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	<title>岩本 有平（いわもと・ゆうへい） - Think都城</title>
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	<description>深く多面的に、考える。</description>
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	<title>岩本 有平（いわもと・ゆうへい） - Think都城</title>
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		<title>複雑化する「ステマ」広告 ステマ規制開始でも安心できない消費者</title>
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		<dc:creator><![CDATA[岩本 有平（いわもと・ゆうへい）]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 27 Dec 2023 08:00:33 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[メディアリテラシー]]></category>
		<category><![CDATA[SNS]]></category>
		<category><![CDATA[アフィリエイター]]></category>
		<category><![CDATA[インフルエンサー]]></category>
		<category><![CDATA[コンプガチャ]]></category>
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		<category><![CDATA[マスメディア]]></category>
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		<category><![CDATA[景品表示法]]></category>
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					<description><![CDATA[<ul>
<li>2023年10月、<b>法改正</b>でステルスマーケティングの規制が始まった。</li>
<li>芸能人からメディアまで、倫理観を揺るがす<b>ステマの裏側</b>を探る。</li>
<li>規制で罰則あれども、消費者が決して<b>安心できない理由</b>とは。</li>
</ul>
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										<content:encoded><![CDATA[<div class="su-spoiler su-spoiler-style-“fancy” su-spoiler-icon-plus su-spoiler-closed" data-scroll-offset="0" data-anchor-in-url="no"><div class="su-spoiler-title" tabindex="0" role="button"><span class="su-spoiler-icon"></span>テーマ［ メディアリテラシー ］の記事一覧</div><div class="su-spoiler-content su-u-clearfix su-u-trim"><ul class="lcp_catlist" id="lcp_instance_0"><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/12/" target="_blank">メディアリテラシーが必要なワケ［前編］　<span>AIフェイク画像と謎の地下室の示唆</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/1399/" target="_blank">メディアリテラシーが必要なワケ［後編］　<span>インターネットや技術革新の功罪</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2115/" target="_blank">「クリティカルシンキング」の本質　<span>誤情報に惑わされないための初歩</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2189/" target="_blank">実践！ ニセ・誤情報に克つ［前編］　<span>5つの「キー・クエスチョン」で考える</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2262/" target="_blank">実践！ ニセ・誤情報に克つ［後編］　<span>デジタル時代に即した新手法「SIFT」</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/5233/" target="_blank">学校に浸透するメディアリテラシー教育　<span>NHKの奮闘、先行する欧米</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/6613/" target="_blank">デマを“現実”にするSNS時代　<span>昭和と令和の「取り付け騒ぎ」に学ぶ</span></a></li><li class="current"><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/8245/" target="_blank">複雑化する「ステマ」広告 <span>ステマ規制開始でも安心できない消費者</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/9193/" target="_blank">能登半島地震に見るSNSの弊害 <span>そこにある情報がすべてではない</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/10615/" target="_blank">「ディープフェイク」の脅威と備え <span>生成AI全盛時代の新たなリスク</span></a></li></ul></div></div>
<h2>2023年10月から始まった「ステマ規制」</h2>

<div id="attachment_8280" style="width: 610px" class="wp-caption aligncenter"><a href="https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/stealth_marketing/" target="_blank" rel="noopener"><img fetchpriority="high" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-8280" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/12/literacy08_cpCAA.png" alt="" width="600" height="417" class="wp-image-8280" /></a><p id="caption-attachment-8280" class="wp-caption-text">「ステマ規制」の開始を周知する消費者庁のウェブサイト</p></div>

<p>「令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります――」。</p>
<p>検索サイトで「ステマ」と検索すると、一番上にこんなタイトルのページが表示される。ステマとは、「ステルスマーケティング」の略。広告であるにもかかわらず、広告であることを隠すことを指す。</p>
<p>発信元は消費者庁。2023（令和5）年10月以降、ステマが「不当景品類及び不当表示防止法（景品表示法＝景表法）」違反になることを周知するページだ。いわゆる「ステマ規制」の実施である。ステマを巡る諸問題は、新しいフェーズに入った。</p>

<div id="attachment_8277" style="width: 610px" class="wp-caption aligncenter"><img decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-8277" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/12/literacy08_cpNHK.jpg" alt="" width="600" height="508" class="wp-image-8277" /><p id="caption-attachment-8277" class="wp-caption-text"><a href="https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231001/k10014211891000.html" target="_blank" rel="noopener">「ステルスマーケティング」は「不当表示」 きょうから規制</a><span>（NHK NEWS WEBより）</span></p></div>

<p>先日寄稿した「<a href="https://think-miyakonojo.jp/article/6613/" target="_blank" rel="noopener">デマを“現実”にするSNS時代 昭和と令和の『取り付け騒ぎ』に学ぶ</a>」では、たとえデマと分かっていても、リテラシーの高さゆえに「デマや不安の拡⼤が引き起こす結果」を予期し過ぎて、結果的にデマが引き起こすのと同じ結果を招いてしまう、という新たな課題について紹介した。</p>
<a href="https://think-miyakonojo.jp/article/6613/" class="cardlink" target="_blank" rel="noopener noreferrer">
    <div class="cardlink_thumbnail">
        <img decoding="async" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/09/MediaLiteracy07_hero_04-500x500.jpg">
    </div>
    <div class="cardlink_content">
        <span class="cardlink_timestamp">2023.09.29</span>
        <div class="cardlink_title">
            デマを“現実”にするSNS時代　<span>昭和と令和の「取り付け騒ぎ」に学ぶ</span>
        </div>
        <div class="cardlink_excerpt"><span>米銀行取り付け騒ぎと、コロナ禍のトイレットペーパー騒動。リテラシーが高い人々の行動によって、デマ拡大と同じ結果に。変質する“不安拡大”のメカニズムに向き合うべき時期が来た。...</span></div>
    </div>
    <div class="cardlink_footer"></div>
</a>

