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	<title>フェイクニュース - Think都城</title>
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	<description>深く多面的に、考える。</description>
	<lastBuildDate>Fri, 09 Jan 2026 05:06:20 +0000</lastBuildDate>
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	<title>フェイクニュース - Think都城</title>
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	<item>
		<title>「ディープフェイク」の脅威と備え 生成AI全盛時代の新たなリスク</title>
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					<comments>https://think-miyakonojo.jp/article/10615/#respond</comments>
		
		<dc:creator><![CDATA[井上 理（いのうえ・おさむ）]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 20 Sep 2024 03:00:22 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[メディアリテラシー]]></category>
		<category><![CDATA[AI]]></category>
		<category><![CDATA[SNS]]></category>
		<category><![CDATA[クリティカルシンキング]]></category>
		<category><![CDATA[ディープフェイク]]></category>
		<category><![CDATA[フェイクニュース]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://think-miyakonojo.jp/?p=10615</guid>

					<description><![CDATA[<ul>
<li>生成AIが生む<b>ディープフェイク</b>が世界中で猛威を振るう。</li>
<li>クローズドな環境で特定のターゲットを狙う<b>詐欺も横行</b>。</li>
<li>あなたの身近な場所にもディープフェイクは潜んでいる。</li>
<ul>
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										<content:encoded><![CDATA[<div class="su-spoiler su-spoiler-style-“fancy” su-spoiler-icon-plus su-spoiler-closed" data-scroll-offset="0" data-anchor-in-url="no"><div class="su-spoiler-title" tabindex="0" role="button"><span class="su-spoiler-icon"></span>テーマ［ メディアリテラシー ］の記事一覧</div><div class="su-spoiler-content su-u-clearfix su-u-trim"><ul class="lcp_catlist" id="lcp_instance_0"><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/12/" target="_blank">メディアリテラシーが必要なワケ［前編］　<span>AIフェイク画像と謎の地下室の示唆</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/1399/" target="_blank">メディアリテラシーが必要なワケ［後編］　<span>インターネットや技術革新の功罪</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2115/" target="_blank">「クリティカルシンキング」の本質　<span>誤情報に惑わされないための初歩</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2189/" target="_blank">実践！ ニセ・誤情報に克つ［前編］　<span>5つの「キー・クエスチョン」で考える</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2262/" target="_blank">実践！ ニセ・誤情報に克つ［後編］　<span>デジタル時代に即した新手法「SIFT」</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/5233/" target="_blank">学校に浸透するメディアリテラシー教育　<span>NHKの奮闘、先行する欧米</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/6613/" target="_blank">デマを“現実”にするSNS時代　<span>昭和と令和の「取り付け騒ぎ」に学ぶ</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/8245/" target="_blank">複雑化する「ステマ」広告 <span>ステマ規制開始でも安心できない消費者</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/9193/" target="_blank">能登半島地震に見るSNSの弊害 <span>そこにある情報がすべてではない</span></a></li><li class="current"><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/10615/" target="_blank">「ディープフェイク」の脅威と備え <span>生成AI全盛時代の新たなリスク</span></a></li></ul></div></div>
<h2>「生成AI」による新たなリスク</h2>
<p>「人工知能（AI）」技術の飛躍的な進化は、人々の生活に大きな恩恵をもたらしている。中でも新たなコンテンツを生成する「生成AI」の登場は、人間の創造性や効率を大幅に向上させる一方で、新たなリスクや危険性を浮き彫りにさせた。</p>
<p>AIが生成するテキストや映像、音声は、もはや人間が作り出すものと見分けがつかないほどの精度に達しており、ディープフェイクやフェイク動画、フェイクニュースといった新たな脅威が広がっているのだ――。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>じつはここまでの文章、AIが書いた記事の冒頭部分である。</p>
<p>利用したのは、なにかと話題の「ChatGPT」。「生成AIによる高度なディープフェイクやフェイクニュースなどに踊らされないよう、読者に警鐘を鳴らす記事を書いてください」といった、「プロンプト」と呼ばれる簡単な命令文を入力しただけで、5000文字程度の原稿をいとも簡単に吐き出した。</p>

<div id="attachment_10633" style="width: 610px" class="wp-caption aligncenter"><img fetchpriority="high" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-10633" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2024/09/Media10_ChatGPT.jpg" alt="" width="600" height="415" class="wp-image-10633" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2024/09/Media10_ChatGPT.jpg 1200w, https://think-miyakonojo.jp/images/2024/09/Media10_ChatGPT-768x531.jpg 768w" sizes="(max-width: 600px) 100vw, 600px" /><p id="caption-attachment-10633" class="wp-caption-text">生成AI「ChatGPT」に原稿を書いてもらうため送信した「プロンプト」の内容</p></div>

<p>ものの1分ほどで“生成”された文章はこう続く。</p>
<p>「この状況下で、私たちはどのようにして事実を見極め、虚偽情報に踊らされないようにするべきか。AIが引き起こす新たなリスクを明らかにしつつ、メディアリテラシーの重要性について考察する」</p>
<p>入りとしては悪くない。その後に続く文章も、おもしろみは欠けるが、内容は正しい。だからといって、本稿を“コピペ”で終わらすことはできない（しかも、こうしたトリッキーな書き始めで記事を生成することは、まだAIには難しい）。</p>
<p>ここからは100％人間の手で「AIを見抜くメディアリテラシー」の必要性を論じていく。</p>
<h2>岸田首相のディープフェイク</h2>
<p>AIが生成した創造物が定期的に世間を賑わせている。国内では岸田文雄首相を模した「偽（フェイク）動画」の拡散が記憶に新しい。</p>

<div id="attachment_10632" style="width: 610px" class="wp-caption aligncenter"><img decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-10632" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2024/09/Media10_Kishida.jpg" alt="" width="600" height="338" class="wp-image-10632" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2024/09/Media10_Kishida.jpg 1200w, https://think-miyakonojo.jp/images/2024/09/Media10_Kishida-768x432.jpg 768w" sizes="(max-width: 600px) 100vw, 600px" /><p id="caption-attachment-10632" class="wp-caption-text">岸田文雄首相を模したフェイク動画が世間を騒がせた<span>（動画のキャプチャを一部加工）</span></p></div>

<p>日本テレビのニュースチャンネル「日テレNEWS24」の中継画面を模してつくられたその動画は、岸田首相が卑猥な内容を淡々とカメラに語るもの。2023（令和5）年夏、作成者が「X」や「ニコニコ動画」に投稿。削除されたが、他人によって同年11月にXへ再投稿されると一気に拡散。230万回以上閲覧され、テレビや新聞なども大きく報じた。</p>
<p>元動画の投稿者に直接、取材をした読売新聞の記事は、以下のように報じている。</p>
<blockquote>
<p>（もとの）偽動画を制作して投稿したのは大阪府の男性（２５）だ。</p>
<p>男性によると、ネット上で公開されている首相の記者会見や自民党大会の演説などの動画から、首相の音声をＡＩに学習させて、偽音声を用意した。首相のオンライン記者会見を伝えた日本テレビのニュース番組を利用し、自身の声を首相の偽音声に変換させる機能を使って、わいせつな発言を吹き込んだ。</p>
<p>そして、セリフに合うように、首相の口の動きを加工したり、テロップを作ったりして、１時間足らずで作り上げたという。</p>
</blockquote>
<p>こうした生成AIの技術を使い、悪意をもって本物のように合成された画像や音声、映像を「ディープフェイク」とも呼ぶ。総務省の情報通信白書は以下のように定義している。</p>
<blockquote>
<p>「ディープフェイク」とは、「ディープラーニング（深層学習）」と「フェイク（偽物）」を組み合わせた造語で、本物又は真実であるかのように誤って表示し、人々が発言又は行動していない言動を行っているかのような描写をすることを特徴とする、AI技術を用いて合成された音声、画像あるいは動画コンテンツのことをいう。</p>
<p>近年、世界各国でこれらディープフェイクによる情報操作や犯罪利用が増加しており、その対策には各方面からの取組が行われているものの、いたちごっこの様相を呈している。</p>
</blockquote>
<p>高度な技術がなくとも、簡単な知識さえあれば、インターネット上のクラウド・アプリケーションなどで誰でも安価に（場合によっては無料で）高精度なディープフェイクをつくり出すことができる時代になった。</p>
<p>海外では2018年頃から著名人や政治家を模した偽物の動画や画像が急増し始めたが、当初は「不自然」と指摘されていた動画や画像は近年、専門家でも見抜くのが困難なほど精緻になってきており、時には政治に利用されることもある。</p>
<p>各SNSはディープフェイク対策に躍起になっており、多くは投稿後、話題になった時点で削除対象となっているが、雨後の筍のように沸いており、追いつかないのが実情だ。時には為政者の権限でより多くの目にさらされることもある。</p>
<h2>ハリス副大統領が「架空」の演説</h2>
<p>「今日は今日で、昨日は今日の昨日。明日は今日の明日になるから、未来の今日が過去の今日のようになるために、今日を生きよう。そうすれば、それが明日になる」――。</p>
<p>2024（令和6）年7月、バイデン大統領が米大統領選から撤退すると発表した翌日、民主党の米大統領選候補に指名されたカマラ・ハリス副大統領がそう演説しているように見せるフェイク動画がSNSを駆け巡った。</p>
<blockquote class="twitter-tweet" data-media-max-width="560">
<p lang="en" dir="ltr">“Today is today. And yesterday was today yesterday. Tomorrow will be today tomorrow. So live today so that future today will past today, as it is tomorrow.”<br />
<br />
— Kamala for President, 200 IQ <a href="https://t.co/4WYLqyxnQL">pic.twitter.com/4WYLqyxnQL</a></p>

— JaguarAnalytics (@JaguarAnalytics) <a href="https://twitter.com/JaguarAnalytics/status/1815093912140128258?ref_src=twsrc%5Etfw">July 21, 2024</a></blockquote>
<p><script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script></p>
<p>「ワード・サラダ」と揶揄されている彼女お気に入りの言い回し、いわば“カハラ構文”を真似た創作であり、AIを用いて制作されたディープフェイクでもある。</p>
<div class="su-spoiler su-spoiler-style-default su-spoiler-icon-plus" data-scroll-offset="0" data-anchor-in-url="no"><div class="su-spoiler-title" tabindex="0" role="button"><span class="su-spoiler-icon"></span>「ワード・サラダ」とは</div><div class="su-spoiler-content su-u-clearfix su-u-trim">言葉が散乱して意味がわかりにくい発言や文章を指す英語圏の俗語（スラング）。文章構造が複雑すぎたり、内容が抽象的だったりする際、「サラダのようにまとまっていない」という意図で批判的に用いられる。カマラ・ハリス副大統領についても、「I can imagine what can be and be unburdened by what has been.（私は過去に縛られることなく、未来に何ができるかを想像できる）」といった彼女が好むフレーズが、曖昧でわかりにくいと指摘され、ワード・サラダだと嘲笑の的にされている。</div></div>
<p>その数日後、今度は別の人物が投稿したフェイク動画が話題となった。ハリス副大統領陣営が制作した実際の選挙キャンペーンの広告動画を加工したものだ。</p>

<div id="attachment_10627" style="width: 610px" class="wp-caption aligncenter"><img decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-10627" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2024/09/Media10_Harris01.jpg" alt="" width="600" height="338" class="wp-image-10627" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2024/09/Media10_Harris01.jpg 1480w, https://think-miyakonojo.jp/images/2024/09/Media10_Harris01-768x432.jpg 768w" sizes="(max-width: 600px) 100vw, 600px" /><p id="caption-attachment-10627" class="wp-caption-text">カマラ・ハリス副大統領そっくりの声で「あなたは人種差別主義者です」などと語っている動画がYouTubeにも投稿されていた</p></div>

<p>「私はカマラ・ハリスです。バイデンが討論会で高齢を露呈したおかげで、私は大統領選の民主党候補になりました。ありがとう、ジョー」「私が選ばれたのは、究極のダイバーシティ採用だから。私は女性であり、有色人種でもある。私の発言を批判するなら、あなたは性差別主義者であり、人種差別主義者でもあります」……。</p>
<p>本人そっくりの声で、早口でそうまくしたてる<a href="https://www.youtube.com/watch?v=sVspeqNnoWM" target="_blank" rel="noopener">この動画</a>もAI技術を活用したディープフェイク。1.9億人ものフォロワーがいるXのオーナー、イーロン・マスク氏が「This is amazing（これはすごい）」というメッセージを添えて再投稿（リポスト）したことから、一躍有名となった。</p>
<p>これが議論を呼んだ。</p>
<blockquote class="twitter-tweet">
<p lang="en" dir="ltr">This is amazing &#x1f602;<br />
<a href="https://t.co/KpnBKGUUwn">pic.twitter.com/KpnBKGUUwn</a></p>

