“現実”にするSNS時代　<span>昭和と令和の「取り付け騒ぎ」に学ぶ</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/8245/" target="_blank">複雑化する「ステマ」広告 <span>ステマ規制開始でも安心できない消費者</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/9193/" target="_blank">能登半島地震に見るSNSの弊害 <span>そこにある情報がすべてではない</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/10615/" target="_blank">「ディープフェイク」の脅威と備え <span>生成AI全盛時代の新たなリスク</span></a></li></ul></div></div>

<h2>「TickTok」の約20％が誤解を招く</h2>

<div id="attachment_2127" style="width: 380px" class="wp-caption alignright"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-2127" class="wp-image-2127" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2022/11/medialiteracy2_tiktok-300x300.jpg" alt="" width="370" height="370" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2022/11/medialiteracy2_tiktok-300x300.jpg 300w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/11/medialiteracy2_tiktok-150x150.jpg 150w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/11/medialiteracy2_tiktok-500x500.jpg 500w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/11/medialiteracy2_tiktok.jpg 740w" sizes="auto, (max-width: 370px) 100vw, 370px" /><p id="caption-attachment-2127" class="wp-caption-text">TikTokの信頼性に関する米NewsGuardのレポート</p></div>

<p>「新型コロナウイルス感染症」「ウクライナ侵攻」などを検索すると、上位に出てくる動画の19.5％に、誤情報または誤解を招く主張が含まれている――。</p>
<p>今年9月、信頼性を評価する米メディア監視組織「NewsGuard（ニュースガード）」は、「TikTok」に関する衝撃的なレポートを公開した。</p>
<p>TikTokは全世界の若者を虜にしているショート動画アプリ。米国の非営利調査機関が13～17歳の若者を対象とした<a href="https://www.pewresearch.org/internet/2022/08/10/teens-social-media-and-technology-2022/" target="_blank" rel="noopener">インターネット利用調査</a>をしたところ、TikTokを利用したことがあると回答したのは67％だった。1位の「YouTube（95％）」に次いで2番目に多く、3位の「Instagram（62％）」を超えている。日本でも、総務省の最新の<a href="https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01iicp01_02000111.html" target="_blank" rel="noopener">調査</a>によると10歳代の62.4%が利用している人気アプリだ。</p>
<p>ニュースガードによる調査は、検索機能で上位に表示する動画の真偽を確かめたもの。話題性の高いキーワードを選び、それぞれ上位20位までの動画、計540本の内容をファクトチェックしていったところ、5本に1本に相当する105本に疑義があった。こうしたコンテンツは「重大な脅威である」とニュースガードは指摘。日本語のコンテンツも危うい。</p>

<div id="attachment_2132" style="width: 260px" class="wp-caption alignleft"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-2132" class="wp-image-2132" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2022/11/medialiteracy2_tiktok2-197x300.jpg" alt="" width="250" height="380" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2022/11/medialiteracy2_tiktok2-197x300.jpg 197w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/11/medialiteracy2_tiktok2.jpg 500w" sizes="auto, (max-width: 250px) 100vw, 250px" /><p id="caption-attachment-2132" class="wp-caption-text">新型コロナワクチンに関する「TikTok」の動画</p></div>