<p>今回は、同じくインターネットやSNSが生んだ課題のステマについて深掘りをしていく。ステマ規制の実施を機に、日々ネットに触れる私たちとステマとの関係を再考したい。</p>
<h2>広告主が明示されない広告</h2>
<p>まずは、ステマとはどんな行為を指すのか。そして景表法がどんな法律なのかということに改めて触れていく。</p>
<p>10月の景表法改正に先立って消費者庁が3月に告示した言葉をそのまま用いれば、ステマとはすなわち「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」を指している。</p>
<p>わかりやすい例としては、宣伝したい企業などの事業者が、芸能人やSNSなどで多数のフォロワーを抱える「インフルエンサー」などに金銭などを渡していながらも、その関係性を明示させずに商品やサービスを好意的に紹介してもらうことなどが挙げられる。</p>
<p>ネットの口コミマーケティングに関する業界団体である一般社団法人「<a href="https://womj.jp/" target="_blank" rel="noopener">クチコミマーケティング協会（WOMJ）</a>」では、消費者庁よりも踏み込んだかたちでステマを定義しているので、こちらも紹介しておこう。</p>

<div id="attachment_8275" style="width: 610px" class="wp-caption aligncenter"><img decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-8275" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/12/literacy08_kuchikomiGL.png" alt="" width="600" height="423" class="wp-image-8275" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/12/literacy08_kuchikomiGL.png 1200w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/12/literacy08_kuchikomiGL-768x541.png 768w" sizes="(max-width: 600px) 100vw, 600px" /><p id="caption-attachment-8275" class="wp-caption-text">「<a href="https://womj.jp/" target="_blank" rel="noopener">クチコミマーケティング協会（WOMJ）</a>」はステマについてより詳細な定義をしている</p></div>

<blockquote>
<p>2023年3月に消費者庁が公開した景表法の指定告示と運用基準によれば、ステルスマーケティングは「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」とされています。しかしながら景表法は商品やサービスの取引に関わる表示が対象の法律で、世の中には景表法の対象範囲外での「ステルスマーケティング」も存在すると考えられます。<br />
<br />
一般的には「広告主がいるにもかかわらず、広告主が明示されない広告」、「広告という形態をとらずに行われるマーケティング活動で、主体が明らかにされないもの」、「本来の広告主とは異なる名称の主体によって行われる、広告・マーケティング活動のこと」などといわれています。<br />
<br />
共通するのは「『広告・宣伝・マーケティング』であるとわからない」かつ「主体が明らかにされない」ことです。マーケティングであるという事実、あるいはマーケティングの主体が消費者から隠れている（ステルス）マーケティング活動であり、そのようなものが総称してステルスマーケティングと呼ばれています。</p>
</blockquote>
<h2>宣伝を依頼する事業者側の行為</h2>
<p>ちなみにステマという言葉を聞くと、芸能人やインフルエンサーなどの行動が取り上げられがちだが、あくまでもステマの主体は、商品やサービスの宣伝を求める事業者（広告主）側であると定義されていることに注意してほしい。後述する罰則も、インフルエンサーなどではなく、事業者側に科せられるものだ。</p>
<p>今回、ステマを規制する法律となった景表法は、事業者が過度な広告を展開したり、過度な景品を“エサ”に消費者を惑わし、不利益を与えたりすることを防ぐための法律。</p>
<p>ちなみに、過去には「ソーシャルゲーム（ソシャゲ）」と呼ばれるネットゲームにおいて、「コンプガチャ」と呼ばれる、くじ引きのような仕組みが規制された。その根拠となったのも、この景表法である。</p>
<div class="su-spoiler su-spoiler-style-default su-spoiler-icon-plus su-spoiler-closed" data-scroll-offset="0" data-anchor-in-url="no"><div class="su-spoiler-title" tabindex="0" role="button"><span class="su-spoiler-icon"></span>コンプガチャとは</div><div class="su-spoiler-content su-u-clearfix su-u-trim">「コンプリートガチャ」の略で、一定額の課金により、特定の確率でさまざまなアイテムを獲得できる課金システム「ガチャ」の一種。ガチャにおいて、複数のアイテムなどを完全にそろえる（コンプリートする）ことで、さらなる報酬が得られる仕組みのこと。</div></div>
<p>今回の規制により、ステマは景表法における「不当表示（商品やサービスが、実際よりも著しく優良だと誤認される表示）」として扱われることとなった。</p>
<p>ステマを行った事業者は、消費者庁が再発防止を命じる措置命令の対象となり、企業名も公表される。これに従わなければ、「2年以下の懲役または300万円以下の罰金」などといった罰則が科される。</p>
<p>今回ステマが規制対象となった背景には、これまで大小問わず数多くのステマが横行してきた背景がある。現代では、メディアを読み解く能力「メディアリテラシー」において、ステマを見抜く能力も求められることは言うまでもない。</p>
<p><img loading="lazy" decoding="async" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/12/literacy08_imageLAW.jpg" alt="" width="740" height="417" class="noTrim aligncenter wp-image-8310" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/12/literacy08_imageLAW.jpg 1480w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/12/literacy08_imageLAW-768x432.jpg 768w" sizes="auto, (max-width: 740px) 100vw, 740px" /></p>
<h2>芸能人が加担した「ペニオク」事件</h2>
<p>IT業界を担当する記者として、筆者もその実態を目の当たりにすることもあったが、中でも記憶に残っているのは、11年前の「ペニーオークション（ペニオク）」にまつわるステマ。事件化して逮捕者も出た結果、複数の芸能人がステマに関与したことが明らかになったというものだ。</p>
<p>2012年12月、ペニオクサイトを運営していたある企業の役員と社員が、詐欺容疑で逮捕され、最終的に執行猶予付きの有罪判決を受けることになった。</p>

<div id="attachment_8295" style="width: 610px" class="wp-caption aligncenter"><a href="https://www.nikkei.com/article/DGXNASHC0702Y_X01C12A2AC8000/" target="_blank" rel="noopener"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-8295" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/12/Media08_nikkei.jpg" alt="" width="600" height="385" class="wp-image-8295" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/12/Media08_nikkei.jpg 1200w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/12/Media08_nikkei-768x493.jpg 768w" sizes="auto, (max-width: 600px) 100vw, 600px" /></a><p id="caption-attachment-8295" class="wp-caption-text">ペニオク詐欺事件を伝える当時の報道<span>（日本経済新聞電子版より）</span></p></div>