— Elon Musk (@elonmusk) <a href="https://twitter.com/elonmusk/status/1816974609637417112?ref_src=twsrc%5Etfw">July 26, 2024</a></blockquote>
<p><script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script></p>
<h2>「フェイク」か「パロディ」か</h2>
<p>SNSの多くはAIによる「フェイク」が含まれた動画や音声の投稿を規約で禁じており、Xも2023年4月、「<a href="https://help.x.com/ja/rules-and-policies/manipulated-media">合成または操作されたメディアに関するポリシー</a>」を公開、ディープフェイクやフェイク動画などを規制し始めた。以下はその冒頭だ。</p>
<blockquote>
<p>利用者を欺いたり、混乱させたりして、損害をもたらす可能性のある、合成または操作されたメディアや、文脈から切り離されたメディア（以下、「誤解を招くメディア」といいます）を共有することは禁止されています。</p>
</blockquote>
<p>「誤解を招くメディア（動画や音声）」の「想定される要素」として検討されるものとして、「特にAIのアルゴリズムの使用を通じて、実在の人物を描写しているメディアが、ねつ造または偽装されているかどうか」という項目も明記されている。</p>
<p>このXが定めたポリシーに、マスク氏が共有した先の投稿が反しているのではないか、という批判が集まった。</p>
<p>対してマスク氏は、「元ネタ」がパロディ作品を標榜していることから、意に介していない。Xに投稿された元ネタの動画も、マスク氏が共有した投稿も、削除対象とはならず、今も閲覧可能な状態にある。</p>
<p>確かに、元ネタの投稿者はほかにも複数のパターンのフェイク動画をXや「<a href="https://www.youtube.com/watch?v=sVspeqNnoWM" target="_blank" rel="noopener">YouTube</a>」で投稿しており、いずれも「Kamala Harris Campaign Ad PARODY（カマラ・ハリス キャンペーン広告パロディ）」というメッセージやタイトルを添え、パロディであることを明示している。</p>
<p>しかし、マスク氏のリポストだけを見た人は、そうとはすぐにはわからない。ソースをたどらないと、「Ad PARODY」の文字は認識できないからだ。しかも、マスク氏は共和党候補者のドナルド・トランプ元大統領の支持を表明している。ハリス副大統領をおとしめる動画が本物であると勘違いするユーザーが現れても不思議ではない。</p>
<p>「利用者を混乱させかねない合成メディア」と言えないこともないが、XというSNSにおいてマスク氏の判断は絶対。規約違反かどうかはさておき、マスク氏の投稿は、「元ネタの出典や引用元を確かめる」ことが重要という示唆を与えている。</p>
<h2>大統領からテイラー・スウィフトまで</h2>
<p>海外では、パロディや風刺では済まされないような、より悪質な事例も増えている。</p>
<p>2022年3月、ロシアのウクライナ侵攻後、ゼレンスキー大統領がウクライナ軍や国民に降伏・投降を呼びかけるようなフェイク動画がSNSで拡散した。</p>
<p>米バイデン大統領関連も多い。最近では2023年10月、「徴兵法を大統領権限で発動する」とバイデン大統領が語るフェイク動画が動画投稿アプリ「TikTok」やYouTubeで拡散した。標的は、著名アーティストにも及ぶ。</p>
<p>2024年1月には、米国のテイラー・スウィフトさんのフェイク動画が出回った。「ハロー、私はテイラー・スウィフトです。梱包ミスのため販売できない『ル・クルーゼ』の調理器具セット3000個をファンの皆さんに“送料負担のみ”で差し上げます」。動画はそう彼女の声で呼びかけ、悪意のあるサイトへ誘導。「送料」をファンから奪う詐欺だった。</p>
<div class="iframe_wrap"><iframe loading="lazy" width="560" height="315" src="https://www.youtube.com/embed/DetrsSc9ZB8?si=0SYxji4uuhwvQUQd" title="YouTube video player" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" referrerpolicy="strict-origin-when-cross-origin" allowfullscreen="allowfullscreen"></iframe></div>
<p>同時期、彼女は性的なフェイク画像の被害にもあっている。ここでは詳細を省くが、韓国のアイドルなど、世界中の女性アーティストが悪質なディープフェイクによるポルノコンテンツの被害者となっており、問題視されている。</p>
<p>世界経済フォーラム（WEF）は「<a href="https://www.weforum.org/publications/global-risks-report-2024/">グローバルリスク報告書2024年版</a>」で、「地球規模の喫緊の課題がもたらすリスク」の調査結果を公表。「誤報と偽情報」が「異常気象」に次いで2番目に高いリスク項目だった。その発表資料でWEFはこう指摘している。</p>
<blockquote>
<p>2023年に見られたような生成AI（人工知能）コンテンツのブームは今後も続き、様々なアクターがこの傾向を利用して、社会の分裂を増幅させ、イデオロギー的暴力を扇動し、政治的抑圧を行おうとするかもしれません。</p>
<p>誤報や偽情報と社会の二極化は本質的に絡み合っており、互いに増幅し、増大する懸念があります。（中略）改ざんされた情報が反感を煽った結果、職場における偏見や差別から、暴力、ヘイトクライム（憎悪犯罪）に至るまでが起こり得ます。</p>
</blockquote>
<div class="chart w600">
<div class="chart_title">生成AIを利用したディープフェイクによる情報操作の事例</div>
<table class="chart01">
<thead>
<tr>
<th width="30%">年月（発生国）</th>
<th width="70%">概要</th>
</tr>
</thead>
<tbody>
<tr>
<td>2021年2月<br />
（日本）</td>
<td>宮城県と福島県で震度6強の地震が発生した際に、記者会見を行った当時の加藤勝信官房長官の顔画像が、笑みを浮かべているように改竄された偽画像が出回った。</td>
</tr>
<tr>
<td>2022年3月<br />
（ウクライナ）</td>
<td>ロシアのウクライナ侵攻後、ゼレンスキー大統領がウクライナ軍に降伏を呼びかける偽動画がソーシャルメディア（SNS）上で拡散した。</td>
</tr>
<tr>
<td>2022年9月<br />
（日本）</td>
<td>大型の台風15号が上陸した際に、静岡県で多くの住宅が水没したとする偽画像がTwitter（現X）で拡散した。</td>
</tr>
<tr>
<td>2023年3月<br />
（米国）</td>
<td>画像生成AIを利用して、トランプ前大統領が逮捕されたという偽画像が生成され、Twitter（現X）で拡散された。</td>
</tr>
<tr>
<td>2023年5月<br />
（米国）</td>
<td>国防総省の近くで爆発が起きたとする偽画像がソーシャルメディア（SNS）上で拡散し、ダウ平均株価が一時100ドル以上も下落した。</td>
</tr>
<tr>
<td>2023年11月<br />
（日本）</td>
<td>岸田文雄首相が性的な発言をしたように見せかける偽動画がソーシャルメディア（SNS）上で拡散した。</td>
</tr>
<tr>
<td>2023年11月<br />
（アルゼンチン）</td>
<td>アルゼンチン大統領選で、AIを使ったとされる偽動画がソーシャルメディア（SNS）上で出回った。</td>
</tr>
<tr>
<td>2024年1月<br />
（台湾）</td>
<td>台湾総統選の際に、蔡英文総統の私生活について虚偽の主張をしている偽動画が作成・投稿された。</td>
</tr>
<tr>
<td>2024年1月<br />
（米国）</td>
<td>ニューハンプシャー州で、大統領選挙の予備選が控えている週末に、バイデン大統領の声を模したなりすまし電話が、予備選への投票を控えるように呼びかけた。</td>
</tr>
</tbody>
</table>
<div class="wp-caption-text"><span>出所：総務省「<a href="https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r06/pdf/n1410000.pdf">令和6年版　情報通信白書</a>」</span></div>
</div>
<h2>特定ターゲット相手の詐欺</h2>
<p>こうした政治家や著名人を騙るディープフェイクは、それだけ注目や拡散もされやすい。「フェイク」だと見破られる確率も高くなる。</p>
<p>しかし、厄介なことに、クローズドな環境で特定のターゲットをだますための“見つかりにくい”ディープフェイクも多数、報告されている。</p>
<p>2024年2月、香港のある企業の会計担当者が、最高財務責任者（CFO）などになりすましたディープフェイクによって、2億香港ドル（約38億円）ものお金を騙し取られる事件が起きた。</p>
<p>詐欺師は、過去のオンライン会議からCFOを含む複数のクローン参加者を作成。リアルタイムに実在するかのようにオンライン会議に“参加”し、会計担当者に送金を指示。担当者は映像が本物と思い込み、指示通りに複数の銀行口座に振り込んでしまったという。</p>
<p>アーカイブではなくリアルタイムの動画でだますようなことが可能なのか。大手セキュリティ会社の米トレンドマイクロは<a href="https://www.trendmicro.com/en_in/research/24/b/deepfake-video-calls.html">この事件に関する記事</a>で以下のように分析している。</p>
<blockquote>
<p>攻撃者がリアルタイムのビデオ通話を行うことは難しいだろう。現在の一般的なツールでは、数行の文章のディープフェイク動画を生成するのに30分の処理時間が必要だからだ。（中略）攻撃者は通話中にリアルタイムで再生できるよう、あらかじめ複数のコンテンツの「クリップ」動画を生成していた可能性が高い。</p>
</blockquote>
<p>この記事は、｢最近の報告によると、テキストからビデオを生成する技術が進化し、近い将来リアルタイムの生成が可能になると予測されている｣とも指摘。チャットで言葉を打つと、他人になりすましたディープフェイクの“アバター”がリアルタイムで会話をする……。そんなことが実現してしまうというのだ。</p>
<p>映像を伴わない音声のみであれば、すでに実現しており、海外を中心にいわゆる「オレオレ詐欺」のような特殊詐欺被害も増えている。</p>
<h2>「AI音声詐欺」も増加</h2>
<p>大手セキュリティ企業の米マカフィーは2023年5月に公開した<a href="https://www.mcafee.com/content/dam/consumer/en-us/resources/cybersecurity/artificial-intelligence/rp-beware-the-artificial-impostor-report.pdf">レポート</a>で、「生成AIを悪用した『音声詐欺』が増加している」と警鐘を鳴らした。</p>
<p>同レポートによると、日本を含む世界7カ国、7054人を対象に調査した結果、AI音声詐欺にあったことがある人は10%で、その被害者のうち77％が金銭を失ったという。3 分の 1 以上が 1000 ドル以上、7% は 5000〜1万5000 ドルを窃取された。</p>
<p>被害者の家族や友人知人を装い、電話やボイスメッセージなどで「交通事故にあった」「強盗にあった」「財布や携帯電話をなくした」「海外旅行中にトラブルにあった」などと伝え、送金を要求する古典的な詐欺。違うのは、その声が犯罪者の声ではなく、犯罪者によって操作された生成AIによるもの、という点だ。</p>
<p>これもディープフェイクの一種。同レポートはオンライン会議やボイスメッセージの増加で、元ネタとなる音声データの入手が容易になっていると指摘する。</p>
<p>ただし、週1回以上、肉声をオンラインで共有する率は、調査対象の7カ国中、日本は最も少なく、音声詐欺の被害にあった人も3％と最下位だった。日本語の壁に守られている側面もあるだろう。</p>
<p>それでも、安心はできない。英語圏で発達したテクロノジー犯罪は、いずれ日本にも上陸する。そもそも高齢化が進む日本は特殊詐欺王国。今後、ディープフェイクによる新たな特殊詐欺が横行する可能性は高い。だからといって、特別な備えをする必要はない。</p>
<p>マカフィーは同レポート内で、「AI音声詐欺に引っかからないための4つの方法」として、人間による特殊詐欺と共通する対応を示している。</p>
<blockquote>
<ol>
	<li>子どもや家族、信頼できる友人と「合言葉」を決める</li>
</ol>
<p>当人同士しか知り得ない合言葉を決めておき、電話、メッセージ、メールで助けを求められた際、必ずそれを確認するようにする。</p>
<ol start="2">
	<li>常に情報源を疑う</li>
</ol>
<p>知らない発信・送信元、または見覚えがあるものであっても、助けを求める電話、メッセージ、メールは、一度立ち止まって考える。詐欺師を困らせるために、「息子の名前を確認したい」「お父さんの誕生日はいつ？」といった具体的な質問をするのも効果的だ。</p>
<ol start="3">
	<li>感情に流されない</li>
</ol>
<p>サイバー犯罪者は、対象者が感情的になって行動を起こすことを期待している。冷静になって「本当にその人の声なのか」「その人が本当にそんなことを頼むだろうか？」と自問し、情報が正しいことを確認する前に返信しないようにする。</p>
<ol start="4">
	<li>知らない番号からの電話に注意</li>
</ol>
<p>知らない電話番号からの予期しない電話には出ない、というのが一般的には賢明。留守番電話やボイスメールでメッセージを残した場合は、考える時間ができ、家族や友人に連絡して確認することもできる。</p>
</blockquote>
<h2>あふれる「AIモデル」</h2>
<p>政治的被害に著作権侵害、ポルノ被害、特殊詐欺まで、ディープフェイクがもたらすリスクは幅広い。それでも自分には関係のない話、と考える人がいるかもしれないが、あなたも迷惑を被る可能性がある。</p>
<p>AIによる創造物は、生活の身近なところに、そうとわからないかたちでひっそりと隠れている――。そうした警鐘を鳴らす投稿が今年1月、Xであった。</p>
<blockquote class="twitter-tweet">
<p lang="ja" dir="ltr">このヘアサロン、AIで出した画像を「美容師が切ったスタイル一覧」に載せててひいた<br />
イメージ画像ですとも付けてないし、これ詐欺にあたらないの？<br />
バレないと思ってるのかな？<br />
<br />
そのうち整形外科もAI画像を症例ですとか言って上げそう <a href="https://t.co/iKYnzjj4Pu">pic.twitter.com/iKYnzjj4Pu</a></p>

— メタトロンA子 (@haisupe_bijo) <a href="https://twitter.com/haisupe_bijo/status/1743418892285014109?ref_src=twsrc%5Etfw">January 5, 2024</a></blockquote>
<p><script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script></p>
<blockquote>
<p>このヘアサロン、AIで出した画像を「美容師が切ったスタイル一覧」に載せててひいた<br />
イメージ画像ですとも付けてないし、これ詐欺にあたらないの？<br />
バレないと思ってるのかな？</p>
<p>そのうち整形外科もAI画像を症例ですとか言って上げそう</p>
</blockquote>
<p><a href="https://twitter.com/haisupe_bijo/status/1743418892285014109" target="_blank" rel="noopener">この投稿</a>は215万件以上閲覧され、7400件以上の「いいね」がつくなど、話題を呼んだ。同様の指摘は以前からもなされている。背景には、安価にオリジナルのAI画像をつくれる環境が整ってきたことに加え、「AIモデル」事業者の躍進もある。</p>
<p>「モデルのキャスティング、カメラマン、場所、日程など 従来であればかなり時間も費用もかかるものを省け、 集客、ブランディングともに無駄なく、効率よく、ベストが出せて とても満足しております」「AIでのスタイル写真だと誰一人気づいておらず、 「こんな風になりたい！」と写真を参考に来店いただいてます」……。</p>
<p>ある大手AIモデル事業者のウェブサイトでは、利用した美容室（ヘアサロン）の声として、こんなコメントを紹介していた。この事業者は、1500店舗以上のヘアサロンからの利用実績があるという。</p>
<p>AIモデルは、通常、広告に使われる。ヘアサロンの大手検索サービス「ホットペッパービューティー」にも進出している。</p>
<p>ホットペッパービューティーを覗いてみると、検索上位の中に、さっそくAIモデルを起用していることを明示している<a href="https://beauty.hotpepper.jp/slnH000308838/blog/bidA073648115.html" target="_blank" rel="noopener">サロン</a>をいくつか見つけることができた。</p>
<p>しかし、AIモデルであることを明かさず、スタイリストと紐づいた「実績」として、かなりのAI画像が使われているという指摘もある。こうした事態に「AIアートになんて負けるものか！」と<a href="https://beauty.hotpepper.jp/slnH000656562/blog/bidA068557672.html" target="_blank" rel="noopener">異を唱えるサロン</a>もある。</p>

<div id="attachment_10639" style="width: 610px" class="wp-caption aligncenter"><img decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-10639" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2024/09/Media10_HotPepper.jpg" alt="" width="600" height="338" class="wp-image-10639" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2024/09/Media10_HotPepper.jpg 1200w, https://think-miyakonojo.jp/images/2024/09/Media10_HotPepper-768x432.jpg 768w" sizes="(max-width: 600px) 100vw, 600px" /><p id="caption-attachment-10639" class="wp-caption-text">「ホットペッパービューティー」内のブログで、AIモデル起用の風潮に疑問を呈するサロンもある</p></div>

<h2>「誤認」しないよう心がける</h2>
<p>「こんなスタイルにしたい」という気づきを与えるための素材として、AIモデルは有効だ。生成AIの能力は日増しに上がっており、ヘアサロンでその人に似合ったスタイルの提案を鏡越しでしてくれるようになる日も近いだろう。</p>
<p>ただし、AIモデルであることを明示せず、そのサロンのスタイリストに紐づけるかたちで広告としてAI画像を羅列した場合、そのスタイリストによる「作品」だと勘違いする消費者も出てくる可能性がある。</p>
<p>お金を払ってサロンに出向き、AI画像のようにならなかった場合、あとからAIだと知ったら「詐欺られた……」と感じてしまうようなことも増えるかもしれない。最初からそうだと知っていれば、行かなかったと。</p>
<p>つまり、サロンが掲載するAI画像は、見る人にとってはディープフェイクにもなり得る。これを、法律用語では「優良誤認」と呼ぶ。</p>
<p>景品表示法第5条第1号は、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められる表示を禁止している。</p>
<p><a href="https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/representation_regulation/misleading_representation">消費者庁</a>によると、一般消費者に対し「(1)実際のものよりも著しく優良であると示すもの」「(2)事実に相違して競争関係にある事業者に係るものよりも著しく優良であると示すもの」がその対象であり、誤って表示してしまった場合であっても、優良誤認表示に該当する場合は「不当表示」として規制されることため注意が必要としている。</p>
<p>翻って、ホットペッパービューティーで用いられているAI画像は優良誤認に相当するのだろうか。これまで措置命令などの摘発事例は報告されておらず、今のところ“グレー”と言わざるを得ない。</p>
<p>ただし、当のホットペッパービューティーは禁止している。運営するリクルートは今年2月、サロン向けのガイダンスで「AI画像の利用を禁止する」と明示。以下はその内容だ。</p>
<blockquote>
<p>【写真・動画に関する広告作成ルール】<br />
◆イメージ画像の使用について<br />
・実際に受けることのできない商品・サービスなどを表すイメージ写真はご使用できません。<br />
・スタイリストに紐づくスタイル写真に著作権フリー写真を使用することはできません。<br />
再現性がないため必ずスタイリストが作ったスタイル写真を使用してください。<br />
※イメージ画像にAI画像/動画も含みます</p>
</blockquote>
<p>つまり、サロンがホットペッパーに掲載しているAI画像はルール違反であることに違いはない。優良誤認を与えかねないリスクであり、そのスタイリストが手がけた素敵なスタイルとモデルさん、だと思っていた画像は、現実には存在しないAI画像なのかもしれない、という認識でいることが重要だ。</p>
<h2>恐れるべきはAIではなく人間</h2>
<p>これまで見てきたように、生成AIの登場とその進化によって、テキスト、画像、動画などのあらゆるコンテンツが日々、新たに生み出されている。中には、人を欺こうとするディープフェイクもまぎれている。しかし、慌てる必要はない。</p>
<p>メディアリテラシーの基本所作である「クリティカルシンキング（批判的思考）」で立ち向かえばいいだけだ。これまで論じてきたことと、なんら変わりはない。</p>
<a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2115/" class="cardlink" target="_blank" rel="noopener noreferrer">
    <div class="cardlink_thumbnail">
        <img decoding="async" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2022/11/medialiteracy2_hero_1440x756.jpg">
    </div>
    <div class="cardlink_content">
        <span class="cardlink_timestamp">2022.11.29</span>
        <div class="cardlink_title">
            「クリティカルシンキング」の本質　<span>誤情報に惑わされないための初歩</span>
        </div>
        <div class="cardlink_excerpt"><span>テーマ「メディアリテラシー」の2回目は、その中核を成す概念であり、メディアリテラシーを身につける初歩でもある「クリティカルシンキング（批判的思考）」について、本質や対訳のあり方も含め、深掘りしていきま...</span></div>
    </div>
    <div class="cardlink_footer"></div>
</a>

<p>即座に信じることはしない。いったん立ち止まり、情報の出どころや内容の信ぴょう性を確認する――。そうした批判的思考の所作が、あなたを生成AIによる新たなリスクから守ることにつながる。</p>
<p>注意を払うべきは、世間を騒がせる愉快犯的なディープフェイクだけではない。目にする動画や画像、テキストなど、あらゆるメディアのあらゆるコンテンツに対して、「他人がつくった偽物かもしれない」と疑ってみることが肝要だ。</p>
<p>発信の向こう側には、だまそうという気持ちをもって拡散や表示をしようと企む人間が一定数いる。その意味では、コンテンツが生成AIによる創造物かどうかはあまり重要ではなく、それよりも、悪意がある輩の存在に気づけるかどうかのほうが大事と言える。</p>
<p>AIがAIの意思で偽物を生成し、発信しているわけではないのだ。</p>The post <a href="https://think-miyakonojo.jp/article/10615/">「ディープフェイク」の脅威と備え <span>生成AI全盛時代の新たなリスク</span></a> first appeared on <a href="https://think-miyakonojo.jp">Think都城</a>.]]></content:encoded>
					