<p>「新型コロナワクチン」とTikTokで検索すると日本語コンテンツの上位に「新型コロナワクチン打ちますか？」と題した動画が出てきた。2022年11月末の検索だ。</p>
<p>「昨年末、全国の医師、約7000人を対象に実施されたアンケートで、ワクチンを摂取したいと回答したのは何％でしょう？」「じつは、たったの35％。また、30％の医師は受けたくないと回答。その理由の圧倒的1位はワクチンの安全性がまだ確立していないから」……。</p>
<p>薬剤師がテンポ良く、こう畳み掛ける。「いいね！」の数は2638件。しかし、その薬剤師が根拠としている調査を確認すると、「早期にワクチンの接種を受けたい」と回答した医師が35％で、「分からない」が35％、「早期に接種を受けたくない」が30％だったことがわかる。TikTokの動画では「早期に」が抜けていた。</p>
<p>しかも、アンケート実施は2020年11〜12月とまだワクチン接種が始まる前だが、動画中の「昨年末」を「2021年末」と勘違いしてしまう視聴者もいるかもしれない。ニュースガードがこの動画を検証したとしたら、「誤解を招く」と判断する可能性は高い。</p>
<h2>警鐘を鳴らす総務省</h2>
<p>なぜ今、メディアリテラシーが必要なのか。前回は前後編にわたって、わかりやすく3つの事例から説明した。では、どうすればいいのか。そのカギを紐解く前に、補足としてマクロのデータを共有したい。TikTokの話はその一例だ。</p>
<p><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="qvuz8yq0kn"><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/12/">メディアリテラシーが必要なワケ［前編］　AIフェイク画像と謎の地下室の示唆</a></blockquote><iframe loading="lazy" class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;メディアリテラシーが必要なワケ［前編］　&lt;span&gt;AIフェイク画像と謎の地下室の示唆&lt;/span&gt;&#8221; &#8212; Think都城" src="https://think-miyakonojo.jp/article/12/embed/#?secret=VnoyXcmdcQ#?secret=qvuz8yq0kn" data-secret="qvuz8yq0kn" width="500" height="282" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></p>
<p>「メディアへの信頼度」について、別の角度から見ていく。</p>
<p>日本人は世界に比べてメディアを信じやすい、というデータがある。世界数十カ国の大学や調査機関が各国国民の意識調査を定期的に実施している「<a href="https://www.worldvaluessurvey.org/wvs.jsp" target="_blank" rel="noopener">世界価値観調査</a>」。その最新の統計データ（2017〜2020年）によると、日本で新聞・雑誌を「非常に信頼」「やや信頼」している国民の割合は「69.3％」で、ベトナム、フィリピン、バングラデシュに続く4位。先進国のなかでは突出して高く、OECD加盟国では2位のポルトガル（50.4％）、3位の韓国（49.6％）との差が大きく開いている。</p>
<p>新たなメディアの不安。信じやすい国民性。これらがどれほど影響を与えたか不明だが、国民のメディアリテラシーについて、総務省も危機感を抱いていることは間違いない。</p>
<p>今年6月、総務省はメディアリテラシーに関する新たな報告書や教材を公表した。「<a href="https://www.soumu.go.jp/main_content/000820476.pdf" target="_blank" rel="noopener">メディア情報リテラシー向上施策の現状と課題等に関する調査結果報告</a>」では、諸外国における政策や取り組み、日本おける課題や解決策などが140ページ以上にわたりまとめられている。</p>
<p>このなかで最も重視されているのが「クリティカルシンキング（批判的思考）」だ。これが、今回の記事の「本題」である。</p>
<h2>中核となる「批判的思考」という言葉</h2>
<p>総務省の報告書はまず、言葉の定義から始まる。総務省は長らく「メディアリテラシー」という言葉を使ってきたが、この報告書から「メディア情報リテラシー」という言葉を使い始めた。これはもともと「国連教育科学文化機関（ユネスコ）」が使用する、より広義の言葉であり、新たなグローバルスタンダードに則ろうとする総務省の意思が垣間見える。</p>
<p>総務省の報告書から引用すると、ユネスコによる定義は以下のとおりだ。</p>
<div class="chart">
<div class="chart_title">メディアリテラシーと情報リテラシー</div>
<div class="s_table"><table class="tb_media01">
<tbody>
<tr>
<th class="media-li" rowspan="2">メディア<br />
リテラシー</th>
<td class="media-li">あらゆるコミュニケーション手段を用いて、アクセス、分析、評価、創造、行動する能力<small>（出典：National Association for Media Literacy Education）</small></td>
</tr>
<tr>
<td>
<ul>
	<li>民主主義社会におけるメディアの役割と機能を理解する</li>
	<li>メディアがその機能を十分に発揮し得る条件を理解する</li>
	<li>メディア機能の観点からメディアコンテンツを批判的に評価する</li>