<p>ペニオクとは、当時流行した、入札時に固定の手数料が必要なインターネットオークションのこと。開始価格が安価であり、入札手数料は固定である。あくまで理屈として言えば、「競争相手が居なければ安価に商品を落札できる」というものだ。だが落札できなくとも入札手数料自体はかかるほか、たとえ落札しても入札手数料と落札価格を合計すると、最終的な取得価格は高くなるというもの。</p>
<p>今となればその構造自体にも疑問が浮かぶが、当時はサイバーエージェント子会社のCAモバイルやDMM.comといったメガベンチャーから、別業界からやってきた事業者など、10を越える企業がペニオク事業に参入していた。逮捕者が出た企業も、そんなペニオクサイトを運営する1社だった。</p>
<p>同社のペニオクサイトが問題になったのは、「参加者が入札しても落札できない仕組み」を作っていたからだ。このサイトでは、架空の会員名義を持った複数のボット（ネットで稼働するロボット）が落札価格を競うように見せてつり上げ、利用者がどれだけ入札しようとも落札できないようになっていたのだ。</p>
<p>結局、詐欺事件として立件されたわけだが、結果として顕在化したのが、ペニオクを紹介していた芸能人らによるステマだった。</p>
<p>「Twitter」や「Instagram」に今ほどの波及力がなかった当時、日本のネットユーザーを動かす一つの要素として注目を集めていたのは「芸能人ブログ」だった。芸能人ブログの中に、「ペニオクで安く商品が買えた」として商品を所持した写真を掲載したり、サービスを勧めたりする内容が複数見つかったのだ。</p>
<p>「詐欺で落札できないはずのペニオク」で、芸能人らはどうして安価に商品を入手できたのだろうか――。 もちろんそれは実際に落札したのではなく、対価を得てサービスを紹介したステマに加担したからに他ならない。</p>
<p>最終的にはステマに関与したとして8人の芸能人の名前がメディアやネットで取り沙汰されるに至った。詐欺への加担を疑われた芸能人の中には謝罪や釈明に追われた人物、警察の事情聴取を受けた人物、ブログを削除し当面の活動自粛を余儀なくされた人物も出るなど、大きな騒動となった。</p>
<h2>四者が絡むステマ疑惑</h2>
<p>当時こそ「ステマは悪」という風評がネットを駆け巡り、ステマは沈静化したように見えた。だが実際は、多くの人々に影響を与えられる芸能人やインフルエンサーとステマの関係は切っても切れないものになっていった。</p>
<p>常習的脅迫や名誉毀損などで今年逮捕された前参院議員・元ユーチューバーの「ガーシー」こと東谷義和被告も、かつて自らのYouTubeチャンネルで、芸能人によるステマの横行について指摘をしていた。</p>
<p>筆者は直接取材したわけではないため、個別事象の真偽に言及する立場にはない。だが少なくとも、芸能人らとステマの距離が今も近いからこそ出た話だとは想像できる。</p>
<p>また、ステマは芸能人だけの問題ではなくなっていった。何万人というフォロワーに影響力を与えるインフルエンサーやユーチューバーが次々と勃興したからだ。</p>
<p>消費者にPRしたい事業者と、影響力をお金に変えたいインフルエンサー。両者の利害が一致し、「案件」と呼ばれる仕事が増えていった。その一部は「広告」「PR」といった、事業者からの依頼であることを示す表示がなされてきたが、すべてではない。</p>
<div class="chart_title">インフルエンサーへのアンケート調査（消費者庁）</div>

<div id="attachment_8266" style="width: 360px" class="wp-caption alignleft"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-8266" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/12/literacy08_g_logo.png" alt="" width="350" height="355" class="wp-image-8266" /><p id="caption-attachment-8266" class="wp-caption-text"><span> 注：出所は「消費者庁 ステルスマーケティングに関する検討会報告書 」。インフルエンサーのマネジメント会社に登録している現役インフルエンサー（300名）に対して、2022年8月17日から同月19日にかけてインターネットを用いたアンケート調査による</span></p></div>

<p>法規制を前にした<a href="https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/meeting_materials/review_meeting_005/assets/representation_cms216_221228_03.pdf" target="_blank" rel="noopener">消費者庁の検討会による調査</a>では、インフルエンサーの41％がステマを依頼された経験があり、そのうちの45％、全体の2割近くが実際にステマと判断できる事案に関わっていたことが明らかになっている。</p>
<p>実際には、グレーなものもかなり多い。当事者に自覚がなくとも、ステマと指摘されることもある。例えば、約3万人以上のチャンネル登録者を抱えるユーチューバーの動画について2023年1月、ある地方紙が「自治体によるステマではないか」という報道をした。</p>
<p>湖の周辺を自転車で駆け巡る14分ほどの動画だが、じつは自治体の補助金が使われ、自治体が事務局を務める協議会が動画制作を請け負うPR業者に62万円以上を支払っていた、という内容。動画にはPRであることを示す表示などがなかった。</p>
<p>自治体、協議会、PR業者、ユーチューバーと四者が絡むこの案件は非常に複雑であり、当初、自治体は「ステマではない」としていた。しかし、地方紙の取材があった後、当該動画には「プロモーションを含みます」という表示がなされ、加えて概要欄に協議会からの「提供」である旨が書き加えられた。</p>

<div id="attachment_8299" style="width: 610px" class="wp-caption aligncenter"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-8299" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/12/Media08_promo.jpg" alt="" width="600" height="338" class="wp-image-8299" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/12/Media08_promo.jpg 1480w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/12/Media08_promo-768x432.jpg 768w" sizes="auto, (max-width: 600px) 100vw, 600px" /><p id="caption-attachment-8299" class="wp-caption-text">当該動画をYouTubeで再生すると「プロモーションを含みます」という表示が出ていた</p></div>

<h2>法規制の曖昧な運用基準</h2>
<p>実際に、この動画の“案件”が景表法違反に該当するか否かについても、筆者は言及する立場ではない。</p>
<p>ただし、SNSやYouTubeなどのネットメディアが盛り上がるほど、ステマやステマと疑われる行為の構造は複雑化している、ということは言える。そして、案件と呼ばれるビジネスの市場が拡大するほど、関係する事業者やインフルエンサーが増えている、ということも。結果として、事業者側もステマかどうか判断しにくくなっているのは間違いない。</p>
<p>裏を返せば、一般の消費者や視聴者がステマかどうかを見抜くのは、ますます困難になっていると言える。だからこそ、ステマ規制が始まったわけなのだが、これで一件落着かと言うと、そう単純な話ではない。</p>
<p>ステマ規制は、9月30日以前の投稿も規制の対象になるとしている。</p>
<blockquote class="twitter-tweet">
<p lang="ja" dir="ltr">献本も明記しなきゃいかんのか。たいていしてるけど。しかし過去に遡行するのはどうなんだ？<br />
<br />
10月施行「ステマ法規制」何をしたら違反？ 5年前の投稿でも違反になる!? 参考にすべきガイドライン | Web担当者Forum <a href="https://t.co/OH9xtpoelc">https://t.co/OH9xtpoelc</a> <a href="https://twitter.com/webtanforum?ref_src=twsrc%5Etfw">@webtanforum</a>から</p>