					<wfw:commentRss>https://think-miyakonojo.jp/article/10615/feed/</wfw:commentRss>
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			</item>
		<item>
		<title>学校に浸透するメディアリテラシー教育　NHKの奮闘、先行する欧米</title>
		<link>https://think-miyakonojo.jp/article/5233/?utm_source=rss&#038;utm_medium=rss&#038;utm_campaign=06-%25e5%25ad%25a6%25e6%25a0%25a1%25e3%2581%25ab%25e6%25b5%25b8%25e9%2580%258f%25e3%2581%2599%25e3%2582%258b%25e3%2583%25a1%25e3%2583%2587%25e3%2582%25a3%25e3%2582%25a2%25e3%2583%25aa%25e3%2583%2586%25e3%2583%25a9%25e3%2582%25b7%25e3%2583%25bc%25e6%2595%2599%25e8%2582%25b2%25e3%2580%2580nhk%25e3%2581%25ae%25e5%25a5%25ae</link>
					<comments>https://think-miyakonojo.jp/article/5233/#respond</comments>
		
		<dc:creator><![CDATA[井上 理（いのうえ・おさむ）]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 28 Apr 2023 13:05:55 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[メディアリテラシー]]></category>
		<category><![CDATA[ChatGPT]]></category>
		<category><![CDATA[eラーニング]]></category>
		<category><![CDATA[NHK]]></category>
		<category><![CDATA[SNS]]></category>
		<category><![CDATA[クリティカルシンキング]]></category>
		<category><![CDATA[フェイクニュース]]></category>
		<category><![CDATA[メディアリテラシー指標]]></category>
		<category><![CDATA[偽情報]]></category>
		<category><![CDATA[教育]]></category>
		<category><![CDATA[誤情報]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://think-miyakonojo.jp/?p=5233</guid>

					<description><![CDATA[<p>今回は「メディアリテラシー教育」の最新動向にフォーカス。NHKが全国の小学校と東京のスタジオを結んで展開する授業の様子をご紹介。先行する欧米の教育事情にもキャッチアップします。</p>
The post <a href="https://think-miyakonojo.jp/article/5233/">学校に浸透するメディアリテラシー教育　<span>NHKの奮闘、先行する欧米</span></a> first appeared on <a href="https://think-miyakonojo.jp">Think都城</a>.]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<div class="su-spoiler su-spoiler-style-“fancy” su-spoiler-icon-plus su-spoiler-closed" data-scroll-offset="0" data-anchor-in-url="no"><div class="su-spoiler-title" tabindex="0" role="button"><span class="su-spoiler-icon"></span>テーマ［ メディアリテラシー ］の記事一覧</div><div class="su-spoiler-content su-u-clearfix su-u-trim"><ul class="lcp_catlist" id="lcp_instance_0"><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/12/" target="_blank">メディアリテラシーが必要なワケ［前編］　<span>AIフェイク画像と謎の地下室の示唆</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/1399/" target="_blank">メディアリテラシーが必要なワケ［後編］　<span>インターネットや技術革新の功罪</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2115/" target="_blank">「クリティカルシンキング」の本質　<span>誤情報に惑わされないための初歩</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2189/" target="_blank">実践！ ニセ・誤情報に克つ［前編］　<span>5つの「キー・クエスチョン」で考える</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2262/" target="_blank">実践！ ニセ・誤情報に克つ［後編］　<span>デジタル時代に即した新手法「SIFT」</span></a></li><li class="current"><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/5233/" target="_blank">学校に浸透するメディアリテラシー教育　<span>NHKの奮闘、先行する欧米</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/6613/" target="_blank">デマを“現実”にするSNS時代　<span>昭和と令和の「取り付け騒ぎ」に学ぶ</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/8245/" target="_blank">複雑化する「ステマ」広告 <span>ステマ規制開始でも安心できない消費者</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/9193/" target="_blank">能登半島地震に見るSNSの弊害 <span>そこにある情報がすべてではない</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/10615/" target="_blank">「ディープフェイク」の脅威と備え <span>生成AI全盛時代の新たなリスク</span></a></li></ul></div></div>
<h2>編集によるバイアスを実体験</h2>
<p>「小学生に聞いちゃいましたー！　小学生がメイクをすることに賛成？　反対？」――。</p>
<p>今年3月、茨城県の小学校。小学6年生約30人が集まった教室のテレビに、小学生のメイクについて、小学生に賛否を尋ねる街頭インタビューが映し出された。</p>
<p><img decoding="async" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/medialiteracy06_makeup00-300x169.jpg" alt="" width="600" height="337" class="aligncenter wp-image-5294" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/medialiteracy06_makeup00-300x169.jpg 300w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/medialiteracy06_makeup00-1024x576.jpg 1024w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/medialiteracy06_makeup00-768x432.jpg 768w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/medialiteracy06_makeup00.jpg 1480w" sizes="(max-width: 600px) 100vw, 600px" /></p>
<p><img decoding="async" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/medialiteracy06_makeup01-300x169.jpg" alt="" width="600" height="338" class="aligncenter wp-image-5295" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/medialiteracy06_makeup01-300x169.jpg 300w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/medialiteracy06_makeup01-1024x576.jpg 1024w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/medialiteracy06_makeup01-768x432.jpg 768w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/medialiteracy06_makeup01.jpg 1480w" sizes="(max-width: 600px) 100vw, 600px" /></p>
<p>「友だちと映画館に行くときとか特別な日にメイクをしたい」「オシャレしたいじゃないですか、女子って」「大人になったときに、すっとできる」「いつもと違う顔が見られるからいいと思う（男児）」……。</p>
<p>小学生による前向きな賛成意見が大多数を占め、いったんコーナーは終わる。すると、スタジオのアナウンサーが「じつはこのインタビューなんですけれど、使われなかった意見もあるんです」と切り出し、反対意見を中心に“編集”したVTRも流された。</p>
<p>「小学生のメイクっていうのは、いろんな人から見て『なんだあいつ』みたいになっちゃうし、他にもオシャレの方法はいろいろある」「無理やり女子力上げてるみたいなのは、私はあんまり好きじゃないです」……。</p>
<p>スタジオのアナウンサーは、こう締めた。「情報を受け取るときには、一部しか使われていないかもしれないと考え受け取ることが大切です」。</p>
<p>じつはこの映像、NHKが小学校向けに実施しているメディアリテラシー教育プログラム「<a href="https://www.nhk.or.jp/info/about/ml/school.html" target="_blank" rel="noopener">つながる！NHKメディア・リテラシー教室</a>」向けに特別に制作されたもの。この日は午前の部で4校の5〜6年生84人、午後の部で4校の同112人の児童が参加した。</p>
<h2>「反対意見を伝えないのは不公平」</h2>
<p>NHKメディア・リテラシー教室は、全国3〜4カ所の小学校の教室と、東京・港区のNHK放送博物館をライブでつなぎ、放送博物館にいる進行役のNHKアナウンサーと一緒に楽しみながらメディアリテラシーを身につけてもらう体験型の授業。</p>
<p><img decoding="async" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/medialiteracy06_classroom-300x169.jpg" alt="" width="600" height="338" class="aligncenter wp-image-5293" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/medialiteracy06_classroom-300x169.jpg 300w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/medialiteracy06_classroom-1024x576.jpg 1024w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/medialiteracy06_classroom-768x432.jpg 768w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/medialiteracy06_classroom.jpg 1480w" sizes="(max-width: 600px) 100vw, 600px" /></p>

<div id="attachment_5262" style="width: 610px" class="wp-caption aligncenter"><a href="https://www.nhk.or.jp/info/about/ml/movie/movie_news_013.html" target="_blank" rel="noopener"><img decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-5262" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/literacy06_ss04-300x169.jpg" alt="" width="600" height="338" class="wp-image-5262" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/literacy06_ss04-300x169.jpg 300w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/literacy06_ss04-1024x576.jpg 1024w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/literacy06_ss04-768x432.jpg 768w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/literacy06_ss04.jpg 1480w" sizes="(max-width: 600px) 100vw, 600px" /></a><p id="caption-attachment-5262" class="wp-caption-text">授業の様子は2023年3月3日、NHK「いば６」（茨城県内向け）ほかで紹介された（映像は<a href="https://www.nhk.or.jp/info/about/ml/movie/movie_news_013.html" target="_blank" rel="noopener">こちら</a>）</p></div>

<p>2021（令和3）年6月から実施しており、21年は56校1678人、22年は129校3565人、今年は3月までに39校1216人、合計224校6459人の児童が参加した。</p>
<p>授業では、メイクへの賛否両論のほかに、画角などが違う十数枚のイラストからケーキ屋の魅力を伝えるのに効果的なものを選ぶ課題や、免許証などに使う証明写真の顔の画像をどの程度まで加工してよいか議論する課題などにも取り組んだ。</p>
<p>その様子は、各小学校の地域にあるNHKのローカル局が取り上げたニュース映像で垣間見ることができる。冒頭で紹介した茨城県の小学校での授業風景を取材したNHK茨城「いば6」では、参加した生徒がこう感想を述べていた。</p>
<p>「アップとルーズの見やすさとか、加工していいものといけないようなもののことが分かりました。受け手として、嘘の画像とか騙し動画みたいなものを、気をつけて見ていきたいです」</p>
<p>「アップとルーズ」のルーズは、「引き」の画角のこと。聞き慣れない大人もいるかもしれないが、現代の小学生は4年生の国語にある「アップとルーズで伝える」という単元で学んでいるため、馴染みがある。</p>
<p>ほかにも、「反対意見を伝えないのは不公平」「テレビを見るときは、使われてない映像もあると受け止めることが重要だと思った」といった参加児童の感想を、NHKの<a href="https://www.nhk.or.jp/info/about/ml/school.html" target="_blank" rel="noopener">特設サイト</a>でも確認することができる。</p>
<p><img decoding="async" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/literacy06_ss01-300x169.jpg" alt="" width="600" height="338" class="aligncenter wp-image-5259" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/literacy06_ss01-300x169.jpg 300w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/literacy06_ss01-1024x576.jpg 1024w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/literacy06_ss01-768x432.jpg 768w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/literacy06_ss01.jpg 1480w" sizes="(max-width: 600px) 100vw, 600px" /></p>
<p>この特設サイトには、各地での授業を報道した各ローカル局のニュース映像がアーカイブされている。そこには「各放送局によってニュースの取り上げ方が違うね。見比べてみよう」という文言が添えられている。</p>
<p>自らの報道すらも、メディアリテラシーの一つの教材として提供しているNHK。メディアリテラシー教育は、日本の教育現場にも着実に浸透しつつある。</p>
<p>では、海外ではどうだろうか。</p>
<h2>クイズ形式で楽しめる「Checkology」</h2>
<p>もともと、メディアリテラシーという学問自体が、欧米で発達したこともあり、欧米の教育現場におけるメディアリテラシー教育の歴史は長く、規模も大きい。</p>
<p>近年、米国で大きな影響力を誇るのが、「<a href="https://get.checkology.org/" rel="noopener" target="_blank">Checkology（チェッコロジー）</a>」という中高生向けのeラーニングツールだ。</p>

<div id="attachment_5306" style="width: 750px" class="wp-caption aligncenter"><a href="https://get.checkology.org/" target="_blank" rel="noopener"><img decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-5306" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/medialiteracy06_checkology-300x169.jpg" alt="" width="740" height="417" class="noTrim wp-image-5306" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/medialiteracy06_checkology-300x169.jpg 300w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/medialiteracy06_checkology-1024x576.jpg 1024w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/medialiteracy06_checkology-768x432.jpg 768w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/medialiteracy06_checkology.jpg 1480w" sizes="(max-width: 740px) 100vw, 740px" /></a><p id="caption-attachment-5306" class="wp-caption-text">ニュースリテラシーを学ぶeラーニングツール「<a href="https://get.checkology.org/" target="_blank" rel="noopener">Checkology</a>」。米NPO「ニュース・リテラシー・プロジェクト（News Literacy Project）が提供している</p></div>

<p>Checkologyは、報道の見抜き方に特化した「ニュースリテラシー」を身につけるための“仮想クラスルーム”の教材。学習者は、「ニュースメディアの偏見」「偽情報」「陰謀的思考」など19のテーマを通じて、信頼できる情報を識別し、信頼できる情報源を探し出し、事実に基づく内容と虚偽を区別する能力を養うことができるとしている。</p>
<p>ベースにある必要なスキルは、もちろん「クリティカルシンキング（批判的思考）」である（以下の関連記事を参照）。</p>
<p><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="AIfh025Jvc"><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2115/">「クリティカルシンキング」の本質　誤情報に惑わされないための初歩</a></blockquote><iframe loading="lazy" class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;「クリティカルシンキング」の本質　&lt;span&gt;誤情報に惑わされないための初歩&lt;/span&gt;&#8221; &#8212; Think都城" src="https://think-miyakonojo.jp/article/2115/embed/#?secret=hUM0dVYFOT#?secret=AIfh025Jvc" data-secret="AIfh025Jvc" width="500" height="282" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></p>
<p>それぞれのテーマごとに、米3大テレビネットワークなどのジャーナリストや、教授などの専門家が進行役を務め、テレビ局のニュースルームなどから映像で語りかける。イラストやグラフ、キャプチャなどが映し出され、設問も出てくる。受講者は1テーマにつき約1時間ほどかけて、クイズ番組に参加しているような感覚で学ぶことができる。</p>
<p>例えば「偽情報」のテーマを選ぶと、SNSを専門に研究する女性の大学教授がホストとして登場し、「ハリケーン後に浸水した高速道路をサメが泳ぐ写真」を掲載したツイートや、「米フィラデルフィアのスターバックスでの人種差別事件を受け、スターバックスが有色人種に無料のコーヒーを提供すると発表したというツイート」を紹介。</p>
<p><img decoding="async" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/literacy06_ss06-300x169.jpg" alt="" width="600" height="338" class="aligncenter wp-image-5266" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/literacy06_ss06-300x169.jpg 300w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/literacy06_ss06-1024x576.jpg 1024w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/literacy06_ss06-768x432.jpg 768w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/literacy06_ss06.jpg 1480w" sizes="(max-width: 600px) 100vw, 600px" /></p>
<p><img decoding="async" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/literacy06_ss07-300x169.jpg" alt="" width="600" height="338" class="aligncenter wp-image-5267" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/literacy06_ss07-300x169.jpg 300w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/literacy06_ss07-1024x576.jpg 1024w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/literacy06_ss07-768x432.jpg 768w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/literacy06_ss07.jpg 1480w" sizes="(max-width: 600px) 100vw, 600px" /></p>
<p>「どちらがリアルでしょうか？　どちらもそうではありません」と彼女は言う。</p>
<p>次いで、2016年の米大統領選以降、「フェイクニュース」という言葉の本来の意味がゆらぎ、曖昧になったことを指摘。「正当な報道機関の記事を装い意図的に作り込まれた記事」という本来の意味を4択から選ぶクイズが始まった。正解を選ぶまで先には行けない。</p>
<p>進めていくと、誤・偽情報はさまざまな理由で発生することや、SNSで拡散する誤・偽情報は得てして、怒りや恐怖、好奇心などの感情に訴えてくるという性質があることなどを、時折挟まれるクイズなどを通じて、“大人”の筆者でも楽しんで学ぶことができた。</p>
<h2>大手報道機関や米Appleなどから支援</h2>
<p>19あるテーマはどれも非常に丁寧に作り込まれており、インタラクティブなeラーニング教材としても、映像作品としても秀逸。事例に用いる素材はどれもリアルにあったもので、実際のニュース映像なども多用している。お金がかかっている、という印象だ。</p>
<p>このCheckologyを提供しているのは、米NPO（非営利団体）「ニュース・リテラシー・プロジェクト（News Literacy Project＝NLP）」。NLPは、ピューリッツア賞も受賞した米ロサンゼルス・タイムズ紙の元記者、アラン・ミラー氏が2008年に創設した組織で、2016年3月にCheckologyをリリースした。</p>
<p>教育者向けツールとして一部有償で提供していたが、コロナ禍の2020年、ニュースリテラシー教育の緊急性に鑑み、教育者、学校、および一般消費者向けにもCheckology の全面無償開放へと踏み切った。</p>
<p>NLPによると、2021年9月〜2022年6月までの学年度、全米50州にまたがる1万2500 人以上の教育者がCheckologyを利用し、240 万人以上もの生徒にニュースリテラシーを教えたという。また、2026年までに、毎年、1万5000人の教育関係者が関与し、60万人の新入生がCheckologyを使うことを目標に掲げている。</p>
<p>NLPは教育者向けのコミュニティ組織やニューズレターなども展開。教育者が、生徒の学習進度や理解度などを把握し、管理できる学習管理システムも提供するなど、単なる教材提供にとどまらない包括的なサポート体制を敷いている。</p>
<p>NHKには悪いが、教材のクオリティも利用規模も教育者へのサポートも、比較にはならない。そのはず、社会貢献の一貫として“自腹”で努力しているNHKに対し、NLPは全米の基金やIT企業、報道機関などから、あらゆる支援を得て専業で取り組んでいる。</p>
<p>例えば、米国の著名基金であるナイト財団はNLPの創設時から資金を提供しており、2023年4月までの1年では100万ドル以上を寄附した。米Apple（アップル）も過去1年で同じく100万ドル以上を寄附して支えている。</p>
<p><img decoding="async" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/literacy06_ss05-300x169.png" alt="" width="720" height="405" class="aligncenter wp-image-5264" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/literacy06_ss05-300x169.png 300w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/literacy06_ss05-1024x576.png 1024w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/literacy06_ss05-768x432.png 768w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/literacy06_ss05.png 1480w" sizes="(max-width: 720px) 100vw, 720px" /></p>
<p>ニューヨーク・タイムズ紙、ロスアンゼルス・タイムズ紙といった新聞社に、ブルームバーグやAP通信などの通信社、ABC ニュースやCNNなどのテレビ各局が、教材作成などで協力。ウォールストリート・ジャーナル紙を傘下に持つダウ・ジョーンズの基金や、大手メディア企業のニューズ・コープは過去1年で10万ドル以上の寄附もしている。</p>
<p>こうした、“オールアメリカ”の手厚い支援が、米国のメディアリテラシー教育の現場を活性化させている。</p>
<h2>欧州で5年連続1位のフィンランド</h2>
<p>欧州でも各国の教育現場でメディアリテラシー教育が古くから進む。とりわけ国レベルで強力に推進しているのがフィンランド。結果も出ている。</p>
<p>ジョージ・ソロス氏が設立した国際的な助成財団、オープン・ソサエティ財団のブルガリア版、オープン・ソサエティー・インスティテュート・ソフィアは、毎年欧州各国の「<a href="https://osis.bg/?p=4243&amp;lang=en" rel="noopener" target="_blank">メディアリテラシー指標</a>」を公表している。</p>
<p>2022年10月発表の最新版では、「誤情報へのレジリエンス（耐性）が高い国」として、欧州41カ国のうち、フィンランドは5回連続となる首位を獲得した。</p>
<div class="chart_title">欧州のメディアリテラシー指標</div>
<div class="infogram-embed" data-id="59eb2235-20a5-4c07-a00a-4f37f3edb0a9" data-type="interactive" data-title="Media Literacy Index 2022_EN" style="background-color: white;"></div>
<p><script>!function(e,i,n,s){var t="InfogramEmbeds",d=e.getElementsByTagName("script")[0];if(window[t]&&window[t].initialized)window[t].process&&window[t].process();else if(!e.getElementById(n)){var o=e.createElement("script");o.async=1,o.id=n,o.src="https://e.infogram.com/js/dist/embed-loader-min.js",d.parentNode.insertBefore(o,d)}}(document,0,"infogram-async");</script></p>
<p>そもそも、教育への熱度が高いフィンランド。公教育は充実しており、大学まで無償で通わせることができる。そのなかで、メディアリテラシーもカリキュラムの一部として組み込まれている。</p>
<p>2013年、メディアリテラシー教育の目標を国として策定。主にインターネット上の偽・誤情報を見抜く能力を養う授業に、各校の教員が主体的に取り組んでいる。</p>