	<li>自己表現、異文化間対話、民主主義的参加のためにメディアに取り込む</li>
	<li>ユーザーコンテンツを創造するのに必要なスキル(ICTを含む)を身に着けて用いる<small>（以上出典：UNESCO）</small></li>
</ul>
</td>
</tr>
<tr>
<th class="info-li" rowspan="2">情報<br />
リテラシー</th>
<td class="info-li">情報の必要性を認識し、文化的・社会的文脈の中で情報を見つけ、評価し、応用し、創造する能力<small>（以上出典：UNESCO）</small></td>
</tr>
<tr>
<td>
<ul>
	<li>情報の必要性を明確化・区分化する</li>
	<li>情報の場所を特定し、アクセスする</li>
	<li>情報を批判的に評価する</li>
	<li>情報を組織する</li>
	<li>情報を倫理的に利用する</li>
	<li>情報を交流する</li>
	<li>情報の加工の為にICTを利用する<small>（以上出典：UNESCO）</small></li>
</ul>
</td>
</tr>
</tbody>
</table></div>
<div class="wp-caption-text"><span>出所：総務省。簡易翻訳はみずほリサーチ&amp;テクノロジーズによる</span></div>
</div>
<p>シンプルに言えば、メディアリテラシーとは「メディアからの情報を読み解く能力」、情報リテラシーとは「情報を扱う（収集・分析・評価・発信）能力」と言い換えることができ、これらを包含する能力がメディア情報リテラシーということになる。</p>
<p>ただし、かつては新聞やテレビなど「マスメディア」からの情報を読み解く能力だったメディアリテラシーの意味合いや定義は、インターネットやSNSの普及とともに拡大した。同時に、情報リテラシーも特別なものではなくなった今、両者の境界は曖昧になりつつある。</p>
<p>また、メディアリテラシーと情報リテラシーの類似性や区分については議論も多いため、本稿では深入りはしない。メディアリテラシーという言葉を広義に捉え、ユネスコの言うメディア情報リテラシーと同義として使っていく。</p>
<p>話が逸れたが、報告書冒頭の定義を見ると、メディアリテラシーも情報リテラシーも、その説明に「批判的に評価する」という文言がある。続く報告書にも、欧米各国の取り組みを紹介するなかで、「批判的に」「批判的思考」というキーワードが多数、出てくる。</p>
<p>「情報に批判的にアプローチ」「自信を持って、批判的に、責任を持ってデジタル技術を利用・活用する」「デジタルコンテンツの出所の信憑性と信頼性を批判的に評価する」「物事を批判的に理解する能力」「情報を批判的に検討し、評価するよう子供を支援」「批判的思考能力を深め、防御を強化する」……。</p>
<p>そして有識者のコメントとして、こうも書かれている。</p>
<p>「一般的には悪意を持っていないが非常に重大なデマが存在し、それらに対しては批判的思考（クリティカルシンキング）が大事だという点で、 EU やユネスコでは一致している」</p>
<p>学問として欧米で発達し、育まれてきたメディアリテラシーにおいて、「批判的に」あるいは「批判的思考」というキーワードは礎でもあり、中核とも言える概念なのだ。</p>
<p>実際に、メディアリテラシー研究の権威「全米メディアリテラシー教育学会（NAMLE）」も、メディアリテラシーを以下のように<a href="https://namle.net/resources/media-literacy-defined/" target="_blank" rel="noopener">定義</a>している。</p>
<blockquote>
<p>メディアリテラシーとは、あらゆるコミュニケーション手段を駆使して、アクセス・分析・評価・創造し、行動する能力。メディアリテラシーは従来のリテラシー（読み書きの能力）に基づき、新しい形式の読み書き能力を提供する。メディアリテラシーは人々に、<strong>クリティカル（批判的）</strong>な思考者、創造者、コミュニケーション巧者、積極的な市民になれる力を与える。</p>
</blockquote>
<h2>「クリティカルシンキング」の本質</h2>
<p>では、批判的に評価・分析する、批判的思考をする、というのはどういうことなのか。言葉の本質を考えていく。</p>
<p><img loading="lazy" decoding="async" class="size-medium wp-image-2121 aligncenter" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2022/11/medialiteracy2_hero_1440x756.jpg" alt="" width="740" height="389" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2022/11/medialiteracy2_hero_1440x756.jpg 1440w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/11/medialiteracy2_hero_1440x756-300x158.jpg 300w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/11/medialiteracy2_hero_1440x756-1024x538.jpg 1024w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/11/medialiteracy2_hero_1440x756-768x403.jpg 768w" sizes="auto, (max-width: 740px) 100vw, 740px" /></p>
<!-- 