— 尻P(野尻抱介) (@nojiri_h) <a href="https://twitter.com/nojiri_h/status/1721376307869847720?ref_src=twsrc%5Etfw">November 6, 2023</a></blockquote>
<p><script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script></p>
<p>ブログやSNSなどで成果報酬型の広告を掲載して商品やサービスを紹介し、それらが売れることで利益を得る「アフィリエイター」。筆者が観測した範囲では、法施行の直前、アフィリエイターに広告やPRを依頼する「アフィリエイト・サービス・プロバイダー（ASP）」が、「過去の記事も含めて見直してほしい」といった注意喚起のメールをアフィリエイターに何度も送っており、X（旧Twitter）をはじめとするSNSでも話題になった。</p>
<p>ただし、その見直しはあくまでアフィリエイターに委ねられており、当のアフィリエイターは規制や処罰の対象ではないことから、その実効性に疑問を呈する声があがっていた。</p>
<p>景表法の運用基準が曖昧だと困惑する事業者も多い。個別の事案や案件が規制対象かどうかは、消費者庁が「事例ごとに総合的に判断する」としているからだ。</p>
<p><img loading="lazy" decoding="async" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/12/literacy08_imageAM.png" alt="" width="320" height="299" class="alignright wp-image-8312" />運用基準は、事業者がインフルエンサーやアフィリエイターといった「第三者」に広告やPRをしてもらう際、明確な依頼や指示がなくとも、第三者による表示や表現内容に“関与”していれば規制対象になるとする。</p>
<p>だが、関与があっても、第三者による「自主的な意思によるもの」と判断された場合は、規制対象ではないとしている。この、文言が厄介である。</p>
<h2>倫理観が揺れるメディアの現場</h2>
<p>例えば、「モニター」などの名目で商品の無償提供を受けたインフルエンサーがいたとしよう。商品が送られてきただけで、何の指示もない。インフルエンサーは、あくまで自主的な意思に基づいて、商品を褒める動画を投稿し、それがヒットした。</p>
<p>今度は同じ会社から、より高額な商品が送られてきた。気を良くしたインフルエンサーは忖度して、また褒める動画を自主的な意思で出した。それが繰り返された場合、果たしてステマになるのかどうか、線引きが非常に曖昧になってくる。</p>
<p>中には「自主的な忖度」を狙う事業者も多く出てくるだろう。いや、すでにそういった事例は数多くある。そして、それはインフルエンサーやアフィリエイターの領域にとどまらない。中立公正を謳うジャーナリズムや、テレビ、ファッション・ガジェットなどを扱う雑誌など、「マスメディア／ネットメディア」にも古くから存在する話なのだ。</p>
<p>例えば、メディアが事業者から商品を貸与されてレビューなどを行うケースは多々ある。真っ当なメディアであれば貸与物はレビュー後に返却するわけだが、時には事業者から「モニターとして使用し続けてほしい」といった言葉とともに、譲渡の提案を受けるという話も聞く。</p>
<p>ステマ規制の観点で言えば、そういうことがあっても「この記事はA社から商品提供を受けています」「これは広告です」といったかたちで関係性を明示すればいい。だが、「広告」としての料金が発生していない場合、単なる商品レビューを目的とした貸与の場合、通常の記事や番組などでそう謳うことはない。</p>
<p>しかし、もしその商品を結果として返却しなかったのであれば、そのレビューに公正さは備わるのだろうか。定価が10万円以上するスマートフォン（スマホ）をモニターとして手渡されたとき、メディアはフェアな評価ができると言い切れるのだろうか。</p>
<p>こういった誘惑があるからこそ、特にガジェットメディアなどでは「自腹レビュー」と銘打つ企画をすることが少なくない。つまり、「自腹で買った商品なので、事業者の意図は入らない」という信頼性を読者にアピールするのだ。</p>
<p>それでも、商品の貸与や提供がなくとも、何らかの招待制のイベントがあり、仕事としてそこへの入場権を得るために事業者へ忖度することもあるかもしれない。その忖度を狙ってコントロールしようとする事業者が存在する可能性も、多いにある。</p>
<h2>商品やサービスを選ぶのは自分自身</h2>
<p>少し話がそれてしまったが、正しい情報を伝えるべきメディアも目の前の“エサ”で心が揺れるということだ。</p>
<p>ステマが法的に規制されたことは、消費者が正しい情報を得るための一助になることは間違いない。だがそれは、ステマが法律で規制するほど蔓延しているということの裏返しでもある。そして、法律の網から漏れてしまう「意図」もまた、蔓延しているのだ。</p>
<p>SNSでインフルエンサーが活躍するようになってからは、「どんなモノ・コト」であるかよりも「誰が言ったモノ・コト」であるかが重要視されがちだが、その意見の裏側に何かしらの意図があるのかもしれない、と注意深く観察する必要がある。</p>
<p>消費者である私たちは依然として、メディアやSNSを通じて流れてくる情報を鵜呑みにしてはいけない。自分自身の目で商品やサービスを選ばなければいけない。それは、ステマ規制があろうとなかろうと変わりないのだ。</p>
<p>これまで日本は、先進国の中で唯一、ステマに関する法規制がなく、「ステマ天国」と呼ばれていた。法規制云々の前に、まずは消費者自身がステマも視野に入れたメディアリテラシーを高め、意識を変えなければいけない。法規制だけでは汚名を返上することはできないだろう。</p>
<p>もちろん、マスメディアを始めとする情報発信する側も、その倫理観のあり方を問い続ける必要があることは言うまでもない。</p>
<p><img loading="lazy" decoding="async" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/12/literacy08_imageSP.jpg" alt="" width="740" height="417" class="noTrim aligncenter wp-image-8309" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/12/literacy08_imageSP.jpg 1480w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/12/literacy08_imageSP-768x432.jpg 768w" sizes="auto, (max-width: 740px) 100vw, 740px" /></p>The post <a href="https://think-miyakonojo.jp/article/8245/">複雑化する「ステマ」広告 <span>ステマ規制開始でも安心できない消費者</span></a> first appeared on <a href="https://think-miyakonojo.jp">Think都城</a>.]]></content:encoded>
					