<div id="attachment_5268" style="width: 730px" class="wp-caption aligncenter"><a href="https://www.nytimes.com/2023/01/10/world/europe/finland-misinformation-classes.html" target="_blank" rel="noopener"><img decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-5268" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/literacy06_ss09-300x195.jpg" alt="" width="720" height="467" class="wp-image-5268" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/literacy06_ss09-300x195.jpg 300w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/literacy06_ss09-1024x664.jpg 1024w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/literacy06_ss09-768x498.jpg 768w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/04/literacy06_ss09.jpg 1480w" sizes="(max-width: 720px) 100vw, 720px" /></a><p id="caption-attachment-5268" class="wp-caption-text">フィンランドのメディアリテラシー教育を伝える米ニューヨーク・タイムズの<a href="https://www.nytimes.com/2023/01/10/world/europe/finland-misinformation-classes.html" target="_blank" rel="noopener">記事</a></p></div>

<p>今年1月、米ニューヨーク・タイムズ紙はその先進性を伝える記事を掲載した。「<a href="https://www.nytimes.com/2023/01/10/world/europe/finland-misinformation-classes.html" rel="noopener" target="_blank">How Finland Is Teaching a Generation to Spot Misinformation（フィンランドがどのように世代に誤った情報を見抜くように教えているか）</a>」と題した記事で、メディア教育をけん引する国立視聴覚研究所のレオ・ペッカラ所長のコメントをこう引用している。</p>
<p>「体育、数学、国語、なにを教えていようと、その教師は常に『自分の仕事や授業にどうメディアリテラシー教育の要素を組み込むか』を考えなければなりません」</p>
<p>つまり、フィンランドの全教員が生徒にメディアリテラシー教育を施すことが義務づけられているのだ。ただし、その方法については各教員に委ねられている。上記のニューヨーク・タイムズの記事は、こう取り組みを紹介する。</p>
<blockquote>
<p>中学校教員のマルティッカ氏は、情報操作がどれほど簡単かを知るために、自分が持っている動画や写真を編集するよう生徒に指示した。</p>
<p>ヘルシンキの教員であるアンナ・アイラス氏は、生徒に「予防接種」などの単語を検索させ、検索アルゴリズムがどう機能しているか、あるいは検索結果の上位が常に信頼できるとは限らない理由などについて議論した。</p>
<p>ほかの教師は、ロシアによるウクライナへの攻撃の最中、ロシアのニュースサイトや「ミーム（ネットで拡散する情報）」を参照しながら、国家が後押しするプロパガンダの影響について話し合った。</p>
</blockquote>
<p>ロシアによるウクライナ侵攻後、影響が懸念される欧州各国ではメディアリテラシー教育の重要度が増している。国民がネット上の情報に対してどう接するべきか。国として対峙すべき重要事案になっているのだ。</p>
<h2>日本はそう後れているわけではない</h2>
<p>翻って、日本の現状に戻ろう。</p>
<p>「日本のメディアリテラシー教育の現状を、世界との比較も交えて、教えてください」――。話題の対話式文章生成AI「ChatGPT」に、そう聞いてみた。以下がその回答だ。</p>
<blockquote>
<p>日本のメディアリテラシー教育は、近年注目されており、多くの学校で導入されていますが、まだ改善の余地があります。世界と比較すると、日本のメディアリテラシー教育は遅れていると言われています。</p>
<p>例えば、フィンランド、スウェーデン、ノルウェー、オランダ、デンマーク、ドイツ、イギリス、アメリカなど、先進国ではメディアリテラシー教育が進んでおり、教育の中心的な位置を占めています。これらの国々では、メディアリテラシーのためのカリキュラムが整備されており、教員の専門的なトレーニングも行われています。</p>
<p>一方、日本の場合、教育現場ではメディアリテラシー教育の重要性が認識されているものの、具体的な取り組みは不十分と言われています。日本では、メディアリテラシーを教育カリキュラムに組み込むことが必要であり、また、教師のメディアリテラシー教育の研修なども進められる必要があります。</p>
</blockquote>
<p>かなりネガティブな答えだが、概ね、ファクトに基づいた正しい情報、あるいは「そう言えないこともない」という内容でもある。</p>
<p>しかし、人々の印象に最も影響を与えそうな「世界と比較すると、日本のメディアリテラシー教育は遅れていると言われています」という部分について、明確に“裏を取る”、つまり確認することはできなかった。</p>
<p>ちなみに、先に紹介したオープン・ソサエティー・インスティテュート・ソフィアによる欧州のメディアリテラシー指標をベースに、日本や米国、韓国など欧州以外の9カ国（下記表の色付き）を独自に追加した「<a href="https://medialiteracynow.org/a-new-index-shows-that-the-us-scores-low-on-media-literacy-education/" rel="noopener" target="_blank">メディアリテラシー教育</a>」の調査結果がある。</p>
<div class="chart">
<div class="chart_title">「メディアリテラシー教育」の各国スコア</div>
<div class="flex_wrap">
<table class="media-li">
<tbody>
<tr>
<th class="media-li">順位</th>
<th class="media-li">国</th>
<th class="media-li">スコア</th>
</tr>
<tr>
<th class="rank">1</th>
<td>フィンランド</td>
<td>77</td>
</tr>
<tr>
<th class="rank">2</th>
<td>デンマーク</td>
<td>72</td>
</tr>
<tr>
<th class="rank">3</th>
<td>スウェーデン</td>
<td>71</td>
</tr>
<tr>
<th style="background-color: #faebd7;" class="rank">4</th>
<td class="mj">カナダ</td>
<td class="mj">71</td>
</tr>
<tr>
<th class="rank">5</th>
<td>エストニア</td>
<td>69</td>
</tr>
<tr>
<th class="rank">6</th>
<td>アイルランド</td>
<td>69</td>
</tr>
<tr>
<th class="rank">7</th>
<td>オランダ</td>
<td>68</td>
</tr>
<tr>
<th style="background-color: #faebd7;" class="rank">8</th>
<td class="mj">ニュージーランド</td>
<td class="mj">66</td>
</tr>
<tr>
<th class="rank">9</th>
<td>ベルギー</td>
<td>63</td>
</tr>
<tr>
<th style="background-color: #faebd7;" class="rank">10</th>
<td class="mj">オーストラリア</td>
<td class="mj">62</td>
</tr>
<tr>
<th style="background-color: #faebd7;" class="rank">11</th>
<td class="mj">韓国</td>
<td class="mj">62</td>
</tr>
<tr>
<th class="rank">12</th>
<td>英国</td>
<td>61</td>
</tr>
<tr>
<th class="rank">13</th>
<td>アイスランド</td>
<td>61</td>
</tr>
<tr>
<th class="rank">14</th>
<td>ポルトガル</td>
<td>61</td>
</tr>
<tr>
<th style="background-color: #faebd7;" class="rank">15</th>
<td class="mj">米国</td>
<td class="mj">61</td>
</tr>
<tr>
<th style="background-color: #faebd7;" class="rank">16</th>
<td class="mj">日本</td>
<td class="mj">60</td>
</tr>
</tbody>
</table>
<table class="media-li">
<tbody>
<tr>
<th class="media-li">順位</th>
<th class="media-li">町村</th>
<th class="media-li">スコア</th>
</tr>
<tr>
<th class="rank">17</th>
<td>ドイツ</td>
<td>60</td>
</tr>
<tr>
<th class="rank">18</th>
<td>オーストリア</td>
<td>59</td>
</tr>
<tr>
<th class="rank">19</th>
<td>ルクセンブルク</td>
<td>57</td>
</tr>
<tr>
<th class="rank">20</th>
<td>フランス</td>
<td>57</td>
</tr>
<tr>
<th class="rank">21</th>
<td>スロベニア</td>
<td>57</td>
</tr>
<tr>
<th class="rank">22</th>
<td>スペイン</td>
<td>56</td>
</tr>
<tr>
<th class="rank">23</th>
<td>ポーランド</td>
<td>55</td>
</tr>
<tr>
<th class="rank">24</th>
<td>リトアニア</td>
<td>53</td>
</tr>
<tr>
<th class="rank">25</th>
<td>チェコ</td>
<td>53</td>
</tr>
<tr>
<th class="rank">26</th>
<td>ラトビア</td>
<td>51</td>
</tr>
<tr>
<th class="rank">27</th>
<td>イタリア</td>
<td>49</td>
</tr>
<tr>
<th style="background-color: #faebd7;" class="rank">28</th>
<td class="mj">イスラエル</td>
<td class="mj">47</td>
</tr>
<tr>
<th class="rank">｜</th>
<td>｜</td>
<td>｜</td>
</tr>
<tr>
<th style="background-color: #faebd7;" class="rank">42</th>
<td class="mj">コロンビア</td>
<td class="mj">19</td>
</tr>
<tr>
<th style="background-color: #faebd7;" class="rank">43</th>
<td class="mj">メキシコ</td>
<td class="mj">17</td>
</tr>
<tr>
<th class="rank">44</th>
<td>北マケドニア</td>
<td>16</td>
</tr>
</tbody>
</table>
</div>
<div class="wp-caption-text"><span>出所：米NPO「Media Literacy Now」。2021年の調査結果</span></div>
</div>
<p>米国のNPO「メディアリテラシー・ナウ（Media Literacy Now＝MLN）」が2021年に公表したもので、日本は調査対象の44カ国中16位。米国は15位で「メディアリテラシー教育の分野で、米国はほかの多くの国に後れを取っていることがわかりました」としている。</p>
<p>ドイツ・フランス・スペインなど欧州各国より上位、という見方では、そこまで悪いわけではない。中位に位置している、と見ることもできる。ただし、カナダや韓国、英国より下位という点で、米国からすれば「後れ」になるということか。</p>
<p>日本が後れをとっているかどうかはさておき、まさに、こうした「まずは自分で調べてみる」「分析して議論する」ということを教室で行うことが、今、教育現場で求められている。</p>
<p>その萌芽や動きは至るところにある。NHKだけではない。ニュースアプリのスマートニュース傘下の「スマートニュース メディア研究所」は、小学校から大学まで幅広い生徒がメディアリテラシーを学べる独自の教材やゲームを開発。実際に、全国の学校へ研究員やジャーナリストを授業に派遣して<a href="https://smartnews-smri.com/literacy_category/practice/" rel="noopener" target="_blank">授業実践例</a>を積み上げている。</p>
<p>実践例はまだ少ないが、「全国の先生方の授業作りの参考となれば幸い」とし、授業の様子を伝えるレポートや、実際に授業で使ったワークシートなども、無料でダウンロードできるようにしている。</p>
<p>一方、2017（平成29）年、学習指導要領が改訂され、国語科の「知識および技能」の領域に「情報の扱い方」が加わった。「情報の信頼性の確かめ方を理解し使うこと」などが明記され、メディアリテラシーを育む実践的な授業を増やす気運は高まっていると言える。</p>
<p>じつは、前出のChatGPTの回答には、続きがあった。</p>
<blockquote>
<p>総じて、日本のメディアリテラシー教育は、今後の改善が望まれています。世界的なトレンドを追い、カリキュラムの整備や教員の研修などを進めることで、より充実したメディアリテラシー教育が実現することを期待しています。</p>
</blockquote>
<p>この“メッセージ”に関しては正しいと言えよう。AIも、教育関係者の奮闘に期待を寄せている。</p>
<p style="text-align: right;">（<a href="https://think-miyakonojo.jp/article/6613/">次回</a>に続く）</p>
<p><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="wesp9dQbKN"><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/6613/">デマを“現実”にするSNS時代　昭和と令和の「取り付け騒ぎ」に学ぶ</a></blockquote><iframe loading="lazy" class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;デマを“現実”にするSNS時代　&lt;span&gt;昭和と令和の「取り付け騒ぎ」に学ぶ&lt;/span&gt;&#8221; &#8212; Think都城" src="https://think-miyakonojo.jp/article/6613/embed/#?secret=tyQS4tgEHK#?secret=wesp9dQbKN" data-secret="wesp9dQbKN" width="500" height="282" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></p>The post <a href="https://think-miyakonojo.jp/article/5233/">学校に浸透するメディアリテラシー教育　<span>NHKの奮闘、先行する欧米</span></a> first appeared on <a href="https://think-miyakonojo.jp">Think都城</a>.]]></content:encoded>
					
					<wfw:commentRss>https://think-miyakonojo.jp/article/5233/feed/</wfw:commentRss>
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			</item>
		<item>
		<title>実践！ ニセ・誤情報に克つ［後編］　デジタル時代に即した新手法「SIFT」</title>
		<link>https://think-miyakonojo.jp/article/2262/?utm_source=rss&#038;utm_medium=rss&#038;utm_campaign=03-%25e5%25ae%259f%25e8%25b7%25b5%25ef%25bc%2581-%25e5%2581%25bd%25e3%2583%25bb%25e8%25aa%25a4%25e6%2583%2585%25e5%25a0%25b1%25e3%2581%25ab%25e5%2585%258b%25e3%2581%25a4%25ef%25bc%25bb%25e5%25be%258c%25e7%25b7%25a8%25ef%25bc%25bd%25e3%2580%2580%25e3%2583%2587%25e3%2582%25b8%25e3%2582%25bf%25e3%2583%25ab%25e6%2599%2582</link>
					<comments>https://think-miyakonojo.jp/article/2262/#respond</comments>
		
		<dc:creator><![CDATA[井上 理（いのうえ・おさむ）]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 07 Dec 2022 15:00:24 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[メディアリテラシー]]></category>
		<category><![CDATA[AI]]></category>
		<category><![CDATA[SNS]]></category>
		<category><![CDATA[ウクライナ]]></category>
		<category><![CDATA[クリティカルシンキング]]></category>
		<category><![CDATA[ファクトチェック]]></category>
		<category><![CDATA[フェイクニュース]]></category>
		<category><![CDATA[マスメディア]]></category>
		<category><![CDATA[ロシア]]></category>
		<category><![CDATA[批判的思考]]></category>
		<category><![CDATA[誤情報]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://think-miyakonojo.jp/?p=2262</guid>