<div class="wp-caption-text annot">画像：「jirsak」©123RF.COM</div>







　 -->
<p>批判的思考に関する著書も多い京都大学大学院教育学研究科長・教育学部長の楠見孝教授は、日本心理学会の機関誌『心理学ワールド』への<a href="https://www.psych.or.jp/wp-content/uploads/2017/10/61-5-8.pdf" target="_blank" rel="noopener">寄稿</a>で、こう指摘している。</p>
<blockquote>
<p>批判的思考は「相手を非難する思考」と誤解されることがある。そのため、相手を攻撃する否定的なイメージがもたれている。しかし、批判的思考において大切なことは、第1に、相手の発言に耳を傾け、証拠や論理、感情を的確に解釈すること、第2に、自分の考えに誤りや偏りがないかを振り返ることである。したがって、相手の発言に耳を傾けずに挙げ足を取ることは批判的な思考と正反対のことがらである。</p>
</blockquote>
<p>英語の「Critical」には確かに「批判的な」という意味があるが、クリティカルシンキングにおいては、「批評の」「慎重な判断を下す」というニュアンスに近い。字面から単に「批判する思考」と捉えるのは早計だ。</p>
<p>他方、デジタル大辞泉は、こうシンプルに説明している。</p>
<blockquote>
<p>物事や情報を無批判に受け入れるのではなく、多様な角度から検討し、論理的・客観的に理解すること。</p>
</blockquote>
<p>要するに「鵜呑みにせず、立ち止まって、多面的に考える」ということなのだ。補足すれば「無批判に受け入れず、多面的・論理的・客観的に批評する思考」という理解が正しい。</p>
<p>ではその理解のもと、さっそく実践してみよう。</p>
<p>じつはここまで、批判的思考という対訳を“あえて”使ってきた。しかし上記の説明を受け、なんとなく「批判的」という表現に違和感を覚える方もいらっしゃるだろう。この訳が正しいかどうかという議論があることは、インターネットを調べてみればすぐにわかる。</p>
<p>「アカデミアとジャーナリズムの専門家が執筆 理論と実践をカバーするメディアリテラシー入門決定版！」。という謳い文句を掲げる書籍『<a href="https://bookpub.jiji.com/book/b597275.html" target="_blank" rel="noopener">メディアリテラシー 吟味思考（クリティカルシンキング）を育む</a>』が2021年12月、時事通信社から発刊された。</p>
<p>「メディアリテラシー」「クリティカルシンキング」で検索すると、この書籍のプロモーション記事が多数、出てくる。そのひとつ、朝日新聞系列のウェブメディア「GLOBE＋」の<a href="https://globe.asahi.com/article/14544227" target="_blank" rel="noopener">記事</a>では、書籍の共同編著であるスマートニュースメディア研究所の山脇岳志氏が、興味深いことを綴っている。少々長めに引用する。</p>
<blockquote>
<p>複雑な世の中を生きていく上で必要な力の一つは「クリティカルシンキング」だ、という見方がある。この英語は、これまで「批判的思考」という言葉で訳されてきた。しかしこの訳語は妥当だといえるだろうか。（中略）</p>
<p>そもそも日本語として定着している訳語が、おかしいのではないか、と思うこともある。たとえば、アメリカ大統領が年に一度、連邦議会両院の議員に向けて行うState of Union Addressは、世界的にも大きな注目を集めるイベントだ。</p>
<p>これは「一般教書演説」と日本語に訳されているが、State of Unionにおける「State」は「状態」という意味で、直訳すれば「アメリカ合衆国の現状についての演説（address)」ということになる。「一般教書」という語感とはかなり違う。</p>
<p>さらにいえば、アメリカ合衆国（United States of America）における「State」のほうは「州」の意味なので、「合衆国」ではなく、「アメリカ合州国」とすべきところである。</p>
<p>しかし、筆者が「合州国」と記事に書いたとしても、確実にデスクや校閲担当の指摘を受け、修正された上で世の中に出る。もはや定着してしまった訳語は、なかなか変えられないのである。</p>
<p>メディアリテラシーの基本ともいえるクリティカルシンキング(critical thinking)も、訳され方がおかしくて、日本で誤解を受けている例なのではないだろうか。</p>
</blockquote>
<p>続きは<a href="https://globe.asahi.com/article/14544227" target="_blank" rel="noopener">引用元の記事</a>をご覧いただくとして、まさに、この視点こそがクリティカルシンキングそのものであり、わかりやすい実例と言える。</p>
<h2>みんなが、ではなく自分で考える</h2>
<p><img decoding="async" class="aligncenter size-medium wp-image-2177" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2022/11/medialiteracy02_think.png" alt="" width="500" height="auto" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2022/11/medialiteracy02_think.png 1000w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/11/medialiteracy02_think-300x210.png 300w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/11/medialiteracy02_think-768x538.png 768w" sizes="(max-width: 1000px) 100vw, 1000px" /></p>
<p>つまり、くだんの書籍は、「批判的思考」という対訳に対してもクリティカルシンキングを実践し、「吟味思考」という対訳のほうがより実態を表現していると結論付け、そのようなサブタイトルを冠して発刊した。</p>