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		<title>デマを“現実”にするSNS時代　昭和と令和の「取り付け騒ぎ」に学ぶ</title>
		<link>https://think-miyakonojo.jp/article/6613/?utm_source=rss&#038;utm_medium=rss&#038;utm_campaign=%25e2%2598%2585%25e2%2598%258507-%25e3%2583%2587%25e3%2583%259e%25e3%2582%2592%25e7%258f%25be%25e5%25ae%259f%25e3%2581%25ab%25e3%2581%2599%25e3%2582%258bsns%25e6%2599%2582%25e4%25bb%25a3%25e3%2580%2580%25e6%2598%25ad%25e5%2592%258c%25e3%2581%25a8%25e4%25bb%25a4%25e5%2592%258c%25e3%2581%25ae</link>
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		<dc:creator><![CDATA[岩本 有平（いわもと・ゆうへい）]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 29 Sep 2023 04:50:05 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[メディアリテラシー]]></category>
		<category><![CDATA[SNS]]></category>
		<category><![CDATA[X（Twitter）]]></category>
		<category><![CDATA[コロナ禍]]></category>
		<category><![CDATA[新型コロナウイルス]]></category>
		<category><![CDATA[誤情報]]></category>
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					<description><![CDATA[<ul>
<li>米銀行取り付け騒ぎと、コロナ禍のトイレットペーパー騒動。</li>
<li><b>リテラシーが高い人々</b>の行動によって、デマ拡大と同じ結果に。</li>
<li>変質する<b>“不安拡大”のメカニズム</b>に向き合うべき時期が来た。</li>
</ul>
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										<content:encoded><![CDATA[<div class="su-spoiler su-spoiler-style-“fancy” su-spoiler-icon-plus su-spoiler-closed" data-scroll-offset="0" data-anchor-in-url="no"><div class="su-spoiler-title" tabindex="0" role="button"><span class="su-spoiler-icon"></span>テーマ［ メディアリテラシー ］の記事一覧</div><div class="su-spoiler-content su-u-clearfix su-u-trim"><ul class="lcp_catlist" id="lcp_instance_0"><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/12/" target="_blank">メディアリテラシーが必要なワケ［前編］　<span>AIフェイク画像と謎の地下室の示唆</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/1399/" target="_blank">メディアリテラシーが必要なワケ［後編］　<span>インターネットや技術革新の功罪</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2115/" target="_blank">「クリティカルシンキング」の本質　<span>誤情報に惑わされないための初歩</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2189/" target="_blank">実践！ ニセ・誤情報に克つ［前編］　<span>5つの「キー・クエスチョン」で考える</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/2262/" target="_blank">実践！ ニセ・誤情報に克つ［後編］　<span>デジタル時代に即した新手法「SIFT」</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/5233/" target="_blank">学校に浸透するメディアリテラシー教育　<span>NHKの奮闘、先行する欧米</span></a></li><li class="current"><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/6613/" target="_blank">デマを“現実”にするSNS時代　<span>昭和と令和の「取り付け騒ぎ」に学ぶ</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/8245/" target="_blank">複雑化する「ステマ」広告 <span>ステマ規制開始でも安心できない消費者</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/9193/" target="_blank">能登半島地震に見るSNSの弊害 <span>そこにある情報がすべてではない</span></a></li><li><a href="https://think-miyakonojo.jp/article/10615/" target="_blank">「ディープフェイク」の脅威と備え <span>生成AI全盛時代の新たなリスク</span></a></li></ul></div></div>

<h2>「SNS時代」ならではの新たな課題</h2>
<p>インターネットによってさまざまな情報に即座にアクセスできる現在。デマやうわさ話といった不確かな情報の拡散スピードは、かつてとは比較にならないほど高まった。だからこそ、SNSなどを利用する際は、気をつけなければならない。</p>
<p>これまで、テーマ「メディアリテラシー」では、そう論じてきた。それは事実だ。</p>
<p>しかし、インターネットやSNSの発展によって、デマやうわさ話を信じるひとが増えただけなのかというと、そう単純な話でもない。SNSは、デマやうわさ話が引き起こす事象をさらに複雑なものとし、混沌とした世界にしている。</p>
<p>出版社でインターネットメディアの編集に携わる筆者にとって、この課題は悩みの種でもある。なぜなら、これといった解決策が見えているわけはないからだ。</p>
<p>メディアリテラシーや情報リテラシーがあるがゆえの、騒動――。今回は、このSNS時代ならではの新たな課題について、まずは「取り付け騒ぎ」から考察していきたい。</p>
<h2>「女子高生の雑談」から始まった騒動</h2>
<p>金融機関への不信や不安を契機にして、預金者が大量に押しかけ、預貯金の引き出しを行う取り付け騒ぎ。これまで国内外で何度も起こっているこの事象は、デマやうわさ話といった不確かな情報が発端となることがほとんどだった。</p>
<p>ここから語るのは、昭和の時代に起こった、ある取り付け騒ぎの概要だ。</p>
<p>愛知県宝飯郡小坂井町（現・豊川市）を中心に展開する豊川信用金庫（豊川信金）。1973（昭和48）年、デマをきっかけに取り付け騒ぎが起こり、あわや倒産寸前という状態になったが、その発端は女子高生3人の「雑談」だった。</p>



<div id="attachment_6702" style="width: 750px" class="wp-caption aligncenter"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-6702" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/09/literacy7_image01-300x169.jpg" alt="" width="740" height="417" class="wp-image-6702" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/09/literacy7_image01-300x169.jpg 300w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/09/literacy7_image01-1024x576.jpg 1024w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/09/literacy7_image01-768x432.jpg 768w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/09/literacy7_image01.jpg 1480w" sizes="auto, (max-width: 740px) 100vw, 740px" /><p id="caption-attachment-6702" class="wp-caption-text">1973（昭和48）年に起きた豊川信用金庫の取り付け騒ぎは、女子高生3人の「雑談」が発端だった</p></div>