					<description><![CDATA[<p><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2189/" target="_blank" rel="noopener">前編</a>からの続きです。後編では、デジタル時代に即した新しいメディアリテラシーの手法を紹介します。本テーマの最終回です。</p>
The post <a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2262/">実践！ ニセ・誤情報に克つ［後編］　<span>デジタル時代に即した新手法「SIFT」</span></a> first appeared on <a href="https://think-miyakonojo.jp">Think都城</a>.]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<div class="su-spoiler su-spoiler-style-“fancy” su-spoiler-icon-plus su-spoiler-closed" data-scroll-offset="0" data-anchor-in-url="no"><div class="su-spoiler-title" tabindex="0" role="button"><span class="su-spoiler-icon"></span>テーマ［ メディアリテラシー ］の記事一覧</div><div class="su-spoiler-content su-u-clearfix su-u-trim"><ul class="lcp_catlist" id="lcp_instance_0"><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/12/" target="_blank">メディアリテラシーが必要なワケ［前編］　<span>AIフェイク画像と謎の地下室の示唆</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/1399/" target="_blank">メディアリテラシーが必要なワケ［後編］　<span>インターネットや技術革新の功罪</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2115/" target="_blank">「クリティカルシンキング」の本質　<span>誤情報に惑わされないための初歩</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2189/" target="_blank">実践！ ニセ・誤情報に克つ［前編］　<span>5つの「キー・クエスチョン」で考える</span></a></li><li class="current"><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2262/" target="_blank">実践！ ニセ・誤情報に克つ［後編］　<span>デジタル時代に即した新手法「SIFT」</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/5233/" target="_blank">学校に浸透するメディアリテラシー教育　<span>NHKの奮闘、先行する欧米</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/6613/" target="_blank">デマを“現実”にするSNS時代　<span>昭和と令和の「取り付け騒ぎ」に学ぶ</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/8245/" target="_blank">複雑化する「ステマ」広告 <span>ステマ規制開始でも安心できない消費者</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/9193/" target="_blank">能登半島地震に見るSNSの弊害 <span>そこにある情報がすべてではない</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/10615/" target="_blank">「ディープフェイク」の脅威と備え <span>生成AI全盛時代の新たなリスク</span></a></li></ul></div></div>

<h2>警鐘を鳴らす在日米国大使館</h2>
<p>2022（令和4）年4月、在日米国大使館の公式マガジン「アメリカン・ビュー」は、「メディアリテラシー」に関する興味深い記事を掲載した。</p>

<div id="attachment_2264" style="width: 510px" class="wp-caption aligncenter"><a href="https://amview.japan.usembassy.gov/how-to-tell-fact-from-fiction-online-even-in-wartime/" target="_blank" rel="noopener"><img decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-2264" class="wp-image-2264" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_americanview-300x234.jpg" alt="" width="500" height="390" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_americanview-300x234.jpg 300w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_americanview-768x599.jpg 768w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_americanview.jpg 1000w" sizes="(max-width: 500px) 100vw, 500px" /></a><p id="caption-attachment-2264" class="wp-caption-text">「メディアリテラシー」に関する記事を掲載した「<a href="https://amview.japan.usembassy.gov/how-to-tell-fact-from-fiction-online-even-in-wartime/" rel="noopener" target="_blank">アメリカン・ビュー</a>」</p></div>

<p>「戦時でも正しいオンライン情報と作り話を見分ける」と題された<a href="https://amview.japan.usembassy.gov/how-to-tell-fact-from-fiction-online-even-in-wartime/" target="_blank" rel="noopener">記事</a>は、こんな書き出しから始まる。</p>
<p>「何百万人もの人がウラジーミル・プーチンによるウクライナへの理不尽な戦争の情報をオンラインで、そして時にはリアルタイムで共有しているなか、どの報道が真実なのかを見極めることが難しくなっています」</p>

<div id="attachment_2363" style="width: 510px" class="wp-caption aligncenter"><img decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-2363" class="wp-image-2363" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_hero-300x158.jpg" alt="" width="500" height="263" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_hero-300x158.jpg 300w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_hero-1024x538.jpg 1024w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_hero-768x403.jpg 768w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_hero.jpg 1440w" sizes="(max-width: 500px) 100vw, 500px" /><p id="caption-attachment-2363" class="wp-caption-text">ロシア軍によるウクライナへの攻撃で破壊された街<span>（写真：SYNEL / PIXTA）</span></p></div>

<p>2022年2月から始まったロシア軍によるウクライナ侵攻後、地上での戦闘に加えて「情報戦」も激しさを増している。</p>
<p>憂慮する欧米では、改めてメディアリテラシーに注目が集まり、啓発する動きが高まった。そして米政府は、日本国民を対象とした啓発にも動き出した。その一つが、アメリカン・ビューの記事だ。</p>
<p>この記事自体、米政府による日本向けのプロパガンダなのではないか、と見る向きもあるだろう。だが、主題はあくまでメディアリテラシー。記事は「SIFT」と呼ばれる、オンライン情報の真偽を見極める手法の紹介へと続く。</p>
<h2>4つのステップから成る「SIFT」</h2>
<p>クリティカルシンキングをどう実践していけば良いのか。前編では、メディアリテラシーのグローバル・スタンダードと言うべき5つの「コア・コンセプト」と、それらに紐づく5つの「キー・クエスチョン」を紹介した。</p>
<p><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="AsWVuT4SU7"><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2189/">実践！ ニセ・誤情報に克つ［前編］　5つの「キー・クエスチョン」で考える</a></blockquote><iframe loading="lazy" class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;実践！ ニセ・誤情報に克つ［前編］　&lt;span&gt;5つの「キー・クエスチョン」で考える&lt;/span&gt;&#8221; &#8212; Think都城" src="https://think-miyakonojo.jp/article/2189/embed/#?secret=0Yk2U2DB1G#?secret=AsWVuT4SU7" data-secret="AsWVuT4SU7" width="500" height="282" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></p>
<p>ただし、時代とともにメディアは多様化しており、メディアリテラシーの手法もまた進化している。その代表格が米大使館も紹介しているSIFT というわけだ。</p>
<p>SIFTは、デジタルリテラシーの専門家、ワシントン州立大学のマイク・コールフィールド氏が提唱するメディアリテラシーを身につけるための比較的新しい手法で、2017年からSIFTを学生に教えている。</p>
<p>ネット上に溢れる情報の真偽を誰でも簡単に確認するための4つステップから成り、それぞれの頭文字をとってSIFTと名付けられた。「sift」という英単語には「ふるいにかける」という意味もある。</p>
<div class="chart">
<div class="chart_title">SIFT の4つのステップ</div>
<table class="tb_media01 tb_media03">
<tbody>
<tr>
<th class="media-li" rowspan="2">S</th>
<td class="media-li">Stop</td>
</tr>
<tr>
<td>一旦立ち止まって考えよう</td>
</tr>
<tr>
<th class="info-li" rowspan="2">I</th>
<td class="info-li">Investigate the source</td>
</tr>
<tr>
<td>ソースを調査しよう</td>
</tr>
<tr>
<th class="media-li" rowspan="2">F</th>
<td class="media-li">Find better coverage</td>
</tr>
<tr>
<td>よりよい報道を見つけよう</td>
</tr>
<tr>
<th class="info-li" rowspan="2">T</th>
<td class="info-li">Trace claims, quotes, and media to the original context</td>
</tr>
<tr>
<td>主張、引用、およびメディアファイルをオリジナルの文脈まで辿ろう</td>
</tr>
</tbody>
</table>
<div class="wp-caption-text"><span>出所：Hapgood。対訳はMITテクノロジーレビューから引用</span></div>
</div>
<p>近年、欧米のメディアリテラシー界隈で注目を浴びており、米紙「<a href="https://www.nytimes.com/2021/02/18/opinion/fake-news-media-attention.html" target="_blank" rel="noopener">The New York Times</a>（ニューヨーク・タイムズ）」や、米マサチューセッツ工科大学（MIT）による科学技術誌「<a href="https://www.technologyreview.jp/s/269876/how-to-avoid-sharing-bad-information-about-russias-invasion-of-ukraine/" target="_blank" rel="noopener">MIT Technology Review</a>（MITテクノロジーレビュー）」もコールフィールド氏が提唱するSIFTを大きく取り上げている。</p>

<div id="attachment_2268" style="width: 510px" class="wp-caption aligncenter"><a href="https://www.nytimes.com/2021/02/18/opinion/fake-news-media-attention.html" target="_blank" rel="noopener"><img decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-2268" class="wp-image-2268" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_newyorktimes-300x204.jpg" alt="" width="500" height="340" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_newyorktimes-300x204.jpg 300w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_newyorktimes-768x522.jpg 768w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_newyorktimes-794x540.jpg 794w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_newyorktimes-884x600.jpg 884w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_newyorktimes.jpg 1000w" sizes="(max-width: 500px) 100vw, 500px" /></a><p id="caption-attachment-2268" class="wp-caption-text">SIFTを大きく取り上げた「<a href="https://www.nytimes.com/2021/02/18/opinion/fake-news-media-attention.html" rel="noopener" target="_blank">The New York Times</a>」の記事</p></div>

<p>では、具体的にどう実践すればいいのか、4つのステップを個別に見ていく。</p>
<h2>まず、立ち止まる</h2>
<p>最初のステップ「Stop」について、コールフィールド氏のブログ「<a href="https://hapgood.us/2019/06/19/sift-the-four-moves/" target="_blank" rel="noopener">Hapgood</a>」にあるSIFTのウェブページはこう説明している。</p>
<blockquote>
<p>Stop（立ち止まる）</p>
<p>まず、そのウェブページや投稿にアクセスして読み始めたら、一旦停止。そのウェブサイトや、情報のソース（情報源）のことをあなたが知っているのかどうか、その主張やウェブサイトの「評判」をわかっているのかどうか、自問してください。（中略）それが何であるかが理解できるまで、読み進めたり、他人に共有したりしないでください。</p>
</blockquote>
<p>これまで見てきたメディアリテラシーの基本概念であるクリティカルシンキングや、伝統的な理論である5つのコンセプトにも共通しているが、SIFTは「まず、立ち止まる」ことを強烈に推奨している点が特徴的だ。</p>
<p>反射的な行動が誤情報の拡散につながるという研究結果がある。米MITが実施したTwitterに関する研究成果が2018年、米科学誌「Science（サイエンス）」に掲載された。それによると、誤情報やフェイクニュースが10回リツイートされる速度は正しい情報と比べて約20倍速く、1500人に伝わる速度は正しい情報が伝わる速度の6倍速かったという。</p>
<p>誤った情報は驚きを生む。驚きは反射的な行動につながる。その結果、拡散のスピードもアップする。だからこそ、「Stop」が大事になってくる。前出のMITテクノロジーレビューの記事は、コールフィールド氏の言葉を引用しながらこう説明している。</p>
<blockquote>
<p>コールフィールドは、ウクライナのニュースに関しては、「Stop」に重点を置くべきだと言う。つまり、表示された投稿に反応したり投稿を共有したりする前に、立ち止まって考えようということだ。</p>
<p>コールフィールドは、「周囲の人々に対して真っ先に自分がその話を共有することで、自分がそのニュースを教えてあげたことにしたいという衝動に駆られるのは、人間なら仕方がないことです」と言う。ジャーナリストは日々、その衝動に気をつけている。しかし、これは誰しもが気をつけなければならないポイントだ。現在のように、情報が次々と舞い込んでくる状況であれば、なおさらだ。</p>
</blockquote>
<h2>情報源を調査し、より良い報道を探す</h2>
<p>続くステップである「Investigate the source（情報源の調査）」について、コールフィールド氏はこう解説している。</p>
<blockquote>
<p>Investigate the source（情報源の調査）</p>
<p>ここでの考え方は、読む前に何を読んでいるかを知っておきたい、ということ。ソース（情報源・出所）の専門知識やアジェンダを知ることは、記事や投稿の発言を解釈するうえで非常に重要です。読む前に 60 秒かけてそのメディアや投稿の出所を把握することは、その記事に時間を費やす価値があるかどうかの判断に役立ちます。</p>
</blockquote>
<p>わかりやすく言えば、「読む前に、出所を確認せよ」ということ。ただし、その出所にこだわりすぎるのはよくない。これは、次なるステップ「Find better coverage（より良い報道を探す）」と合わせて考えるべきだ。</p>
<blockquote>
<p>Find better coverage（より良い報道を探す）</p>
<p>例えば「コアラを救う基金」という組織から発信された「コアラが絶滅したと宣言された」という記事を受け取った場合、その記事の情報源を調査するのではなく、いったん外に出て、このトピックに関するほかの記事や情報源を見つけることが最善策かもしれません。</p>
<p>重要なのは、複数の情報源をスキャンし、専門家のコンセンサスがどのようなものか、確認すること。より適した「他のカバレッジを見つける」ことをお勧めします。より信頼できる、より詳細で多様なカバレッジです。</p>
</blockquote>
<p>そのウェブサイトや投稿が情報源としている出所自体が誤情報を流している場合、その出所にこだわるのは危険であり、時間の無駄にもなる。上記の例の場合、いったん当該のサイトやその情報源から離れ、「Google」などで「コアラ 絶滅」と検索し、別の情報源を当たってみよう、ということを推奨している。</p>
<p>そして、最後のステップ「Trace claims, quotes, and media back to the original context（主張・引用・写真や動画を、オリジナルの文脈まで辿る）」に到達する。</p>
<h2>デジタルに対応したクリティカルシンキング</h2>
<blockquote>
<p>Trace claims, quotes, and media back to the original context（主張・引用・写真や動画を、オリジナルの文脈まで辿る）</p>
<p>私たちがインターネットで見つけるものの多くは、文脈が取り除かれています。（中略）その写真は本物のように見えるかもしれませんが、キャプションによって誤解を招く可能性があります。新しい治療法についてのその主張は研究結果に基づいているとしていても、引用している研究論文が本当にそう述べているかどうか、定かではありません。</p>
<p>このような場合、主張、引用、または写真や動画などのメディアファイルを、オリジナルの発信元まで遡って追跡しましょう。元の文脈を確認し、あなたが見たバージョンが正確に引用しているかどうかを把握できます。</p>
</blockquote>
<p>元のソース情報を発信した組織や人の意図や文脈に反して、その一部が切り取られ、別の文脈で使われてしまうこともあり得る。そのため、オリジナルまで辿り、最初の情報がどのように発信されているか確認することも重要だという。</p>
<p>これらを実践することでコールフィールド氏は、「主張の誤り、あるいは、（根拠となっている）情報源が人を騙そうとしていること、などを見抜くことができる。そうではなくとも、インターネットやウェブサイトが切り取りがちな文脈を再構築することで、実りのあるデジタル情報との関わりを保てる」としている。</p>
<p>デジタル情報の真偽確認に特化したSIFTについて、メディアリテラシーに詳しい法政大学キャリアデザイン学部の坂本旬教授は、こう評価する。</p>

<div id="attachment_2294" style="width: 260px" class="wp-caption alignright"><img decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-2294" class="wp-image-2294" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3_sakamoto-265x300.jpg" alt="" width="250" height="283" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3_sakamoto-265x300.jpg 265w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3_sakamoto.jpg 600w" sizes="(max-width: 250px) 100vw, 250px" /><p id="caption-attachment-2294" class="wp-caption-text">法政大学キャリアデザイン学部の坂本旬教授</p></div>

<p>「SIFTは伝統的なメディアリテラシーではなく、『デジタル情報リテラシー』を育むもの。ユネスコが定義する『メディア情報リテラシー』、つまり、広義のメディアリテラシーをアップデートする手法です」</p>
<p>「コールフィールド氏らクリティカルシンキングが不完全だと考える研究者たちは『クリティカルシンキングがある人でも騙されてしまう時代』と言っています。それは、『歴史学者が紙ベースで考えるようなクリティカルシンキングでは足りない』という意味。つまり、デジタル時代に対応した新しいクリティカルシンキングが必要だと言っている。そう理解すべきだと考えます」</p>
<h2>私たちはなぜ騙されるのか</h2>
<p>メディア自体がデジタルによって多様化し、その伝達手法も、あるいは悪意をもって騙す技法もまた、多様化している。そうしたなか、防衛する側のメディアリテラシーも多様化して対応していく必要がある。その意味で、日本の総務省が一般に配布しているメディアリテラシー教材は、多くの示唆を与えてくれる。</p>
<p>2022年6月、総務省はニセ・誤情報の存在を知り、備えるための啓発教育教材「<a href="https://www.soumu.go.jp/use_the_internet_wisely/special/nisegojouhou/" target="_blank" rel="noopener">インターネットとの向き合い方～ニセ・誤情報に騙されないために～</a>」を公開した。</p>
<p>若年層から成年層まで幅広い年齢を対象とした60分程度の講義向けで、全66ページのスライドから成る大作。講師向けガイドラインもある。都城市はさっそく2022年7月、この教材を用いた<a href="https://miyakonojo.site/events/01G6R7EVDD2WYZ9CYXYHQS34ZV" target="_blank" rel="noopener">講座</a>を実施するなど、全国の自治体での活用も広がっている。</p>