<p>ならば、もっと“吟味”してみよう。先に紹介した書籍の執筆陣の一人でもあるメディアリテラシー研究者、弘前大学教育学部の森本洋介准教授は、べつの著書『<a href="https://www.toshindo-pub.com/book/%E3%83%A1%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%A2%E3%83%BB%E3%83%AA%E3%83%86%E3%83%A9%E3%82%B7%E3%83%BC%E6%95%99%E8%82%B2%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E3%80%8C%E6%89%B9%E5%88%A4%E7%9A%84%E3%80%8D%E3%81%AA/" target="_blank" rel="noopener">メディアリテラシー教育における「批判的」な思考力の育成</a>』（東信堂）で、こう言及している。</p>
<blockquote>
<p>メディア・リテラシー教育における「批判」とは、学習者が、活字および電子メディアなどの具体的なメディア・テクストやテーマを対象として、そのテクストやテーマについて学習者自身の価値判断や評価を含めて多面的な視点から判断、評価するということであろう。</p>
</blockquote>
<p>ということは、「多面的思考」という対訳でもしっくりときそうだ。ただし、吟味思考、多面的思考、いずれの対訳も定着はしていない。いや、こうした「日本語を無理に当てはめよう」という発想自体、良くないのかもしれない。</p>
<p>考えてみれば、「マスメディア」を「大衆媒体」とは訳さないわけで、いまひとつ定着していない語句を無理に日本語にする必要もない。というわけで、本稿ではクリティカルシンキングを訳さず、これ以降、そのまま表現することにする。</p>
<p>ちなみに、クリティカルシンキングという言葉は、ビジネスの世界でもよく使われる。例えばグロービス経営大学院はクリティカルシンキングを、「これまでの経験や直感に頼らずに、客観的な視点で論理的に考え、その内容を相手に納得感のあるかたちで伝える力」と定義しており、必須のビジネススキルとして講義等で教えている。</p>
<p>同じ言葉でも文脈によって、使う立場によって、定義が異なる。これもメディアリテラシーを身につけるためには、押さえておきたいポイントだ。</p>
<p>マスメディアも総務省もみんながそう言っているから、辞書にそう書いてあるから、「批判的思考」という言葉を使おう――。</p>
<p>そう無批判に受け入れるのではなく、立ち止まり、多面的に情報を調べ、分析し、自分なりの考えを持つことが、クリティカルシンキングの本質と言える。「鵜呑みにせず考える」ことが、メディアリテラシーを身につける初歩なのだ。</p>
<p>このクリティカルシンキングは、欧米では重要な能力として認知されており、教育現場にも浸透している。だが日本の教育現場では、対訳の印象が悪いのか（対立を生むと誤解されているのか）、なかなか浸透していない。</p>
<p>学校の学習環境と教員の勤務環境を調べる「<a href="https://www.oecd.org/education/talis/" target="_blank" rel="noopener">TALIS</a>（Teaching and Learning International Survey、国際教員指導環境調査）」と呼ばれるOECDの国際調査がある。その2018年の報告書で、「児童生徒のクリティカルシンキングを促す」と回答した日本の小学校教員の割合は「22.8％」。中学校教員でも「24.5％」だった。</p>
<p>対して世界の平均は「82.2％」（調査対象の48カ国平均、中学校教員）。4年前の調査と若干古いデータだが、この4年間で著しくクリティカルシンキングが浸透したファクトもない。クリティカルシンキングをベースとしたメディアリテラシー教育が急務と言える。</p>
<p>では、どうクリティカルシンキングを実践していけばいいのか。<a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2189/">次回</a>、より具体的な実践編をお送りする。</p>
<p style="text-align: right;">（<a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2189/">次回</a>に続く）</p>
<p><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="BvrhiNSbuB"><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2189/">実践！ ニセ・誤情報に克つ［前編］　5つの「キー・クエスチョン」で考える</a></blockquote><iframe loading="lazy" class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;実践！ ニセ・誤情報に克つ［前編］　&lt;span&gt;5つの「キー・クエスチョン」で考える&lt;/span&gt;&#8221; &#8212; Think都城" src="https://think-miyakonojo.jp/article/2189/embed/#?secret=meRw10FxAZ#?secret=BvrhiNSbuB" data-secret="BvrhiNSbuB" width="500" height="282" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></p>The post <a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2115/">「クリティカルシンキング」の本質　<span>誤情報に惑わされないための初歩</span></a> first appeared on <a href="https://think-miyakonojo.jp">Think都城</a>.]]></content:encoded>
					
					<wfw:commentRss>https://think-miyakonojo.jp/article/2115/feed/</wfw:commentRss>
			<slash:comments>0</slash:comments>
		
		
			</item>
	</channel>
</rss>