<p>電車の中で雑談に花を咲かせる3人組の女子高生。豊川信金への就職が決まった1人に対して、残りの2人が「（強盗が入る可能性があるので）信用金庫は危ない」とからかっていた。</p>
<p>もちろん2人にとっては冗談だったが、就職予定の女子高生は不安になって親戚に「信用金庫は危ないのか」と相談したという。すると親戚が別の親戚に問い合わせ、その話をたまたま聞いた人物がさらに別の人物に相談していくなかで、話に尾ひれがつき、いつしか小坂井町の主婦のあいだで「豊川信金は危ない」という誤ったデマとして広がっていった。</p>
<p>デマは、時間経過とともに「信金理事長の自殺」「職員の横領」といった過激な内容に変化していった。その結果、数多くの預金者が豊川信金に押しかけ、2週間弱という短い期間で14億円もの預貯金が引き出され、信金は倒産の危機を迎えたのだった。</p>
<p>最終的には全国紙が「デマである」と報じ、日本銀行が「信金には経営問題がない」と説明する会見を開くまでに至った。違法性を懸念した警察がデマの経緯を捜査した結果、あくまで女子高生のうわさ話、雑談から起こった騒動であり、犯罪性や信金の経営問題ではないことが明らかに。だがその捜査結果を発表したあとも、デマの消息までに時間を要したという。</p>
<p>口伝えのみで、小さな町を席巻した取り付け騒ぎ。では翻って、SNSが普及した“令和時代”の取り付け騒ぎはどうだったのだろうか。</p>
<h2>SNSが起こした初の「取り付け騒ぎ」</h2>
<p>2023（令和5）年3月、米国カリフォルニア州に本社を置く「シリコンバレー銀行（SVB）」が経営破綻し、米連邦預金保険公社（FDIC）の管理下に置かれた。米国のある下院議員はこの事態を「SNSによる初の取り付け騒ぎ」と言及している。</p>



<div id="attachment_6696" style="width: 750px" class="wp-caption aligncenter"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-6696" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/09/literacy7_image05-300x169.jpg" alt="" width="740" height="417" class="wp-image-6696" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/09/literacy7_image05-300x169.jpg 300w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/09/literacy7_image05-1024x576.jpg 1024w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/09/literacy7_image05-768x432.jpg 768w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/09/literacy7_image05.jpg 1480w" sizes="auto, (max-width: 740px) 100vw, 740px" /><p id="caption-attachment-6696" class="wp-caption-text">米カリフォルニア州サンタクララ市にある米シリコンバレー銀行本店<span>（©unitysphere/123RF.COM）</span></p></div>



<p>SVBは、米国のシリコンバレーやベイエリアに拠点を置くベンチャー・スタートアップ（新興）企業、それらに資金を提供するベンチャーキャピタル（VC）らを顧客の中心としてきた。米紙『The New York Times』が2015年に報じたところによると、SVBは米国のスタートアップの65％に対してなんらかのサービスを提供していたという。</p>
<p>米国では2021年、新型コロナ禍での金融緩和などを背景に、VC投資が過去最高額を記録。スタートアップに流れた資金がSVBに預けられた結果、SVBの2022年3月末の預金残高は前年同期比6割増となる1980億ドルに達していた。</p>
<p>だが、好調だった2021年とは対照的に、2022年以降の米国スタートアップ投資は厳しい状況を迎え、潮目が変わった。</p>
<p>インフレが進み、コロナ禍での“巣ごもり消費”が停滞した結果、2022年初めから「GAFA（米Google＝現・Alphabet、米Apple、米Facebook＝現・Meta、米Amazon）」に代表される巨大テック企業の株価が続々と下落。業界をけん引する企業の株価が下がった結果、スタートアップは投資家からの資金調達に苦戦を強いられた。</p>
<p>資金調達ができなければ、当座の経営のために預金を使うよりほかに手段がない。スタートアップがSVBに預けていた資金は、みるみる流出した。</p>
<p>一方で同時期、連邦準備理事会（FRB）が急ピッチな利上げを進めた結果、SVBが保有する住宅ローン担保証券を中心にした保有債券の含み損は2022年末時点で150億ドル超になっていた。</p>
<h2>情報拡散し、不安や危機感が増幅</h2>
<p>流出する預金と増える含み損——。この2つの課題に向き合うべく、SVBは保有する210億ドル相当の証券の売却と、22億5000万ドルの増資を行うことを決定。その翌日の2023年3月9日、SVBの株価は60％も下落し、SVBは一夜にして時価総額を96億ドルも減らした。</p>
<p>これら“事実”は、即時にSNSなどで拡散し、VCやスタートアップ企業の経営者はリアルタイムで情報を知った。同時に、別の情報も駆け巡った。</p>
<p>「ピーター・ティール氏（PayPal共同創業者としても知られる著名投資家）が運営するVCはじめ、有力なVCが投資先スタートアップに『SVBから預金を引き上げるように』と指示を出した」――。</p>
<p>これを知った多くのスタートアップの起業家らは、一斉にSVBから預金を引き出した。ネットバンキングにはアクセスが集中し、システムはダウン。一連の状況は、Twitter（現・X）をはじめとするSNSで爆発的に拡散し、事態をさらに深刻なものへとしていった。</p>
<p>2日間で引き出された預金額は約1420億ドル（約21兆円）。これは同行の預金総額の80%にあたる。結果、3月10日、SVBの資金繰りは行き詰まり、騒動からわずか2日という驚きのスピードで経営破綻に至ったのである。</p>
<p>業績の悪化や株価の低迷などが示すように、この令和の取り付け騒ぎは、豊川信金のように、根も葉もないデマやうわさ話のみによって引き起こされた、とは言えない。しかし、「不安を煽る情報が広がり、危機感が増幅し、事態を悪化させる」というメカニズムは、今も昔も変わりはない。</p>
<p>西海岸の投資家とスタートアップたちの不安や危機感は、SNSによって一気に拡大し、増幅され、わずか数日での経営破綻をもたらしたのだ。不安をあおるメカニズムが効く期間や強さをインターネットやSNSが変えたのだが、伝達の経路が増え、速度が早まった“だけ”とも言える。</p>
<p>ただし、一つ違うことがあるとすれば、現代では、たとえ「（事実無根の）デマや誤情報だとは思っていない」と理解していても、思わぬ騒動に発展することもあるということだ。</p>
<h2>コロナ禍の「トイレットペーパー騒動」</h2>
<p>2020年春、新型コロナウイルスが世界に拡大するなか、日本でトイレットペーパーの品切れ騒動が起きたのは記憶に新しいだろう。</p>