<div id="attachment_2293" style="width: 510px" class="wp-caption aligncenter"><img decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-2293" class="wp-image-2293" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_miyakonojo-300x180.jpg" alt="" width="500" height="300" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_miyakonojo-300x180.jpg 300w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_miyakonojo-768x461.jpg 768w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_miyakonojo.jpg 1000w" sizes="(max-width: 500px) 100vw, 500px" /><p id="caption-attachment-2293" class="wp-caption-text">2022年7月に都城市役所が実施した講座の風景</p></div>

<p>総務省の教材「PART2 私たちはなぜ騙されるのか」では、「特価品5980円」「<span style="text-decoration: line-through;">15000円</span>5980円」どちらの表示が気になるか、同じ光景を観ているのに「ホームランだ」「ファールだ」と意見が分かれるのはなぜかを問いかけ、こう説明している。</p>
<blockquote>
<p>人は、自分の願望や経験、思い込み、周囲の環境によって、無意識のうちに合理的ではない行動、偏った判断をすることがあります。「認知バイアス」と呼ばれるこの現象は、私たちの生活の様々な場面で起きています。</p>
<p>「認知バイアス」を別の言葉で表現すると…人は信じたいものを選ぶ</p>
<p>「ニセ・誤情報」には、誰かに教えたい要素、感情に訴える要素があるため共感・拡散されやすいのです。</p>
</blockquote>

<div id="attachment_2265" style="width: 510px" class="wp-caption aligncenter"><img decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-2265" class="wp-image-2265" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_bias-300x169.jpg" alt="" width="500" height="281" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_bias-300x169.jpg 300w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_bias-1024x576.jpg 1024w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_bias-768x432.jpg 768w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_bias.jpg 1480w" sizes="(max-width: 500px) 100vw, 500px" /><p id="caption-attachment-2265" class="wp-caption-text">「認知バイアス」を別の言葉で表現すると…人は信じたいものを選ぶ<span>（総務省「<a href="https://www.soumu.go.jp/use_the_internet_wisely/special/nisegojouhou/" target="_blank" rel="noopener">インターネットとの向き合い方～ニセ・誤情報に騙されないために～</a>」より）</span></p></div>

<p>そのほか、SNSなどのアルゴリズム機能により、ユーザーの観点に合わない情報から隔離され、自身の考え方や価値観の「バブル（泡）」の中に孤立するという情報環境「フィルターバブル」や、人工知能（AI）による「ディープフェイク」など、技術の進歩に伴う弊害にも言及している。</p>

<div id="attachment_2266" style="width: 510px" class="wp-caption aligncenter"><img decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-2266" class="wp-image-2266" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_bubble-300x169.jpg" alt="" width="500" height="281" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_bubble-300x169.jpg 300w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_bubble-1024x576.jpg 1024w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_bubble-768x432.jpg 768w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_bubble.jpg 1480w" sizes="(max-width: 500px) 100vw, 500px" /><p id="caption-attachment-2266" class="wp-caption-text">「フィルターバブル」は気付けない！<span>（同上）</span></p></div>

<p>騙された結果、どうなるのか。教材は、海外で携帯電話の基地局が破壊された事件や、拡散によって損害賠償請求された事件など、ニセ・誤情報が引き起こした具体事例をもって説明する。詳しくは<a href="https://www.soumu.go.jp/use_the_internet_wisely/special/nisegojouhou/data/file01.pdf" target="_blank" rel="noopener">引用元</a>をご覧いただきたい。</p>
<p>そして、騙されないためのチェック項目では、「情報源はある？」「その画像は本物？」など基本4項目、「知り合いだからという理由だけで信じていないか？」「表やグラフも疑ってみた？」など応用4項目が並ぶ。</p>

<div id="attachment_2267" style="width: 510px" class="wp-caption aligncenter"><img decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-2267" class="wp-image-2267" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_check-300x169.jpg" alt="" width="500" height="281" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_check-300x169.jpg 300w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_check-1024x576.jpg 1024w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_check-768x432.jpg 768w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-2_check.jpg 1480w" sizes="(max-width: 500px) 100vw, 500px" /><p id="caption-attachment-2267" class="wp-caption-text">騙されないためのチェック項目<span>（同上）</span></p></div>

<p>前編で紹介した「さぎしかな」や、先に紹介したSIFTと同じような項目もあれば、それらにはない項目も。この総務省によるチェックもまた、デジタル時代に対応した新しいメディアリテラシー、新しいクリティカルシンキングの手法の一つと言える。</p>
<p>締めの言葉は、「騙されやすいのは『自分は騙されない』と安心している人」。</p>
<p>やはり、「鵜呑みにしない」「立ち止まる」というクリティカルシンキングの基本姿勢が最も大切な所作であることに違いはない。</p>
<p>しかし、それさえ身につけば、怖がることはない。</p>
<p>インターネットやSNSの恩恵を存分に受け、ときには「こんなこと言っているけれど、違うよね」と、ある意味、楽しみながら、膨大なデジタル情報の海を泳いでほしい。</p>
<p style="text-align: right;">（<a href="https://think-miyakonojo.jp/article/5233/">次回</a>に続く）</p>
<p><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="yUG98tpZZ9"><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/5233/">学校に浸透するメディアリテラシー教育　NHKの奮闘、先行する欧米</a></blockquote><iframe loading="lazy" class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;学校に浸透するメディアリテラシー教育　&lt;span&gt;NHKの奮闘、先行する欧米&lt;/span&gt;&#8221; &#8212; Think都城" src="https://think-miyakonojo.jp/article/5233/embed/#?secret=q46ROeRfcL#?secret=yUG98tpZZ9" data-secret="yUG98tpZZ9" width="500" height="282" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></p>The post <a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2262/">実践！ ニセ・誤情報に克つ［後編］　<span>デジタル時代に即した新手法「SIFT」</span></a> first appeared on <a href="https://think-miyakonojo.jp">Think都城</a>.]]></content:encoded>
					
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		<item>
		<title>実践！ ニセ・誤情報に克つ［前編］　5つの「キー・クエスチョン」で考える</title>
		<link>https://think-miyakonojo.jp/article/2189/?utm_source=rss&#038;utm_medium=rss&#038;utm_campaign=03-%25e5%25ae%259f%25e8%25b7%25b5%25ef%25bc%2581-%25e5%2581%25bd%25e3%2583%25bb%25e8%25aa%25a4%25e6%2583%2585%25e5%25a0%25b1%25e3%2581%25ab%25e5%2585%258b%25e3%2581%25a4%25ef%25bc%25bb%25e5%2589%258d%25e7%25b7%25a8%25ef%25bc%25bd%25e3%2580%25805%25e3%2581%25a4%25e3%2581%25ae%25e3%2580%258c%25e3%2582%25ad%25e3%2583%25bc</link>
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		<dc:creator><![CDATA[井上 理（いのうえ・おさむ）]]></dc:creator>
		<pubDate>Tue, 06 Dec 2022 15:00:37 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[メディアリテラシー]]></category>
		<category><![CDATA[SNS]]></category>
		<category><![CDATA[X（Twitter）]]></category>
		<category><![CDATA[ウクライナ]]></category>
		<category><![CDATA[クリティカルシンキング]]></category>
		<category><![CDATA[ファクトチェック]]></category>
		<category><![CDATA[フェイクニュース]]></category>
		<category><![CDATA[マスメディア]]></category>
		<category><![CDATA[ロシア]]></category>
		<category><![CDATA[誤情報]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>テーマ「メディアリテラシー」の3回目は実践編。多様化するメディアやメッセージを前に、どう具体的にクリティカルシンキングを実践すればいいのか、グローバルスタンダードに学びます。</p>
The post <a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2189/">実践！ ニセ・誤情報に克つ［前編］　<span>5つの「キー・クエスチョン」で考える</span></a> first appeared on <a href="https://think-miyakonojo.jp">Think都城</a>.]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<div class="su-spoiler su-spoiler-style-“fancy” su-spoiler-icon-plus su-spoiler-closed" data-scroll-offset="0" data-anchor-in-url="no"><div class="su-spoiler-title" tabindex="0" role="button"><span class="su-spoiler-icon"></span>テーマ［ メディアリテラシー ］の記事一覧</div><div class="su-spoiler-content su-u-clearfix su-u-trim"><ul class="lcp_catlist" id="lcp_instance_0"><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/12/" target="_blank">メディアリテラシーが必要なワケ［前編］　<span>AIフェイク画像と謎の地下室の示唆</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/1399/" target="_blank">メディアリテラシーが必要なワケ［後編］　<span>インターネットや技術革新の功罪</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2115/" target="_blank">「クリティカルシンキング」の本質　<span>誤情報に惑わされないための初歩</span></a></li><li class="current"><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2189/" target="_blank">実践！ ニセ・誤情報に克つ［前編］　<span>5つの「キー・クエスチョン」で考える</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2262/" target="_blank">実践！ ニセ・誤情報に克つ［後編］　<span>デジタル時代に即した新手法「SIFT」</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/5233/" target="_blank">学校に浸透するメディアリテラシー教育　<span>NHKの奮闘、先行する欧米</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/6613/" target="_blank">デマを“現実”にするSNS時代　<span>昭和と令和の「取り付け騒ぎ」に学ぶ</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/8245/" target="_blank">複雑化する「ステマ」広告 <span>ステマ規制開始でも安心できない消費者</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/9193/" target="_blank">能登半島地震に見るSNSの弊害 <span>そこにある情報がすべてではない</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/10615/" target="_blank">「ディープフェイク」の脅威と備え <span>生成AI全盛時代の新たなリスク</span></a></li></ul></div></div>
<h2>フェイクニュース？</h2>
<p>ドナルド・トランプ元米大統領が声高に叫んだことから「フェイクニュース」という言葉は政治的にも利用されるようになった。</p>
<p>ロシアのウラジーミル・プーチン大統領やラブロフ外相も、ウクライナの首都キーウ近郊・ブチャで起きた惨劇（ブチャの虐殺）などについて、「フェイクニュースだ」という声明を幾度となく出している。</p>

<div id="attachment_2309" style="width: 510px" class="wp-caption aligncenter"><img decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-2309" class="wp-image-2309" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy03_heroA_-300x158.jpg" alt="" width="500" height="263" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy03_heroA_-300x158.jpg 300w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy03_heroA_-1024x538.jpg 1024w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy03_heroA_-768x403.jpg 768w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy03_heroA_.jpg 1440w" sizes="(max-width: 500px) 100vw, 500px" /><p id="caption-attachment-2309" class="wp-caption-text">ウクライナ郊外のブチャ地区。破壊された大量の自動車が廃棄されている<span>（写真：Sun_stock / PIXTA）</span></p></div>

<p>ロシア国営の放送局「RT」や通信社「スプートニク」も、そうした自国首脳の発言を世界へ届けようと、あらゆるチャネルを駆使し、拡散に務めている。</p>
<p>「情報戦」に国境はない。日本も“攻撃”の的（まと）の一つだ。</p>
<p><blockquote class="twitter-tweet" data-width="500" data-dnt="true"><p lang="ja" dir="ltr">ロシアとの国境付近でウクライナが生物兵器を開発、米国防総省が資金援助＝露国防省 <a href="https://t.co/EsSZmHYEZr">https://t.co/EsSZmHYEZr</a></p>&mdash; Sputnik 日本 (@sputnik_jp) <a href="https://twitter.com/sputnik_jp/status/1500670092668932098?ref_src=twsrc%5Etfw">March 7, 2022</a></blockquote><script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script></p>
<p>「ロシアとの国境付近でウクライナが生物兵器を開発、米国防総省が資金援助＝露国防省」「露国防省 ウクライナはイルペン市で挑発用フェイク映像を撮影」「露連邦検察、ブチャにおけるロシア軍の行動に関するフェイクニュースで起訴へ」――。</p>

<div id="attachment_2252" style="width: 310px" class="wp-caption alignright"><img decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-2252" class="wp-image-2252" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-1_bbc-240x300.jpg" alt="" width="300" height="375" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-1_bbc-240x300.jpg 240w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-1_bbc-819x1024.jpg 819w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-1_bbc-768x960.jpg 768w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3-1_bbc.jpg 1200w" sizes="(max-width: 300px) 100vw, 300px" /><p id="caption-attachment-2252" class="wp-caption-text">ファクトチェックによってロシアの主張を検証する英BBCの記事</p></div>

<p>Twitter上にある「スプートニク日本語版」のアカウントは、ロシア流に言えば「ドンバス地方を開放する軍事作戦」の開始後、立て続けにこうしたニュースを配信し続けている。</p>
<p>そうした情報戦を仕掛けるロシア側に、ウクライナや同国を支援する西側諸国も対抗。欧米のマスメディアは事実を丹念に検証する「ファクトチェック」を重ね、フェイクではなく「ロシアの嘘」であることを示す証拠や証言を報じてきた。ロシアが喧伝する「ウクライナの生物兵器」に関しても、英BBCが丁寧に検証し、「証拠なし」と<a href="https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-60733307" target="_blank" rel="noopener">断じている</a>。</p>
<h2>国連決議反対国への支援、賛成？</h2>
<p>だが、ロシア側の情報発信は“弾数”が多い。日々情勢も動くなか、疑わしいニュースのすべてをファクトチェックしていくことは難しい。</p>
<p>加えて、情報戦の“武器”は多様化している。スプートニクは今年11月21日、こんな「アンケート」をTwitter上で実施した。</p>
<p>「#日本 政府は、ロシアの #ウクライナ における軍事作戦を非難する国連決議に反対した国々へ128億円の資金を供与することを決定した。この決定は、日本国内で食料品やエネルギー価格が上昇する中でなされた。これについて、皆さんはどうお考えですか？」</p>
<blockquote class="twitter-tweet">
<p lang="ja" dir="ltr">&#x1f4b0;<a href="https://twitter.com/hashtag/%E6%97%A5%E6%9C%AC?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#日本</a> 政府は、ロシアの <a href="https://twitter.com/hashtag/%E3%82%A6%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8A?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#ウクライナ</a> における軍事作戦を非難する国連決議に反対した国々へ128億円の資金を供与することを決定した。この決定は、日本国内で食料品やエネルギー価格が上昇する中でなされた。これについて、皆さんはどうお考えですか？</p>

— Sputnik 日本 (@sputnik_jp) <a href="https://twitter.com/sputnik_jp/status/1594630545798938624?ref_src=twsrc%5Etfw">November 21, 2022</a></blockquote>
<p><script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script></p>
<p>今年度の政府開発援助（ODA）のうち、ロシアへの国連の非難決議や人権理事会の理事国資格停止の決議に反対したラオス、ベトナム、イランなど19カ国への無償資金供与が計128億円ある、というニュースを受けてのもの。結果は、「経済を何とかするのが先！国民に支援が必要」という回答が約70％の票を集め、最多となった。</p>
<p>事実上、「正しい、内政よりも外交が重要」と「経済を何とかするのが先！」の2択。「128億円の資金供与」自体は正しい情報だが、選択肢はスプートニクが“構成”したものだ。</p>
<p>こうした情報戦に加担するのは、スプートニクのような国営メディアだけではない。一般の日本人がツイートしたり、リツイート（RT）したりすることで、ロシア側の意に沿った情報が拡散することもある。</p>
<p>事態を複雑にしているのは、スプートニク含め、ロシア側の発信のすべてが誤っているわけではない、ということ。いったいどの情報が正しいのか、情報をどう受け止めるべきか。我々は混沌としたデジタルの世界で、ますます見極めることが難しくなっている。</p>
<h2>メディア・リテラシー教育理論の基礎</h2>
<p>これまで、具体的な事例をもとに、なぜ今、メディアリテラシーが必要とされているのか、そして、メディアリテラシーの基本原理であり、初歩とも言える「クリティカルシンキング」について、深掘りをしてきた。</p>
<p><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="g2t7xz1XVC"><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/12/">メディアリテラシーが必要なワケ［前編］　AIフェイク画像と謎の地下室の示唆</a></blockquote><iframe loading="lazy" class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;メディアリテラシーが必要なワケ［前編］　&lt;span&gt;AIフェイク画像と謎の地下室の示唆&lt;/span&gt;&#8221; &#8212; Think都城" src="https://think-miyakonojo.jp/article/12/embed/#?secret=w45gMslOev#?secret=g2t7xz1XVC" data-secret="g2t7xz1XVC" width="500" height="282" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></p>
<p><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="2NU0Go3n0o"><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/1399/">メディアリテラシーが必要なワケ［後編］　インターネットや技術革新の功罪</a></blockquote><iframe loading="lazy" class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;メディアリテラシーが必要なワケ［後編］　&lt;span&gt;インターネットや技術革新の功罪&lt;/span&gt;&#8221; &#8212; Think都城" src="https://think-miyakonojo.jp/article/1399/embed/#?secret=xuxRIzTOnW#?secret=2NU0Go3n0o" data-secret="2NU0Go3n0o" width="500" height="282" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></p>
<p><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="VOT3UCyDeu"><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2115/">「クリティカルシンキング」の本質　誤情報に惑わされないための初歩</a></blockquote><iframe loading="lazy" class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;「クリティカルシンキング」の本質　&lt;span&gt;誤情報に惑わされないための初歩&lt;/span&gt;&#8221; &#8212; Think都城" src="https://think-miyakonojo.jp/article/2115/embed/#?secret=blLFayxwsn#?secret=VOT3UCyDeu" data-secret="VOT3UCyDeu" width="500" height="282" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></p>
<p>クリティカルシンキングとは、簡単に言えば「鵜呑みにせず、立ち止まり、多面的に考える」こと。ただし、立ち止まることはできたとしても、その先、どう多面的に考えれば良いのか、指針がないと難しい。</p>
<p>では、具体的にメディアやそのメッセージとどう向き合い、どうクリティカルシンキングを実践していけばよいのだろうか――。</p>
<p>これが、今回の本題となる。まず知っておきたいのが、メディアリテラシーの「コア・コンセプト」と「キー・クエスチョン」だ。</p>
<p>日本のメディアリテラシー研究の第一人者として知られる法政大学キャリアデザイン学部の坂本旬教授は、こう話す。</p>
<p>「メディア・リテラシー・センター（Center for Media Literacy＝以下CML）による5つの『コア・コンセプト』と『キー・クエスチョン』は、メディアリテラシー教育理論の基礎として広く世界に知られ、幅広く共有されています」</p>
<p>CMLは1989年に設立されたメディアリテラシー教育の専門機関。北米を中心とした学校教師の研修トレーニングや実施プログラムの提供、世界各国へ向けたメディアリテラシー教育ガイド「<a href="http://www.medialit.org/sites/default/files/01a_mlkorientation_rev2_0.pdf" target="_blank" rel="noopener">Literacy for the 21st Century</a>」の発行・配布などを行っている。</p>
<p>教育ガイドの中核が、メディアを読み解く視点を5つに集約した「コア・コンセプト」と、教育現場で生徒にわかりやすく理解してもらうために用意した5つの「キー・クエスチョン」。対となる両者は、以下のように整理されている。</p>
<div class="chart">
<div class="chart_title">米CMLが定義する5つの「コア・コンセプト」と「キー・クエスチョン」</div>
<table class="tb_media01 tb_media02">
<tbody>
<tr>
<td style="background-color: #f3f3f3;"> </td>
<th class="media-li">コア・コンセプト</th>
<th class="info-li">キー・クエスチョン</th>
</tr>
<tr>
<td class="num">#1</td>
<td class="media-li">すべてのメッセージは構成されています。</td>
<td class="info-li">誰がこのメッセージを作ったのでしょうか？</td>
</tr>
<tr>
<td class="num">#2</td>
<td class="media-li">メディアメッセージは独自の創造的な言語を使用して構築されます。</td>
<td class="info-li">関心を引くためにどのような創造的なテクニックが使用されていますか？</td>
</tr>
<tr>
<td class="num">#3</td>
<td class="media-li">同じメディアメッセージを人によって異なる方法で体験します。</td>
<td class="info-li">人によってこのメッセージの理解はどのように異なるのでしょうか？</td>
</tr>
<tr>
<td class="num">#4</td>
<td class="media-li">メディアには価値と視点が組み込まれています。</td>
<td class="info-li">このメッセージで表現されている、または排除されている価値観、ライフスタイル、視点は何ですか？</td>
</tr>
<tr>
<td class="num">#5</td>
<td class="media-li">ほとんどのメディアメッセージは利益や権力を得るために作られています。</td>
<td class="info-li">なぜ、このメッセージは送られたのでしょうか？</td>
</tr>
</tbody>
</table>
<div class="wp-caption-text"><span>出所：米CMLの「CML MediaLit Kit」</span></div>
</div>
<h2>「スプートニク」を読み解くと？</h2>
<p>坂本教授は、これらのコンセプトとクエスチョンについて、こう補足する。</p>
<p>「CMLの理論は、伝統的なメディアリテラシーの理論をまとめたもので、その考え方は英国から始まり、カナダに渡って8つになり、それが5つに整理されたという流れがある。今日、とりわけ米国のメディアリテラシー教育におけるクリティカルシンキングとは、まさにCMLの5つのキー・クエスチョンを問うこと、だと言っていい」</p>
<p>5つのキー・クエスチョンは、クリティカルシンキングを実践する具体的な指針として世界のメディアリテラシー教育の現場に浸透しているのだ。ならば実践してみよう。先のスプートニクのツイートを、5つのキー・クエスチョンに沿って読み解いてみたい。</p>
<p>まず＃1では、そのメッセージが誰かによって構成されたものであることを意識する。スプートニクはロシアの国営メディアであり、国、ひいてはプーチン大統領の意を汲んだものではないか、という視点が生まれる。</p>
<p>＃2では、少々わかりにくいが、人に魅力的に伝わるよう、あるいは、信頼性が高いと思ってもらえるような表現技術があることを意識する。通信社らしい硬く正しい日本語であり、周辺にはNHKなども報じる正しいニュースや、フィギュアスケート世界大会の成績速報なども並んでいるため、しっかりとした報道機関の印象も受ける。</p>
<p>＃３では、このツイートの評判を気にしてみる。133件のリツイート、174件のいいね！がある一方で、リプライの内容を見ると「なぜ @TwitterJPはこんなアカウント放置してるの？」「意味分からん。子どもでも分かる嘘つくのやめてもらっていいですか？」といった歯牙にもかけないコメントも多いことに気づく。</p>
<p>#４では、送り手の価値観や視点を考える。当然、ロシア至上主義で、プーチン大統領には逆らえないのだと推測される。</p>
<p>最後に＃5で、このメッセージが送られた背景を考える。情報戦の一環であり、日本の世論に対して影響を与えたい目的が透けて見える。</p>
<p>といった具合だ。ただし、5つのキー・クエスチョンを通じて、「送り手の意図」を深く読み解く必要はない、と坂本教授は釘を刺す。</p>
<h2>「さぎしかな」でチェック</h2>

<div id="attachment_2294" style="width: 260px" class="wp-caption alignright"><img decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-2294" class="wp-image-2294" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3_sakamoto-265x300.jpg" alt="" width="250" height="283" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3_sakamoto-265x300.jpg 265w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/12/medialiteracy3_sakamoto.jpg 600w" sizes="(max-width: 250px) 100vw, 250px" /><p id="caption-attachment-2294" class="wp-caption-text">法政大学キャリアデザイン学部の坂本旬教授</p></div>

<p>「メディアリテラシーが語られるとき『意図を読み解く』と言われがちですが、それは間違い。意図を読み解くことはかなり難しいうえ、意図によって構成されたメッセージだけに焦点を当てると、『無意識による差別』などの問題に気づくことができません」</p>
<p>「意図があろうがなかろうが、問題は生じる。例えば、ジェンダーの考え方や価値観、人種的な価値観に欠けたテレビCMなどがありますよね。でも、だいたいそういうのは、意図して欠けたものを制作しているのではなく、無意識にやっちゃっている。つまり、差別的なメッセージはほとんどの場合、意図されていないんです」</p>
<p>「意図的なメッセージ」にこだわると視野狭窄に陥り、重要なことに気づけなくなるという示唆である。ちなみに坂本教授は、日本の教育現場で活用しやすく、日本人が覚えやすいように、この5つのキー・クエスチョンをカスタマイズし、教育現場で活用している。</p>
<p>作者、技術、視聴者（読者）、価値観、なぜ。5つのキー・クエスチョンを象徴する日本語、それぞれの音読みの頭文字をつなげると、「<a href="https://jima.media/cms/wp-content/uploads/2020/01/sa-gi-si-ka-na-check.pdf" target="_blank" rel="noopener">さぎしかな</a>」となる。</p>
<p>これら5つの側面でメッセージを見つめ、調べ、自分なりに分析することが、クリティカルシンキングでメディアリテラシーを身につける具体的な手順である。</p>
<p>SNSなどのインターネットメディアも含め、あるいはマスメディアだけではなく個人のアカウントも含め、あらゆるメッセージを無批判に受け入れず、手放しでシェアせず、考える。さすれば、なにがフェイクニュースなのか混乱せず、ニセ・誤情報に惑わされるリスクも軽減するだろう。</p>
<p>今回は、メディアリテラシー教育における伝統的で基礎的な手法を押さえた。後編では、デジタル時代に対応した新手の手法なども含め、より実践的な活用法を深掘りする。</p>
<p style="text-align: right;">（<a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2262/">後編</a>に続く）</p>
<p><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="K48KtmKyAR"><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2262/">実践！ ニセ・誤情報に克つ［後編］　デジタル時代に即した新手法「SIFT」</a></blockquote><iframe loading="lazy" class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;実践！ ニセ・誤情報に克つ［後編］　&lt;span&gt;デジタル時代に即した新手法「SIFT」&lt;/span&gt;&#8221; &#8212; Think都城" src="https://think-miyakonojo.jp/article/2262/embed/#?secret=p4pQluGZDh#?secret=K48KtmKyAR" data-secret="K48KtmKyAR" width="500" height="282" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></p>The post <a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2189/">実践！ ニセ・誤情報に克つ［前編］　<span>5つの「キー・クエスチョン」で考える</span></a> first appeared on <a href="https://think-miyakonojo.jp">Think都城</a>.]]></content:encoded>
					
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			</item>
		<item>
		<title>メディアリテラシーが必要なワケ［後編］　インターネットや技術革新の功罪</title>
		<link>https://think-miyakonojo.jp/article/1399/?utm_source=rss&#038;utm_medium=rss&#038;utm_campaign=%25e3%2581%25aa%25e3%2581%259c%25e4%25bb%258a%25e3%2580%2581%25e3%2583%25a1%25e3%2583%2587%25e3%2582%25a3%25e3%2582%25a2%25e3%2583%25aa%25e3%2583%2586%25e3%2583%25a9%25e3%2582%25b7%25e3%2583%25bc%25e3%2581%258c%25e5%25bf%2585%25e8%25a6%2581%25e3%2581%25aa%25e3%2581%25ae%25e3%2581%258b%25e3%2580%2580ai%25e3%2583%2595%25e3%2582%25a7</link>
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		<dc:creator><![CDATA[井上 理（いのうえ・おさむ）]]></dc:creator>
		<pubDate>Sun, 23 Oct 2022 15:00:33 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[メディアリテラシー]]></category>
		<category><![CDATA[AI]]></category>
		<category><![CDATA[SNS]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>「<a href="https://think-miyakonojo.jp/article/12/">メディアリテラシーが必要なワケ［前編］　AIフェイク・謎の地下室・イベルメクチン騒動の示唆</a>」からの続きです。</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<div class="su-spoiler su-spoiler-style-“fancy” su-spoiler-icon-plus su-spoiler-closed" data-scroll-offset="0" data-anchor-in-url="no"><div class="su-spoiler-title" tabindex="0" role="button"><span class="su-spoiler-icon"></span>テーマ［ メディアリテラシー ］の記事一覧</div><div class="su-spoiler-content su-u-clearfix su-u-trim"><ul class="lcp_catlist" id="lcp_instance_0"><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/12/" target="_blank">メディアリテラシーが必要なワケ［前編］　<span>AIフェイク画像と謎の地下室の示唆</span></a></li><li class="current"><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/1399/" target="_blank">メディアリテラシーが必要なワケ［後編］　<span>インターネットや技術革新の功罪</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2115/" target="_blank">「クリティカルシンキング」の本質　<span>誤情報に惑わされないための初歩</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2189/" target="_blank">実践！ ニセ・誤情報に克つ［前編］　<span>5つの「キー・クエスチョン」で考える</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2262/" target="_blank">実践！ ニセ・誤情報に克つ［後編］　<span>デジタル時代に即した新手法「SIFT」</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/5233/" target="_blank">学校に浸透するメディアリテラシー教育　<span>NHKの奮闘、先行する欧米</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/6613/" target="_blank">デマを“現実”にするSNS時代　<span>昭和と令和の「取り付け騒ぎ」に学ぶ</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/8245/" target="_blank">複雑化する「ステマ」広告 <span>ステマ規制開始でも安心できない消費者</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/9193/" target="_blank">能登半島地震に見るSNSの弊害 <span>そこにある情報がすべてではない</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/10615/" target="_blank">「ディープフェイク」の脅威と備え <span>生成AI全盛時代の新たなリスク</span></a></li></ul></div></div>
<h2>「イベルメクチン過剰摂取で病院逼迫」の連鎖</h2>
<p>最近、新型コロナウイルスにまつわる誤情報が米国を中心に思わぬかたちで連鎖した。</p>
<p>「イベルメクチン（抗寄生虫薬）が新型コロナに効く」という噂がSNSなどで広まり、米国では薬局などで簡単に入手できることから、一時、争奪戦となった。枯渇すると、牛などの家畜向けに販売されている動物用製剤まで求める感染者が急増した。昨夏のことだ。</p>
<p>ただし、この噂については米食品医薬品局（FDA）が昨年8月、「イベルメクチンが新型コロナに有効であるデータはない」「家畜用のイベルメクチンでセルフメディケーションを行った後、入院を含む治療を必要とした患者の複数の報告を受けている」「FDAは新型コロナの治療薬としてイベルメクチンを承認しておらず服用は危険」などと警鐘を鳴らしている。</p>

<div id="attachment_1330" style="width: 750px" class="wp-caption alignnone"><img decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-1330" class="wp-image-1330" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2022/09/Literacy_1_FDA-300x291.jpg" alt="" width="740" height="717" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2022/09/Literacy_1_FDA-300x291.jpg 300w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/09/Literacy_1_FDA-1024x992.jpg 1024w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/09/Literacy_1_FDA-768x744.jpg 768w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/09/Literacy_1_FDA.jpg 1480w" sizes="(max-width: 740px) 100vw, 740px" /><p id="caption-attachment-1330" class="wp-caption-text">イベルメクチンの服用について警鐘を鳴らす米FDAのウェブサイト</p></div>

<p>この時点でも問題だが、ここからさらなる混乱が生じた。きっかけは、米3大ネットワークであるNBC系列のオクラホマ州のローカルテレビ局が、昨年9月に流したニュースだ。</p>
<p>「オクラホマ州の地方の病院や救急車を満杯にするイベルメクチンの過剰摂取患者」という記事が、テレビニュースの動画とともに同局のウェブサイトで配信されると、瞬時にものすごい拡散力を持って全米、欧州などに伝わった。そこに、マスメディアも加担した。</p>
<p>ニュース専門局MSNBCの夜の人気ニュース番組「レイチェル・マドー・ショー」のキャスターであり、Twitterで1000万人以上のフォロワーがいるインフルエンサーでもある、レイチェル・マドー氏が、オクラホマ州のローカルテレビ局発のニュースを引用してツイート。即座にリツイートと「いいね」は数千件に及び、爆発的な拡散につながった。</p>
<blockquote class="twitter-tweet">
<p dir="ltr" lang="en">&#8220;Patients overdosing on ivermectin backing up rural Oklahoma hospitals, ambulances&#8221;</p>
<p>&#8220;&#8216;The scariest one I’ve heard of and seen is people coming in with vision loss,&#8217; he said.&#8221;<a href="https://t.co/P909GtxBQZ">https://t.co/P909GtxBQZ</a></p>
<p>— Rachel Maddow MSNBC (@maddow) <a href="https://twitter.com/maddow/status/1433521336282976256?ref_src=twsrc%5Etfw">September 2, 2021</a></p>
</blockquote>
<p><script src="https://platform.twitter.com/widgets.js" async="" charset="utf-8"></script></p>
<p>これを機に、米国のニューズウィークやインサイダー、英国のガーディアンなど、影響力のあるメディアが次々と後追い記事を配信。さらに、欧州を中心とする各国メディアが伝言ゲームのようにオクラホマ州での出来事を報じていった。</p>
<p>しかし当のオクラホマ州ではいくつかの病院が、「イベルメクチン過剰摂取の患者で溢れている事実はない」とする声明を出し、最初のニュースで“ソース”となっていた医師自身も、別のテレビ局に「オクラホマの病院がイベルメクチン過剰摂取の患者で満杯とは話していない」と証言すると、一気に局面が変わった。</p>
<p>「ただでさえ、新型コロナの患者で逼迫している病院に、イベルメクチン過剰摂取の患者が負担となっている」という医師の証言を、オクラホマ州のローカル局は曲解し、報じてしまった。イベルメクチン過剰摂取の患者が存在することはするが、大量に病院に押し寄せ、逼迫を引き起こしているわけではない、ということが明らかになっていった。</p>
<p>これを「フェイクニュース」と呼ぶかどうかは議論が分かれるところだが、結果として誤報を配信した各社は、それぞれ記事を修正したり、削除したりする対応に追われた。</p>
<h2>計り知れないインターネットの効用</h2>
<p>「静岡豪雨のフェイク画像」「熊本人吉のミクヴェ説」「イベルメクチン過剰摂取」。これらの事例をもって、「だからマスメディアは、インターネットは信用ならない」などと論ずる気はない。</p>
<p>マスメディアは、インターネットやSNSが普及してもなお、あらゆる情報の発信源となり、ときに世間や政局を動かすような重大な事実を報じる役割を担っている。</p>
<p>インターネットやSNSの普及による弊害も確かにある。しかし、人々はかつては考えられないスピードで膨大な情報を得ることができるようになった。</p>
<p>ネットにおけるフェイクニュースは、拡散され話題になるほど、逆に「ファクトチェック」をしようという自浄作用も働き、ほぼ数日でフェイクだと見抜かれる。その意味で、誤情報とわかるスピードも飛躍的に高まっている。ネットやSNS普及の恩恵は計り知れない。</p>
<p>ただし、インターネットやSNSで流れる情報の中には、意図的なフェイクニュースや誤報に加えて、「偽情報とは言い切れないが、誤解を招くような情報」も多い。それは、権威や歴史のあるマスメディアからの発信だとしても、同じことが言える。</p>
<p>そして、そういった情報がいつ、自分に、あるいは自分の周囲にシャワーのように降り注いでくるか、わからない。</p>
<p>本当なのかどうなのか。大量の情報に、より簡単に、身近に、即座に触れられるようになったからこそ、真偽を見分けることがより困難な時代になっていると言える。見抜くのが困難な理由は、AI技術の進歩だけではない。</p>
<p>自分に降りかかる被害やリスクの観点から考えてみよう。見抜くのが困難な環境で、仮に騙されたからといって、それだけでは大した被害やリスクはない、と考える人もいるだろう。</p>
<p>しかし、インターネットやSNSといったメディアを通じて誰でも発信者になれる今、誤情報や偽情報、誤解を招くような情報をもとに、気軽に発信した結果、誰かを怒らせたり、傷つけたりしてしまうこともあり得る。軽い気持ちで行ったリツイートで自身の信用を失う、というリスクも孕んでいる。</p>
<p>だからこそ今、「メディアリテラシー」を身につけることが現代人の必須教養として求められているのである。</p>
<h2>「メディアリテラシー」とは</h2>
<p>メディアリテラシーとはなにか。リテラシーとは「読み書きの能力」。メディアとは、古くはマスメディアのことを指していた時代もあるが、現代においてはインターネットやSNSも含めてメディアと捉えることが多い。</p>
<p>受け手である自分も発信者になり得る時代におけるメディアリテラシーとは、一言で表すと「インターネットを含めたメディアを主体的に読み解き、活用する能力」のことを意味する。</p>
<p>さまざまな定義が存在するが、概ね、読み解く、活用する、コミュニケーションする、の3点を構成要素とする説明が多い。例えば、総務省は「<a href="https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/top/hoso/kyouzai.html" target="_blank" rel="noopener">次の3つを構成要素とする、複合的な能力のこと</a>」とし、</p>
<ul>
	<li>メディアを主体的に読み解く能力</li>
	<li>メディアにアクセスし、活用する能力</li>
	<li>メディアを通じコミュニケーションする能力。特に、情報の読み手との相互作用的（インタラクティブ） コミュニケーション能力</li>
</ul>
<p>を挙げている。同様の定義を、NHKも教育コンテンツを配信する「<a href="https://www2.nhk.or.jp/school/watch/clip/?das_id=D0005311049_00000" rel="noopener" target="_blank">NHK for School</a>」で紹介している。</p>
<div class="cardlink">
    <a href="https://www2.nhk.or.jp/school/watch/clip/?das_id=D0005311049_00000">
      <div class="cardlink_thumbnail">
        <img decoding="async" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2022/09/ph_taki01.jpg">
      </div>
    </a>
    <div class="cardlink_content">
      <div class="cardlink_title">
        <a href="https://www2.nhk.or.jp/school/watch/clip/?das_id=D0005311049_00000" target="_blank">NHK for School</a>
      </div>
      <div class="cardlink_excerpt"><span></span></div>
    </div>
    <div class="cardlink_footer"></div>
  </div>