<div id="attachment_6697" style="width: 750px" class="wp-caption aligncenter"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-6697" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/09/literacy7_image04-300x169.jpg" alt="" width="740" height="417" class="wp-image-6697" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/09/literacy7_image04-300x169.jpg 300w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/09/literacy7_image04-1024x576.jpg 1024w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/09/literacy7_image04-768x432.jpg 768w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/09/literacy7_image04.jpg 1480w" sizes="auto, (max-width: 740px) 100vw, 740px" /><p id="caption-attachment-6697" class="wp-caption-text">コロナ禍が始まったばかりの頃、スーパーやドラッグストアなどからトイレットペーパーが消えた<span>（©けんじ屋 / PIXTA）</span></p></div>



<p>新型コロナウイルスの感染が広がりはじめた2020年2月末、香港やシンガポールなどアジア圏の一部でトイレットペーパーが品薄になっているという報道がなされた。その報道を背景に、あるTwitterユーザーが「原材料を中国から輸入できなくなるので、日本でもトイレットペーパーが品薄になる」といった内容を投稿した。</p>
<p>この投稿には即座に「デマである」といった否定的な反応が集まったほか、製紙業界団体などが否定する声明を発表した。しかしSNSやマスメディアには「トイレットペーパーが品薄になるというデマがあった」と論じる内容があふれかえり、結果として多くの人がトイレットペーパーを買いに走った。</p>
<p>その後1カ月ほどの間、全国的にトイレットペーパーの品薄や品切れが続いたことは多くの読者もご存じだろう。読者の中にはこれが「デマを信じた結果」の騒動だと思う方もいるかもしれないが、そうではない。</p>
<div class="chart_title">新型コロナウイルスに関する誤情報の受容度</div>



<div id="attachment_6727" style="width: 360px" class="wp-caption alignleft"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-6727" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/09/literacy7_graph-2-184x300.png" alt="" width="350" height="570" class="wp-image-6727" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/09/literacy7_graph-2-184x300.png 184w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/09/literacy7_graph-2-629x1024.png 629w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/09/literacy7_graph-2.png 700w" sizes="auto, (max-width: 350px) 100vw, 350px" /><p id="caption-attachment-6727" class="wp-caption-text"><span>注：出所は総務省の「新型コロナウイルス感染症に関する情報流通調査　報告書」。項目をアンケート結果より抜粋</span></p></div>



<p>総務省が2020年6月に公開した「<a href="https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban18_01000082.html" target="_blank" rel="noopener">新型コロナウイルス感染症に関する情報流通調査　報告書</a>」のアンケート結果によると、騒動の際、「トイレットペーパーが不足する」というデマ情報を信じたのは、回答のわずか6.2％だったのだ。</p>
<p>筆者は正直、この結果に驚いた。人々の6％しか信じていなかったのに、トイレットペーパーはリアルになくなっていたからだ。では、なぜ……。</p>
<p>東京大学 大学院工学系研究科システム創成学専攻・鳥海不二夫教授らがまとめた<a href="https://www.t.u-tokyo.ac.jp/press/pr2022-04-28-003" target="_blank" rel="noopener">論文</a>に、その答えがある。</p>
<h2>デマを信じない人々がデマを現実に</h2>
<p>鳥海教授らの論文によると、当時のTwitter上では、デマを信じた「リツイート」はほとんどなかったという。一方で、「デマが誤っている」という指摘は何度もあり、総リツイート数では数十万件にも上った。さらにマスメディアもデマを否定した上で、「誤った情報が拡散されている」と取り上げたことで、「デマである」ということは大々的に伝わった。</p>
<p>だが皮肉にもデマの存在が広く知られるようになった結果、「他人がデマを信じてトイレットペーパーが売り切れるかもしれない」と予想した人々が、デマを否定しながらトイレットペーパーを購入していたことがわかったのだ。</p>
<p>SNSはその拡散力ばかりが危険視されがちだ。デマが拡散しやすい装置であることは間違いない。しかし、たとえデマだと分かっていても、人々が動いてしまうということが、アンケートや研究から明らかになったというわけだ。</p>
<p>トイレットペーパーが品薄になった理由は、「デマを信じず、それを訂正した情報を知った人々が動いた結果」なのだ。</p>



<div id="attachment_6698" style="width: 750px" class="wp-caption aligncenter"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-6698" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/09/literacy7_image03-300x169.jpg" alt="" width="740" height="417" class="wp-image-6698" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/09/literacy7_image03-300x169.jpg 300w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/09/literacy7_image03-1024x576.jpg 1024w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/09/literacy7_image03-768x432.jpg 768w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/09/literacy7_image03.jpg 1480w" sizes="auto, (max-width: 740px) 100vw, 740px" /><p id="caption-attachment-6698" class="wp-caption-text">デマであることを認識したうえで、トイレットペーパーを買いに走った結果……<span>（©<a href="https://jp.123rf.com/profile_chivasimo" rel="noopener" target="_blank">chivasimo</a>）</span></p></div>