<p>つまり、うまくメディアの情報を読み解き、うまく活用し、うまくコミュニケーションするための能力、というわけだ。ただし、それ以上の細かい定義はさまざまであり、時代や立場によっても、メディアリテラシーの捉え方や重視する点は異なることに留意したい。</p>
<p>では、どうすれば“うまく”振る舞うことができるのか。キーワードは「クリティカルシンキング」。日本語での定訳は「批判的思考」だ。<a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2115/">次回</a>以降、この批判的思考を軸に、どうすればいいのか、具体的に考えていきたい。</p>
<p style="text-align: right;">（<a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2115/">次回</a>に続く）</p>
<p><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="ArigObvIWk"><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2115/">「クリティカルシンキング」の本質　誤情報に惑わされないための初歩</a></blockquote><iframe loading="lazy" class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;「クリティカルシンキング」の本質　&lt;span&gt;誤情報に惑わされないための初歩&lt;/span&gt;&#8221; &#8212; Think都城" src="https://think-miyakonojo.jp/article/2115/embed/#?secret=FwoQuaPEEM#?secret=ArigObvIWk" data-secret="ArigObvIWk" width="500" height="282" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></p>The post <a href="https://think-miyakonojo.jp/article/1399/">メディアリテラシーが必要なワケ［後編］　<span>インターネットや技術革新の功罪</span></a> first appeared on <a href="https://think-miyakonojo.jp">Think都城</a>.]]></content:encoded>
					
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		<item>
		<title>メディアリテラシーが必要なワケ［前編］　AIフェイク画像と謎の地下室の示唆</title>
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		<dc:creator><![CDATA[井上 理（いのうえ・おさむ）]]></dc:creator>
		<pubDate>Sun, 23 Oct 2022 15:00:03 +0000</pubDate>
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					<description><![CDATA[<p>Think都城では、地域を深堀りするテーマのほかに、「メディアリテラシー」も一つのテーマとして取り上げます。初回は、メディアリテラシーの詳しい内容に入る前の導入編。3つの事例を通して、メディアリテラシーが必要とされている理由を理解していきます。</p>
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										<content:encoded><![CDATA[<div class="su-spoiler su-spoiler-style-“fancy” su-spoiler-icon-plus su-spoiler-closed" data-scroll-offset="0" data-anchor-in-url="no"><div class="su-spoiler-title" tabindex="0" role="button"><span class="su-spoiler-icon"></span>テーマ［ メディアリテラシー ］の記事一覧</div><div class="su-spoiler-content su-u-clearfix su-u-trim"><ul class="lcp_catlist" id="lcp_instance_0"><li class="current"><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/12/" target="_blank">メディアリテラシーが必要なワケ［前編］　<span>AIフェイク画像と謎の地下室の示唆</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/1399/" target="_blank">メディアリテラシーが必要なワケ［後編］　<span>インターネットや技術革新の功罪</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2115/" target="_blank">「クリティカルシンキング」の本質　<span>誤情報に惑わされないための初歩</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2189/" target="_blank">実践！ ニセ・誤情報に克つ［前編］　<span>5つの「キー・クエスチョン」で考える</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2262/" target="_blank">実践！ ニセ・誤情報に克つ［後編］　<span>デジタル時代に即した新手法「SIFT」</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/5233/" target="_blank">学校に浸透するメディアリテラシー教育　<span>NHKの奮闘、先行する欧米</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/6613/" target="_blank">デマを“現実”にするSNS時代　<span>昭和と令和の「取り付け騒ぎ」に学ぶ</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/8245/" target="_blank">複雑化する「ステマ」広告 <span>ステマ規制開始でも安心できない消費者</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/9193/" target="_blank">能登半島地震に見るSNSの弊害 <span>そこにある情報がすべてではない</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/10615/" target="_blank">「ディープフェイク」の脅威と備え <span>生成AI全盛時代の新たなリスク</span></a></li></ul></div></div>

<h2>静岡の豪雨被害に乗じた「AIフェイク画像」</h2>
<p>「ドローンで撮影された静岡県の水害。マジで悲惨すぎる&#8230;」。</p>
<p><span style="font-size: 18px;"><img decoding="async" class="wp-image-1329 size-medium alignright" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2022/09/Literacy_1_fakeAI-300x289.jpg" alt="" width="300" height="289" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2022/09/Literacy_1_fakeAI-300x289.jpg 300w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/09/Literacy_1_fakeAI-1024x985.jpg 1024w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/09/Literacy_1_fakeAI-768x739.jpg 768w, https://think-miyakonojo.jp/images/2022/09/Literacy_1_fakeAI.jpg 1480w" sizes="(max-width: 300px) 100vw, 300px" /></span></p>
<p>2022年9月、台風15号の影響で静岡県に記録的な豪雨災害が発生。その事実を悪用するかのような「フェイク画像」が出回り、騒動となったことは記憶に新しい。</p>
<p>このフェイク画像は、またたく間に3000件以上もリツイートされ、5000件以上の「いいね」がつき、驚きや同情とともにインターネット上を駆け巡った。</p>
<p>一方で、ネット上では「画像をよく見るとおかしい」「フェイク画像では？」との指摘も広がり、同日午後4時頃、同一アカウントは画像生成AI（人工知能）「Stable Diffusion」で作成したフェイク画像であることを認め、謝罪と経緯説明を投稿した。</p>
<p>曰く、これまでもAIによるフェイク画像は何度も投稿してきた。こんなに騒動になるとは思っていなかった。被害を受けている静岡の方々に申し訳ないことをしたと反省している。そう綴った後に、こうも付け加えた。</p>
<p>「ろくに確かめもせず、パッと見て信じ込んじゃってね。お前らの常識とネットリテラシーの無さが露呈しましたね！ｗｗｗ」「元の投稿は消しません。このようなフェイクがあることや、この投稿が偽情報であることを明示するためです」</p>
<p>悪意をもって意図的に人を騙そうとする誤情報やデマ、いわゆるフェイクニュースがインターネットやSNSにはびこっていることは、もはや周知の事実だろう。だが、タイミング次第では、あたかも本当の情報のように拡散してしまうことがある。静岡豪雨のAIフェイク画像は、その典型例と言える。</p>
<p>AI技術は日々進歩しており、誰でも簡単に利用できるようになってきた昨今、このように画像や映像が絡んだフェイクニュースは、ますます見抜くのが困難になってきている。</p>
<h2>熊本県人吉市「ナゾの地下室」で論争</h2>
<p>もうひとつの事例を紹介したい。</p>
<p>今年6月、ある大手全国紙が九州版で「江戸期『ナゾの地下室』はユダヤ教の沐浴施設？」と題し、熊本県人吉市の人吉城跡敷地内にある「謎の地下室」についての記事を掲載した。ユダヤ教研究の権威とされる日本人学者が同市の松岡隼人市長に「ユダヤ教の身を清める沐浴施設（ミクヴェ）と類似しているとの仮説を伝えていた」という記事だ。</p>
<blockquote class="twitter-tweet">
<p dir="ltr" lang="ja">地元の郷土史家が “ユダヤ教の沐浴施設ミクヴェ” と主張しているらしい熊本県人吉市にある「謎の地下室」。そういえば私も見たことあったわ。この遺構の上に人吉城歴史館（豪雨災害後、休館中）が建てられていて、のぞき見できた。 <a href="https://t.co/8xkCbcvus5">pic.twitter.com/8xkCbcvus5</a></p>
<p>— タケ (@take_all_a) <a href="https://twitter.com/take_all_a/status/1575361548650180609?ref_src=twsrc%5Etfw">September 29, 2022</a></p>
</blockquote>
<p><script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script></p>
<p>同新聞は9月にも続報記事を掲載した。「郷土史家らがこれまで得てきた情報によると、『大きさや構造から人吉城跡の地下遺構はミクヴェといっていい』という」と報じ、「謎の遺構が有名になれば、研究者や観光客が増えて地域が盛り上がる」といった郷土史家の期待が込められたコメントも添えられた。</p>
<p>このロマンあふれる記事がインターネットで話題となった。「隠れキリシタンならぬ隠れユダヤ教徒が極東の地でこっそり沐浴していたということか。いろいろと感慨深い」――。</p>
<p>そう、驚きをもってコメントするユーザーがいる一方、「いろんな可能性がある所で一つの可能性だけを前に推し進めたら良くないんじゃないかな」「観光地化するにはそれくらいぶっ飛んだこと言わないといけないんやろなぁ」といった冷静な意見も噴出した。</p>
<h2>シンポジウムに参加した准教授の懸念</h2>
<p>この記事は、先に紹介したフェイクニュースとは明らかに異なる。虚偽の事実を流しているわけでもなければ、悪意もない。ユダヤ教徒のミクヴェであるという「可能性」についての示唆にとどめており、断定もしていない。</p>
<p>6月の記事では、「実証出来る証拠がないため、現時点では想像の域を出ないという、研究者としての冷静な見解も述べられた」「想像力をかき立てられるが、言い換えれば結論づけることがむずかしいものになっている」といった松岡市長の議会答弁も紹介している。</p>
<p>ただし、記事のタイトルや流れが、「観光地化したい郷土史家側の思いや意見」に寄って作られていることは事実。記事の作り方に異を唱える読者が多数存在した一方で、そうした読者のように自ら調べたり、立ち止まって考えることをせず、素直に「江戸時代に隠れユダヤ教徒がいたんだ」と思い込んでしまった読者も多数、いたはずだ。</p>
<p>では、真偽はどうなのか。どの程度の確度があるのだろうか。</p>
<p>9月の続報記事では、郷土史家や学者を招き、遺構の謎に迫るシンポジウムが開かれる旨も紹介していたが、そのシンポジウムに参加した東京大学の准教授は自身のブログで、シンポジウムの所感をこう述べていた。</p>
<p>「結果としてはかなりモヤモヤが残る感じ」「会場でアウェー感満喫。私に期待された役割は、現実的な実証ではなく、『これはまさしくミクヴェでしょう』『そしてアルメイダが伝えたのです。きっと』と言って差し上げることだったみたいです」</p>
<p>「ともかく、私自身は『真正ユダヤ教徒のためのミクヴェの可能性は低い』という結論です」「新聞社が２社ほど来てましたが、『長崎で日本人はユダヤ教徒に出会っていた』だけが切り取られないことを切に所望します。一応ここに書いておくのは、そうなる可能性がままあるためです」（原文から抜粋）……。</p>
<h2>“切り取る”マスメディアの性</h2>
<p>この准教授のコメントは、非常に示唆に富んでいる。なぜなら、マスメディアの仕事の多くは、“切り取る”ことだからである。</p>
<p>筆者は、記者として雑誌社、新聞社の仕事に20年携わったことがある。その経験からして、准教授のコメントは耳が痛い。</p>
<p>マスメディアの報道に携わる誰もが、「公正・公平」に記事や番組を作ることを求められ、遵守していることになっている。だが、メディア企業であっても一般企業と同様にアクセス数や視聴率といった「結果」を求められる。記事や番組が「より多くの読者や視聴者に届いてほしい」「話題になってほしい」と思うのは当然だ。</p>
<p>加えて、コンテンツを作るうえで、すべての意見や説を取り上げたり、両論併記を永遠に続けるわけにはいかない。それでは魅力的とは程遠い結果になる。そもそも言論機関における言論者として、あるいは表現者として、意見を持つことは大切なことであり、客観的な証拠や論証をもとに自説を展開することも多い。</p>
<p>しかし、そのためには数多ある情報のなかから「取捨選択」を行わなければならない。</p>
<p>魅力的なコンテンツにするために、あるいは、自説を展開するために“切り取り”がなされる。論を二分する話題があった場合、どちらか一方の論に寄る（あるいは依る）こともあり得るわけだ。</p>
<p>ということを踏まえたうえで、我々はメディアの情報に触れるべきである。</p>
<p>こうした、マスメディアの仕事の背景は、学校では教わらない。社会人になっても、記者の仕事の背景に思いを馳せる人は少ないだろう。ちなみに、本稿で取り上げている事例についても、取捨選択の結果であることを記しておく。</p>
<p>くだんの記事の話に戻ると、数々の文献やファクトを調査した結果、筆者は「ナゾの地下室はなんだかわからない」が正解だと考えている。</p>
<p>「ミクヴェである可能性」は排除できないが、高くもない。城跡の地下に井戸があるのは珍しいことではなく、構造物としてミクヴェに似た単なる井戸のあと、という帰結もまた、否定できない。現時点ではなんだかわからない、のである。</p>
<p>ただ、それでは面白くないうえ、取材対象の地域活性に貢献したいというバイアスも制作過程で働いたのだろう。結果として「ミクヴェ説」に寄ったコンテンツが流れ、そこに異を唱える人たちが反応することとなった。</p>
<p>他方で、確認不足などのミスが重なり、マスメディアが意図しない「誤報」を流してしまうこともある。マスメディア同士が誤報のバトンを、次々と渡してしまうこともある。</p>
<p>海の向こうも例外ではない。</p>
<p style="text-align: right;">（<a href="https://think-miyakonojo.jp/article/1399/">後編</a>に続く）</p>
<p><blockquote class="wp-embedded-content" data-secret="yhDmUm45CZ"><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/1399/">メディアリテラシーが必要なワケ［後編］　インターネットや技術革新の功罪</a></blockquote><iframe loading="lazy" class="wp-embedded-content" sandbox="allow-scripts" security="restricted"  title="&#8220;メディアリテラシーが必要なワケ［後編］　&lt;span&gt;インターネットや技術革新の功罪&lt;/span&gt;&#8221; &#8212; Think都城" src="https://think-miyakonojo.jp/article/1399/embed/#?secret=sb6b7I89F4#?secret=yhDmUm45CZ" data-secret="yhDmUm45CZ" width="500" height="282" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no"></iframe></p>The post <a href="https://think-miyakonojo.jp/article/12/">メディアリテラシーが必要なワケ［前編］　<span>AIフェイク画像と謎の地下室の示唆</span></a> first appeared on <a href="https://think-miyakonojo.jp">Think都城</a>.]]></content:encoded>
					
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