<p>言い換えれば、デマであるという誤りを訂正した「真実の情報」をいち早く手にしたメディアリテラシー・情報リテラシーの高い人々が行動を起こしたということ。実際に、筆者は当時、まず、「楽天市場」や「Amazon.co.jp」といった大手ECモールやECサイトからトイレットペーパーが消えていったのを目の当たりにした。</p>
<p>それと間髪を入れずして、ECモールでは見たこともないような店名のショップが高額でトイレットペーパーを販売。さらには「メルカリ」のような個人間取引のサービスも含めて、トイレットペーパーが高値で取引されていたのを確認している。のちにメルカリなどは高額販売に対する制限を行ったが、それでも定価の在庫が戻るまでには時間を要した。</p>
<p>もちろん都内に住む筆者と、別の地域では状況は違うだろうが、スーパーやコンビニエンスストアからトイレットペーパーが消えたのは、ネット上でそうした異常な事態となってから、多少の時間差があったと記憶している。どういうことなのか。</p>
<p>「原材料を中国から輸入できなくなるので、日本でもトイレットペーパーが品薄になる」という情報はデマであると理解している。しかし、いずれそれを真実と思い込んだ人々によってトイレットペーパーは買い占められてしまうだろうと考えた、リテラシーの高い人々がインターネットで購買行動をした。結果、本当に品薄となった。</p>
<p>つまり、リテラシーの高い人々の行動によって、「デマが引き起こすであろう最悪の結果が、現実のものとなった」ということだ。</p>
<h2>変質する“不安拡大”のメカニズム</h2>
<p>この騒動を理解したうえで、SVBの取り付け騒ぎの話に戻る。</p>
<p>繰り返しになるが、SVBの事例は、デマ騒動とは言えない。「破綻する」という話自体は事実無根のデマが起点ではないからだ。</p>
<p>しかし、リテラシーの高い人々が「本当に破綻するかもしれない」と先を予測して行動に移した結果、憂慮されていたことが現実になったという点では、トイレットペーパー騒動と似ていると言えなくもない。</p>
<p>トイレットペーパー騒動と同様に、SNSに流れてきた情報を知ったリテラシーの高い人たちが、「『SVBが破綻する』と思う人々が預金の引き出しに走るかもしれない」と考えて動いたことが、破綻を招いたのかも知れない。</p>
<p>少なくとも、SNSをつぶさにウォッチし、それらの情報を冷静に分析するという、ある意味、高いメディアリテラシーが行動の背景にあるとは言える。</p>



<div id="attachment_6704" style="width: 750px" class="wp-caption aligncenter"><img loading="lazy" decoding="async" aria-describedby="caption-attachment-6704" src="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/09/literacy7_image02-300x169.jpg" alt="" width="740" height="417" class="wp-image-6704" srcset="https://think-miyakonojo.jp/images/2023/09/literacy7_image02-300x169.jpg 300w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/09/literacy7_image02-1024x576.jpg 1024w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/09/literacy7_image02-768x432.jpg 768w, https://think-miyakonojo.jp/images/2023/09/literacy7_image02.jpg 1480w" sizes="auto, (max-width: 740px) 100vw, 740px" /><p id="caption-attachment-6704" class="wp-caption-text">SNS時代では、メディア／情報リテラシーの高い人々がデマや誤情報を正しくないと認識したうえで、行動に移してしまうこともある</p></div>



<p>付け加えるなら、インターネットの利便性を享受する情報リテラシーの高さが火に油を注いだ。ネットバンキングであれば、クリックひとつ、わずか数十秒のうちに預金を移動できる。「念のために預金を引き出しておこう」と思えば、リテラシーの高いSVBの預金者は簡単に行動できたわけだ。</p>
<p>まとめると、トイレットペーパー騒動とSVB騒動、2つの事例から、以下の新たなメカニズムが見えてくる。</p>
<p>たとえ、その話がデマだとわかっていても、確実性がないと思っていても、情報拡散によって引き起こされる現象を予測して自衛する。結果として、デマや不安をあおる声に加担し、それが引き起こすであろう最悪の結末を、現実のものにしてしまう――。</p>
<p>これは、リテラシーの高さが生んだ弊害と言えよう。極論を言えば、結果として加担した人たちにとって、SNSで広がった内容が真実かどうかは興味がない。興味があるのは、拡散が引き起こす結果だ。デマ騒動や“不安拡大”のメカニズムは、このように変質しているのだ。</p>
<p>デマを信じなくても人々が動いてしまうという、この新たな課題は、単純に真実かどうかを見抜くリテラシーの問題として片付けることはできない。</p>
<h2>個人のリテラシー任せでは解決できない</h2>
<p>読者にこれから求められることは、これまで言われていたような、メディアやITについてのリテラシー向上だけではない。もちろんそれは最低限備えるべきものではあるが、それだけでは足りない。</p>
<p>なぜなら、繰り返しになるが、令和の取り付け騒ぎとトイレットペーパー騒動は、人々に高いリテラシーがあるがゆえに引き起こされた側面があるからだ。</p>
<p>デマや不安の拡大が引き起こす結果と同じ結果をもたらすが、プロセスが違う。誤情報を鵜呑みにするのではなく、情報を正しく捉え、冷静に分析する。理解できているからこそたちが悪いとも言える。もはや「メディアリテラシーや情報リテラシーを身につけよう」だけでは解決できないのだ。</p>
<p>もちろん、それらのリテラシー自体を否定しているわけではない。だがもう、個人のリテラシー向上だけでは足りない時代に入っている。政府や自治体などの「パブリックセクター」なり、個人以上のレイヤーでこのSNS時代の騒動に対して本気で向き合い、考えなければいけない時期に差し掛かっていると筆者は考える。では、どうすべきなのだろうか。</p>
<p>誤解のないように言うと、筆者には、インターネットの世界で新たな規制や法律を作る「大きな政府」を求めるべきではない、という持論がある。だからここで、規制の必要性を提案したいわけではない。だが、なんらかの呼びかけや枠組みがなければ、今後も新たなメカニズムによる騒動が続くのではないか、という思いもある。</p>
<p>じつに名状しがたいのだが、少なくとも、パブリックセクターはこの問題に対して警鐘を鳴らすべきだろう。</p>
<p>普段、「メディア」の中にいる人間は、あまり「メディアリテラシー」について考えないものだ。情報提供をする側にとって、自らが抱える読者のリテラシーに合わせて記事を提供することはしても、読者のメディアリテラシーに関する問題点や課題に向き合うことは少ない。</p>
<p>その意味では今回の寄稿にあたって新しい角度での考察ができたことは、筆者にとっても非常に良い機会となった。そしてまた同時に、リテラシーの先にある課題を認知するという、大きな難問を抱えることになったと言っても過言ではない。</p>
<p style="text-align: right;">（<a href="https://think-miyakonojo.jp/article/8245/">次回</a>に続く）</p>
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    <div class="cardlink_content">
        <span class="cardlink_timestamp">2023.12.27</span>
        <div class="cardlink_title">
            複雑化する「ステマ」広告 <span>ステマ規制開始でも安心できない消費者</span>
        </div>
        <div class="cardlink_excerpt"><span>2023年10月、法改正でステルスマーケティングの規制が始まった。芸能人からメディアまで、倫理観を揺るがすステマの裏側を探る。規制で罰則あれども、消費者が決して安心できない理由とは。...</span></div>
    </div>
    <div class="cardlink_footer"></div>
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